ゲスト
(ka0000)
彼氏の決意、彼女の心配
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/11/22 12:00
- 完成日
- 2014/11/26 01:25
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●彼の決意
青年ピエールは悩んでいた。
5年間付き合う彼女に結婚を申し込みたいのであるが、いつ、どのように、どうやってするかと悩んでいた。
時期は来たと直感はしている。
茶葉の販売、そして菓子等の販売も軌道に乗ってきた。人を雇うにはまだ時間はかかるから、彼女に店を任せることになってしまうかもしれない。
二人三脚に近い形でこれまでも彼女はそばにいたため、店を手伝ってもらうことはこれまでと変わらない。
しかし、恋人と妻では別だ!
と言うわけで、ピエールは悩んでいた。
悩みながらパラパラ本をめくっているとはっとした。
「これだ! これを参考にしてプレゼントを作ろう。そして、リサにプロポーズをしよう!」
ピエールは仕事仲間や友人から材料に関して情報を集め始めた。
●彼女の心配
ハンターオフィスの前でうろうろしている女性がいる。
うろうろして立ち去りかかりながら戻ってくる……5分くらい繰り返している。
「ご用でしょうか?」
受付にいた娘は声をかけると、女性は立ち止まり動揺の目を向けた。
受付の娘は知っている、深刻な話ではないので、笑われて断られるのでは考えている依頼人もいることを。何が起こっているのか聞いてみないとハンターオフィス側もわからないし、大したことがなくとも頼ってくる人を邪険にはしない。
「話を聞くだけでもしますよ?」
依頼するのはその後でもいいのだという逃げ道を作った。
女性はほっとしたようでオフィスに入ってくる。
受付の娘に勧められた椅子に座ると、話を切り出した。
「あの、私の恋人に護衛を付けたいんです。ただ、こんなことにハンターの方を頼っていいのか不安で」
「状況にもよると思いますが」
「確実ではないんです。あの人は私に隠して行動をしているつもりなんです」
受付の彼女は浮気か何かかと考え、護衛ではなく監視ではないかと心の中で眉を寄せる。憶測は挟まないで聞くことに徹するべきだと自分に言い聞かせ、話を促した。
「私と彼は幼馴染で……」
と言った後、彼女はリサと名乗った。
「彼は……ピエールと言うんですが……商売の修業するといって街にいきました。彼の実家は茶葉を扱う店なんですが、その……流行にも左右されず、かといって安泰と言うわけでもない感じでした」
リサははっきり言わないが、ピエールの家の茶屋は店を畳まざるを得ない状況だったのだ。
「修業に出て数年、六年くらい前に戻ってきました。再会して付き合うようになったんです……恋人として。最初はお店の手伝いをしていただけなんですが、お互いにその……好ましく思ったので……。ピエールは研究熱心で、普通のお茶だけだと飽きられるからって、ハーブやお菓子なんかも作ろうとしているんです」
不安そうな色はひそめ、照れながら嬉しそうに話すリサは生き生きとして、受付の娘にはうらやましくあった。
「最近になり、彼の行動に不審なものがあったのです」
ピエールは彼女と一緒にいてもそわそわし、目をそらして何か隠している様子を見せる。
「別に好きな女性がいるんだと思って問いただすべきか悩みました。あの人、優しいし、女性には特に声を掛けずにはいられない、というところがあるんです。それで好意を抱いた女性があの人と……」
受付嬢はドキドキし始める。亜人や雑魔などの脅威と異なる緊張がここに生じていた。
「共通の友人たちは、あいつは君一筋だと口をそろえて言います。出入りする商人の方からは、あいつにあったら出来栄えを教えてくれと言われました」
「あなたに隠して新事業を起こそうとしている感じですか?」
「はい。でも、商売敵になるような人にも教えるっておかしいと思います」
何をしているのか問いただしてものらりくらりとかわされると、彼女は分かっておりやめた。
「それはそうですね。今回は護衛を頼みたいと?」
やはり監視ではないのか、と受付の娘は考える。
「彼が新商品の開発か、好奇心で研究をしているのか分かりませんが、何か植物を探しているのは分かりました。彼が向かおうとしているところはそれとなく聞けました」
住んでいる村近くの丘だという。
「彼が隠していることはいずれ教えてくれると思って……信じて……丘くらいなら送りだせばいいんです、本当は……」
「信じてって……あ、え、丘に何か問題でも?」
「最近はコボルドがいたという話があり、あまり人は近づいていません。私たちが子どものころ、同じ年頃の子と登って遊んでいましたから、本当なら行っても問題はないんです」
なるほどと受付の娘はうなずいた。
「それで護衛ですね、承りました」
「あ、でも、私からの依頼で守られているって知られたくありません」
「……コボルド退治に行ってと嘘ついた方がいいんですかねぇ……」
「それと、あの、何を隠しているのか、話のついでに出たら……教えてほしいんですけど……」
「……」
受付の娘は何とも言えない笑みを浮かべつつ、依頼書に正しく「護衛」として記入した。
青年ピエールは悩んでいた。
5年間付き合う彼女に結婚を申し込みたいのであるが、いつ、どのように、どうやってするかと悩んでいた。
時期は来たと直感はしている。
茶葉の販売、そして菓子等の販売も軌道に乗ってきた。人を雇うにはまだ時間はかかるから、彼女に店を任せることになってしまうかもしれない。
二人三脚に近い形でこれまでも彼女はそばにいたため、店を手伝ってもらうことはこれまでと変わらない。
しかし、恋人と妻では別だ!
