片付けを教えて

マスター:ゆくなが

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
3~4人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2017/10/31 09:00
完成日
2017/11/07 00:35

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 私は、呆然としていた。
 こんなに呆然とすることは、今までになかった。
 洞窟で、大量のスケルトンと対峙した時も。
 ピンクスライムに装備を溶かされてしまった時も。
 ストーンゴーレムに砂漠で追い回された時も。
 そう、すなわち、私がハンターになってから経験したあらゆるアクシデントやハプニングを超越するものが、そこにはあった。
 そこというのは、私の部屋で。
 ワンルームの私の生活空間で。
 足の踏み場もないほどちらかった、私の愛すべきねぐらのことだった。

 またひとつ依頼を達成した私は、疲労のあまり打ち上げに参加することもなくさっさと帰宅することにした。
 そして、ついに自宅の扉を開けると、不在中に決壊したらしい本棚が、すでに散らかっていた部屋をさらにめちゃくちゃにしてくれていた。
「オーマイガー」
 私は呟く。ああ、神様、できれば夢であってください。せめて本棚の決壊だけでも。
 私はずぼらでなまけもので、物が捨てられない性質が、散らかった部屋を作り出してしまったことはもう、嫌という程知っている。でも、本棚が壊れるのは今じゃなくてもいいじゃないですか。どうしてこういう時に限って悪いことは重なるのですか、神よ。
「今日、どうやって寝ろっていうの?」
 雨風がしのげるだけ、野宿よりはマシだった。うむ、そう考えれば人の目線も特にはないし、完全なるプライベート空間だ。外よりマシだ。うん、そう考えたら全然平気。私きっとこの中で熟睡できる。
 人の目線――――。
 ふと、自分の思考の中で紡がれた言葉を反芻する。
 こんな部屋で生活してると人が知ったら、どんなふうに思われるかしら。
 少なくとも、よくは思われまい。
 むしろ引く。
 だって、私自身こんなんじゃダメだとずっと思っているもの。
 でも、いろんな片付け方を試したけど、そのための本もたくさん買ったけど、いまやそれらは本棚もろとも中身をぶちまけている。
 ハンターとしてはそれなりにうまくいっている。でも、片付けはてんでダメだ。
「何が違うのかしら」
 私は、それはもう、真剣に考える。
 そして、ある答えにたどり着いた。
「ああ、仲間がいるかどうかの差なんだ――――」
 ハンターの仕事では基本何人かでパーティを組んで行う。
 でも、片付けはいつもひとりで孤独に行い、そして失敗していた。
 結論。みんなで片付ければ、きっと上手くいく。
 待って、私。こんな部屋に人を呼べるかしら。さっき、自分でもドン引き、いわんや他人をや、と思ったばかりではなかったかしら。
 でもね、私。あの本棚、ひとりで片付けできるかしら?
 ………
 ……………
 …………………
「無理ね」
 無理だった。ひとりじゃもう無理だった。
 斯くなる上は、片付けを依頼するしかない。
 そう、私ことアンナ・アーレイのこの混沌たる部屋の片付けを――――!
 私はようやく決意した。
 ここで変わらなければ、いつ変わるというのだろう。
 きっと、片付け上手の人たちがやってきて、私の部屋を綺麗する手伝いをしてくれるはず。もし、本当にこの部屋が綺麗になったら、人生薔薇色じゃなくって?
 ああ――――、そういえば。
 私は、ピンクと白を基調とした、女の子らしい部屋に住みたかったんだっけ。
 そのために、淡いピンク色の大きなタンスを買ったりしたけど、そこにはいまやぐしゃぐしゃに服が詰められている。
 いつも綺麗なお花を飾っていたいから、可愛い花瓶を買ったけど、それはこれまたぐしゃぐしゃと物が大量に置かれたテーブルの上で息苦しそうにしているわ。
 そもそもそのテーブルだって、足の曲線が見事だったから、がんばってお金を溜めてかったのに、床に散乱したもののせいで、その足は長いこと見ていない気がする。
 この部屋にはそういった、美しくて、ときめいたから買ったものがちゃんとある。全く活用できない綺麗なティーセットにカラトリー。そういったものが眠っている。
 同時に、旅先でうっかりかってしまったお土産や、人からもらったもの、なんだか捨てられないもの、漫然とただものが欲しかったから買っただけのものも部屋に溢れ、溢れ、溢れている。
 わたしが大事なのは、一体どっちだったかしら。
「でもでも、まだ使えるものを捨てるのは、もったいないじゃない?」
 しかし、そういったものが、私の理想とする部屋にはいらないこともなんとなくわかっていた。
 でも――――、
 でも――――――――、
「ま、それは人がきてから考えるか! 今日のところは寝よう!」
 私は、ベッドは本棚の下敷きだったために、物をかき分けてなんとか寝られそうなスペースを確保し、横になった。
 うん、人間やろうと思えばできるんだな、と自分に感心した。
 だからきっと、やろうと思えば片付けだってできる、はず!
 私はおそらく、疲労のあまりハイになったテンションでそう考えていた。
 だって、もうひとりではやらない。
 いつもの依頼みたいに、みんなでやれば、きっと。
 そして、綺麗な部屋になったら、みんなであの綺麗なティーセットでお茶をいただこう。
 ああ、そんな毎日が送ることができたら、どんなにか――――
 そんな幸福な未来を夢見て、その日は寝た。
 ちなみに熟睡だった。

