ゲスト
(ka0000)
はんたあ倶楽部~おとなハロウィン
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- オプション
-
- 参加費
500
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 1~25人
- サポート
- 0~0人
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/10/25 12:00
- 完成日
- 2017/11/10 00:33
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「は~」
ハンターオフィスに、誰かさんの深いため息。
「はぁ~……」
もちろん、人の出入りが激しい場所です。ため息をつく人もいるでしょう。
「はふぅ~」
「……初華さん、喧嘩売ってるんですか?」
とはいえ、書類作成して働いている眼鏡の受付嬢ちゃんの前でこれ見よがしにため息なんかついてたら当然怒られるわけで。それにしてもいまいちぱっとしないサボり気味ハンターの南那初華(kz0135)さん、一体どうしたんでしょうね?
「やる気になった時に限って、入りたい依頼がないのよね~」
「ここは基本、誰かの困りごとが集まってるんですから入りたい依頼がないのは平和な証拠ではありますが……どういった依頼に入りたいんです?」
業務上、相談に乗る眼鏡受付嬢ちゃん。いつもは新人依頼のバックアップを初華に押し付けていることもあるので大人しく話を聞いてあげるようです。
初華さん、嬉しそうに顔を上げましたよ。
「ハロウィンの仮装依頼♪」
「……じゃ、この激しい戦闘が予想される難しい依頼にハロウィンの仮装をして戦いに行く、ということでいいですね?」
「ああん、ちょっと待ってちょっと待ってー」
書類に書き込みをしようとする受付嬢ちゃんの手をがしっとつかんで止める初華さんです。少し涙目なのは、激しい戦闘が予想される難しい依頼なんかに入ったことはないからだったり。
「まあ、この季節待っていればそういう依頼もあるかもですが必ず出るとは言えませんよ? それより、何かやりたい仮装でもあるんですか?」
これを聞いた初華、すぐににこー、と表情を緩めます。
「うん。これ♪」
早速、背負っていたバックパックを開き吸血鬼の顔を出してバックパックに吸血鬼の黒いマントをかぶせ改めて背負うのです。吸血鬼の顔は、初華の肩の位置でだらんとだらしなく寝ています。
ついでに、いつも下ろしている長い髪をポニーテールにまとめるのです。白い首筋が露わになりましたね。服装はいつものようにメイド服です。
「それで?」
受付嬢ちゃん、ジト目。
「ええっとね。これをこうして……あっ、いやん♪」
初華さん、こっそり手元に伸びているポンプを握ります。
すると送られた空気で吸血鬼の顔がしゃきん、と起きて少し顔をそらした初華さんの首元にぴたっとくっつきます。まあ、吸血しているようにも見えなくもありません。吸血鬼の顔も、起きたことで目の部分がだらしない表情から二枚目の瞳に切り替わってます。
「かぷーっ、て噛みつくの。面白いでしょ? 名付けて『吸血されメイド』の仮装~♪」
どうやら吸血鬼に襲われるメイドの仮装のようです。
「かぷー……あ、いやん♪ かぷー、いやんって、連続もできるのよ?」
「……それで、その芸でお菓子をもらいたいんですか?」
「ほへ? お菓子は好きだけど別にもらいたいとかじゃ……」
「ハロウィンの前にトリックオアトリートして、子供たちのもらう分のお菓子を先に独り占め、とかではなく?」
「私、おとなだもん。子どもたちの邪魔はしないよぅ」
「それじゃ代わりにこれを配ってください。『受け取ってくれなきゃいたずらしちゃうぞ』でいいでしょう」
受付嬢ちゃん、てきぱきと書類の束を出して初華さんに預けるのです。
「なにこれ。『歪虚だな ピピンとくれば ハンターへ』?」
「ハンターオフィス広報のためのチラシです。そういえば初華さんたち、『はんたあ倶楽部』って自主活動をしてましたよね? そこでこのチラシを配ってくれるならオフィスとして少しですがお金が出せます。仮装行列をして『もらってくれなきゃいたずらしちゃうぞ』と配れば受領率も高まり大変効果的でしょう。その後にオフィスの調理場を使ってパーティーをするのも許可しますから、どうです?」
「うんっ。それなら私も仮装ができて満足~♪」
というわけで、ハンター同士で交流推進などする自主活動組織「はんたあ倶楽部」のイベントになりました。
参加してリゼリオの街を仮装行列して練り歩きハンターオフィスのアピールをして、その後オフィスでパンプキンケーキとか作ってハロウィンパーティーを楽しんでもらえる人、求ム。
ハンターオフィスに、誰かさんの深いため息。
「はぁ~……」
もちろん、人の出入りが激しい場所です。ため息をつく人もいるでしょう。
「はふぅ~」
「……初華さん、喧嘩売ってるんですか?」
とはいえ、書類作成して働いている眼鏡の受付嬢ちゃんの前でこれ見よがしにため息なんかついてたら当然怒られるわけで。それにしてもいまいちぱっとしないサボり気味ハンターの南那初華(kz0135)さん、一体どうしたんでしょうね?
「やる気になった時に限って、入りたい依頼がないのよね~」
「ここは基本、誰かの困りごとが集まってるんですから入りたい依頼がないのは平和な証拠ではありますが……どういった依頼に入りたいんです?」
業務上、相談に乗る眼鏡受付嬢ちゃん。いつもは新人依頼のバックアップを初華に押し付けていることもあるので大人しく話を聞いてあげるようです。
初華さん、嬉しそうに顔を上げましたよ。
「ハロウィンの仮装依頼♪」
「……じゃ、この激しい戦闘が予想される難しい依頼にハロウィンの仮装をして戦いに行く、ということでいいですね?」
「ああん、ちょっと待ってちょっと待ってー」
書類に書き込みをしようとする受付嬢ちゃんの手をがしっとつかんで止める初華さんです。少し涙目なのは、激しい戦闘が予想される難しい依頼なんかに入ったことはないからだったり。
「まあ、この季節待っていればそういう依頼もあるかもですが必ず出るとは言えませんよ? それより、何かやりたい仮装でもあるんですか?」
これを聞いた初華、すぐににこー、と表情を緩めます。
「うん。これ♪」
早速、背負っていたバックパックを開き吸血鬼の顔を出してバックパックに吸血鬼の黒いマントをかぶせ改めて背負うのです。吸血鬼の顔は、初華の肩の位置でだらんとだらしなく寝ています。
ついでに、いつも下ろしている長い髪をポニーテールにまとめるのです。白い首筋が露わになりましたね。服装はいつものようにメイド服です。
「それで?」
受付嬢ちゃん、ジト目。
「ええっとね。これをこうして……あっ、いやん♪」
初華さん、こっそり手元に伸びているポンプを握ります。
すると送られた空気で吸血鬼の顔がしゃきん、と起きて少し顔をそらした初華さんの首元にぴたっとくっつきます。まあ、吸血しているようにも見えなくもありません。吸血鬼の顔も、起きたことで目の部分がだらしない表情から二枚目の瞳に切り替わってます。
「かぷーっ、て噛みつくの。面白いでしょ? 名付けて『吸血されメイド』の仮装~♪」
どうやら吸血鬼に襲われるメイドの仮装のようです。
「かぷー……あ、いやん♪ かぷー、いやんって、連続もできるのよ?」
「……それで、その芸でお菓子をもらいたいんですか?」
「ほへ? お菓子は好きだけど別にもらいたいとかじゃ……」
「ハロウィンの前にトリックオアトリートして、子供たちのもらう分のお菓子を先に独り占め、とかではなく?」
「私、おとなだもん。子どもたちの邪魔はしないよぅ」
「それじゃ代わりにこれを配ってください。『受け取ってくれなきゃいたずらしちゃうぞ』でいいでしょう」
受付嬢ちゃん、てきぱきと書類の束を出して初華さんに預けるのです。
「なにこれ。『歪虚だな ピピンとくれば ハンターへ』?」
「ハンターオフィス広報のためのチラシです。そういえば初華さんたち、『はんたあ倶楽部』って自主活動をしてましたよね? そこでこのチラシを配ってくれるならオフィスとして少しですがお金が出せます。仮装行列をして『もらってくれなきゃいたずらしちゃうぞ』と配れば受領率も高まり大変効果的でしょう。その後にオフィスの調理場を使ってパーティーをするのも許可しますから、どうです?」
「うんっ。それなら私も仮装ができて満足~♪」