と言うわけで、ピエールは悩んでいた。
悩みながらパラパラ本をめくっているとはっとした。
「これだ! これを参考にしてプレゼントを作ろう。そして、リサにプロポーズをしよう!」
ピエールは仕事仲間や友人から材料に関して情報を集め始めた。
●彼女の心配
ハンターオフィスの前でうろうろしている女性がいる。
うろうろして立ち去りかかりながら戻ってくる……5分くらい繰り返している。
「ご用でしょうか?」
受付にいた娘は声をかけると、女性は立ち止まり動揺の目を向けた。
受付の娘は知っている、深刻な話ではないので、笑われて断られるのでは考えている依頼人もいることを。何が起こっているのか聞いてみないとハンターオフィス側もわからないし、大したことがなくとも頼ってくる人を邪険にはしない。
「話を聞くだけでもしますよ?」
依頼するのはその後でもいいのだという逃げ道を作った。
女性はほっとしたようでオフィスに入ってくる。
受付の娘に勧められた椅子に座ると、話を切り出した。
「あの、私の恋人に護衛を付けたいんです。ただ、こんなことにハンターの方を頼っていいのか不安で」
「状況にもよると思いますが」
「確実ではないんです。あの人は私に隠して行動をしているつもりなんです」
受付の彼女は浮気か何かかと考え、護衛ではなく監視ではないかと心の中で眉を寄せる。憶測は挟まないで聞くことに徹するべきだと自分に言い聞かせ、話を促した。
「私と彼は幼馴染で……」
と言った後、彼女はリサと名乗った。
「彼は……ピエールと言うんですが……商売の修業するといって街にいきました。彼の実家は茶葉を扱う店なんですが、その……流行にも左右されず、かといって安泰と言うわけでもない感じでした」
リサははっきり言わないが、ピエールの家の茶屋は店を畳まざるを得ない状況だったのだ。
「修業に出て数年、六年くらい前に戻ってきました。再会して付き合うようになったんです……恋人として。最初はお店の手伝いをしていただけなんですが、お互いにその……好ましく思ったので……。ピエールは研究熱心で、普通のお茶だけだと飽きられるからって、ハーブやお菓子なんかも作ろうとしているんです」
不安そうな色はひそめ、照れながら嬉しそうに話すリサは生き生きとして、受付の娘にはうらやましくあった。
「最近になり、彼の行動に不審なものがあったのです」
ピエールは彼女と一緒にいてもそわそわし、目をそらして何か隠している様子を見せる。
「別に好きな女性がいるんだと思って問いただすべきか悩みました。あの人、優しいし、女性には特に声を掛けずにはいられない、というところがあるんです。それで好意を抱いた女性があの人と……」
受付嬢はドキドキし始める。亜人や雑魔などの脅威と異なる緊張がここに生じていた。
「共通の友人たちは、あいつは君一筋だと口をそろえて言います。出入りする商人の方からは、あいつにあったら出来栄えを教えてくれと言われました」
「あなたに隠して新事業を起こそうとしている感じですか?」
「はい。でも、商売敵になるような人にも教えるっておかしいと思います」
何をしているのか問いただしてものらりくらりとかわされると、彼女は分かっておりやめた。
「それはそうですね。今回は護衛を頼みたいと?」
やはり監視ではないのか、と受付の娘は考える。
「彼が新商品の開発か、好奇心で研究をしているのか分かりませんが、何か植物を探しているのは分かりました。彼が向かおうとしているところはそれとなく聞けました」
住んでいる村近くの丘だという。
「彼が隠していることはいずれ教えてくれると思って……信じて……丘くらいなら送りだせばいいんです、本当は……」
「信じてって……あ、え、丘に何か問題でも?」
「最近はコボルドがいたという話があり、あまり人は近づいていません。私たちが子どものころ、同じ年頃の子と登って遊んでいましたから、本当なら行っても問題はないんです」
なるほどと受付の娘はうなずいた。
「それで護衛ですね、承りました」
「あ、でも、私からの依頼で守られているって知られたくありません」
「……コボルド退治に行ってと嘘ついた方がいいんですかねぇ……」
「それと、あの、何を隠しているのか、話のついでに出たら……教えてほしいんですけど……」
「……」
受付の娘は何とも言えない笑みを浮かべつつ、依頼書に正しく「護衛」として記入した。
リプレイ本文
●準備
ピエールの行動する日は晴れそうで、絶対決行と判断する前日。
前調査として村に入った椥辻 ヒビキ(ka3172)はコボルドの数や位置を尋ねる。コボルド被害を気にしている人は退治しに来てくれると期待しているので次のようにかわした。
「調査結果はオフィスに持ち帰り検討します」