リプレイ本文

 とても晴れた日のことである。
 とうとうこの日がやってきた。そう、アンナのお部屋片付け決行日である。
 アンナは今回の協力者、ボルディア・コンフラムス(ka0796)、Gacrux(ka2726)、ハンス・ラインフェルト(ka6750)、穂積 智里(ka6819)を連れて自宅の前まで案内して来た。しかし、アンナは部屋に入る直前人相をガラリとかえて、地獄の底から響き渡るような声でハンターたちに宣言する。
「何を見ても、驚くな……騒ぐな……泣き出すな……いいね?」
「何いってるんですか」
 Gacruxはアンナがなにをそんなに心配するのかと言うような調子で続ける。彼は女の子の部屋とあってうきうきと奥へはいって行く。
「女の子の部屋は夢が詰まっているんですよ……うわぁ……」
 その幻想はあっけなく打ち砕かれた。
「汚部屋が瘴気を放っている……歪虚が生まれそうです」
「そ、そこまでじゃないもん! ……ないよね?」
 床の見えない部屋、脱ぎ散らかされた服、壊れているけど捨てられない装備、そして、その上に中身をぶちまけた倒壊した本棚、なんとこの部屋、床が見えないのである。
「うわぁ……うわぁ~……」
 ボルディアはアンナと部屋を交互に見ていた。
「なんつーかお前、よくこんな部屋で生きてたな」
「うわぁぁぁぁ! 驚かないでっていったのにぃぃぃぃ!」
 アンナはその場に突っ伏した。器用に物を避けて突っ伏した。
「これじゃ、歩くのもままなりませんね。とりあえず、物を外へ運び出しますか?」
 智里が提案する。
「本当にお部屋をきれいにしたいなら、床がきちんと見えることがお部屋をきれいにするモチベーションに繋がるんじゃないかと思います。お部屋の中でちまちま分類しちゃ駄目です、全部外に出してしまいましょう! 当分秋晴れが続きます、この機会を逃しちゃ駄目です」
「うぅっ、そうですね……まずはそうしましょう」
 アンナもその提案をのんだ。
 ハンターたちは早速ものをダンボールに分別して詰めにかかった。ダンボールは智里があらかじめ購入し、準備していたのだ。また、ハンスと智里はダンボールに書き込みをしてものを分類していた。
 ダンボール箱は部屋の外の中庭に一時的におくことにした。アンナの部屋にあった壊れた装備や野宿用の道具などで即席で作った覆いを被せれば雨風はしのげるであろう。
「掃除のアルバイトに来たのですから、何が目の前に落ちていようが驚きはしませんよ? 家主の方が悶絶するのはご自由にして下さって構いませんが」
 そう言いながら、ハンスは平然とした調子で物を移動させていた。ハンスは台所用品を整理しようとしていたが、如何せん、台所までたどり着けないのである。
「そこは安心していいわ」
 アンナが自信満々に言う。
「この日のために、恥ずかしいもの……たとえば、し、下着とか? はあらかじめのけておいたのです。まあ、そのために部屋の中がさらに撹拌されちゃったけどね」
「おやおや、それじゃあピンク色のハプニングなんかは期待できませんね――――っと」
 かろうじて道を作ったGacruxは倒壊した本棚を運び出そうとしていた時、うっかり体勢を崩してしまった。
 本棚の中身が更にぶちまけられ、その中から文字の書き付けてある紙束が出てきた。
「Gacruxさん、大丈夫ですか!?」と心配するアンナ。
「ええ、大丈夫です。それより、その紙の中身を確認した方がいいのでは?」
「そうですね……にしてもなんだったかしらこの紙……」
 そうして開いてみるとそこには、
『ピンクの兎さん 白い雲にのっかって 私を夢の国へ……』
「うわぁぁぁぁ!」
 アンナは束を急いで閉じて、背後に隠した。
「ポエムだな」と、ボルディア。
「ポエムですね」続いてGacrux。
「大丈夫です。驚きませんから」そうハンスがフォローし、
「随分ファンシーですね」と、智里が感想を言った。
「やめて……すっかり忘れてたのぉ……」
 アンナはまたも床に突っ伏した。そしてあることに気づいた。
「あ、片付けたから、さっきより突っ伏しやすい」
「……今気づくこと?」
 誰ともなくつっこんだのだった。