というわけで、ハンター同士で交流推進などする自主活動組織「はんたあ倶楽部」のイベントになりました。
参加してリゼリオの街を仮装行列して練り歩きハンターオフィスのアピールをして、その後オフィスでパンプキンケーキとか作ってハロウィンパーティーを楽しんでもらえる人、求ム。
リプレイ本文
●
「アレだろ? わざわざ目の前に来たくせにビラ要りませんって言ってきた奴にイタズラすればいいんだろ?」
ハンターオフィスで、ミリア・ラスティソード(ka1287)さんが気軽に言うのです。
「そうですねー。楽しい悪戯だと楽しいですよねー」
葛音 水月(ka1895)さんもそう言ってミリアさんに頷きます。
「えーと……。できるだけビラ配ってくれた方がいいんだけど」
南那初華(kz0135)さんがツッコミを入れてミリアさんと水月さんにチラシを渡しますが、もしかしたら事情を知らない人は別のところに突っ込むかもしれません。
そこへ、フラ・キャンディ(kz0121)さんが通り掛かりました。
「うわあ、今日はどうしたの?」
「はんたあ倶楽部さんがハロウィンの仮装行列をするんですよ。フラさんもどうです?」
フラさんが受付嬢さんに聞くと、そんな返答。
そう。
ミリアさんはいつもの赤い装いに、猫耳カチューシャと肉玉グローブを付けて仮装しています。
そのミリアさん。
「大丈夫だって」
「ミリアはどういう悪戯をするんですかー?」
初華さんに自信ありげに言ってビラの束を受け取ったところ水月さんが聞いてきたのでテープを張って……。
「受け取ってくれないとイタズラするにゃーん」
「こ、これが悪戯ですかー?」
ワンピース水着にシャツを着ている水月さん、ミリアさんに抱き着かれました。背中にビラを張りましたね。確かにイタズラです。
「それならいいけど……その仮装は?」
「イタズラ猫」
「僕はポップめなピエロ」
初華さんの問いにイタズラそうに答えるミリアさんと、道化師の化粧をした水月さんがにっこり答えるのです。
「楽しそうだね」
これを少し離れたところで見たフラさん、ちょんと背中を誰かにつつかれました。
「にゃおー」
振り返ると弓月・小太(ka4679)さんがいました。
格好は白い着物に猫耳カチューシャ、猫尻尾を付けていますね。
「え? ……わ、何!?」
「化け猫ですよぉ。でも、フラさんの方が似合ったでしょうかぁ」
驚いているフラさんに満足する小太さん。じーっとフラさんの瞳を覗いています。これに赤くなってどぎまぎするフラさん。もう通常の思考ができません。
「フラさんも参加します?」
受付嬢さんが聞くと、こくんと言葉なく頷きます。小太さんはぱあっと笑顔。
「じゃ、更衣室にいきましょぉ」
フラさんをお持ち帰り……ではなく連れて行くのです。
その時も初華さんの周りでは。
「はいはーい! やるやる、宣伝にもなるもんね♪」
「ヤバいですぅ、これ悪戯し放題ってことですぅ? きゃー、頑張っちゃいますよぅ」
ウーナ(ka1439)さんと星野 ハナ(ka5852)さんが新たに参加表明。早速更衣室に移動です。
更衣室から出てきた人もいます。
「よう、初華」
「あははっ。Jさん声くぐもってる~」
軽く手を挙げやって来たのはトリプルJ(ka6653)さん。挙げた手には肉球ぷにぷにハンドで、狼の耳と尻尾。顔には狼の口をつけているからそうなっているようですね。
「ワーウルフなんだからこのくらいはしなくちゃな」
Jさん、鼻高々。実際、狼の鼻なので突き出てます。
そこに新たな人物が。
「ベリモルさんと一緒に参加ですよぅ」
「いつもはお菓子貰う側だったけど、渡す側ににゃるのにゃ!」
氷雨 柊(ka6302)さんとハヒヤ・ベリモル(ka6620)さんです。
「……食べちゃダメよ?」
「食べるか!」
初華さんがJさんにそう言ったのは、柊さんの仮装が赤ずきんちゃんだったから。柊さん、小さなかごをちょこんと手にする姿が可憐ですね。
「狼さんはこちらにもいますから」
「でも無暗に食べにゃいにゃす!」
柊さんに紹介されたハヒヤさんは、狼の仮装です。
「語尾が『にゃ』なんだが……」
「それは仕方ないですねー。ベリモルさんですからー」
汗たら~なJさんににっこり答える柊さん。
「狼の格好は尻尾が面白いのにゃー」
当のハヒヤさんたら初華さんの方にお尻を向けてフリフリして気にもしてないようですね。
なお、この時更衣室。
「こんなものかしら?」
「これで行きましょう」
アルラウネ(ka4841)さんがバンドゥビキニ姿に着替え、八劒 颯(ka1804)さんがワンピース水着っぽい衣装になっています。
「あれ?」
「どしたの、フラっち?」
汗たら~するフラさんに、肌色率の高いキーリ(ka4642)さんが近寄ります。
「こんなもんかしらね~」
近くではメルクーア(ka4005)さんが薄手のワンピース水着というかレオタードみたいなものを着込んでいます。
「ええと……みんな温泉にでも入るの?」
「……フラっちも温泉入りたそーねー」
首をひねるフラさんの持っている白い浴衣風衣装を見て、冷ややかに言うキーリさんです。
「ボクは違うけどほら、みんな水着じゃない? キーリさんも」
「私は違うわよ」
そんな騒ぎはよそに着替えは続きます。
「タイツは網ですのね」
「たまには仮装というのも、中々乙なものですね」
舞桜守 巴(ka0036)さんがすらっと足を伸ばして網タイツをはいたり、マントを羽織ったアデリシア=R=エルミナゥ(ka0746)さんが鏡の前でくいくいっと三角帽子を整えていたり。
「これで完成よ」
「できましたですの」
アルラウネさんは黄緑色の水着に葉っぱをたくさんつけ、颯さんはうさ耳カチューシャを付け仮装完了。
「できたわよ~」
メルクーアさんもマントに包まって完成。
皆で早速更衣室を出るのです。
「わあっ。みんな素敵だね」
外では時音 ざくろ(ka1250)さんが待っていました。
「じゃーん♪ 今回は軽く合わせてみました。ふふ、どうです?」
巴さん、早速ざくろさんの肩に手を置きしなだれます。
「うん。ざくろはかっこいい!吸血鬼」
「そんなざくろに合わせてクイーンヴァンパイア♪ ふふ、どうです?」
ウインクする巴さんの衣裳はおへそが出たりとか露出度高めです。
「大人の……というのが少々気にならないこともないですが……」
巴の格好にこほんと咳払いしたアデリシアさんは三角帽子にマント・ワンピース風ローブの魔女ルックです。
「可愛いけど……そういえばアデリシアは聖職者?」
びくっとする吸血鬼のざくろさん。
「まあ細かいことは気にせずにいきましょう」
慈悲深いアデリシアさんでした。
「颯はバニーちゃんですの……可愛くないけど」
そっと横に来る颯さんがぽそり。
途端に\ハヤテカワイイ!/とか、\カワイクナイヨー!/とかきゃいきゃい。颯さん、うさ耳カチューシャつけて丸い尻尾のついたお尻をもじもじしてます。
「……ちょっと」
そこへ恨めしそうな声が。
周りを見回す四人ですが、声の主には気付きません。ただ、緑色をした……。
「言っとくけど私、観葉植物じゃないわよ」
アルラウネさん、覚醒して肌が緑色でビキニも緑で造花の葉っぱつけてるから気付かれなくても仕方ないですよね。
「も、もちろんだよ、アルラウネ」
ざくろさん、最初から気付いていたと慰めまたわっと盛り上がるのです。
一方、小太さん。
「フラさん、似合ってますよぉ。……キーリさんは普段着のままですかぁ?」
フラさんの格好に赤くなってますが、最後の一言が余計でした。
「……ミイラ女よ。それを普段着って、どういうこと?」
「ふわっ?! あ、熱いですよぅ!」
怒ったキーリさんが小太さんの後頭部にぼっとリトルファイヤ。熱くなるわけはないですが小太さんはびっくり。でも、普段に近いんだから誤解されても仕方ないですよぅ。
なお、これを見ていた初華さん。
「ええと……ガクさんもミイラ?」
「俺の仮装は……ええと、脱走したクランケですよ。フフフ」
お久しぶりですねぇ、と近くに来ていたGacrux(ka2726)さんも包帯ぐるぐる状態。確かに患者の服も着ていますね。
「……まさかまた重体になってるとか?」
「さあ? あ!」
追及する初華から目をそらしたGacruxさん、新たにやって来た鞍馬 真(ka5819)さんに気付きます。
「ラビット鞍馬……やはり、似合いますねえ」
「それなら良かったかな」
ぴょん、と近寄った真さん。ウサギの耳を付けて白いケープひらひら。白い尻尾もつけています。
「なんか真さん、妙に可愛いんだけど」