同じく前調査として村で聞き込みをする上泉 澪(ka0518)はコボルドの話も聞きつつ、護衛対象であるピエールに会おうと店を訪れる。年季の入った店舗は、澪を茶の香りで圧倒してきた。
「いらっしゃいませ」
ピエールが応対してくれたが、どこかそわそわして見える。これでは彼女が心配するだろうと考えた。
ミィナ・アレグトーリア(ka0317)はピクニックにちょうどいい丘ということも踏まえ、弁当を用意することにした。コボルドもできれば討ち取りたいが、まずは護衛をしつつ、隠し事を聞き出す。
定番のサンドイッチ類、リンゴのタルトにキノコポタージュのホットパイ……。
話のきっかけになるかもしれないと、リサに得意料理を聞いて作ることにした。リサ独特のスパイスは抜き、基本の味で。
クローディア(ka3392)は先に村で調査した二人の情報を元に明日の作戦を考える。護衛をしつつ依頼人への隠し事を聞きだす。可能であれば、コボルドの数を減らすのが望ましい。
コボルド以外何かいるのか多少の疑問は残る。
用心は必要だから気は抜けない。
今回の仕事仲間を再度確認する。男は一人という状況に「ふむ」とうなずいた。
メンバー唯一の男であるバレル・ブラウリィ(ka1228)は依頼の内容やコボルドに関しての報告を読みながら一つくしゃみをした。
コボルドがいてもやることは決まっている。
ピエールを守ること。
ついでに彼女への隠し事を聞き出す。道中の会話で男同士の話に持ち込めれば早く分かるかもしれないと考えた。
シルウィス・フェイカー(ka3492)はリサの心配を想像すると心が騒ぐ。ピエールの目的が不純なものではなく、リサへの素敵な計画の一端だと信じたい。
コボルドが出るのに植物採取に行くのだ、わざわざ。
気になることだらけであるが、護衛をすることが第一であると気を引き締めた。
夜が明け切る前に丘の道手前に一行は集まった。
挨拶の後、方針と役割を決める。
「コボルドに関してソサエティから言われて調査している、ということで口をそろえる」
先行で調査した二人も言っており、自然であるのでクローディアの確認に異議は出ない。
「コボルドは倒せない数ではないみたいですので、状況によっては討伐に行っても良いかもしれません」
澪の言葉はヒビキの調査と合わせた推測であり、確定ではない。護衛が優先なので、急いでいくことはなかった。
村から一人のひょろ長い印象の若者がやってくる。
●それでも?
「おはようございます、昨日いらしたお客様」
大きな籠を背負ったピエールは挨拶を澪と交わし、彼女らに問う。
「コボルド討伐隊が来るって噂は本当なんですか?」
彼女たちの格好を見ればピクニックではないと分かる。
「そうだ。先遣隊でコボルドの実情把握が主な任務だ」
「それはご苦労様です。では、僕は失礼します」
クローディアの答えにうなずきながら、立ち去ろうとするピエールにシルウィスが問いかける。
「それを聞いても登るのですか?」
きょとんとするピエールは「逃げ足だけは得意ですから」とほほ笑む。
「うちも登るんよ。一緒に行く方が安全なんよ?」
「しかし、お仕事でしょ?」
そわそわと進み始めるピエールをバレルが止めた。
「何か来る」
バレルは視線の先を見て、各人武器を構える。
茂みから出てきたのは一匹の兎。兎は彼らの前を横切って、泥をはねとばし、別の草むらに入って行く。
ピエールはほっとして立ち去ろうとするが、バレルが制止した。
兎を追ったコボルドが出て来た。ぬかるみに足をとられると同時に狙われているのに気付く。
ヒビキとシルウィスの矢がそれぞれ一体貫いた。クローディアはレイピアを振るえるようにしたまま、茂みまで行き、それ以上いないことを確認する。
「これでも登りますか?」
青い顔のピエールはシルウィスの問いにうなずいた。
「では、私達から離れないでくださいね」
「そうだな。見えないところで巻き込まれてもこちらが困る。護衛は慣れてるから安心しろ」
ヒビキに続けてバレルも言う。
ピエールは激しくうなずいた後、ミィナの荷物を持つと言う。
「それは助かるのん」
一行は出発した。
●道を隠す茂み
澪とヒビキが距離を一定に保ちつつ先行して登って行く。
ぬかるみを越え丘を登り始めたころ、四体のコボルドと遭遇したがあっさりと倒した。
「食事の兎を取りに行った仲間が帰ってこなかったから捜しにきたのでしょうか」
「元から見回りだったのかもしれません」
ヒビキの推測も澪の推測も、互いに一理あるとうなずく。
「このままうまく数を減らせれば、後々楽になりますね」
「そうですね」
道幅が細く茂みが飛び出した所のため、ピエールたちが一瞬見えなかった。要注意地点であると肝に銘じた。