 アンナは、ハンスと智里が綺麗に分類した段ボールの山を見ていた。箱に中には、取り出しやすいよう丁寧にものが詰められていた。これで今後の作業は楽になるだろう。
「アンナー! この壊れた本棚いらないよなー?」
「がんばれば使え……」
「よーし、捨てるぞー」
 ボルディアはアンナの無駄な創造を即座に却下した。
 Gacruxとハンスは部屋を傷つけないよう注意を払いものを運び出していた。
 かくして、部屋にあったものは家具と下着以外無くなった、はずだ。
「すごい……床を見るなんて何年ぶりかしら……」
「床は普通見えるものなんですよ?」
 Gacruxは言いながら、ガランとした部屋で家具の点検をしていた。状態があまりに悪かったら修理するためだが、幸いクローゼットの蝶番が少し緩んでいるだけだった。Gacruxは早速、ツールボックスから道具を取り出し、メンテナンスにかかる。また、部屋の隅を確認すると埃がこんもりと積もっているのを発見した。
「おや、こんなに埃が……。徹底的に掃除しましょう。主に拭き掃除です。先ほどのポエムなど恥ずかしいものは今のうちにのけといてくださいね」
「もうないはずだし……ないはずだよね?」
「物の管理ができていば、先ほどのようなコメディ……失敬、惨事はおこらないと思いますが。ベッドの下等確認しておいた方がいいのでは?」
「……大人しくそうします」
 アンナはベッドの下に屈みこんで、はたしてなにか発見したらしく、それを後ろ手に隠しながら、そそくさと「重要・見るの厳禁」と書かれた箱の中にそっとおいたのだった。
 その時である。あるダンボール箱が目に入った。特になにも書かれていないので、分類された箱の中では目立つのである。
「これは?」
 と、アンナがきくと、Gacruxが意味深な微笑をした。
「ちゃんと物が把握できていれば、あのような惨事は起きないはず、といったじゃありませんか」
「アンナさん、一度ご確認ください。我々では手に負えないものなので……」
「ハンスさんまでなにを言って……」
 箱の中には、色とりどりのいくつかの下着が綺麗に並べられていた。
「……自分を信じた私が馬鹿だったぁぁぁぁ!」

 そのころ智里はロボットクリーナーを部屋に走らせていた。ロボットは健気に床掃除をしている。
「ペットのロボットクリーナーが本来の意味で大活躍です」
 智里がぽつりと呟いた。
 柔らかな昼の日差しが部屋を柔らかく照らしていたとさ。