「初華も可愛いですよ。じゃ、三人で記念撮影でも」
「まあGacrux君となら」
Gacruxさん、スマホを取り出すと初華さんを間に挟んで真さんとはい、チーズ♪
でもって、真さんの赤い蝶ネクタイに見惚れていた初華さんがおもむろに近くにいるJさんに視線を移すのです。
「可愛いからって、食べちゃダメよ?」
「食べるか!」
Jさん、またそのネタかよと初華さんにガオー。
その横に新たな人物が。
「むふー」
ディーナ・フェルミ(ka5843)さんです。何か得意げですね。
「魔女の使い魔なの、むふー」
着ぐるみ猫コス包帯付き姿で、包帯を指差してます。
「10月31日は子どもの頃はルター飴やルタークッキーの日でしたから理解度は低いので教えていただければ」
ドイツ系東洋かぶれのハンス・ラインフェルト(ka6750)さんは、血塗れ落ち武者です。
「何か病院繋がりで人が集まっておるようじゃの。私は関係ないが」
東洋武者の次は西洋騎士のお出まし。南瓜頭で蝙蝠な剣とマント鎧騎士ががしゃがしゃやって来まして、上げた顔はレーヴェ・W・マルバス(ka0276)さん。
「和風のあたしが参上」
天竜寺 舞(ka0377)さんは白い着物に皿を持って、番町皿屋敷はお菊さんの仮装のようで。
「実はうちの町内会、10月末は秋祭りで神社のお祭りがあるんです。その日だけは小学生が塾関係なく10時まで外で遊んで……」
おっと。
今度はとんがり帽子をかぶった魔法少女系カボチャパンツ魔女、穂積 智里(ka6819)さんの登場です。ハンスさんの要望にこたえているようですが……。
「家を回ってお菓子もらって、やってることはハロウィンぽいですけど別物で。だから私も詳しくないんです……」
「そうですか」
ハンスさん、まあいいか、な感じで頭ぽりぽり。
その横に、ぬっそりと大きな姿。
「ようやく着れたニャス」
ぶくぶく膨らんだ着ぐるみタイプのマシュマロマンの顔を取ると、ミア(ka7035)さんでした。
「着ぐるむだけが仮装ではなーい!」
したっ、とキレある姿で登場はルベーノ・バルバライン(ka6752)さん。変なポーズ付きです。褌で全身灰色に塗ったくっただけのリビングスタチューのようですが、いつものルベーノさんそのままとも言います。
もちろん、静かにやって来る人も。
「いい子にしてろよ?」
海賊船長系衣装に狼耳、狼手グローブ、狼尻尾のカイン・シュミート(ka6967)さんは足元に優しく声を掛けます。そこには虎猫のシィレーンと柴犬のフルールが。ともに海賊チョッキなどで軽く仮装し、海賊の子分という感じで別の意味でにぎやかだったり。
「肌色部分多めな自作のエロエロ系魔女コスですよぅ~」
「チャイナ服で歪虚っぽい悪堕ち風ヒロインにチェーンジ!」
ハナさんとウーナさんも戻ってきました。
で、今まさに通り掛かったイ寺鑑(kz0175)さんに気付くのです。
「あ、センセ発見! 悪戯したい? されたいー?」
「ウーナ。何やってんだ?」
ウーナさん、早速身を寄せると濃いめの口紅付けた口先で誘惑の吐息を吹き掛け長いまつ毛を淡く煙らせながら挑発してますね?
「イ寺さん発見なの……今日は美味しい物配らないの?」
ディーナさんもやって来て鑑さんの周りを楽しそうにぐるぐるー。構いまくられなのです。
「ほらほら、誘惑しちゃうよ?」
「こら、化粧筆をこっちに向けるな! 分かった分かった、ゆーわくされるから!」
というわけで、鑑さんも眼帯付けて悪落ち独眼竜で参加なのです。
「ちょっと。ここでたむろされると業務に支障が……」
「そ、それじゃ出発するね」
受付嬢ちゃんに注意され、慌てて先導する初華さんなのでした。
●
というわけで、大通りに出ました。
「わー、ピエロさん~」
水月さん、早速道行く女の子から羨望の眼差しを受けましたね。
「これ受け取ってくれない? あら、ありがとう」
わーい、とチラシを受け取る女の子ですが……。
「君はどう? あ、いらない? それじゃこれだけでも」
次の男の子が水月さんからキャンディをもらったではありませんか。
女の子、少し寂しそうにしてましたが……。
「わ、イチゴ味なのにレモン~? すっぱ~い」
涙目の男の子なのです。この隙に水月さん、先の女の子に気付きました。
「ごめんね。こっちをあげる」
女の子がもらったキャンディはイチゴ色で、イチゴ味の甘いもの。素直ににっこりなのです。
似たようなことをしているのは、血塗れ落武者のハンスさん。
「甘い物くれなきゃ酸っぱい物あげましょう」
「ハンスさん、意味不明ですよ?」
鑑さん、ジト目。
「独逸の悪い事が起きるぞの言い回しですが、何か?」
ハンスさんは血塗れのまま恨めしそうに。結構怖いです。
「あ、チラシ受け取らないね! 覚悟ー!」
二挺拳銃のウーナさん、横から受け取らない人にパーンします。
「わーっ、ウーナ。撃つなーっ!」
って、もう遅いですよ、鑑さん。でもウーナさんはおもちゃのスーパー光線銃にもう一挺はペイント弾。食らったのは助平親父で、チャイナ服のスリットから伸びる生足に見惚れていたのでまあ問題ないようです。
「ほら、悪いことが起きたでしょう? 皆さんもぜひこれで血塗れに」
ハンスさん、ケチャップ小袋とチラシを配って仮装を道行く人に勧めます。面白そう、と受け取る人もいます。
「はい、南瓜パンツに触っちゃダメですよ。これを持ってください」
そんな横で、魔女っ娘南瓜パンツの智里さんが子供にチラシ配り。キャンディーをホチキスでつけてるので受領率は高めです。
で、ハンスさんに気付くのです。
「ハンスさんのミニケチャップもホッチキスでチラシに留めた方が配りやすそうです…やりましょうか?」
ほっこりする二人のやり取りの横では!
「チラシ貰ってくれないと、かわりにお菓子食べちゃうの」
「ディ、ディーナ?」
鑑さんの左隣を可愛らしく歩いていた魔女の使い魔ディーナさんが本領を大発揮!
提げた籠からチラシとお菓子を配っていましたが、いらないと言われたら自分が食べているではありませんか。
それだけではありません。
じーっ、と智里さんからお菓子をもらった子供たちも見ているのです。
「だ、誰かこの子のチラシをもらってあげてーっ」
子供の保護者も協力してくれましたとさ。
「イタズラするにゃー」
こちら、イタズラ猫のミリアさんは抱き返されたちびっ子を抱っこして一回転。抱き着いて背中に張ったチラシが舞ってますね。着地して肉球ナデナデ。
ところが!
「……もしかして並んで待ってるにゃ?」
なんだかおっさんが目をキラキラさせて並んでいたのです。
いい歳して、とも思いますが、背中に張って抱っこしてぐるんしてあげるのでした。
こちらではからんからんと木の音が。
「いちま~い、にま~い……一枚たりな……」
お菊さん仮装の舞さんですね。安全第一なので木製の皿を持ってきて落として割る場面をやってますが。
「って落としても割れないなら数ぴったりじゃん!」
一人ボケつっこみかい!
それはそれとしてチラシは配るのですが、あることに気付きます。
「あれ? 何も書いてない」
「舞さん、それ参加者がハンター川柳書く分よ?」
初華に言われてよし、とその気になって一句。
「気をつけて その水溜り 歪虚かも?」
さらさらっと書いて配るのです。
「水たまり?」
「そーいう依頼があったの」
そんな舞さんにおぉ、と感心したGacruxさんも一句。
「歪虚に 付け入る隙を 与えるな」
「おお~」
吸血されメイド仮装の初華さん、拍手の代わりに背負った風船吸血鬼に空気を送り拍手代わりに首筋をかぷっとかませます。
「初華さん、隙あり~」
「ほへ? きゃっ!」
おや、メルクーアさんが突撃してきました。
「チラシを受け取ってくれないと血を吸うぞ~♪」
「ああん。メルクーアさん噛んでる噛んでる。あむあむしちゃいや~っ!」
メルクーアさんたら、吸血鬼の仮装してるからまあ一応間違いじゃないですね。甘噛みですがいやんいやんしてるので足を絡めて身動きできないように。レオタード姿だと動きやすくて便利ですね。
「はふぅ……」
「チラシを受け取ってくれないと血を吸うぞ~♪」
ぐったりダウンした初華さんを残して一般人にチラシを配りします。
ところが。
「吸ってほしいなぁ」
「今みたいにこの娘を吸ってええのんか? ……おわっ」
助平親父がやって来ました。なぜか初華さんも狙われてます。
ただ、こちらはJさんがファントムハンド発動!
「ハンターとはいえ若い女の子相手なんだ、その位にして貰えるか」
Jさん、狼の口を取って胸ぐら掴み凄みます。これで平和的に解決!