ピクニックにいい丘と言うだけあって、鳥のさえずりや通り抜ける風は心地良い。
「ところで、お前は無茶しても丘に登りたかったんだ?」
ピエールの前を歩くバレルはさりげなく問いかける。
「あ、はい、植物採取に」
ピエールは一瞬そわそわし、視線をさまよわせた。
ミィナとシルウィス、そしてクローディアは耳をそばだてる。
「お前、薬草問屋か?」
「いえ、茶を商ってます」
「茶、ハーブティー?」
「それもあります」
「なら……!!」
バレルは会話を続けようとしたが、茂みから飛んできた石からピエールを守るために動いた。
茂みからコボルドが五体現れ、襲い掛かってきた。
「逃げようとするな、俺が守る」
走りだそうとしたピエールを引き留め、バレルは刀を鞘から抜き放った。
戦う音で澪とヒビキが戻る。
シルウィスがピエールをかばい、ナイフを抜いているのを見ると、不意打ちだったと分かる。バレルとクローディアがすぐに立て直したため問題はなかった。
「荷物を持っていてもらって助かったのん」
ミィナはワンドを握りお礼を言い、ピエールは恐縮している。
「あと少しで頂上だろう? 道に問題なければ、このまま行こう」
クローディアの提案を拒む理由は誰もなかった。
●大きな木の下で
真っ直ぐな木が頂上に立っている。
常緑針葉樹なため、秋から冬に向かう丘でも緑を付けてすっくと立ち上がる。
遠くに山があっても、周囲に高いところはないため、丘の上は開放感があり爽快だ。頂上付近は草地なため、座るにも子どもが遊ぶにも良い所だ。
「みなさん、ありがとうございました」
ピエールはいそいそと木に近寄ると、籠を下した。鉈で手の届く範囲の枝をバッサと落とし、枝の匂いを嗅いで首をかしげる。
ミィナはちらちらとピエールを見ながら邪魔にならないあたりで弁当を広げ始め、それをクローディアが手伝う。二人で広げればあっという間にピクニックランチの出来上がりだ。
シルウィスはピエールが何をしているのか気にしつつ、周りへ警戒もする。気はそぞろでどっちつかずになってきた。
澪とヒビキは緊張感を保ったまま、頂上に近いところで茂みに目を光らせた。
バレルは木の近くでピエールの様子をうかがう。
「みなさんもいかがなのん? ずっと気を張っても疲れるのよ」
「順番に休めば構わないだろう。帰りもあるんだ」
クローディアは丘の頂上を見る。
「折角なのでいただきます」
シルウィスはおいしそうな弁当に手を伸ばした。
「どうぞ。ピエールさんも一緒のお弁当食べん?」
ピエールは作業の手を一度止めて礼を述べる。
ヒビキはピエール近付き、作業を見る。折った枝を籠に入れたり、その場においたり選別している。
「枝を使うんですか?」
「枝と言うより、葉ですね。こするとほら」
ヒビキは葉を渡され、香りをかぐ。頭の中がすっとするさわやかさと胸を覆う重い香りが葉にはあった。
「ハーブですか?」
「そうですね。葉よりも、実の方が使うにはいいんですが。あまりなくて」
籠の中にある枝の間に黒い粒があるのが見受けられた。
「それを何に使うんですか?」
シルウィスが尋ねる。
「茶の香り付けに使えないかなと考えたんです」
「それは素敵ですね」
澪は応えながら、葉の香りを嗅いだ。
作業を終えたピエールは、弁当の方にやってきた。トマトソースのパスタに彼の目は引き寄せられる。
「これ、好きなんですよ」
取り皿に載せると食べ始めるが、一瞬咀嚼が止まる。
「口に合わないのん?」
「いいえ、おいしいですよ。ちょっと思ったのと味が違ったので」
「どんなん?」
「唐辛子が入ってなくて。でも、母のはこうでした」
童心に返った気分だと笑顔で口に運ぶ。
「最近は作ってくれる好い人がいるのん?」
「ええ、まあ」
「葉や実を採りに来たのはその人に何か作るためですか?」
シルウィスの質問にピエールは特に答えない。
「それで、渡す相手には伝えてあるのん?」
ズバッとミィナが質問を突きつける。
「そりゃ、隠していますよ。驚いてほしいですし……。仲間にはどういうことしたいというのは言ってますが」
バレルは女性陣が危険な空気を発したのに気付いた。
「駄目なのん! それだと、彼女さんは心配なのん。一緒にいると、おかしいって分かっちゃうもの。心配で尋ねても『なんでもない』って隠されたらどう思うのん?」
女性陣は同意してうなずいている。
ミィナが突き付けた現実かもしれない事にピエールははっとする。
「驚かせたいはいいと思うんよ。『今度渡したいものがあるから、見守っててほしい』とか一言欲しいのん。なんで落ち着きないのか分からないと、うちなら不安で悪い方にばっかり考えちゃうんよ」
女性陣の視線はピエールに集まる。
