ゲスト
(ka0000)
キャンディーハウスの狂騒
マスター:文ノ字律丸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 6~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/11/14 09:00
- 完成日
- 2017/11/20 01:14
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●キティの内覧
お菓子の家――。
それは女の子ならば誰もが夢見る、魔法の家。
両開きのドアはシナモンの香る板チョコレート。内壁はココナッツビスケットで、外壁はマカロンで補強されている。床仕上げ材の代わりに敷き詰められたのはバターの程よいサブレ。窓枠はグルグルに巻かれたロリポップを引き延ばして代用し、そこに透明なキャンディーをはめ込んでいる。
まさにここはお菓子の家。
誕生日プレゼントに、この家をプレゼントされたのは、十歳の少女だった。
「お爺様ってば、わたくしが頼んだのは『お城』よ。お菓子のお・し・ろ。それをグレートハウスいいえカントリーハウス程度だなんて失礼しちゃいますわ」
このお菓子の家の主キティ・リクルは、そんな不満をぶちまけながら馬車から降りる。
一緒に下りてきたのは、彼女に同行した執事だった。
「大旦那様も、そのことは平にと謝罪しておりましたので、キティお嬢様」
「ふんっ。いくら謝っても許してあげないんだから」
パフスリープの肩を怒らせて、キティはずんずんと『お菓子の家』に向かった。
チョコレートの扉を開くと強烈な甘い匂いが鼻孔を突く。
「うーん、いい香りぃ」
「お嬢様。お待ちになってください」
甘い物が苦手。もっぱらコーヒーの匂いを漂わせている執事は、その強烈な匂いに耐えきれずハンカチーフで鼻を押さえてキティに駆け寄る。
「まあ、規模は小さいけれど、いいでしょ」
階段の手すりにちょんと乗ったホイップクリームをぺろりとなめて、悦に浸ったキティはお菓子の家を探検しようと走り回る。床はサブレだけど、魔法が効いているのかなかなか頑丈。
スカートをつまんで裾を上げ、淑女にはあるまじき様子で走り回る。
それはご令嬢というより、秘密基地を嬉しがる少年そのものだった。
「お嬢様! はしたない!」
執事の声なんて聞こえないふりをして、キティはビスケットのドアを開ける。
そこで目が合ってしまったのだ。
――ピンク色の小さな幻獣。
「あ……あなた……っ」
「きゅる!」
その幻獣は、お菓子の家を食い荒らしていた。
「ちょっと、わたくしのお菓子の家をなんてことするんですの!」
憤慨したキティだったが、その幻獣は敵意をむき出しにして襲いかかってきた。
「ぎりゅううううううううッ!」
「お嬢様、危ないッ――」
幻獣が伸ばしてきた爪はキティを抉るようにして振り下ろされたが、寸前のところで執事が引き倒すようにしてキティを動かし、回避した。
「お嬢様、ここは危険です」
「だって、わたくしのお菓子の家を!」
「承知しております。しかし、お嬢様に万が一のことがあったら大変です。ここはハンターに依頼を出しましょう。よろしいですね?」
キティは、ぶーっと膨れて、執事と共にお菓子の家を脱出するのだった。
●ハンターオフィス
「――甘い物好きディアピクシー」
討伐依頼が入った幻獣の名前を、受付嬢が口にした。
「古くから人間の生活圏に侵入し、甘いものを食べていくという不思議な習性を持った幻獣です。知能はさほど高くありませんが、人になつかないので、人間とはたびたび諍いを起こしているのです。ほら、特に女の子って甘い物が大好物じゃないですか」
甘い物を巡る人間と幻獣の争い。
それはきっと終わることがないだろう、とハンター達は思いながらも、討伐に乗り出した。
お菓子の家――。
それは女の子ならば誰もが夢見る、魔法の家。