で、メルクーアさんの方は。
「心頭滅却すれば火もまた涼し、健全な肉体であればこの程度の寒さなど……ぶわっくしょーい」
すたっとリビングスタチュー仮装したルベーノさんがカットイン。
「いかんな。皮膚呼吸ができないと意外と身体に負担になるようだ」
「いや、チラシいらんからこの娘に吸ってほしいなぁ、と」
「チラシを貰え。貰わないならお前の手を握りつぶすぞ…フン・ハー」
ルベーノさん、つべこべいう助平親父の前でマッスルトーチしつつ右拳を天高く掲げ勝利のポーズ。
ぐしゃっ、と音がしたのはリンゴを握りつぶしたから。すぐに口元に持っていき滴るジュースを飲みます。
「お、お邪魔しました~」
「おお~」
退散する助平親父に拍手する野次馬。
「フッ、自分の強みを見せて相手の信頼を勝ち得ただけだ、ハッハッハ」
高笑いするルベーノさんですが、垂れた果汁で少し仮装の色が流れてますよそのまま放っておくといろいろ危ないですよ!
それはそれとして、海賊船長なカインさんはチラシをしみじみと見てますね。
「『やり甲斐とアットホームに溢れる職場です』……どう考えても……」
ブラック企業のうたい文句だろ、という本音は場所が場所だけにのみ込みました。
「勧誘されてなるじゃなく、希望してなるもんだろ」
「なあに、きっかけは必要じゃ!」
そんなツッコミに、南瓜鎧騎士のレーヴェさんががちゃがちゃと登場!
「チラシはいらんか~」
「うわああっ!」
子どもたちはがちゃがちゃ寄って来る南瓜鎧騎士にびっくりして逃げます。
「何、いらない? ではお主も南瓜頭になるがいい。そして記念撮影じゃ」
「わあっ!」
男の子はレーヴェさんが鍛冶場から出た壊れものを回収して加工した南瓜兜を被ると様子が一変。きききと止まってターン。俺も僕もと寄って来た。
「わあっ。カワイイ猫ちゃん~」
「可愛いワンちゃん~」
カインさんのほうには女性が寄って来てます。
でも、チラシは拒否されますね。
がくっと絶望し膝を付くカインさん。
が、女性が心配したとたん顔を上げます。
「もらってもらうため、いまはこれが精いっぱい」
ぽん、と手品で造花を出しました。これにチラシを添えます。
「ありがとう」
やっともらってもらえました。
こちら、吸血鬼ざくろさん。
「イタズラするにゃー」
「ざくろ、配る方……はわわわ」
イタズラ猫のミリアさんに抱き着かれ背中にチラシ張られて赤くなってたり。
「私は許そう。けどコレが許すかしら!」
観葉植物もといドライアドアルラウネさんはチラシの代わりに体の葉っぱをもらいたがっているスケベ親父に水鉄砲攻撃。
「おお、ええ香りじゃ~」
実は中身は香水という悪戯でしたが、余計に色香に迷う親父。抱き着いてきます。
その時です。
「びりびり電撃ドリル!」
ぱりん、と激しい音が横でしました。バニー颯さんです。
「兎さんといえばジャンプですが……悪くないですの」
兎のようにジャンプしてから正拳突きで地面に設置した板を割ったようです。ドリル関係ないですがおおーと周りで拍手。
これを見た助平親父はアルラウネさんに抱き着いたところで生唾ごくり。
「はい、お疲れ様です」
その顔にパイがべちゃり。
魔女っ娘のアデリシアさんのいたずらです。
「あら、モテモテですわね?」
「おとなの魔女ですから」
巴さんにこたえつつ、スカートのすそチラッ。親父が寄って来て顔面にパイという、なんともヒドイいたずらで。
「別のパイなら天国じゃがこのパイでも……」
それでも寄って来る人が多いのが驚愕です。
「まあ、こちらはこちらで……あら。チラシ、受け取らないの」
吸血姫コス巴さんの方には可憐な女性が。
「あのその……」
「あらあら、わたくしの慈悲を断るなんて…覚悟はできてますよね?」
「ああっ」
チラシを受け取らない女性の首筋にかぷっ。このパフォーマンスに女性が数人集まります。
「あなたも?」
それはいいのですが、あの、巴さん。すでにチラシを省いてますよ!
仮装行列の行進は続きます。
「どうぞ」
兎の真さん、真面目にチラシ配ってます。
「ありがとう」
本当に真面目です。だって、ハンターの仕事ですものね。
中にはもらってくれない人も。
「それなら」
真さん、真面目です。両手のもふもふ手袋で断った人の両頬を、もふっ。
そして気付くのです。
「え? 悪戯の方がいい?」
女性が並んでいます。さっき悪戯しなければ普通にもらってたはずです。
ナンパと話術で魅力を振りまいていたのがあだとなり、たくさんもふもふする羽目に。
その近くでは。
「チラシ貰ってくれなきゃ…イタズラしちゃうぞ☆」
エロ魔女ハナさんが男の子にお菓子とチラシ渡して頭なでなで。カッコいいお兄さんにはそっと手を握りながらおかしとチラシ握らせたり。とっても堪能して幸せそうですね。
「はっ!」
あれ?
ハナさん、なんかしおらしくなって瞳がうるってしましたよ?
「貰ってくれなきゃ…イタズラしちゃうぞ☆」
何と、イケメンさんの前に移動すると寄せた胸の谷間にチラシ差しキャンディー小袋を唇で咥えて潤んだ上目遣いで訴えてるじゃないですか!
「ちょっと、デレっとしないでよ!」
「お前だってあっちの兎に……」
横にいた彼女さん、鬼の形相で彼を連行します。彼は真さんにもふもふされてた彼女に不満ですが分が悪いですね。
「ちっ、もうちょっとだったのに惜しいですぅ!」
ハナさん、本音出てますって。
さて、見物客の中にはそういうのに慣れた人もいます。
「葉っぱのクッキーもあげるわ。はい、ナシムちゃん?」
ミイラ女のキーリさん、チラシをもらってくれた女の子ににっこり。お礼に桜型妖精のナシムさんが大好きなご主人様の焼いたクッキーを手渡します。
「わあっ、ありがとう。妖精さんの葉っぱのクッキー♪」
慣れていた女の子も、ファンタジックな演出に大満足です。
入れ替わりに助平親父がやって来ました。
「チラシどうぞー」
「断ったらイタズラじゃろ?」
妙な方向に慣れた親父のようで、抱き着く気満々です。
「ちょ、違うわよ。チラシを断られたら私がイタズラするの。どんとたっち。どんとたっち」
むふふと迫られたキーリさん、リトルファイヤで応戦応戦。
「おわっ!」
「ふう……これは受け取っときなさい」
退散する親父のポッケに、「ハンターオフィスもよろしく」と書いてある付箋付きのお菓子をねじ込んだり。
「今の見たら頼りになるのが分かるでしょ」
気を取り直してアピールしますが、第二第三の助平親父に狙われているとは知りません。
行列は続きます。
「大人のハロウィン……ですねぇ」
「うん。大人の……」
化け猫な小太さんとフラさんもいますが、少し不安そうです。
周りではハグしたり甘噛みしたり胸の谷間だったりが展開されています。二人で赤面しながら、ぎゅっと手をつなぐ二人です。
そうするとなんだか前向きに頑張る気持ちになれるのです。
「あ……び、ビラを受け取ってくれないと悪戯しちゃう…にゃー」
小太さん、頑張ってお姉さんに手首をくねくねして、にゃー。
「きゃー、可愛い。ビラね、ビラ。丸ごといただくわー」
「ふえ? にゃー」
酔ったお姉さんにハグされる小太さん。フラさんはびっくりして動けません。
「それじゃまたねー」
機嫌よく去っていくお姉さん。解放された小太さんは固まったフラさんを見て慌ててます。
「そのっ! 結構人が多いですぅ。フラさん、あの、大丈夫ですかぁ?」
「むー……」
「あ。こうすればもう流されませんねぇ」
小太さんがフラさんと腕組します。これでフラさんの機嫌も直ったようですね。
そんな近くで。
「とりっくおあとりーとニャス!」
マシュマロマンなミアさん、頑張ってます!
