• 天誓

【天誓】英霊と茨と雷と

マスター:朝臣あむ

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
  • relation
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
3~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/10/24 12:00
完成日
2017/11/07 00:00

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

●金獅子の英雄
 金の髪に獅子の仮面。
 鍛え抜かれた身は鋼の如く逞しく、吠える姿は百獣の王に匹敵する。
 帝国領のいずれかの地に伝わるこの英雄は、人間離れした肢体を揺らして野を駆け巡ったと言う。
 倒すべきは民を脅かす存在。
 守るべきは戦う力を持たぬ弱者。
 故に彼は歪虚を狩る。ただ只管に、ただ求められるが侭に――。

●英霊と茨と雷と
 帝国領内のとある場所で、紫電の刀鬼(kz0136)は必死の様子で大地を駆け抜けていた。
「BOSSが、英霊を喰らうため……But……ミーは、もう……挫けそうデース……!」
 足を止めることなく呟き続ける刀鬼の目的は、暴食王ハヴァマールと不破の剣豪ナイトハルトが帝国領入りを果たしたのと同じだ。
 当初はナイトハルトと共に行動するつもりでいたのだが、別々に探した方が効率が良いと言うことで別行動を取った。
 だが今、彼は猛烈にその事を後悔している!
『ゥオオオオオッッ!!!!』
 突如として後方から響き渡るのは、獣の様なおじさんの様な、とにかく雄々しい叫び声だ。
 振り返れば獅子の頭をした人型の何かが追い掛けてきているではないか。
 とにかく逃げなければ捕まってしまう。いや、本当なら飛んで逃げれば良いだけなのに、刀鬼の頭からはすっかりその考えが抜け落ちていた。
「英霊がこんなに動けるなんて聞いてないデース! てーか、何で追い掛けてくるデスかー!!」
 モーヤダー! そんな声を上げる彼を追い掛けるのは英霊と呼ばれる存在だ。
 本来であれば刀鬼が回収すべき存在なのだが、残念なことに逃げる事に集中していて行動に移せていない。
 それでも何とか形成を取り戻そうと背中の刀に手を伸ばした時、彼の口から舌打ちが漏れた。
「まさか、こんな所まで来たデスか……」
 トンッと地面を蹴って舞い上がった刀鬼に英霊の雄叫びが上がる。
 だが刀鬼は対面に現れた者たちをじっと見続けた。
「久方ぶりですけれど、相変わらずの阿呆ぶりですわね……飛べるのに走り続ける阿呆。滑稽ですわね!」
 人を小馬鹿にした態度と高笑い。どうやっても間違うはずがない。
 帝国第十師団師団長ゼナイド(kz0052)。そして彼女に雇われたハンター達だ。
「忘れてただけデース! それより、ゼナちゃんはナニしにきたデスか!!」
 高笑いを続けるゼナイドに頬を膨らませながら叫ぶ刀鬼に「そうでした」と零して、ゼナイドはようやく英霊に目を向けた。
「これが絶火の騎士ですの? なんだかわたくしには違うように見えますけど……」
 確かに目の前の英霊は強いだろう。だが本当に絶火の騎士であるかはわからない。
 それでもヴィルヘルミナ・ウランゲル(kz0021)の願いは精霊を保護すること。であるならゼナイドが取るべき行動はただ1つ。
「金獅子の英雄――貴方を迎えに参りましたわ。わたくしたちと共に安全な場所へと参りませんか?」
 手を差し伸べ、共に来ないかと語り掛ける。
 その声に金獅子の目が細められた。
『……グゥゥ……去レ……』
「去れ……とは、想像通りの反応ですけれど……どうしたら共に来てくださいますの?」
『……我……歪虚、狩ル……敵……ゥゥ……殲滅ゥ……』
 成程、合点いった。
 この英霊が刀鬼を追い掛けていたのは彼が歪虚だからだ。そしてゼナイドたちに襲い掛からないのは彼女達が人間だから。
「つまり、あの歪虚を倒したらわたくしたちの仲間になってくださるということかしら?」
 英霊は力を示さなければ仲間にはなってくれない。
 本来であるなら闘い、英霊を負かし、力を示す事で彼らは仲間になってくれる。こんな例は他にはないのかもしれない。
 それでもこの英霊は刀鬼に反応している。彼がいる限り、この英霊とまともに交渉する事は出来ないだろう。
「わかりましたわ」
 ゼナイドはそう言うと、上空に浮かんだままの刀鬼を見上げた。
「貴方はその様な場所で傍観しているだけですの? 貴方にも譲れないものがあるのではないかしら? それとも、わたくしたちと英霊を同時に相手にするのは流石の貴方も無理かしら?」
 口中に笑みを含み、誘うように目を細めたゼナイドに刀鬼の息が静まる。
 そして考えること僅か。彼の手が纏っていた数珠を解き放った。
 宙に放たれたのは5つの珠。そこに黒いタイツを放つと、珠は見る間に人型を取って地上に降り立った。
「稲妻戦隊ライジンジャーッ! アーンド、ミーも一緒に参戦するデース!!」
 自ら稲妻を落としてエフェクトをかけた刀鬼も地面に降り立つ。
 こうして不思議なポーズを取れると、ゼナイドの口から呆れたような息が漏れた。
「相変わらず胡散臭いですわね……」
「シャラーップ!! ミーは臭くないデスッ!!!」
 指を突きつけて叫ぶ刀鬼にゼナイドは肩を竦め、金獅子は地上に降りた刀鬼を狩る気で駆け出した。
 背負っていた大剣を抜き取り一気に斬り込む。
 その動きに刀鬼が反応するよりも早く、雷神社が間合いに入った。
『!?』
 予想以上に速い動きだった。
 金獅子が野生の勘を働かせて飛び退く。だがそこに別の雷神社が踏み込むと、巨大なハンマーが行く手を阻んだ。