両開きのドアはシナモンの香る板チョコレート。内壁はココナッツビスケットで、外壁はマカロンで補強されている。床仕上げ材の代わりに敷き詰められたのはバターの程よいサブレ。窓枠はグルグルに巻かれたロリポップを引き延ばして代用し、そこに透明なキャンディーをはめ込んでいる。
まさにここはお菓子の家。
誕生日プレゼントに、この家をプレゼントされたのは、十歳の少女だった。
「お爺様ってば、わたくしが頼んだのは『お城』よ。お菓子のお・し・ろ。それをグレートハウスいいえカントリーハウス程度だなんて失礼しちゃいますわ」
このお菓子の家の主キティ・リクルは、そんな不満をぶちまけながら馬車から降りる。
一緒に下りてきたのは、彼女に同行した執事だった。
「大旦那様も、そのことは平にと謝罪しておりましたので、キティお嬢様」
「ふんっ。いくら謝っても許してあげないんだから」
パフスリープの肩を怒らせて、キティはずんずんと『お菓子の家』に向かった。
チョコレートの扉を開くと強烈な甘い匂いが鼻孔を突く。
「うーん、いい香りぃ」
「お嬢様。お待ちになってください」
甘い物が苦手。もっぱらコーヒーの匂いを漂わせている執事は、その強烈な匂いに耐えきれずハンカチーフで鼻を押さえてキティに駆け寄る。
「まあ、規模は小さいけれど、いいでしょ」
階段の手すりにちょんと乗ったホイップクリームをぺろりとなめて、悦に浸ったキティはお菓子の家を探検しようと走り回る。床はサブレだけど、魔法が効いているのかなかなか頑丈。
スカートをつまんで裾を上げ、淑女にはあるまじき様子で走り回る。
それはご令嬢というより、秘密基地を嬉しがる少年そのものだった。
「お嬢様! はしたない!」
執事の声なんて聞こえないふりをして、キティはビスケットのドアを開ける。
そこで目が合ってしまったのだ。
――ピンク色の小さな幻獣。
「あ……あなた……っ」
「きゅる!」
その幻獣は、お菓子の家を食い荒らしていた。
「ちょっと、わたくしのお菓子の家をなんてことするんですの!」
憤慨したキティだったが、その幻獣は敵意をむき出しにして襲いかかってきた。
「ぎりゅううううううううッ!」
「お嬢様、危ないッ――」
幻獣が伸ばしてきた爪はキティを抉るようにして振り下ろされたが、寸前のところで執事が引き倒すようにしてキティを動かし、回避した。
「お嬢様、ここは危険です」
「だって、わたくしのお菓子の家を!」
「承知しております。しかし、お嬢様に万が一のことがあったら大変です。ここはハンターに依頼を出しましょう。よろしいですね?」
キティは、ぶーっと膨れて、執事と共にお菓子の家を脱出するのだった。
●ハンターオフィス
「――甘い物好きディアピクシー」
討伐依頼が入った幻獣の名前を、受付嬢が口にした。
「古くから人間の生活圏に侵入し、甘いものを食べていくという不思議な習性を持った幻獣です。知能はさほど高くありませんが、人になつかないので、人間とはたびたび諍いを起こしているのです。ほら、特に女の子って甘い物が大好物じゃないですか」
甘い物を巡る人間と幻獣の争い。
それはきっと終わることがないだろう、とハンター達は思いながらも、討伐に乗り出した。
リプレイ本文
●
甘い匂いに引き寄せられるように足を運ぶ。
見えてきたのは、お菓子の家――。
その門前にはキティ。
「遅いですわ!」
彼女の後ろには執事が汗を拭いていた。
「お嬢様、失礼ですよ」
「こちらこそ。遅れてごめんね」
素直に頭を下げたのはアーク・フォーサイス(ka6568)。
「遅くなってごめんニャスね」
ミア(ka7035)も声をかける。
「お菓子の家のプレゼント……リクルちゃんのおじいちゃんは素敵ニャスなぁ。お腹と夢に秘めたおとめごころをわかってるニャス。リクルちゃん、ミア達に任せるニャスよ!」
八原 篝(ka3104)はお菓子の家をしげしげと眺めていた。
「……すごいわね、いろいろと」
(かかった手間と時間と費用。お嬢さんがこの家に飽きた後、使用人たちが片付けるのかしら?)