「お菓子くれなきゃいたず……」
小太さんとフラさん、ミアさんの行動に「あれ?」な感じ。
「はっ! 違ったニャス。……ぴらぴら貰ってくれなきゃ、ぎゅーしちゃうニャスよ!」
「ぴらぴらほしー」
奇跡的に目的を思い出したミアさんに女の子が突撃。もふっと抱き着いてきます。
「ありがとニャス。はい、マシュマロあげるニャス」
抱え上げてくるん。で、チラシもらってくれたお礼に渡すと大喜び。
そんな姿を見てミアさんもすっかりご機嫌。
「ニャスニャス~♪」
気分に任せてびよんびよん跳ねたりロボットのような動きで楽しそう。見ている人も楽しそうなのです。
「あ、こちらどうぞー。受け取ってくれないと、隣の狼さんに食べられちゃいますよぅ?」
「受け取るのにゃー! でにゃいと食べちゃうにゃーがおー!」
赤ずきん柊さんと狼ハヒヤさんもにぎやかです。
いま、無事に紳士な人が受け取ってくれました。
「どれどれ? 『はんたあも 遊びが必要 皆遊ぼ』……なかなかいいな」
「ほんとにゃ? 我が考えたにゃ!」
ハヒヤさん、狼尻尾立てて喜んでます。
ただ、この川柳を聞いて子供たちが寄ってきます。
「遊ぼ遊ぼ~トリックオアトリート!」
「にゃぁ? お、お菓子は持ってないですねぇ…?」
柊さん、目を丸くしてます。
「だったら、悪戯~」
「きゃ、だ、ダメですよぅっ、擽りは禁止ですー!」
一方のハヒヤさん。
「悪戯にゃ? ……ほんとにするにゃよ? にゃ、にゃー!」
猫騙しか猫パンチか分からないのを繰り出してましたが、柊さんのピンチを察知します。
「にゃ? ひさめん擽られてるにゃーこれは我も参加しにゃいとだにゃ! まーぜーてーにゃー!」
「ベ、ベリモルさん~あは、あははっ。くすぐったいです~」
……なんかもうヒドイことに。
で、出発地点にもうすぐ到着というところで。
「チラシもらうとお菓子もらえる?」
「させないよ! ふっふっふっ、細かい紙吹雪を取るのに苦労するがいい!」
舞さんたら、明らかにお菓子目当ての大きな子供にばさーっ、と細切れにしたチラシを宙に撒いて悪戯してたり。
こちらでは、Jさん。
「ほーら、いたずらだー」
「ギブギブ~」
Jさん、子供をジャイアントスイングしてます。
「ギブアップならチラシな! ついでに菓子も!」
「私も~」
「女の子はこっちだ」
スカートに配慮しつつ、高い高~い。
最後までテンション高いです。
●
そしてオフィスに帰ってお菓子パーティー。
なのですが、ここで悲報が。
もう、ジスーがない!(またかよ)
「初華、急ぐのじゃ! 南瓜の外側はランタンの材料やシチューの皿にすればよい。中身煮て裏ごしして南瓜クリームにすればクレープに使える」
レーヴェさんがばばーっと南瓜の中身を繰り抜きつつ初華にクレープの準備をさせてます。
「パールオニオンはカクテルに使えるのよね~」
吸血鬼メルクーアさんは初華さんと一緒にいた時に一般客から突き出されたニンニクを活用。早速ジンベースのカクテル「ギブソン」にしているようで。
「さあ、どんともってこい!」
あら。
ルベーノさんはちゃんとシャワーして着替えてます。なんだかんだで紳士ですね。その後の食べっぷりは以下略ですが。
「あの……火花散らしてない?」
「そ、そうか?」
フラさんに愛猫と愛犬を紹介したカインさんですが、まさか背後でどっちが先にカインに抱っこされるかけん制し合っているとは夢にも思わず。
「だ、抱いてみるか? ……くっ」
結局二匹一緒に抱いてフラに抱かそうとしてみたり。……もちろんとっても渡すのに苦労しましたよ。
「あ、はーい。クレープ焼けました~」
「クッキーも焼けたわ」
「シチューもできたぞ」
初華さん、キーリさん、レーヴェさんの声が響きます。
「さー、取りまくるよ~」
舞さん、大皿を手に本気を出す気満々。
「ベリモルさん、お疲れ様でしたぁ」
「これがクレープ……ふわふわにゃ!」
柊さんと一緒に味わうクレープにハヒヤさん、にっこり。
でもって、かぷっとしてるのはほかにも。
「素敵な仮装見てたら、悪戯したくなっちゃった」
ざくろさんです。お仲間さんの首筋にかぷっちょしてます。
「あら、それだけです?」
「まあ、大人ですね」
「お時ちゃん?」
「ドライアドのドライアドの伝承のように」
巴さんが物足りなさそうに、アデリシアさんが優雅に、颯さんがびっくりしたように、そしてアルラウネさんは艶っぽく誘惑して引き込むようにハグに手も誘導して……。
「足りませんわ」
「仕方ありませんねぇ」
「やられたらやり返すですの。うさぎはとっても強欲なのです」
「悦んでる? 背中に一撃くらいなさいな」
やり返されて押し倒されてもみくちゃです。中には水鉄砲使うのもいるし!
「やっぱり外は賑やかでいいですね」
そんな騒ぎをよそに、どっかの施設から抜け出してきたGacruxさんはずずずと紅茶をすするのでした。
「アレだろ? わざわざ目の前に来たくせにビラ要りませんって言ってきた奴にイタズラすればいいんだろ?」
ハンターオフィスで、ミリア・ラスティソード(ka1287)さんが気軽に言うのです。
「そうですねー。楽しい悪戯だと楽しいですよねー」
葛音 水月(ka1895)さんもそう言ってミリアさんに頷きます。
「えーと……。できるだけビラ配ってくれた方がいいんだけど」
南那初華(kz0135)さんがツッコミを入れてミリアさんと水月さんにチラシを渡しますが、もしかしたら事情を知らない人は別のところに突っ込むかもしれません。
そこへ、フラ・キャンディ(kz0121)さんが通り掛かりました。
「うわあ、今日はどうしたの?」
「はんたあ倶楽部さんがハロウィンの仮装行列をするんですよ。フラさんもどうです?」
フラさんが受付嬢さんに聞くと、そんな返答。
そう。
ミリアさんはいつもの赤い装いに、猫耳カチューシャと肉玉グローブを付けて仮装しています。
そのミリアさん。
「大丈夫だって」
「ミリアはどういう悪戯をするんですかー?」
初華さんに自信ありげに言ってビラの束を受け取ったところ水月さんが聞いてきたのでテープを張って……。
「受け取ってくれないとイタズラするにゃーん」
「こ、これが悪戯ですかー?」
ワンピース水着にシャツを着ている水月さん、ミリアさんに抱き着かれました。背中にビラを張りましたね。確かにイタズラです。
「それならいいけど……その仮装は?」
「イタズラ猫」
「僕はポップめなピエロ」
初華さんの問いにイタズラそうに答えるミリアさんと、道化師の化粧をした水月さんがにっこり答えるのです。
「楽しそうだね」
これを少し離れたところで見たフラさん、ちょんと背中を誰かにつつかれました。
「にゃおー」
振り返ると弓月・小太(ka4679)さんがいました。
格好は白い着物に猫耳カチューシャ、猫尻尾を付けていますね。
「え? ……わ、何!?」
「化け猫ですよぉ。でも、フラさんの方が似合ったでしょうかぁ」
驚いているフラさんに満足する小太さん。じーっとフラさんの瞳を覗いています。これに赤くなってどぎまぎするフラさん。もう通常の思考ができません。
「フラさんも参加します?」
受付嬢さんが聞くと、こくんと言葉なく頷きます。小太さんはぱあっと笑顔。
「じゃ、更衣室にいきましょぉ」
フラさんをお持ち帰り……ではなく連れて行くのです。
その時も初華さんの周りでは。
「はいはーい! やるやる、宣伝にもなるもんね♪」
「ヤバいですぅ、これ悪戯し放題ってことですぅ? きゃー、頑張っちゃいますよぅ」
ウーナ(ka1439)さんと星野 ハナ(ka5852)さんが新たに参加表明。早速更衣室に移動です。
更衣室から出てきた人もいます。
「よう、初華」
「あははっ。Jさん声くぐもってる~」
軽く手を挙げやって来たのはトリプルJ(ka6653)さん。挙げた手には肉球ぷにぷにハンドで、狼の耳と尻尾。顔には狼の口をつけているからそうなっているようですね。
「ワーウルフなんだからこのくらいはしなくちゃな」
Jさん、鼻高々。実際、狼の鼻なので突き出てます。
そこに新たな人物が。
「ベリモルさんと一緒に参加ですよぅ」
「いつもはお菓子貰う側だったけど、渡す側ににゃるのにゃ!」
氷雨 柊(ka6302)さんとハヒヤ・ベリモル(ka6620)さんです。
「……食べちゃダメよ?」
「食べるか!」
初華さんがJさんにそう言ったのは、柊さんの仮装が赤ずきんちゃんだったから。柊さん、小さなかごをちょこんと手にする姿が可憐ですね。
「狼さんはこちらにもいますから」
「でも無暗に食べにゃいにゃす!」
柊さんに紹介されたハヒヤさんは、狼の仮装です。
「語尾が『にゃ』なんだが……」
「それは仕方ないですねー。ベリモルさんですからー」
汗たら~なJさんににっこり答える柊さん。
「狼の格好は尻尾が面白いのにゃー」
当のハヒヤさんたら初華さんの方にお尻を向けてフリフリして気にもしてないようですね。
なお、この時更衣室。
「こんなものかしら?」
「これで行きましょう」
アルラウネ(ka4841)さんがバンドゥビキニ姿に着替え、八劒 颯(ka1804)さんがワンピース水着っぽい衣装になっています。
「あれ?」
「どしたの、フラっち?」
汗たら~するフラさんに、肌色率の高いキーリ(ka4642)さんが近寄ります。
「こんなもんかしらね~」
近くではメルクーア(ka4005)さんが薄手のワンピース水着というかレオタードみたいなものを着込んでいます。