 ドゴォォオオッ!

 地響きを上げながら割り込んだのはゼナイドだ。
 彼女は雷神社を蹴り飛ばすと、金獅子の前に立ってハンマーを構え直した。
「わたくしは勿論ですけれど、他の者も強いですわよ。さあ、ハンター達に改めて依頼しますわ。英霊を仲間にする為に闘いなさい!」

リプレイ本文

 昔、辺境部族を護る為に海を渡って来た男がいた。
 彼は東方の『兜』と呼ばれる面をかぶり、力ない者たちに闘う知恵と勇気を与えた。
 彼に助けられた者たちは纏う『兜』を獅子の頭に見立て――金獅子――と呼び、彼の功績を語り続けてきたと言う。

「――成程。ではあの英霊は東方の者という訳か……気骨のある武人であれば是非とも仲間にしたい。如何様にすれば良いだろうか」とは南護 炎(ka6651)の台詞である。
 現在、英霊は紫電の刀鬼を倒すために雷神社の元を抜けようとしている。その証拠に、背負っていた巨大な剣を抜いて一打、また一打と叩き込み続けている。
 炎は華麗なステップを決めながら雷神社を見ると、己が剣を彼らに向け精神を集中させた。
 元々歴史ある道場に生まれた炎は、幼い頃より稽古に明け暮れてきた。強さを求め、家族を、大切な人を護る為に切磋琢磨して来た彼にとって、此度顔を合わせた英霊は如何にも他人には思えないのだろう。
「仲間にしたいのは同感だね。見たところ今は一種のトランス状態にあるのだろうから、共闘し終えた所で説得に入るのが一番かな」
「私もその方向で問題ないです。下手に戦闘を止めて敵と判断されては敵わないですから」
 神代 誠一(ka2086)の声を拾って応えたアデリシア=R=エルミナゥ(ka0746)は、雷神社と刀鬼、そして英霊の立ち位置を確認する。
 現在はハンターを囲もうとする雷神社と、それをけん制するように動くハンター。そしてそれらを悠々と見つめる刀鬼。と言った立ち位置になっている。
「あれが英霊……それに十三魔ですか」
 後れを取るわけにはいきませんね。そう零すセレスティア(ka2691)は件の英霊を見やる。
 英霊アレクサンダーが情報を与えた英霊『金獅子』が東邦出身で、この地域に根付いた英霊だと言うことは分かった。そして彼が一種のトランス状態であり、下手に刺激すると襲い掛かってくるであろうことは彼女にもわかっている。
 幸いな事に、今の段階で英霊の邪魔をする者はいない。そこから判断できるのは、皆が英雄の邪魔をしないと決めた――と言うことだろう。
「であるなら、まずは雷神社と名乗る歪虚を倒さないといけませんね」
 スゥッと流れる動作で剣を抜き取る。そうして切っ先を雷神社らに向けると、セレスティアは誠一の立ち位置を確かめて一歩を踏み出した。

 その頃、刀鬼対応へと動くべく雷神社の目を掻い潜ろうとしていたキヅカ・リク(ka0038)は、歪虚討伐を掲げて闇雲に先行する英霊を見て声を上げた。
「おばさん。英霊を仲間に入れる秘策とかないの?」
 おばさん――そう声を掛けた相手はゼナイドだ。
 彼女は仮面の向こうにある目を細めると、何も聞かなかったという態度を取ってハンマーを振り下ろした。
 吹き飛ぶ土を煙幕に変えて敵の目を掻い潜ろうと動く彼女にリクも同調するが、訊ねた質問への答えが返ってこないのは不満だ。
 リクはアサルトライフル「スターナーAAC」を構えると照準を彼女が狙う雷神社に向けた。そして引き金を引きながら今一度問い掛ける。
「おばさん聞いてる? 敵が来た以上は急いで作戦をまとめる必要があるのはおばさんもわかってるよね? だったら質問に答えて欲しいんだけど……あ、もしかして年の所為で耳が遠くなってる?」
 いや、本当に何気ない一言だった。だがそれがゼナイドの逆鱗に触れた。

 ドゴォォオオッ!