「まさか、リサも? 彼女のために……いいや、僕が勢いのためにやっていたことが」
「勢いですか?」
ヒビキの問いに顔を上げたピエールは否定とも肯定とも取れる首の振り方をする。
「誕生日にプロポーズを、記念や話題になるものがあると言いやすいかと思って」
ピエールの声は小さくなっていく。
「状況より、気持ちです」
シルウィスの指摘にピエールはうなだれた。
「バレル殿は……」
クローディアは男性の意見としてバレルに問おうとしたが、闖入者によってそれは阻まれた。
大きな熊がのっしとやってきて、後ろ足で立ち上がると威嚇してきた。武器を構えたハンターたちに威嚇されると熊は後ずさって消えて行った。
「のんびりしすぎたな」
バレルのつぶやきに、ミィナがテキパキと片づけをした。残っているものも多少あるが、行き比べれば重さは雲泥の差。
「食べ物につられてきたのかもしれませんね。コボルドもいるので、気が立っているのかもしれません」
澪の推測はおおよそ的を射ているだろう。冬支度中に余分な存在が縄張りにいるのだから。
「二手に分かれませんか? バレルさんとシルウィスさんでピエールさんを護衛して速やかに下りてください。残りで、コボルドがいる場所に急襲をかけます」
「数はおおよそでしかないから危険かもしれないですが、洞窟で暮らしているなら両手指で何とかなる数と思います」
澪の提案を引き取り、ヒビキは冷静に計算する。その洞窟以外に住んでいれば、また後で考えればいいだけだ。
「そうだな、無理はできないが」
クローディアは全員の意見を求めるように見渡す。
「無理せず偵察と考えればいいんじゃないか」
「ピエールさんはきちんと守ります」
「まだ魔法使えるのん」
バレル、シルウィスそしてミィナの一言後、一行は出発した。
●食後の運動
丘を下る者たちは、先頭にバレル、真ん中にピエール、殿はシルウィスで進む。下りは意外と危険なので急いでかつ注意して足を運ぶ。
「緊張しすぎるな、シルウィス」
「はい」
指摘されるように二人で守るとなると、シルウィスは緊張し手が白くるほど弓を握っていた。
「すみません」
事態が動いたことでピエールは小さくなっている。
「謝るくらいなら登らなければ良かったんだ」
「すみません」
「ここまで来たんだ、後は信じた通りにやれ。俺はお前を守り無事下す。彼女たちは強いからコボルドに後れを取ることはない」
ピエールもシルウィスもうなずいた。
バレルは話ながらも微かな音を聞き洩らさなかった。ピエールの腕をつかんで引っ張り寄せる。
ピエールがいた所を猪が走り抜けていった。
「何か、あわてているみたいでした……」
シルウィスは猪で出てきた方向を見て、コボルド討伐が始まったのかと考えた。
コボルドがいる洞窟に向かう途中、ミィナは見回りをしている風の二体を見つけ、気付かれないうちに魔法で攻撃した。もう一体はヒビキが射抜いた。
「倒した数は十三匹ですね」
コボルドのいる洞窟を茂みからうかがうと、入口に見張りが二体見える。コボルドはかなり警戒している様子である。
洞窟の近くに澪とクローディアは慎重に移動し、ミィナとヒビキは待機し見張りを狙う。
近付く音を耳にしたコボルドが声を上げた瞬間、風の刃と矢が彼らを黙らせた。中から大きい石など武器を持ったコボルドが飛び出してくるが、敵を見つける前に攻撃を受ける。
澪とクローディアの手際の良さ、ヒビキとミィナのフォローで決着は一瞬だった。
●お土産
ピエールを村に送り、コボルド討伐も済ませ、村を発つ。その前に直接リサに報告するが、全員で行くと目立つのでミィナが代表で赴いた。
しばらく待つとランチ用の籠を重そうに持ったミィナが戻ってくる。
「唐辛子入りのトマトソースパスタを夕食にって」
リサの反応を報告した。
「誕生日にプロポーズか」
ピエールの隠し事の内容を思い出し、クローディアが呟く。
「そうですね。平穏に暮らす夫婦は素敵です」
シルウィスがうなずく。
「平穏……隠し事を妙にしなければですね」
「またするんじゃないか、ほとぼり冷めて研究熱に浮かされたら」
澪は考えたが口にしなかった部分を、バレルがため息交じりに言った。
「確かに、またするかもしれないですね」
ヒビキの言葉にメンバーの沈黙で同意し、帰路についた。
プロポーズは成功するかどうかは……。
ピエールの行動する日は晴れそうで、絶対決行と判断する前日。
前調査として村に入った椥辻 ヒビキ(ka3172)はコボルドの数や位置を尋ねる。コボルド被害を気にしている人は退治しに来てくれると期待しているので次のようにかわした。
「調査結果はオフィスに持ち帰り検討します」