「ええと……みんな温泉にでも入るの?」
「……フラっちも温泉入りたそーねー」
首をひねるフラさんの持っている白い浴衣風衣装を見て、冷ややかに言うキーリさんです。
「ボクは違うけどほら、みんな水着じゃない? キーリさんも」
「私は違うわよ」
そんな騒ぎはよそに着替えは続きます。
「タイツは網ですのね」
「たまには仮装というのも、中々乙なものですね」
舞桜守 巴(ka0036)さんがすらっと足を伸ばして網タイツをはいたり、マントを羽織ったアデリシア=R=エルミナゥ(ka0746)さんが鏡の前でくいくいっと三角帽子を整えていたり。
「これで完成よ」
「できましたですの」
アルラウネさんは黄緑色の水着に葉っぱをたくさんつけ、颯さんはうさ耳カチューシャを付け仮装完了。
「できたわよ~」
メルクーアさんもマントに包まって完成。
皆で早速更衣室を出るのです。
「わあっ。みんな素敵だね」
外では時音 ざくろ(ka1250)さんが待っていました。
「じゃーん♪ 今回は軽く合わせてみました。ふふ、どうです?」
巴さん、早速ざくろさんの肩に手を置きしなだれます。
「うん。ざくろはかっこいい!吸血鬼」
「そんなざくろに合わせてクイーンヴァンパイア♪ ふふ、どうです?」
ウインクする巴さんの衣裳はおへそが出たりとか露出度高めです。
「大人の……というのが少々気にならないこともないですが……」
巴の格好にこほんと咳払いしたアデリシアさんは三角帽子にマント・ワンピース風ローブの魔女ルックです。
「可愛いけど……そういえばアデリシアは聖職者?」
びくっとする吸血鬼のざくろさん。
「まあ細かいことは気にせずにいきましょう」
慈悲深いアデリシアさんでした。
「颯はバニーちゃんですの……可愛くないけど」
そっと横に来る颯さんがぽそり。
途端に\ハヤテカワイイ!/とか、\カワイクナイヨー!/とかきゃいきゃい。颯さん、うさ耳カチューシャつけて丸い尻尾のついたお尻をもじもじしてます。
「……ちょっと」
そこへ恨めしそうな声が。
周りを見回す四人ですが、声の主には気付きません。ただ、緑色をした……。
「言っとくけど私、観葉植物じゃないわよ」
アルラウネさん、覚醒して肌が緑色でビキニも緑で造花の葉っぱつけてるから気付かれなくても仕方ないですよね。
「も、もちろんだよ、アルラウネ」
ざくろさん、最初から気付いていたと慰めまたわっと盛り上がるのです。
一方、小太さん。
「フラさん、似合ってますよぉ。……キーリさんは普段着のままですかぁ?」
フラさんの格好に赤くなってますが、最後の一言が余計でした。
「……ミイラ女よ。それを普段着って、どういうこと?」
「ふわっ?! あ、熱いですよぅ!」
怒ったキーリさんが小太さんの後頭部にぼっとリトルファイヤ。熱くなるわけはないですが小太さんはびっくり。でも、普段に近いんだから誤解されても仕方ないですよぅ。
なお、これを見ていた初華さん。
「ええと……ガクさんもミイラ?」
「俺の仮装は……ええと、脱走したクランケですよ。フフフ」
お久しぶりですねぇ、と近くに来ていたGacrux(ka2726)さんも包帯ぐるぐる状態。確かに患者の服も着ていますね。
「……まさかまた重体になってるとか?」
「さあ? あ!」
追及する初華から目をそらしたGacruxさん、新たにやって来た鞍馬 真(ka5819)さんに気付きます。
「ラビット鞍馬……やはり、似合いますねえ」
「それなら良かったかな」
ぴょん、と近寄った真さん。ウサギの耳を付けて白いケープひらひら。白い尻尾もつけています。
「なんか真さん、妙に可愛いんだけど」
「初華も可愛いですよ。じゃ、三人で記念撮影でも」
「まあGacrux君となら」
Gacruxさん、スマホを取り出すと初華さんを間に挟んで真さんとはい、チーズ♪
でもって、真さんの赤い蝶ネクタイに見惚れていた初華さんがおもむろに近くにいるJさんに視線を移すのです。
「可愛いからって、食べちゃダメよ?」
「食べるか!」
Jさん、またそのネタかよと初華さんにガオー。
その横に新たな人物が。
「むふー」
ディーナ・フェルミ(ka5843)さんです。何か得意げですね。
「魔女の使い魔なの、むふー」
着ぐるみ猫コス包帯付き姿で、包帯を指差してます。
「10月31日は子どもの頃はルター飴やルタークッキーの日でしたから理解度は低いので教えていただければ」
ドイツ系東洋かぶれのハンス・ラインフェルト(ka6750)さんは、血塗れ落ち武者です。
「何か病院繋がりで人が集まっておるようじゃの。私は関係ないが」
東洋武者の次は西洋騎士のお出まし。南瓜頭で蝙蝠な剣とマント鎧騎士ががしゃがしゃやって来まして、上げた顔はレーヴェ・W・マルバス(ka0276)さん。
「和風のあたしが参上」
天竜寺 舞(ka0377)さんは白い着物に皿を持って、番町皿屋敷はお菊さんの仮装のようで。
「実はうちの町内会、10月末は秋祭りで神社のお祭りがあるんです。その日だけは小学生が塾関係なく10時まで外で遊んで……」
おっと。
今度はとんがり帽子をかぶった魔法少女系カボチャパンツ魔女、穂積 智里(ka6819)さんの登場です。ハンスさんの要望にこたえているようですが……。
「家を回ってお菓子もらって、やってることはハロウィンぽいですけど別物で。だから私も詳しくないんです……」
「そうですか」
ハンスさん、まあいいか、な感じで頭ぽりぽり。
その横に、ぬっそりと大きな姿。
「ようやく着れたニャス」
ぶくぶく膨らんだ着ぐるみタイプのマシュマロマンの顔を取ると、ミア(ka7035)さんでした。
「着ぐるむだけが仮装ではなーい!」
したっ、とキレある姿で登場はルベーノ・バルバライン(ka6752)さん。変なポーズ付きです。褌で全身灰色に塗ったくっただけのリビングスタチューのようですが、いつものルベーノさんそのままとも言います。
もちろん、静かにやって来る人も。
「いい子にしてろよ?」
海賊船長系衣装に狼耳、狼手グローブ、狼尻尾のカイン・シュミート(ka6967)さんは足元に優しく声を掛けます。そこには虎猫のシィレーンと柴犬のフルールが。ともに海賊チョッキなどで軽く仮装し、海賊の子分という感じで別の意味でにぎやかだったり。
「肌色部分多めな自作のエロエロ系魔女コスですよぅ~」
「チャイナ服で歪虚っぽい悪堕ち風ヒロインにチェーンジ!」
ハナさんとウーナさんも戻ってきました。
で、今まさに通り掛かったイ寺鑑(kz0175)さんに気付くのです。
「あ、センセ発見! 悪戯したい? されたいー?」
「ウーナ。何やってんだ?」
ウーナさん、早速身を寄せると濃いめの口紅付けた口先で誘惑の吐息を吹き掛け長いまつ毛を淡く煙らせながら挑発してますね?
「イ寺さん発見なの……今日は美味しい物配らないの?」
ディーナさんもやって来て鑑さんの周りを楽しそうにぐるぐるー。構いまくられなのです。
「ほらほら、誘惑しちゃうよ?」
「こら、化粧筆をこっちに向けるな! 分かった分かった、ゆーわくされるから!」
というわけで、鑑さんも眼帯付けて悪落ち独眼竜で参加なのです。
「ちょっと。ここでたむろされると業務に支障が……」
「そ、それじゃ出発するね」
受付嬢ちゃんに注意され、慌てて先導する初華さんなのでした。
●
というわけで、大通りに出ました。
「わー、ピエロさん~」
水月さん、早速道行く女の子から羨望の眼差しを受けましたね。
「これ受け取ってくれない? あら、ありがとう」
わーい、とチラシを受け取る女の子ですが……。
「君はどう? あ、いらない? それじゃこれだけでも」
次の男の子が水月さんからキャンディをもらったではありませんか。
女の子、少し寂しそうにしてましたが……。
「わ、イチゴ味なのにレモン~? すっぱ~い」
涙目の男の子なのです。この隙に水月さん、先の女の子に気付きました。
「ごめんね。こっちをあげる」
女の子がもらったキャンディはイチゴ色で、イチゴ味の甘いもの。素直ににっこりなのです。
似たようなことをしているのは、血塗れ落武者のハンスさん。
「甘い物くれなきゃ酸っぱい物あげましょう」
「ハンスさん、意味不明ですよ?」
鑑さん、ジト目。
「独逸の悪い事が起きるぞの言い回しですが、何か?」
ハンスさんは血塗れのまま恨めしそうに。結構怖いです。
「あ、チラシ受け取らないね! 覚悟ー!」
二挺拳銃のウーナさん、横から受け取らない人にパーンします。
「わーっ、ウーナ。撃つなーっ!」
って、もう遅いですよ、鑑さん。でもウーナさんはおもちゃのスーパー光線銃にもう一挺はペイント弾。食らったのは助平親父で、チャイナ服のスリットから伸びる生足に見惚れていたのでまあ問題ないようです。
「ほら、悪いことが起きたでしょう? 皆さんもぜひこれで血塗れに」
ハンスさん、ケチャップ小袋とチラシを配って仮装を道行く人に勧めます。面白そう、と受け取る人もいます。
「はい、南瓜パンツに触っちゃダメですよ。これを持ってください」
そんな横で、魔女っ娘南瓜パンツの智里さんが子供にチラシ配り。キャンディーをホチキスでつけてるので受領率は高めです。
で、ハンスさんに気付くのです。
「ハンスさんのミニケチャップもホッチキスでチラシに留めた方が配りやすそうです…やりましょうか?」
ほっこりする二人のやり取りの横では!