――なんて考える。
「お菓子の家って奴か。へぇー、造りが細かいな」
魔法が掛かってるらしいけど、この家を造るだけでも十分魔法の領域に達してるな、とステラ・レッドキャップ(ka5434)は、感心した。
「ま、祖父母から贈られた物は大事にしないとな」
そう、キティに言い含めた。
「ほいほーい、なんとお菓子のお家が本当にあるとは思いもしませんでしたー」
小宮・千秋(ka6272)は、うずうずとしながら、言葉にする。
童話で見聞きした夢の世界が目の前に広がっている、と思うと気が逸るのを押さえきれない様子だ。
高野信実(ka7065)は、お菓子の家を見ながら目を輝かせていた。
「本当にお菓子で出来てる……僕、1度でいいから見てみたかったんす!」
二人はもうお菓子の家の虜だった。
そんな夢のお家を食い荒らす幻獣に憤っていたのは、ハヒヤ・ベリモル(ka6620)。
「こんなお菓子の家、食べたくにゃる気持ちは分かるけど……人に迷惑かけちゃ駄目にゃ!」
正義感をみなぎらせていた。
「人間と仲良くなれた幻獣も多くいれば、そうではない幻獣もいる……まあ、当然のことですよね」
フーリィ・フラック(ka7040)は、可能であれば共存の道も探りたいものだと、討伐目標の幻獣を想いため息をつく。
その横で、キティが宣言した。
「じゃあ、行きますわよ!」
歩き出した彼女に目を見張ったフーリィは、
「元気なお嬢さんですね。怪我などがなければよいのですが」
と、また、違う心配事を抱くのだった。
●
キティがお菓子の家に入ったところで、
「俺がはぐれないようにってことで」
「手を繋ぎたいの?」
「ええ」
と、アークが手を取った。本当は勝手に動き回らないようにという意図だ。
それに気がつかない様子で、キティは、傍にいた篝の手も握る。
「いや、かしら?」
「……べつにいいけど」
「よかった」
キティの無邪気な笑顔に、篝はたじたじだった。
そんな篝をほほえましく想いながら、アークは尋ねかける。
「家の周りには?」
「いなかったわ。十体全部、家の中よ」
その情報はすでにエピキノニアで、他の組と連絡を取ったという。
「それより、キティちゃん。お菓子の家の中に土足で入ってしまって大丈夫?」
「いいわよ。ここは『家』ですもの。それより、一番心配な場所があるの」
両手を掴まれたキティが、二人を引っ張った。
アークと篝はキティに引っ張られるまま、階段を上る。
「ここ! わたくしの寝室!」
扉の前で聞き耳を立ててみると、中で何かが動いている音が聞こえた。たしかにいる。
ハンター二人は目を見合わせた。
よし――と、アークはキティの手を放して、部屋の中に突入した。
確認した敵影は三。手近にいた一体へ、踏み込み。懐に入る。不意打ちに振り下ろされた刀はディアピクシーの一体を屠った。
奥にいたディアピクシー二体が、形相を変えて襲いかかってきた。
「き、来ますわ!」
慌てふためくキティを背中に隠した篝。
「危ないんだから動かないでよ」
その時、ディアピクシーの風圧弾が、アークと、キティに向かって飛んだ。
アークは簡単に躱せたが、問題はキティだ。彼女は眼前の凶弾を目で捉えて「ひッ」と呻いた。それを防いだのは篝だった。
特製の手甲で防いだとはいえ、痛みに唇を噛む。
「あ、あなた……」
「言ったでしょ。あなたはわたし達が守るって」
篝に守られたキティを見て、胸をなで下ろしたアークは、ディアピクシーに迫り刀を薙いだ。小回りの効くピクシーだ。スルスルと回避してしまう。
それならば、と隠し持っていたプレミアムチョコレートを空中に投げた。
甘い物好きの本能だろう、チョコレートに釣られて空中に飛び出したディアピクシー。
妖精達がチョコレートを咥えた瞬間、刀がその一体を砕く。
残った一体が、死に物狂いに空気弾を放った。
アークは心眼でそれを見きり、打ち払う。
篝の放ったチャクラムが空を切った。一発目。避けられた――が、その陰に隠れた二発目をディアピクシーは見切れなかった。