 明らかに雷神社とは別方向に振り下ろされたハンマーにリクが飛び退く。
 思わぬ行動に心臓の鼓動を速めながら、彼は若干引き攣った表情でゼナイドを見た。
「何してんだ、アイツら……」
 そう零すのは別の雷神社を視界に捉える文月 弥勒(ka0300)だ。
 彼は自らの身長よりも遥かに長い槍を構えて現在の状況を随時確認している。
「仲間割れって事ではないだろうが……いや、仲間割れで気にするとしたら俺がやべぇ」
 右を見ても左を見ても仮面を被ったような出で立ちの者ばかり。
 見知った顔も今作戦に参加しているが、それでも仮面を被る自分が敵と認識されないとは言い切れない。
 弥勒は地面を蹴り上げると、直線の障害となっている雷神社に突っ込んだ。彼らは全身タイツで顔面を覆っている。そこから見える赤い核が弱点であることは間違いないだろう。であるならば、
「仲間扱いされて俺まで攻撃されるのは御免なんでな……そのまま倒れろ!」
 狙うは先にゼナイドが蹴り飛ばした相手だ。
 敵の態勢は既に整っているが弥勒の動きも早い。彼は雷神社の間合いに飛び込むと、核目掛けて槍を突き入れた。
「――チッ」
 仮面の下から舌打ちが漏れる。それと同時に雷神社のタイツが割けるが、彼はぴピンピンした様子でバク転を繰り返すと再び弥勒の間合いから離れた。
「成程。見た目ほど弱くもねえか」
 今の動きで僅かにだが敵の配置が換わった。
 弥勒の前にいた1体が誠一とセレスティア寄りに移動して、現在は3人で2体を同時に相手取る位置へ。
 絶賛仲間割れ中のリクとゼナイド、そして英霊の前に1体。炎の前にも1体存在する。
 そして残る1体はヒース・R・ウォーカー(ka0145)とリュー・グランフェスト(ka2419)の前で彼らの動きを止めるよう動いていた。
「キヅカ……は、良いとして、あっちは動かさねえとか」
 ぽつり。零す視線の先に在るのはヒースとリューの2人が対峙する雷神社だ。
「ん? よく見りゃ、アイツ温泉のときの……」
 古い記憶が頭を過った。
 弥勒は以前、星の傷跡で刀鬼と剣豪ナイトハルトと温泉争奪バトルを繰り広げている。
 あの時は話の分かる歪虚として頭にインプットしていたが、果たして今回はどうだろうか。
「状況はだいぶ違うしな」
 確かにあの時とは状況が違う。故に、その時の記憶を頼りにしていても役には立たないだろう。
 そして当時、弥勒と共に温泉争奪バトルに参加していたヒースとリューもまた、弥勒同様に目の前の歪虚を動かさないとダメだと判断している。
「ここを抜けないと闘えない、か」
 リューとヒースの目的は刀鬼だ。実はリクも対刀鬼対応で動く予定なのだが、まあ仕方がない。
「睨み合いも飽きて来た。行こうか?」
 ヒースの声に頷き、同時に動き出す。
 二手に分かれるように駆け出した彼らは、雷神社の左右をそれぞれ抜けように走り出すと一気に加速した。そこに眩いばかりの光が届く。
「誠一!」
 光は雷神社の雷撃だ。
 何かしらの攻撃を仕掛けてくるのは織り込み済み。
 声を上げたリューに合わせて誠一が飛び込んでくると、彼は走り込んで来た勢いのままに足を振り上げ、敵の頭部を蹴り払った。
「これで、こちらの大勢は整いましたね。回復は必要ですか?」
 眩む目を抑えるように視線を逸らした誠一の前に立ったアデリシアは、そう言葉を発するとゆったり微笑んで杖を構えた。