「窓や鏡を磨けば、光が拡散し、部屋の中が明るくなりますよ。また、掃除道具は使い易く便利な物を揃えた方が良いですね」
 一同は再び部屋の中である。
 Gacruxは実演して、アンナに掃除の仕方を教えていた。
「拭き掃除などは精神統一にも良いですよ」
 ハンスは雑巾を手に念入りに拭き掃除をしていた。磨かれた家具や床がみるみる光りだす。
「なるほど……」
 などとアンナはつぶやきながら、男性2人の掃除の手際の良さをつぶさに確認しているのだった。
「部屋が散らかるのは機能的でないこともあるのでは?」
 と、Gacrux。
「ええ。この機会に模様替えをするのもいいでしょう。運搬には男手が必要でしょう? 遠慮なく仰って下さい」
 ハンスも言った。模様替えをするのなら最適の機会である。アンナはタンスを部屋の奥の壁に着くよう移動するように頼んだ。
「いざ綺麗になると、落ち着かないような……?」
「部屋がきれいになりすぎて不安なら、こう考えればいいのです……」
 ハンスが目を閉じて泰然と諭した。
「新たにここまで詰め直すスペースが出来た、と。そう考えれば前向きな気分になりませんか」
「ああ、なるほど……発想の転換ね」
「それではアンナさん、まず箪笥に入るだけの服を、次に台所用品を選んで自分で部屋へ持ち込んでください。本は1番最後です」
 智里が次の片付けを提案する。すると、
「俺が手伝ってやる!」
 ボルディアが胸を張って言う。
「どんとこい!」
 アンナも床が露出して気分がいいのか威勢のいい返事をした。

 したのだが、
「うぅっ、もう選べません……両方、両方はだめなの!?」
「大義の為には、多少の犠牲はつきものなんだ……! 分かるだろ、アンナ!?」
 ちなみに俺には分かンねぇ、とボルディアは心の中で呟いた。
 ボルディアは2着の服を並べてアンナに提示してどっちを着たいか選ばせていた。アンナは最初こそノリノリだったが、徐々に捨てるのが辛くなって来たようだった。
「とっといちゃ、ダメ?」
「それ、ほんとうにこの服を着たくていってんのか?」
「それは……」
 アンナは悩んだ。
「じゃ、いらないな」
 ボルディアは容赦なく、「捨てる」と書かれた箱にシュートした。
「次行くぞー」
「うう、これも大義のため……お部屋のため……あ、その服」
 ボルディアが続いて取り出した、襟に控えめなフリルのついたブラウスを見てアンナが言った。
「それ、ハンターのお仕事をして最初の報酬で買った服なの。……絶対着たい。これはとっておく!」
「よし! アンナ、その勢いだ! 次行いくぞ!」
「なんか今のでとっておきたい基準がわかったかも! どんどんいきましょう!」
 アンナの服は、半分になった。続いて小物やアクセサリーの類も使えないものはボルディアがどんどん捨てていくために随分すっきりした。
 そして、タンスに入る量になったか確認すると、まだ少し多かったのだが、なんと、アンナは自発的に「これはもう大丈夫かな」と自ら服を捨てた。すべてはボルディアの容赦のない選定作業の賜物である。
 こうして服の断捨離は終了した。
 捨てると書いた段ボールに入れた服は山とつまれていた。
「売れそうなものはフリマや寄付なんかに回せばいいとおもうぞ」
「そうね……くっ、もったいないと思う自分がいるけれど、ここで私は変わるの……そう、大義のために、お部屋のために」
「昨日までの自分を乗り越えろ。ここで変わるだ、アンナ!!」
「ええ! 変わるわ! 彼ら(服)の犠牲は無駄にしない! 次行くわよ!」
 続いて台所用品である。

「これもあまり使われていないようですねえ」
 ハンスは、台所用品を手に取り埃をかぶっているのを見て言った。
「使えないものの方が多いですね。それらは供養してあげましょう。一思いに介錯するのも武士の情けです。それと、これは?」
 それは口に金の装飾のある花の描かれた華奢なティーセットだった。
「それは使ってないけど、絶対ダメ! 部屋が綺麗になったら、やりたいことがあるの」
 語気を強くしてアンナは言った。
 ハンスは爽やかに微笑んだ。
「いいことです。では、片付けは後少し。頑張って終わらせましょう」