断末魔の叫びを放って、三体のピクシーは駆除されたのだった。
「あ、あの! わたくしを守るために……」
キティが泣きそうな声で、篝の赤黒く腫れた手を見る。
次の瞬間、その手に温かな光が宿り、傷が癒えていく。あっという間に傷が治った。
「心配しなくて大丈夫よ」
「ああ。良かった……ですわ」
キティは心底安心したように、篝の手を握ったのだった。
●
ハヒヤは、お菓子の家を守ることを決意しながら一階を探索していた。
行動を共にしていたのは、ステラ。
二人は、闇雲に一階の部屋を探した後、エントランスホールを調べた。隅の方までしっかりと探してみたが見当たらない。
「ここにはいないぜ。やっぱり、どこかの部屋にいるんじゃないか?」
ステラがそう言うと、ハヒヤも同意するように、うん、と頷いた。
「きっとそうにゃ」
「……ハヒヤ? どうした?」
階段の欄干にあしらわれたキャラメルを見上げて、よだれを垂らしていたハヒヤだったが、ステラに見られていることを知ると、よだれを拭いて、
「な、なんでもないにゃ!」
と取り繕い、
(お菓子の家を食べるのは流石に申し訳にゃいにゃ。でも、後でお菓子をもらえるかもしれない。がんばらにゃいと)
廊下をズンズンと進む。
突き当たりにあった扉を開くと、現れたのはキッチンだ。
「キッチンにゃ」
「いるならここかもな」
二人は部屋の中に入った。
ハヒヤはダガーを取り出した。念入りに点検した後、猫の霊を呼び出した。
「よろしく頼むにゃ」
動物霊の加護を得たハヒヤは、臨戦態勢を取る。
ステラは、ヴァールハイトの回転式弾倉を開いて、重撃弾が装填されていることを確認し戻した。
がたっ……物音に気づいたハヒヤ。
クッキーのまな板に齧り付いていたのは二体の妖精。
ステラも確認した。
「こちら、ステラ。ディアピクシー二体発見」
トランシーバーで報告を終えると、リボルバーを両手持ちし、アイアンサイトで照準を合わせる。
「虎猫!」
ハヒヤの声に反応したのは、彼女の相棒。
ハヒヤと虎猫は、ディアピクシーと、一気に距離を詰める。
醜悪に顔をゆがめる妖精の一体に向かって、ダガーと、猫の爪が襲いかかった。
それから逃れ、風のように舞い上がったディアピクシー。
「にゃー!? 思っていた以上にすばしっこいにゃ!」
腹に響くような重低音。
ステラの放った跳弾が、舞い上がったディアピクシーを打ち抜いたのだ。
「逃げようとしても無駄だぜ」
もう一体のディアピクシーはキッチンから出て行こうとして。
しかし、ハヒヤはそれに追いつき、ダガーを振りかざす。
ディアピクシーはそれを見切り――しかし、ハヒヤはにやりと笑った。
避けた先に、虎猫の爪が待ち構えていたのだ。
ディアピクシーは打ち落とされ、悪鬼のような顔のまま死に絶えた。
●
一階、浴室の浴槽に貯められていたのはサイダー水だった。
シュワシュワとしておいしそうだ。
千秋は、それを手で掬って、口を付ける。口の中にスッキリとした甘さが広がる。本物のサイダーだ。
「童話ではお子様を誘き寄せる罠のようなものでしたが、こちらはそんな怖いものじゃなく、そのまんまの素敵なプレゼントですねー」
千秋が驚嘆する。
ペアとして行動を共にしていたのは、信実。
洗面台の蛇口をひねると出てきた“液体”に興味をそそられて、指に付け舐める。ハチミツだ。
体を震わせながら、千秋を呼んだ。
「千秋さん。こっち来てください。すごいっすよ」
「どうしたんですかー。ピクシーさんいましたかー? って、ハチミツー!」
千秋も口を◇の形にして、驚く。
――甲高い犬の声。
千秋はそれを聞くなり、ペットのマルチーズさんとスコティッシュフォールドさんだと気づく。視覚を共有すると、ディアピクシーが二体、廊下を飛行している様子が見えた。
どうやら彼らは、部屋から部屋へ移動するディアピクシーを発見したようなのだ。
「高野さん。こっちにピクシーさんが来ます」
短く伝えて、千秋は廊下に出た。
その千秋にディアピクシーは弾丸のように突っ込んでいく。