 誠一の助けを得て雷神社を抜けたリューとヒースは、今までの流れを悠々と眺めていた刀鬼を捉えた。
「久しぶりじゃねえか、刀鬼! ここで引導渡してやるぜっ!」
 走り込む勢いのままに大振りの刀を振り上げる。と、それを身軽に回避して刀鬼の体が宙へ浮いた。
「まさか逃げるのか?! あんたの目的の英霊は回収できてないだろ!」
 叫ぶリューに首を傾げる刀鬼。
 それを見てヒースの目が微かに細められる。
「まさか自分の目的を忘れたのか?」
「Oh……」
 指摘されてポンッと手を打った。
「ソウでした。ミーは英霊を回収にきたデス。すっかりFastな目的に気をとられてスルーしてたデース」
「Fastな目的?」
 何だそれ。そう言葉を零したのは、ゼナイドから解放されたリクだ。
「what? ゼナちゃんをふり切ったデスか?」
「……ルミナちゃんの夢を叶えるために必要な英霊の力。って言ったら解放してくれたよ」
 基本皇帝陛下命のゼナイドだ。ヴィルヘルミナの為と言えばどんな状況下にあろうと協力はしてくれるだろう。
 それを理解しているからだろう。刀鬼は「あー」と言う納得の声を上げると、成程と言った面持ちで手にしていた機械刀を持ち替えた。
「で、Fastな目的って?」
 御伽噺の騎士の名を冠する聖盾剣を構えたリクを見ながら、刀鬼があからさまに声を拗ねらせて呟く。
「ミーの英霊がいると思ったデース」
「は?」
「ココの英霊がミーな可能性もあると思ったデース。But……ミーは『あんな』ではないデスッ!!」
 バッと指差した先に居たのは、雷神社に刃を向き続ける英霊だ。
 誰かしら耳にした事はあるかもしれないが、刀鬼は元々リアルブルーの出身だ。そして彼が初めに降り立ったのは東方。
 それ以降、東方の戦士として闘い、辺境部族の戦いにも参加している。だからもしかしたら自分のその時の戦いが噂になって英雄視された結果、英霊になっているかもしれない――そんなアホな事を考えていたのだ。
「相変わらず斜め上を行ってて調子が狂うがこっちの目的は変わらないぜ! 俺はお前らを倒して英雄になる!!」
 武器を構えたまま叫んだリューに刀鬼の頭が揺れた。
 そうして再び彼の足が地面に着くと、刀鬼の耳に静かな声が響いた。。
「なあ、刀鬼」
 声に目を向けると、ヒースが静かな瞳が見えた。
「ボクらの迎える結末は、同じなのかなぁ。お前はどう思う、刀鬼」
 英霊となってなお歪虚を狩る為に戦う金獅子。歪虚になっても戦い続ける刀鬼。異世界に流れても戦い続ける自分。
 誰もがずっと戦い続けている。
 それは、誰かに戦う事を求められているから? 自分で戦う事を選んだから?
「少なくとも、ミーとユーは違いマ~ス♪ ユーはまだ正常デス。ユーはまだ『ヒト』デスよ?」
 それだけ言うと刀鬼は改めて、と言った様子で雷のエフェクトを機械刀に纏わせた。
 これにヒースもまた武器を構え直す。
 刀鬼はまだ『ヒト』だと言った。その言葉の意味はきっと多くあるだろう。それでもわかる事がある。
「ヒース・R・ウォーカー。この刃に我が命を懸けて、お前に挑む」
「――Ready Go!」


 無数に響く足音の中、誠一は同じ速度で動く雷神社を見据え攻撃の時を待っていた。
 雷神社は見た目のふざけた出で立ちに見合わず、素早い動きが特徴の相手だ。その為、僅かでも気を抜けば先制を許し兼ねない状況に陥ってしまう。
(リクやリュー君は大丈夫だ。俺は俺の働きをする……!)
 雷神社へ向かう友の背中へ投げた「持ちこらえろよ」と言う言葉。その言葉に片手を上げたリクの背を思い出し、誠一は先手を取るべく地面を蹴った。
 目指すは同速度に動く敵。そしてその周囲に展開する他の雷神社だ。
「纏めて動きを止める。ダメだった時は……頼んだよ!」
 既に前衛に飛び出したアデリシアと後方支援のために戦況を見つめ続けるセレスティア。その双方に声を掛けて投擲武器『法術棒手裏剣「射光」』を構え――放った。
 周囲への注意を込めて放った声にアデリシアは即反応した。そしてセレスティアもまた彼に合わせて詠唱を開始する。
 彼が放ったのは制圧射撃だ。
 他者を巻き込み兼ねない攻撃ではあるが、素早い動きの敵をまとめて足止めできる可能性がある技でもある。
「よし、止まった」
 手応えを感じた誠一が目の前で足を止めた雷神社に踏み込む。が、敵3体の内2体が動いているのが見えた。
「セレスティアさん!」
「はい!」
 アデリシアとセレスティアは即座に反応して呼吸を合わせる。そして同時に息を吸い込むと、敵の動きを阻害する曲を歌い始めた。
 彼女達が歌うのは魂を鎮め、負なるものの動きを阻害する歌――レクイエムだ。
 美しい2つの歌声は同じ音色を奏でながら違う言の葉を刻み始める。それもその筈、アデリシアが歌うのはレクイエムをアレンジしたオリジナルの楽曲『ヴァルハラへの誘い』だ。
 より力強く、より高潔に。戦神教の教えである『死者の安らぎの地』の詩を歌い上げる彼女にセレスティアの声も清らかに、高く響く。
「――良い合唱だ」
 弥勒は響く音色に仮面の下の口角を上げると、一気に誠一の前へ飛び出した。
 武器である槍にはソウルエッジを効かせ、眼前の敵が持つ赤い核へと狙いを定める。そして一気に突き入れた。

 バリィィインッ!