同じく前調査として村で聞き込みをする上泉 澪(ka0518)はコボルドの話も聞きつつ、護衛対象であるピエールに会おうと店を訪れる。年季の入った店舗は、澪を茶の香りで圧倒してきた。
「いらっしゃいませ」
ピエールが応対してくれたが、どこかそわそわして見える。これでは彼女が心配するだろうと考えた。
ミィナ・アレグトーリア(ka0317)はピクニックにちょうどいい丘ということも踏まえ、弁当を用意することにした。コボルドもできれば討ち取りたいが、まずは護衛をしつつ、隠し事を聞き出す。
定番のサンドイッチ類、リンゴのタルトにキノコポタージュのホットパイ……。
話のきっかけになるかもしれないと、リサに得意料理を聞いて作ることにした。リサ独特のスパイスは抜き、基本の味で。
クローディア(ka3392)は先に村で調査した二人の情報を元に明日の作戦を考える。護衛をしつつ依頼人への隠し事を聞きだす。可能であれば、コボルドの数を減らすのが望ましい。
コボルド以外何かいるのか多少の疑問は残る。
用心は必要だから気は抜けない。
今回の仕事仲間を再度確認する。男は一人という状況に「ふむ」とうなずいた。
メンバー唯一の男であるバレル・ブラウリィ(ka1228)は依頼の内容やコボルドに関しての報告を読みながら一つくしゃみをした。
コボルドがいてもやることは決まっている。
ピエールを守ること。
ついでに彼女への隠し事を聞き出す。道中の会話で男同士の話に持ち込めれば早く分かるかもしれないと考えた。
シルウィス・フェイカー(ka3492)はリサの心配を想像すると心が騒ぐ。ピエールの目的が不純なものではなく、リサへの素敵な計画の一端だと信じたい。
コボルドが出るのに植物採取に行くのだ、わざわざ。
気になることだらけであるが、護衛をすることが第一であると気を引き締めた。
夜が明け切る前に丘の道手前に一行は集まった。
挨拶の後、方針と役割を決める。
「コボルドに関してソサエティから言われて調査している、ということで口をそろえる」
先行で調査した二人も言っており、自然であるのでクローディアの確認に異議は出ない。
「コボルドは倒せない数ではないみたいですので、状況によっては討伐に行っても良いかもしれません」
澪の言葉はヒビキの調査と合わせた推測であり、確定ではない。護衛が優先なので、急いでいくことはなかった。
村から一人のひょろ長い印象の若者がやってくる。
●それでも?
「おはようございます、昨日いらしたお客様」
大きな籠を背負ったピエールは挨拶を澪と交わし、彼女らに問う。
「コボルド討伐隊が来るって噂は本当なんですか?」
彼女たちの格好を見ればピクニックではないと分かる。
「そうだ。先遣隊でコボルドの実情把握が主な任務だ」
「それはご苦労様です。では、僕は失礼します」
クローディアの答えにうなずきながら、立ち去ろうとするピエールにシルウィスが問いかける。
「それを聞いても登るのですか?」
きょとんとするピエールは「逃げ足だけは得意ですから」とほほ笑む。
「うちも登るんよ。一緒に行く方が安全なんよ?」
「しかし、お仕事でしょ?」
そわそわと進み始めるピエールをバレルが止めた。
「何か来る」
バレルは視線の先を見て、各人武器を構える。
茂みから出てきたのは一匹の兎。兎は彼らの前を横切って、泥をはねとばし、別の草むらに入って行く。
ピエールはほっとして立ち去ろうとするが、バレルが制止した。
兎を追ったコボルドが出て来た。ぬかるみに足をとられると同時に狙われているのに気付く。
ヒビキとシルウィスの矢がそれぞれ一体貫いた。クローディアはレイピアを振るえるようにしたまま、茂みまで行き、それ以上いないことを確認する。
「これでも登りますか?」
青い顔のピエールはシルウィスの問いにうなずいた。
「では、私達から離れないでくださいね」
「そうだな。見えないところで巻き込まれてもこちらが困る。護衛は慣れてるから安心しろ」
ヒビキに続けてバレルも言う。
ピエールは激しくうなずいた後、ミィナの荷物を持つと言う。
「それは助かるのん」
一行は出発した。
●道を隠す茂み
澪とヒビキが距離を一定に保ちつつ先行して登って行く。
ぬかるみを越え丘を登り始めたころ、四体のコボルドと遭遇したがあっさりと倒した。
「食事の兎を取りに行った仲間が帰ってこなかったから捜しにきたのでしょうか」
「元から見回りだったのかもしれません」
ヒビキの推測も澪の推測も、互いに一理あるとうなずく。
「このままうまく数を減らせれば、後々楽になりますね」
「そうですね」
道幅が細く茂みが飛び出した所のため、ピエールたちが一瞬見えなかった。要注意地点であると肝に銘じた。
ピクニックにいい丘と言うだけあって、鳥のさえずりや通り抜ける風は心地良い。