“弾丸”を千秋はいなして躱し、反対にその力を利用してぶん投げたが、地面にぶつける前に飛んで逃げられた。
「ごめんなさい! えーいっ!」
ペイント弾を発射した信実。
だが、それは難なくかわされてしまった。
逃げられそうになったところで機転を利かせた。
「うわわ、ま、待つっす! そうだ!」
さっきのハチミツを、ハンカチで受けて貯めて、それを投擲したのだ。
それ自体はなんの攻撃力もないただのハチミツ。廊下にべちゃっと落ちた。
だが、ディアピクシーは甘い物に吸い寄せられて、一瞬の隙が生まれたのだ。
その間隙に千秋が動く。籠手についた鋭い爪でディアピクシーを切り裂いた。
もう一体は浴室の中に逃げていく。その背中へ、信実の放ったリボルバーの弾丸がかすめた。
ギロッと目を剥いた妖精は、方向転換し、殺意をむき出しに信実へ迫る。
「――」
信実が恐怖に囚われそうになったその時、疾風が一陣吹いた。
その風の中には、絶命した鬼めいた妖精と、千秋がいる。牽制の一撃が図らずも敵を討ったのだ。
安堵の息を一つ吐いた信実は、トランシーバーで報告する。
「こ、こちら、高野。ディアピクシー二体、討伐完了っす」
●
バニラの匂いが香る。
その匂いをたどった先にいるのはミアだ。彼女は自らにバニラの匂いを付けて、それを扇子で煽り、拡散していた。さらに手にはマカロンまで持っている。
まるっきり、お菓子の家に溶け込んでいる。彼女と歩くフーリィはそう思い、カラカラと笑う。
「いやあ、美人さんと一緒できてやる気も増すってもんです」
『美人』と面と向かい言われて、悪い気がしないミア。
「フラックちゃん、よろしくニャス! ミアの背中は任せるニャスよ!」
口をωの形にして、気分良く歩く。
一階の部屋は全て捜索されたと報告があったので、二階を探していた。
「ミアのマカロンはあーまいぞーニャス。ピクシーちゃん出てくるニャスー」
歌うように呼びかけるが、いないようだ。
ピクシーがどこかに隠れてお菓子の家を食べているかと思うと、――じゅるり。袖口で拭く。気を取り直した。
「……でも確かに、このお菓子の家の魅力ははんぱニャいニャスなぁ……わかるニャス。でもミアはピクシーちゃんとは違うニャス、我慢するニャス……!」
グーと鳴ったお腹を黙らせるように、マカロンを頬張った。
「次は応接間ですかね」
二人は書斎を出て、応接間の前まで来る。
「さてさて、ピクシーちゃんはどこからお出ましですかね~。オイタする子にはオシオキですよ~」
堅焼きのキッフェルンで作られたドアの取っ手を開けたフーリィは、三体のディアピクシーを見つけた。
「ミアさん。ソファの影です」
「わかったニャス」
練気を練り上げたミアは、そのまま突撃を敢行する。
バターケーキで作られていたソファを半分まで平らげていたディアピクシーは、ミアを見つけるなり、空圧弾を飛ばしてきた。
「お菓子の家が!」
ミアは立ち止まり、一発、二発――フーリィに向けられた三発目ですらも身を挺して盾となる。
「ニャア――」
闘気をみなぎらせて、再突入したミアはディアピクシーと肉薄。
一体を、目にも捉えきれないほどの素早い一撃で、薙ぎ倒す。
背後に気配。爪が振りかぶられていた。避けきれない――。
しかし、次の瞬間、妖精は弾け飛んだ。
フーリィの放ったマジックアローが、間一髪のところで命中したのだ。
「ミアさん。次、天井ですよぉ」
見上げた場所に吊されていたのは、飴細工のシャンデリア。
そこにチラチラと小さな影が見え隠れしている。
フーリィは氷の矢を放つ。それを避けたディアピクシーは急降下。爪を伸ばしてフーリィを狙う。だが、その爪はフーリィまで届かなかった。
ミアが割り込み、カウンターの一撃を放ったのだった。
ディアピクシー最後の一体はこうして、あっけない最期を遂げた。
フーリィが報告をしている間、ミアは自らの怪我を自己回復に努めた。
「よし、完了ニャス」
「私は最終確認をしていきますので」
そう言って、フーリィは消えていった。