「チラシ貰ってくれないと、かわりにお菓子食べちゃうの」
「ディ、ディーナ?」
鑑さんの左隣を可愛らしく歩いていた魔女の使い魔ディーナさんが本領を大発揮!
提げた籠からチラシとお菓子を配っていましたが、いらないと言われたら自分が食べているではありませんか。
それだけではありません。
じーっ、と智里さんからお菓子をもらった子供たちも見ているのです。
「だ、誰かこの子のチラシをもらってあげてーっ」
子供の保護者も協力してくれましたとさ。
「イタズラするにゃー」
こちら、イタズラ猫のミリアさんは抱き返されたちびっ子を抱っこして一回転。抱き着いて背中に張ったチラシが舞ってますね。着地して肉球ナデナデ。
ところが!
「……もしかして並んで待ってるにゃ?」
なんだかおっさんが目をキラキラさせて並んでいたのです。
いい歳して、とも思いますが、背中に張って抱っこしてぐるんしてあげるのでした。
こちらではからんからんと木の音が。
「いちま~い、にま~い……一枚たりな……」
お菊さん仮装の舞さんですね。安全第一なので木製の皿を持ってきて落として割る場面をやってますが。
「って落としても割れないなら数ぴったりじゃん!」
一人ボケつっこみかい!
それはそれとしてチラシは配るのですが、あることに気付きます。
「あれ? 何も書いてない」
「舞さん、それ参加者がハンター川柳書く分よ?」
初華に言われてよし、とその気になって一句。
「気をつけて その水溜り 歪虚かも?」
さらさらっと書いて配るのです。
「水たまり?」
「そーいう依頼があったの」
そんな舞さんにおぉ、と感心したGacruxさんも一句。
「歪虚に 付け入る隙を 与えるな」
「おお~」
吸血されメイド仮装の初華さん、拍手の代わりに背負った風船吸血鬼に空気を送り拍手代わりに首筋をかぷっとかませます。
「初華さん、隙あり~」
「ほへ? きゃっ!」
おや、メルクーアさんが突撃してきました。
「チラシを受け取ってくれないと血を吸うぞ~♪」
「ああん。メルクーアさん噛んでる噛んでる。あむあむしちゃいや~っ!」
メルクーアさんたら、吸血鬼の仮装してるからまあ一応間違いじゃないですね。甘噛みですがいやんいやんしてるので足を絡めて身動きできないように。レオタード姿だと動きやすくて便利ですね。
「はふぅ……」
「チラシを受け取ってくれないと血を吸うぞ~♪」
ぐったりダウンした初華さんを残して一般人にチラシを配りします。
ところが。
「吸ってほしいなぁ」
「今みたいにこの娘を吸ってええのんか? ……おわっ」
助平親父がやって来ました。なぜか初華さんも狙われてます。
ただ、こちらはJさんがファントムハンド発動!
「ハンターとはいえ若い女の子相手なんだ、その位にして貰えるか」
Jさん、狼の口を取って胸ぐら掴み凄みます。これで平和的に解決!
で、メルクーアさんの方は。
「心頭滅却すれば火もまた涼し、健全な肉体であればこの程度の寒さなど……ぶわっくしょーい」
すたっとリビングスタチュー仮装したルベーノさんがカットイン。
「いかんな。皮膚呼吸ができないと意外と身体に負担になるようだ」
「いや、チラシいらんからこの娘に吸ってほしいなぁ、と」
「チラシを貰え。貰わないならお前の手を握りつぶすぞ…フン・ハー」
ルベーノさん、つべこべいう助平親父の前でマッスルトーチしつつ右拳を天高く掲げ勝利のポーズ。
ぐしゃっ、と音がしたのはリンゴを握りつぶしたから。すぐに口元に持っていき滴るジュースを飲みます。
「お、お邪魔しました~」
「おお~」
退散する助平親父に拍手する野次馬。
「フッ、自分の強みを見せて相手の信頼を勝ち得ただけだ、ハッハッハ」
高笑いするルベーノさんですが、垂れた果汁で少し仮装の色が流れてますよそのまま放っておくといろいろ危ないですよ!
それはそれとして、海賊船長なカインさんはチラシをしみじみと見てますね。
「『やり甲斐とアットホームに溢れる職場です』……どう考えても……」
ブラック企業のうたい文句だろ、という本音は場所が場所だけにのみ込みました。
「勧誘されてなるじゃなく、希望してなるもんだろ」
「なあに、きっかけは必要じゃ!」
そんなツッコミに、南瓜鎧騎士のレーヴェさんががちゃがちゃと登場!
「チラシはいらんか~」
「うわああっ!」
子どもたちはがちゃがちゃ寄って来る南瓜鎧騎士にびっくりして逃げます。
「何、いらない? ではお主も南瓜頭になるがいい。そして記念撮影じゃ」
「わあっ!」
男の子はレーヴェさんが鍛冶場から出た壊れものを回収して加工した南瓜兜を被ると様子が一変。きききと止まってターン。俺も僕もと寄って来た。
「わあっ。カワイイ猫ちゃん~」
「可愛いワンちゃん~」
カインさんのほうには女性が寄って来てます。
でも、チラシは拒否されますね。
がくっと絶望し膝を付くカインさん。
が、女性が心配したとたん顔を上げます。
「もらってもらうため、いまはこれが精いっぱい」
ぽん、と手品で造花を出しました。これにチラシを添えます。
「ありがとう」
やっともらってもらえました。
こちら、吸血鬼ざくろさん。
「イタズラするにゃー」
「ざくろ、配る方……はわわわ」
イタズラ猫のミリアさんに抱き着かれ背中にチラシ張られて赤くなってたり。
「私は許そう。けどコレが許すかしら!」
観葉植物もといドライアドアルラウネさんはチラシの代わりに体の葉っぱをもらいたがっているスケベ親父に水鉄砲攻撃。
「おお、ええ香りじゃ~」
実は中身は香水という悪戯でしたが、余計に色香に迷う親父。抱き着いてきます。
その時です。
「びりびり電撃ドリル!」
ぱりん、と激しい音が横でしました。バニー颯さんです。
「兎さんといえばジャンプですが……悪くないですの」
兎のようにジャンプしてから正拳突きで地面に設置した板を割ったようです。ドリル関係ないですがおおーと周りで拍手。
これを見た助平親父はアルラウネさんに抱き着いたところで生唾ごくり。
「はい、お疲れ様です」
その顔にパイがべちゃり。
魔女っ娘のアデリシアさんのいたずらです。
「あら、モテモテですわね?」
「おとなの魔女ですから」
巴さんにこたえつつ、スカートのすそチラッ。親父が寄って来て顔面にパイという、なんともヒドイいたずらで。
「別のパイなら天国じゃがこのパイでも……」
それでも寄って来る人が多いのが驚愕です。
「まあ、こちらはこちらで……あら。チラシ、受け取らないの」
吸血姫コス巴さんの方には可憐な女性が。
「あのその……」
「あらあら、わたくしの慈悲を断るなんて…覚悟はできてますよね?」
「ああっ」
チラシを受け取らない女性の首筋にかぷっ。このパフォーマンスに女性が数人集まります。
「あなたも?」
それはいいのですが、あの、巴さん。すでにチラシを省いてますよ!