「ところで、お前は無茶しても丘に登りたかったんだ?」
ピエールの前を歩くバレルはさりげなく問いかける。
「あ、はい、植物採取に」
ピエールは一瞬そわそわし、視線をさまよわせた。
ミィナとシルウィス、そしてクローディアは耳をそばだてる。
「お前、薬草問屋か?」
「いえ、茶を商ってます」
「茶、ハーブティー?」
「それもあります」
「なら……!!」
バレルは会話を続けようとしたが、茂みから飛んできた石からピエールを守るために動いた。
茂みからコボルドが五体現れ、襲い掛かってきた。
「逃げようとするな、俺が守る」
走りだそうとしたピエールを引き留め、バレルは刀を鞘から抜き放った。
戦う音で澪とヒビキが戻る。
シルウィスがピエールをかばい、ナイフを抜いているのを見ると、不意打ちだったと分かる。バレルとクローディアがすぐに立て直したため問題はなかった。
「荷物を持っていてもらって助かったのん」
ミィナはワンドを握りお礼を言い、ピエールは恐縮している。
「あと少しで頂上だろう? 道に問題なければ、このまま行こう」
クローディアの提案を拒む理由は誰もなかった。
●大きな木の下で
真っ直ぐな木が頂上に立っている。
常緑針葉樹なため、秋から冬に向かう丘でも緑を付けてすっくと立ち上がる。
遠くに山があっても、周囲に高いところはないため、丘の上は開放感があり爽快だ。頂上付近は草地なため、座るにも子どもが遊ぶにも良い所だ。
「みなさん、ありがとうございました」
ピエールはいそいそと木に近寄ると、籠を下した。鉈で手の届く範囲の枝をバッサと落とし、枝の匂いを嗅いで首をかしげる。
ミィナはちらちらとピエールを見ながら邪魔にならないあたりで弁当を広げ始め、それをクローディアが手伝う。二人で広げればあっという間にピクニックランチの出来上がりだ。
シルウィスはピエールが何をしているのか気にしつつ、周りへ警戒もする。気はそぞろでどっちつかずになってきた。
澪とヒビキは緊張感を保ったまま、頂上に近いところで茂みに目を光らせた。
バレルは木の近くでピエールの様子をうかがう。
「みなさんもいかがなのん? ずっと気を張っても疲れるのよ」
「順番に休めば構わないだろう。帰りもあるんだ」
クローディアは丘の頂上を見る。
「折角なのでいただきます」
シルウィスはおいしそうな弁当に手を伸ばした。
「どうぞ。ピエールさんも一緒のお弁当食べん?」
ピエールは作業の手を一度止めて礼を述べる。
ヒビキはピエール近付き、作業を見る。折った枝を籠に入れたり、その場においたり選別している。
「枝を使うんですか?」
「枝と言うより、葉ですね。こするとほら」
ヒビキは葉を渡され、香りをかぐ。頭の中がすっとするさわやかさと胸を覆う重い香りが葉にはあった。
「ハーブですか?」
「そうですね。葉よりも、実の方が使うにはいいんですが。あまりなくて」
籠の中にある枝の間に黒い粒があるのが見受けられた。
「それを何に使うんですか?」
シルウィスが尋ねる。
「茶の香り付けに使えないかなと考えたんです」
「それは素敵ですね」
澪は応えながら、葉の香りを嗅いだ。
作業を終えたピエールは、弁当の方にやってきた。トマトソースのパスタに彼の目は引き寄せられる。
「これ、好きなんですよ」
取り皿に載せると食べ始めるが、一瞬咀嚼が止まる。
「口に合わないのん?」
「いいえ、おいしいですよ。ちょっと思ったのと味が違ったので」
「どんなん?」
「唐辛子が入ってなくて。でも、母のはこうでした」
童心に返った気分だと笑顔で口に運ぶ。
「最近は作ってくれる好い人がいるのん?」
「ええ、まあ」
「葉や実を採りに来たのはその人に何か作るためですか?」
シルウィスの質問にピエールは特に答えない。
「それで、渡す相手には伝えてあるのん?」
ズバッとミィナが質問を突きつける。
「そりゃ、隠していますよ。驚いてほしいですし……。仲間にはどういうことしたいというのは言ってますが」
バレルは女性陣が危険な空気を発したのに気付いた。
「駄目なのん! それだと、彼女さんは心配なのん。一緒にいると、おかしいって分かっちゃうもの。心配で尋ねても『なんでもない』って隠されたらどう思うのん?」
女性陣は同意してうなずいている。
ミィナが突き付けた現実かもしれない事にピエールははっとする。
「驚かせたいはいいと思うんよ。『今度渡したいものがあるから、見守っててほしい』とか一言欲しいのん。なんで落ち着きないのか分からないと、うちなら不安で悪い方にばっかり考えちゃうんよ」
女性陣の視線はピエールに集まる。
「まさか、リサも? 彼女のために……いいや、僕が勢いのためにやっていたことが」
「勢いですか?」