 ガラスが砕けるような硬質な音が響き、今まで人型を模っていた黒タイツが崩れ落ちる。
「まずは1体。さてお次は?」
 弥勒と誠一、セレスティアとアデリシアの前には残り2体の敵が健在だ。今は動きを阻害する歌のおかげで動きを止めているがそれだってそう長くはもたない。その証拠に、誠一の傍にいた1体が動きを再開させた。
「刀鬼も胡散臭いが貴様らも充分胡散臭いな」
 何年越しになるのだろう。刀鬼との小競り合いも長くなったものだ。
 そう胸中に思い出し、アデリシアが技を繰り出す。
「貴様にとっては残念だろうが、仲間の元へは行かせん」
 元々自らが盾となり、囮となって戦うつもりだった。それ故に敵の前へ出る事に何の躊躇いもない。
 アデリシアは瞬発的に飛び出した1体の前に立つと冷静な動きで光の壁を展開した。
 目の前で燐光を残して消えてゆく壁。それを見詰めながら彼女は更に敵の注意を惹き付けるべく白銀の鞭を振るう。そしてその動きに合わせるようにセレスティアが攻撃に転じた。
 先程まで奏でていた歌を止め、彼女と同じ敵を狙う弥勒と息を合わせる。
「そのまま足止めを頼むぜ」
 すれ違いざまに弥勒が放つ声に「勿論」と口角を上げたアデリシア。彼女の目の前で突き入れられる槍が、雷神社のタイツを切り裂くと、間髪入れずに光を纏う刃が突き入れられた。
 硬く、鈍い音が響き、雷神社の体がよろける。が、致命傷に放っていない。
「っ、足りない……!」
 クルリと向いた顔が自分を狙っている、とセレスティアに焦りを生ませた。
 結果、彼女の足がもつれて、後方への回避が遅れる。
「させるか!」
 パリィンッ。鋭い音を響かせ、アデリシアの防護壁が崩れる。そして敵の持つ刀の切っ先が彼女の肩を突いた。
「――」
「文月さん」「任せろ」
 誠一と弥勒が雷神社の行く手を遮って飛び込んで来た。
 誠一が見舞ったのは肉体を強化させ、素早さを増した連撃。そして弥勒が放ったのはマテリアルを纏わせた槍で放つ刺突一閃だ。
 双方の攻撃は同じタイミングで雷神社の核を突いた。
 崩れ落ちるタイツと武器。それらを見止めながら、彼らは次の敵へ照準を合わせる。
 目の前の敵は残り1体。これを倒し、もう1人の雷神社と対峙する仲間と合流したら最終目標へと向かう。それが彼らの作戦だ。

 そして完全にまでとはいかないものの、分断されてしまい孤立状態となってしまった炎は、素早い雷神社の動きに追い付くべく必死に策を巡らせていた。
「焦るな。焦れば勝てるものも勝てなくなる……」
 本来であれば仲間と共闘する為に急いで合流するべきだろう。
 だが何と小賢しい事か。
 雷神社はそんな炎の思考を読んでいるのか、彼の進行方向を塞ぐように動き続けている。このままでは無駄に体力を消耗して仲間に迷惑をかける事にも繋がりかねない。
 ならば彼が取るべきは1体でも多くの敵を倒す――これに限るだろう。
「俺は南護炎、歪虚を断つ剣だ!」
 自らを奮い立たせる様に叫んで飛び出す。
 精神を研ぎ澄まし、聴覚を研ぎ澄まし、視覚を研ぎ澄ます。
 全ての感覚を目の前の敵にのみ集中させて飛び出した彼は、同じように飛び出してきた敵と正面から向き合う作戦に出た。
 敵は既に2回ほど瞬発脚力と思われる行動を取った。その回数が無制限である可能性も否定できないが、今は無制限でない事を願って刃を引き抜いた。
 超接近する敵に一刀を投げて間髪入れずに体を捻ってもう一刀見舞う。
 流れる動きは綺麗な軌跡を描き、鼻先まで迫った雷神社の首を討った。
「やったか!」
 否、まだだ。
 首を討たれてよろけた雷神社は首をおかしな方向に曲げて手を前に突き伸ばした。
(これは雷撃……!)
 回数は多くないが他の雷神社が放つところも、この雷神社が放つところも見ていた。
 彼らは雷撃を放つときに必ず手を前に伸ばすのだ。そして印でも刻むかのような間を置いて眩いばかりの光を放つ。
「しまっ――」
 連撃の影響で足がもつれて直ぐには動けない炎にとって、ここに来ての雷撃は拙い。
 咄嗟に目を逸らし、衝撃にだけ備えるように体を固める。だが、彼の目が閉じ切る前に予想外の援軍がきた。
 大地を捲り上げる衝撃が、雷撃を放つ直前の雷神社を吹き飛ばしたのだ。しかもその衝撃で核が弾け、赤い破片が空中から降り注いでくるではないか。
「少し手元が狂いましたわね……あら、いらっしゃいましたの? 一緒に吹き飛ばされなくて良かったですわね」
「帝国第十師団師団長……」
 驚く炎に、ゼナイドはしれっとした様子で微笑むと、自らが引っ張って来たらしい雷神社に向き直った。
「さ、呆けていないでコレを倒しなさい。これは貴方がたの義務ですわよ」
 貴方がたの義務。その言葉に疑問を感じなくもないが、確かに今回の依頼は自身が請け負った物。
 それを為すと決めたからには貫ききるのが武人としての定めだ。
「……試されているとしても、やるしかないのは確か。俺は俺の敵を討つ」
 きっとゼナイドが本気になれば雷神社など倒すに容易い存在なのだろう。それでも戦いをハンターに任せるというのならそれは彼女にも何か考えがある事だと判断できる。
 だとするなら、今やるべきは雷神社を倒し、刀鬼と対峙する仲間と合流する事だけ。
 炎は新たに剣を構え直すと、ゼナイドが対峙する新たなる雷神社へと足を踏み出した。