仮装行列の行進は続きます。
「どうぞ」
兎の真さん、真面目にチラシ配ってます。
「ありがとう」
本当に真面目です。だって、ハンターの仕事ですものね。
中にはもらってくれない人も。
「それなら」
真さん、真面目です。両手のもふもふ手袋で断った人の両頬を、もふっ。
そして気付くのです。
「え? 悪戯の方がいい?」
女性が並んでいます。さっき悪戯しなければ普通にもらってたはずです。
ナンパと話術で魅力を振りまいていたのがあだとなり、たくさんもふもふする羽目に。
その近くでは。
「チラシ貰ってくれなきゃ…イタズラしちゃうぞ☆」
エロ魔女ハナさんが男の子にお菓子とチラシ渡して頭なでなで。カッコいいお兄さんにはそっと手を握りながらおかしとチラシ握らせたり。とっても堪能して幸せそうですね。
「はっ!」
あれ?
ハナさん、なんかしおらしくなって瞳がうるってしましたよ?
「貰ってくれなきゃ…イタズラしちゃうぞ☆」
何と、イケメンさんの前に移動すると寄せた胸の谷間にチラシ差しキャンディー小袋を唇で咥えて潤んだ上目遣いで訴えてるじゃないですか!
「ちょっと、デレっとしないでよ!」
「お前だってあっちの兎に……」
横にいた彼女さん、鬼の形相で彼を連行します。彼は真さんにもふもふされてた彼女に不満ですが分が悪いですね。
「ちっ、もうちょっとだったのに惜しいですぅ!」
ハナさん、本音出てますって。
さて、見物客の中にはそういうのに慣れた人もいます。
「葉っぱのクッキーもあげるわ。はい、ナシムちゃん?」
ミイラ女のキーリさん、チラシをもらってくれた女の子ににっこり。お礼に桜型妖精のナシムさんが大好きなご主人様の焼いたクッキーを手渡します。
「わあっ、ありがとう。妖精さんの葉っぱのクッキー♪」
慣れていた女の子も、ファンタジックな演出に大満足です。
入れ替わりに助平親父がやって来ました。
「チラシどうぞー」
「断ったらイタズラじゃろ?」
妙な方向に慣れた親父のようで、抱き着く気満々です。
「ちょ、違うわよ。チラシを断られたら私がイタズラするの。どんとたっち。どんとたっち」
むふふと迫られたキーリさん、リトルファイヤで応戦応戦。
「おわっ!」
「ふう……これは受け取っときなさい」
退散する親父のポッケに、「ハンターオフィスもよろしく」と書いてある付箋付きのお菓子をねじ込んだり。
「今の見たら頼りになるのが分かるでしょ」
気を取り直してアピールしますが、第二第三の助平親父に狙われているとは知りません。
行列は続きます。
「大人のハロウィン……ですねぇ」
「うん。大人の……」
化け猫な小太さんとフラさんもいますが、少し不安そうです。
周りではハグしたり甘噛みしたり胸の谷間だったりが展開されています。二人で赤面しながら、ぎゅっと手をつなぐ二人です。
そうするとなんだか前向きに頑張る気持ちになれるのです。
「あ……び、ビラを受け取ってくれないと悪戯しちゃう…にゃー」
小太さん、頑張ってお姉さんに手首をくねくねして、にゃー。
「きゃー、可愛い。ビラね、ビラ。丸ごといただくわー」
「ふえ? にゃー」
酔ったお姉さんにハグされる小太さん。フラさんはびっくりして動けません。
「それじゃまたねー」
機嫌よく去っていくお姉さん。解放された小太さんは固まったフラさんを見て慌ててます。
「そのっ! 結構人が多いですぅ。フラさん、あの、大丈夫ですかぁ?」
「むー……」
「あ。こうすればもう流されませんねぇ」
小太さんがフラさんと腕組します。これでフラさんの機嫌も直ったようですね。
そんな近くで。
「とりっくおあとりーとニャス!」
マシュマロマンなミアさん、頑張ってます!
「お菓子くれなきゃいたず……」
小太さんとフラさん、ミアさんの行動に「あれ?」な感じ。
「はっ! 違ったニャス。……ぴらぴら貰ってくれなきゃ、ぎゅーしちゃうニャスよ!」
「ぴらぴらほしー」
奇跡的に目的を思い出したミアさんに女の子が突撃。もふっと抱き着いてきます。
「ありがとニャス。はい、マシュマロあげるニャス」
抱え上げてくるん。で、チラシもらってくれたお礼に渡すと大喜び。
そんな姿を見てミアさんもすっかりご機嫌。
「ニャスニャス~♪」
気分に任せてびよんびよん跳ねたりロボットのような動きで楽しそう。見ている人も楽しそうなのです。
「あ、こちらどうぞー。受け取ってくれないと、隣の狼さんに食べられちゃいますよぅ?」
「受け取るのにゃー! でにゃいと食べちゃうにゃーがおー!」
赤ずきん柊さんと狼ハヒヤさんもにぎやかです。
いま、無事に紳士な人が受け取ってくれました。
「どれどれ? 『はんたあも 遊びが必要 皆遊ぼ』……なかなかいいな」
「ほんとにゃ? 我が考えたにゃ!」
ハヒヤさん、狼尻尾立てて喜んでます。
ただ、この川柳を聞いて子供たちが寄ってきます。
「遊ぼ遊ぼ~トリックオアトリート!」
「にゃぁ? お、お菓子は持ってないですねぇ…?」
柊さん、目を丸くしてます。
「だったら、悪戯~」
「きゃ、だ、ダメですよぅっ、擽りは禁止ですー!」
一方のハヒヤさん。
「悪戯にゃ? ……ほんとにするにゃよ? にゃ、にゃー!」
猫騙しか猫パンチか分からないのを繰り出してましたが、柊さんのピンチを察知します。
「にゃ? ひさめん擽られてるにゃーこれは我も参加しにゃいとだにゃ! まーぜーてーにゃー!」
「ベ、ベリモルさん~あは、あははっ。くすぐったいです~」
……なんかもうヒドイことに。
で、出発地点にもうすぐ到着というところで。
「チラシもらうとお菓子もらえる?」
「させないよ! ふっふっふっ、細かい紙吹雪を取るのに苦労するがいい!」
舞さんたら、明らかにお菓子目当ての大きな子供にばさーっ、と細切れにしたチラシを宙に撒いて悪戯してたり。
こちらでは、Jさん。
「ほーら、いたずらだー」
「ギブギブ~」
Jさん、子供をジャイアントスイングしてます。
「ギブアップならチラシな! ついでに菓子も!」
「私も~」
「女の子はこっちだ」
スカートに配慮しつつ、高い高~い。
最後までテンション高いです。
●
そしてオフィスに帰ってお菓子パーティー。
なのですが、ここで悲報が。
もう、ジスーがない!(またかよ)
「初華、急ぐのじゃ! 南瓜の外側はランタンの材料やシチューの皿にすればよい。中身煮て裏ごしして南瓜クリームにすればクレープに使える」
レーヴェさんがばばーっと南瓜の中身を繰り抜きつつ初華にクレープの準備をさせてます。
「パールオニオンはカクテルに使えるのよね~」
吸血鬼メルクーアさんは初華さんと一緒にいた時に一般客から突き出されたニンニクを活用。早速ジンベースのカクテル「ギブソン」にしているようで。
「さあ、どんともってこい!」
あら。
ルベーノさんはちゃんとシャワーして着替えてます。なんだかんだで紳士ですね。その後の食べっぷりは以下略ですが。
「あの……火花散らしてない?」
「そ、そうか?」
フラさんに愛猫と愛犬を紹介したカインさんですが、まさか背後でどっちが先にカインに抱っこされるかけん制し合っているとは夢にも思わず。
「だ、抱いてみるか? ……くっ」
結局二匹一緒に抱いてフラに抱かそうとしてみたり。……もちろんとっても渡すのに苦労しましたよ。
「あ、はーい。クレープ焼けました~」
「クッキーも焼けたわ」
「シチューもできたぞ」
初華さん、キーリさん、レーヴェさんの声が響きます。
「さー、取りまくるよ~」
舞さん、大皿を手に本気を出す気満々。
「ベリモルさん、お疲れ様でしたぁ」
「これがクレープ……ふわふわにゃ!」
柊さんと一緒に味わうクレープにハヒヤさん、にっこり。
でもって、かぷっとしてるのはほかにも。
「素敵な仮装見てたら、悪戯したくなっちゃった」
ざくろさんです。お仲間さんの首筋にかぷっちょしてます。
「あら、それだけです?」
「まあ、大人ですね」
「お時ちゃん?」
「ドライアドのドライアドの伝承のように」
巴さんが物足りなさそうに、アデリシアさんが優雅に、颯さんがびっくりしたように、そしてアルラウネさんは艶っぽく誘惑して引き込むようにハグに手も誘導して……。
「足りませんわ」
「仕方ありませんねぇ」
「やられたらやり返すですの。うさぎはとっても強欲なのです」
「悦んでる? 背中に一撃くらいなさいな」
やり返されて押し倒されてもみくちゃです。中には水鉄砲使うのもいるし!
「やっぱり外は賑やかでいいですね」
そんな騒ぎをよそに、どっかの施設から抜け出してきたGacruxさんはずずずと紅茶をすするのでした。
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/10/23 21:45:43 |