ヒビキの問いに顔を上げたピエールは否定とも肯定とも取れる首の振り方をする。
「誕生日にプロポーズを、記念や話題になるものがあると言いやすいかと思って」
ピエールの声は小さくなっていく。
「状況より、気持ちです」
シルウィスの指摘にピエールはうなだれた。
「バレル殿は……」
クローディアは男性の意見としてバレルに問おうとしたが、闖入者によってそれは阻まれた。
大きな熊がのっしとやってきて、後ろ足で立ち上がると威嚇してきた。武器を構えたハンターたちに威嚇されると熊は後ずさって消えて行った。
「のんびりしすぎたな」
バレルのつぶやきに、ミィナがテキパキと片づけをした。残っているものも多少あるが、行き比べれば重さは雲泥の差。
「食べ物につられてきたのかもしれませんね。コボルドもいるので、気が立っているのかもしれません」
澪の推測はおおよそ的を射ているだろう。冬支度中に余分な存在が縄張りにいるのだから。
「二手に分かれませんか? バレルさんとシルウィスさんでピエールさんを護衛して速やかに下りてください。残りで、コボルドがいる場所に急襲をかけます」
「数はおおよそでしかないから危険かもしれないですが、洞窟で暮らしているなら両手指で何とかなる数と思います」
澪の提案を引き取り、ヒビキは冷静に計算する。その洞窟以外に住んでいれば、また後で考えればいいだけだ。
「そうだな、無理はできないが」
クローディアは全員の意見を求めるように見渡す。
「無理せず偵察と考えればいいんじゃないか」
「ピエールさんはきちんと守ります」
「まだ魔法使えるのん」
バレル、シルウィスそしてミィナの一言後、一行は出発した。
●食後の運動
丘を下る者たちは、先頭にバレル、真ん中にピエール、殿はシルウィスで進む。下りは意外と危険なので急いでかつ注意して足を運ぶ。
「緊張しすぎるな、シルウィス」
「はい」
指摘されるように二人で守るとなると、シルウィスは緊張し手が白くるほど弓を握っていた。
「すみません」
事態が動いたことでピエールは小さくなっている。
「謝るくらいなら登らなければ良かったんだ」
「すみません」
「ここまで来たんだ、後は信じた通りにやれ。俺はお前を守り無事下す。彼女たちは強いからコボルドに後れを取ることはない」
ピエールもシルウィスもうなずいた。
バレルは話ながらも微かな音を聞き洩らさなかった。ピエールの腕をつかんで引っ張り寄せる。
ピエールがいた所を猪が走り抜けていった。
「何か、あわてているみたいでした……」
シルウィスは猪で出てきた方向を見て、コボルド討伐が始まったのかと考えた。
コボルドがいる洞窟に向かう途中、ミィナは見回りをしている風の二体を見つけ、気付かれないうちに魔法で攻撃した。もう一体はヒビキが射抜いた。
「倒した数は十三匹ですね」
コボルドのいる洞窟を茂みからうかがうと、入口に見張りが二体見える。コボルドはかなり警戒している様子である。
洞窟の近くに澪とクローディアは慎重に移動し、ミィナとヒビキは待機し見張りを狙う。
近付く音を耳にしたコボルドが声を上げた瞬間、風の刃と矢が彼らを黙らせた。中から大きい石など武器を持ったコボルドが飛び出してくるが、敵を見つける前に攻撃を受ける。
澪とクローディアの手際の良さ、ヒビキとミィナのフォローで決着は一瞬だった。
●お土産
ピエールを村に送り、コボルド討伐も済ませ、村を発つ。その前に直接リサに報告するが、全員で行くと目立つのでミィナが代表で赴いた。
しばらく待つとランチ用の籠を重そうに持ったミィナが戻ってくる。
「唐辛子入りのトマトソースパスタを夕食にって」
リサの反応を報告した。
「誕生日にプロポーズか」
ピエールの隠し事の内容を思い出し、クローディアが呟く。
「そうですね。平穏に暮らす夫婦は素敵です」
シルウィスがうなずく。
「平穏……隠し事を妙にしなければですね」
「またするんじゃないか、ほとぼり冷めて研究熱に浮かされたら」
澪は考えたが口にしなかった部分を、バレルがため息交じりに言った。
「確かに、またするかもしれないですね」
ヒビキの言葉にメンバーの沈黙で同意し、帰路についた。
プロポーズは成功するかどうかは……。
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作戦相談卓 バレル・ブラウリィ(ka1228) 人間(リアルブルー)|21才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/11/21 12:30:02 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/11/18 16:51:56 |