 相変わらず刀鬼の動きは速かった。
 不可解な瞬間移動は勿論のこと、元々の移動速度も速いの彼の特徴だ。
「案の定通じないか……でも、自分を信じるのがボクのやり方だぁ」
 身を低くして出来るだけ空気の抵抗を排除して飛び出すヒースに刀鬼が合わせて動き出す。
 その後方に同じく走り出した英霊が見えるがそれに関しては問題ないと双方が判断している。
 英霊は刀鬼への単純な攻撃を繰り返すのみで、回避自体は簡単にできる。そしてヒースや他のハンターも彼の単純な攻撃のパターンと言うものを掴み始めていた。
「ミーは相変わらずStraightデスね~♪ But、そのままでは届きませんヨ?」
「そんなのは百も承知だ」
 アクセルオーバーで加速したヒースが英霊の攻撃の合間を縫って刀鬼に接近する。そうここまでは既に何度か試しているので問題ない。問題なのはこの先だ――
「今まではここから攻撃に転じたら失敗した。なら、これならどうかなぁ?」
 あらぬ方向へ飛ばした手裏剣が地面へ突き刺さる。それに違和感を覚えた刀鬼だが、その違和感の謎は直ぐに解明された。
 投擲する前に手裏剣に紐づけた自らのマテリアル。それを起点として自らを引き寄せさせたうえで加速したヒースに刀鬼の口から口笛が漏れる。
「Wow! ニンジャみたいデス! ユーはニンジャだったデスか!?」
「教えない」
 淡と応えて刀鬼の眼前に迫る。
 間近に迫ったフルフェイスは綺麗に磨かれているのか覗き込むヒースの顔が見える程に綺麗だった。彼はその事に一度瞬くと、水の精霊が加護を授けた刃を抜き取る。
「!」
 ヒュッと刃が風を裂き、目の前から刀鬼の姿が遠ざかると彼の目の前に機械刀が突きつけられた。
「考え方はGoodデス。But、『ヒト』であるユーがミーに追い付くには正攻法では無理デス。デハ、正攻法ではない方法とは何デスかね?」
 今の捻りを効かせた動きも彼にとっては『正攻法』と言うのだろうか。もしそうだとするなら、彼の言う正攻法とは『ヒト』が選ばない方法、と言う事になる。
「……それをおまえが決めるべきじゃぁない」
 静かに告げるヒースに刀鬼は緩く首を傾げる。
「ボクは……いや、ボクらはおまえを倒すために戦う。そう。戦い始めたきっかけも、今も戦い続ける理由も分からない。それでも、今ここで刃を振るうのはボク自身の意志だ。刀鬼、ボクの刃にお前はどう応える?」
「どう応える? What? それはミーの台詞デース!」
 バーン☆ と言う軽口の後に次いだ稲妻音。その音に血色の翼を携えたヒースが飛び退く。
 勿論普通に避けたのでは間に合わない。
 身体を完全に外へ飛ばすようにして踏み出し、先程放った手裏剣を回収しながら地面に転がる。それでようやく回避した攻撃は、ヒースが立っていた場所を黒く焦がした。
 僅かに立ち上る黒い煙はその場に生えていた草のもの。それを目で確認して顔を上げると、ヒースはいつの間にか刀鬼の後方に立って口角を上げている存在を捉えた。
「なあ刀鬼。野球しようぜ」
 声を掛けたのはリクだ。
 彼は聖盾剣を振り被り、自らにソウルトーチをかけて刀鬼を振り返らせた。
「あ、でも。お前ボールな?」
 What? そんな声が聞こえそうな中、フルフェイスと視線が合ったリクは、ニィッと笑って十字架の形をした武器を振り下ろした。

 カッキーン!