●
屋内を虱潰しに確認し終えたフーリィは、外に出て、キティと執事にこう話した。
「今回は討伐になってしまいましたが……次からこういうことをする時は、ピクシー用のお菓子を用意しておけば諍いにならずにすむかもしれませんねぇ?」
「そうですわ。あの妖精達には悪いことをしました。あなた方にも」
フーリィはさきほどまでの少女とは思えないほどの殊勝な態度に、少し驚いてから、
「弔いの意味を込めても、お茶会などいかがですか?」
と提案をしたのだった。
お菓子の家の前で、甘いお菓子が持ち寄られて、小さなお茶会が開かれた。
「甘いものは好きだけど今日はもう充分すぎる」
という篝の声で、彼女の前には煎餅が並んでいる。もちろんお茶は玉露だ。
アークもそれに便乗していた。
「今回はこいつの出番はなかったな」
ステラはポーションを戻して、ダージリンティーに口を付ける。
「ティティ。お菓子おいしいにゃー!」
「まだありますわよ」
愛称で呼ぶハヒヤに、キティは微笑んだ。
「お茶のおかわりどうですかー?」
千秋はなぜかメイドさんに混じって、お茶を煎れていた。
「キティさんのおじいさんは、キティさんが大好きなんすね。部外者の僕にも分かるんです。だって素敵な贈り物っすから」
信実がキティの祖父へ敬意を示しているその横で、
「目にもお鼻にも美味しい世界だったニャス……いいなぁ、いいなぁ、ちょっとだけ……ダメ、ニャスか?」
ミアが未練を露わにするのだった。
お菓子の家。
その前で開かれたお茶会。
甘い甘い時間は、きっといつまでも続いたことだろう。
甘い匂いに引き寄せられるように足を運ぶ。
見えてきたのは、お菓子の家――。
その門前にはキティ。
「遅いですわ!」
彼女の後ろには執事が汗を拭いていた。
「お嬢様、失礼ですよ」
「こちらこそ。遅れてごめんね」
素直に頭を下げたのはアーク・フォーサイス(ka6568)。
「遅くなってごめんニャスね」
ミア(ka7035)も声をかける。
「お菓子の家のプレゼント……リクルちゃんのおじいちゃんは素敵ニャスなぁ。お腹と夢に秘めたおとめごころをわかってるニャス。リクルちゃん、ミア達に任せるニャスよ!」
八原 篝(ka3104)はお菓子の家をしげしげと眺めていた。
「……すごいわね、いろいろと」
(かかった手間と時間と費用。お嬢さんがこの家に飽きた後、使用人たちが片付けるのかしら?)
――なんて考える。
「お菓子の家って奴か。へぇー、造りが細かいな」
魔法が掛かってるらしいけど、この家を造るだけでも十分魔法の領域に達してるな、とステラ・レッドキャップ(ka5434)は、感心した。
「ま、祖父母から贈られた物は大事にしないとな」
そう、キティに言い含めた。
「ほいほーい、なんとお菓子のお家が本当にあるとは思いもしませんでしたー」
小宮・千秋(ka6272)は、うずうずとしながら、言葉にする。
童話で見聞きした夢の世界が目の前に広がっている、と思うと気が逸るのを押さえきれない様子だ。
高野信実(ka7065)は、お菓子の家を見ながら目を輝かせていた。
「本当にお菓子で出来てる……僕、1度でいいから見てみたかったんす!」
二人はもうお菓子の家の虜だった。
そんな夢のお家を食い荒らす幻獣に憤っていたのは、ハヒヤ・ベリモル(ka6620)。
「こんなお菓子の家、食べたくにゃる気持ちは分かるけど……人に迷惑かけちゃ駄目にゃ!」
正義感をみなぎらせていた。
「人間と仲良くなれた幻獣も多くいれば、そうではない幻獣もいる……まあ、当然のことですよね」
フーリィ・フラック(ka7040)は、可能であれば共存の道も探りたいものだと、討伐目標の幻獣を想いため息をつく。
その横で、キティが宣言した。
「じゃあ、行きますわよ!」
歩き出した彼女に目を見張ったフーリィは、
「元気なお嬢さんですね。怪我などがなければよいのですが」
と、また、違う心配事を抱くのだった。
●
キティがお菓子の家に入ったところで、