「それでは、本の選定を開始します」
 アンナは、分類された箱を持って部屋に持ってきた。
 その中には本がぎっしり詰まっている。
「さて、本棚は先ほど捨ててしまいました。よって物を溢れさせないために本も厳しく選定しなければなりません」
 智里が宣言した。
「大丈夫、私、ここまでの作業でかなりレベルアップしている気がする。まあ、もとのレベルが低かったんだろうけどね!」
 アンナは気合十分だ。
「まず、絶対にとっておきたい本があるの。あんまり厚くない、絵の可愛い童話集なんだけど……」
「確か、この箱に入れましたね……」
 それは金糸で縫い取られた表紙の美しい小さな本だった。
「そうそれ。それだけは絶対にとっておきたいの。あとは……うーん」
 アンナは適当な本を手にとって吟味していた。
「もう、いらない気もするわ。あの童話集さえあればいい」
「じゃあ、本の整理は終了ですね」
 アンナはそっと童話集を抱きしめた。

 夕方になり、全てのものの仕分けと掃除が完了していた。
「すっきりしましたねえ」
 来訪当初、部屋の惨状に忌憚のない感想をもらしたGacruxが言ったのである。
 アンナの部屋は、見違えるほど整頓され、心なしか輝いているように見えるのだった。
 床、タンスにテーブルはぴかぴかとその本来の輝きを取り戻している。鏡や窓は夕焼けを受けて燦々をきらめき、室内に幻想的な光を放っていた。本はタンスの上にそっと絵画のようにディスプレイ。部屋の動線も確保され、機能的であり同時に綺麗な部屋となった。部屋全体が軽くなったような印象すらあるのだ。
「最後の方は捨てる戸惑いも少なくなって感心でした」
 アンナは自分の部屋がこんなに片付けられたことに驚いているのだ。
「朝見たのと同じ部屋とは思えないわ……人って変われるのね」
「アンナさん、あなたが頑張ったから、この部屋があるのですよ」
 ハンスがアンナに言った。アンナはGacruxとハンスの言葉に気恥ずかしそうに頭をかいた。
「あの……まだ時間、ありますよね? お茶会しませんか? こんな過ごし方が、私の理想なんです」

 それぞれ、片付け作業の時についた汚れや埃を払い、席に着いた。
 例の華奢なティーセットでお茶をいれて、ハンターたちはこの部屋を維持する方法などをアンナに提案していた。
「ということで、アンナ。週に一度は友達を呼べ。もしくは彼氏を作れ」
 ボルディアが言う。
「他人を部屋に招くことが無いからあんな汚い部屋になる。なら他人を部屋に呼べばいい! 充実した生活と綺麗な部屋が手に入って、一石二鳥だろ?」
「ええ。友人にも恋人にも自慢できる部屋になったことですし」
 と、Gacrux。
「なな、なるほど……恋人はちょっとわからないですけど、友人はがんばってみます」
 言いつつ、アンナはメモをしていた。彼女はこの片付け中、二度とあのような惨劇のごとき部屋を生み出さないために、掃除の仕方や分類の仕方をメモしていたのだ。
「そう、あとメモだな。これから物を買う時は何買ったか手帳にメモしとけ。んで、何か買う時にそれを見返すんだ。そうすりゃ不必要なものが部屋にあふれかえることはなくなるぜ」
 ボルディアがアンナの手元をびしっと指差して言う。
「良い提案です。そうすれば食材を無駄にすることもないでしょう」
 台所を主に片付けていたハンスも同意した。
「片付けの間に何度か話題に出ましたが、不要になったものは寄付するなり、売却するなりすればいいでしょう。今日中は難しいでしょうが、また後日必要ならお手伝いします」
 と、智里。
「はい、それではよろしくお願いします。早速明日行きましょう」
 その後は雑談などを話して時間が過ぎて言った。
「良いお茶ですねぇ……」
 ハンスが呟く。
 かくして、お部屋の片付けは終了した。
 これからは、アンナの理想の暮らしが続くのだと信じよう。

依頼結果

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重体一覧

参加者一覧

  • ボルディアせんせー
    ボルディア・コンフラムス(ka0796
    人間(紅)|23才|女性|霊闘士
  • 見極めし黒曜の瞳
    Gacrux(ka2726
    人間(紅)|25才|男性|闘狩人
  • 変わらぬ変わり者
    ハンス・ラインフェルト(ka6750
    人間(蒼)|21才|男性|舞刀士
  • 私は彼が好きらしい
    穂積 智里(ka6819
    人間(蒼)|18才|女性|機導師

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン ・理想のお部屋作り計画・
Gacrux(ka2726
人間(クリムゾンウェスト)|25才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2017/10/30 07:39:49
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2017/10/30 07:36:19