 気持ちの良い金属音と共に飛んだ刀鬼のヘルメット、フルフェイス。
 綺麗な弧線を描いて宙を舞うそれに刀鬼の体が飛び上がった。
「Oh No----!! ミーの宝物がァアアアアアッ!!!!」
 凄まじい叫び声を上げて着地した彼は、ヘルメットを追う様に姿を消した。
 それは一瞬の出来事だったが、何が起きたのかは彼と対峙したことのある者は直ぐに理解した。
「『瞬間移動』……いや、ここで使うものじゃないだろ……」とはヒース談だ。
 彼は刀鬼が消えた直後に響いた稲妻の音に注目した。しかも消える直前、彼は瞬間的に地面に足を着いた。
 しかも足を着いた地点からヘルメットまでの直線である場所の大地が捲れ、草が燃え、今はくっきりとした痕跡が残っている。
 その様子は落雷のあった大地そのもの。
「あいつ本当に雷だったんだな」
「感心してる場合じゃないぜ! 今がチャンスだ!」
 しみじみと呟くリクに突っ込みながらリューは刀鬼に狙いを定めて踏み込んだ。
 携えた武器『大輪一文字』が彼のマテリアルの反応して淡く金色に光り出す。
 大抵の生き物と言うのは着地を果たした瞬間に隙を生むことが多い。勿論例外もあるが、刀鬼がどのパターンに該当するかは試してみなければわからないのだ。
 リューは姿を現した刀鬼に一気に迫ると、渾身の力を振り絞って刃を振り下ろした。
 刃が生み出す衝撃が波動となって刀鬼に迫る。そしてヘルメットを持ち上げた彼の背に触れるかと言う所で、彼らは目の前で弾ける攻撃を見た。
「なん、だ?」
「攻撃が止まったように見えた……あれは刀鬼の技なのか?」
 次々と湧き上がる疑問。
 とにかくわかっているのは刀鬼が何かをしたと言う事。それが何なのかはわからないが、彼にはまだまだ隠している事がある。
「ん~ん~……ヘルメットを傷つけられるのはこれで2回……いや、3回目デスかね?」
 定かではない記憶を辿る様に体をくねらす頭部には何もない。これはハンターズソサエティに保存された過去のデータと相違なく、彼はそのこと自体は秘密ではないという様に堂々とした様子でハンターを振り返った。
「今回のはミーのmissデスが、ユーたちは確実に強くなってマス……折角、ミーの宝物を傷つけたんデス。ユーたちにご褒美をあげまショー」
 ご褒美? そんな雰囲気が漂う中、後方から駆け寄る足音が響いた。
「リク、待たせたな!」
 どうやら他の面々は雷神社を無事に倒せたらしい。つまりこれで刀鬼対8人のハンター。しかもこちらには第十師団師団長と英霊もいる。
 負ける道理はないと見て良いだろう。
「この局面で俺たちを全て倒そうってのはさしもの刀鬼でも厳しいだろうな。ならあいつの動きは想像できる」
 そう。普通の相手ならここで皆を相手取ろうとはしないだろう。
 けれど相手は十三魔の内の1人。しかも今まで散々捉えどころのない行動を続けて来た紫電の刀鬼だ。
 彼がそうした普通の流れに乗る筈もない。
「そこの勇気あるBoyに免じて、ミーの秘密を見せるデ~ス♪」
 ふふんっとリクを一瞥して、彼は着物の中にヘルメットをしまった。そして代わりに古い刀の柄を取り出すと、得意げにそれをハンター達に掲げて見せた。
「これはミーの宝物の1つ――核です」
「あ?!」
 ザワリと空気が揺れる。
 リクの予想では刀鬼はデュラハン型で核があると踏んでいた。だからこうした事態も想定内ではあるが、見せ方があまりもお粗末な上に雑ではないだろうか。
「はは、これが噂の十三魔……確かに一筋縄ではいかなそうだ」
「それだけの問題ではないと思います。なんと言うか、何処までが本気なのかわからない分、怖いな。と」
 誠一の声に言葉を添えたセレスティアは注意深く刀鬼が持つ柄を見る。
 本当にあれが核だというのなら、あれを壊せば刀鬼の討伐は完了するだろう。けれどここで核を見せると言う行動が破壊が容易ではないと言っているように見えてならない。
「本当に胡散臭いな。だがアレが紫電の刀鬼ですよ。そして刀鬼がああした行動を取る時は必ず何かがあります」
 気を付けて下さい。そう言い添えてアデリシアは杖を構えた。
 ここからは皆の盾になり、皆の回復役を務める。刀鬼が何を仕掛けてきても、皆で生還できることが何よりの目的だ。そして守るべきはハンターだけではない。
「ここからは英霊も気にしなければならないな。彼の邪魔をせず、彼を護る。その上で歪虚を断つ」
「容易じゃねえ目標だがやるしかねえ」
 にしても。と炎に言葉を返した弥勒は面白そうに刀鬼を見る。
 温泉バトルの時と言い今回と言い、やはり人間味を感じる歪虚だと思う。しかも彼が持つ柄には若干褪せているが人間が使用したと思われる紋のような物が刻まれているではないか。
「おもしれえ」
 クッと笑って目を細める。
 そうして彼も戦闘態勢を整えると、核を手にした刀鬼との戦闘が開始された。


 あの核を見せた事に何の意味があるのか。それがわからない以上、慎重になるのは当然の事だった。
「セティ、援護頼めるか?」
 刀鬼を囲むようにして動き始めるハンターの中で、リューはセレスティアにそう声をかけると、アデリシアと同じく敵の正面に位置取った。
 アデリシアの目的は敵の注目を集めて皆を護ること。その方針は雷神社と対峙していた時から変わらない。そしてリューは皆と連携して刀鬼を倒す事を目的としている。
 セレスティアは仲間の位置、刀鬼の動き、そして英霊の動きに目を置きながら詠唱を開始。武器を構えたまま光の波動を放つと仲間の援護をするべくレクイエムを歌い始めた。
「ここで仕留める! 刀鬼!!」
 敵の弱点たる核がわかればそこを攻撃すれば良い話。
 リューはセレスティアの放った光の波動に添って駆け出すと、攻撃回避を行う瞬間を狙って踏み込んだ。しかし――
「んん~、残念デース」
 ブッブー。と声を上げて柄を振り下ろした刀鬼。そんな彼の目の前に現れたのは大地から突き出す氷の柱だ。
 柱は見た目からもわかるように防御の役割を持っており、セレスティアの光の波動を受け止めると、僅かに効力を減らしてリューに飛び掛かった。
「リューくん!」
 咄嗟に歌を止めて飛び出したセレスティアを制してアデリシアが間に入る。
 彼女は光の防護壁をリューに展開して攻撃を受け止めると、同じ技を今まさに刀鬼へ斬り掛かろうとしている炎にも掛けた。
 刀鬼の悠々とした様子、今の技、今ある情報を顧みてもまだ何かあると考えた方が良い。
「援護に感謝。そして死にフラグは折るためにある!」
 精神統一を行って踏み込んだ一撃。これはもう一撃を隠した連撃の一端であり、彼は第一打を踏み込んだ時から二打目を打ち込む準備をしていた。しかしこれも刀鬼の柄によって遮られてしまう。
「なっ」
 次に出現したのは岩のような突起物、簡単に言うなら鍾乳石が地面から突きあがってきた感じだろうか。その突起物が炎の攻撃を遮り、しかも二打目まで生き残って攻撃を拡散させた。
 魔法攻撃に次いで物理攻撃までも彼の核である柄からの技に遮られた。
「これが刀鬼の隠し玉かぁ」
 連続で見せられた防御系スキルに一度踏み込んだヒースやリク、誠一らも飛び退く。だが弥勒だけは刀鬼に向かって槍を打ち込んだ。
 渾身の力を振り絞って突き入れた槍が刀鬼の着物を裂く。が、次の瞬間には彼の体は雷のような衝撃によって吹き飛ばされていた。
「んん~♪ 予想外の攻撃デ~ス♪」
「へっ……俺は未来の救世主となる男だ、覚えとけ」
 地面に転がりながら発せられた言葉に鼻で笑うような声を零し、刀鬼は稲妻を響かせて姿を消した。
 これにリクが叫ぶ。
「誠一、そこから退くんだ!」
 声に誠一が大袈裟すぎるほどの動作で飛び退くと、その直後には彼の立っていた位置に黒い焦げ跡と線が引かれ、刀鬼はハンターの包囲の外に立っていた。
「金獅子の英雄がミーでなかったのは残念デスが……手に入れるべきデスかね?」
「させると思いますか?」
 誠一は回避した動きのままに、手にしていた鞭を飛ばして刀鬼の腕を取ろうと試みる。しかし鞭が届く前に、刀鬼は空中に飛び上がって彼らの前から姿を消した。
「……なんなんだいったい」
 そう零したのは、リク1人だけでは無かっただろう。


 刀鬼が去った後、ハンター達は暴れたりなかった金獅子と戦闘になった。
 しかしその動きは熱心なハンター達の説得によって遮られた。
 此度の英霊を説得したのはハンターの熱意。これに尽きるのではないだろうか。

依頼結果

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MVP一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸ka0038
  • 戦神の加護
    アデリシア・R・時音ka0746

重体一覧

参加者一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • 真水の蝙蝠
    ヒース・R・ウォーカー(ka0145
    人間(蒼)|23才|男性|疾影士
  • 壁掛けの狐面
    文月 弥勒(ka0300
    人間(蒼)|16才|男性|闘狩人
  • 戦神の加護
    アデリシア・R・時音(ka0746
    人間(紅)|26才|女性|聖導士
  • その力は未来ある誰かの為
    神代 誠一(ka2086
    人間(蒼)|32才|男性|疾影士
  • 巡るスズラン
    リュー・グランフェスト(ka2419
    人間(紅)|18才|男性|闘狩人
  • 淡光の戦乙女
    セレスティア(ka2691
    人間(紅)|19才|女性|聖導士
  • 覚悟の漢
    南護 炎(ka6651
    人間(蒼)|18才|男性|舞刀士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 教えてゼナイドさん
鬼塚 陸(ka0038
人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト)
最終発言
2017/10/21 20:25:33
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/10/21 17:38:11
アイコン 作戦相談所
ヒース・R・ウォーカー(ka0145
人間(リアルブルー)|23才|男性|疾影士(ストライダー)
最終発言
2017/10/23 00:53:33