「俺がはぐれないようにってことで」
「手を繋ぎたいの?」
「ええ」
と、アークが手を取った。本当は勝手に動き回らないようにという意図だ。
それに気がつかない様子で、キティは、傍にいた篝の手も握る。
「いや、かしら?」
「……べつにいいけど」
「よかった」
キティの無邪気な笑顔に、篝はたじたじだった。
そんな篝をほほえましく想いながら、アークは尋ねかける。
「家の周りには?」
「いなかったわ。十体全部、家の中よ」
その情報はすでにエピキノニアで、他の組と連絡を取ったという。
「それより、キティちゃん。お菓子の家の中に土足で入ってしまって大丈夫?」
「いいわよ。ここは『家』ですもの。それより、一番心配な場所があるの」
両手を掴まれたキティが、二人を引っ張った。
アークと篝はキティに引っ張られるまま、階段を上る。
「ここ! わたくしの寝室!」
扉の前で聞き耳を立ててみると、中で何かが動いている音が聞こえた。たしかにいる。
ハンター二人は目を見合わせた。
よし――と、アークはキティの手を放して、部屋の中に突入した。
確認した敵影は三。手近にいた一体へ、踏み込み。懐に入る。不意打ちに振り下ろされた刀はディアピクシーの一体を屠った。
奥にいたディアピクシー二体が、形相を変えて襲いかかってきた。
「き、来ますわ!」
慌てふためくキティを背中に隠した篝。
「危ないんだから動かないでよ」
その時、ディアピクシーの風圧弾が、アークと、キティに向かって飛んだ。
アークは簡単に躱せたが、問題はキティだ。彼女は眼前の凶弾を目で捉えて「ひッ」と呻いた。それを防いだのは篝だった。
特製の手甲で防いだとはいえ、痛みに唇を噛む。
「あ、あなた……」
「言ったでしょ。あなたはわたし達が守るって」
篝に守られたキティを見て、胸をなで下ろしたアークは、ディアピクシーに迫り刀を薙いだ。小回りの効くピクシーだ。スルスルと回避してしまう。
それならば、と隠し持っていたプレミアムチョコレートを空中に投げた。
甘い物好きの本能だろう、チョコレートに釣られて空中に飛び出したディアピクシー。
妖精達がチョコレートを咥えた瞬間、刀がその一体を砕く。
残った一体が、死に物狂いに空気弾を放った。
アークは心眼でそれを見きり、打ち払う。
篝の放ったチャクラムが空を切った。一発目。避けられた――が、その陰に隠れた二発目をディアピクシーは見切れなかった。
断末魔の叫びを放って、三体のピクシーは駆除されたのだった。
「あ、あの! わたくしを守るために……」
キティが泣きそうな声で、篝の赤黒く腫れた手を見る。
次の瞬間、その手に温かな光が宿り、傷が癒えていく。あっという間に傷が治った。
「心配しなくて大丈夫よ」
「ああ。良かった……ですわ」
キティは心底安心したように、篝の手を握ったのだった。
●
ハヒヤは、お菓子の家を守ることを決意しながら一階を探索していた。
行動を共にしていたのは、ステラ。
二人は、闇雲に一階の部屋を探した後、エントランスホールを調べた。隅の方までしっかりと探してみたが見当たらない。
「ここにはいないぜ。やっぱり、どこかの部屋にいるんじゃないか?」
ステラがそう言うと、ハヒヤも同意するように、うん、と頷いた。
「きっとそうにゃ」
「……ハヒヤ? どうした?」
階段の欄干にあしらわれたキャラメルを見上げて、よだれを垂らしていたハヒヤだったが、ステラに見られていることを知ると、よだれを拭いて、
「な、なんでもないにゃ!」
と取り繕い、
(お菓子の家を食べるのは流石に申し訳にゃいにゃ。でも、後でお菓子をもらえるかもしれない。がんばらにゃいと)
廊下をズンズンと進む。
突き当たりにあった扉を開くと、現れたのはキッチンだ。
「キッチンにゃ」
「いるならここかもな」
二人は部屋の中に入った。
ハヒヤはダガーを取り出した。念入りに点検した後、猫の霊を呼び出した。
「よろしく頼むにゃ」
動物霊の加護を得たハヒヤは、臨戦態勢を取る。
ステラは、ヴァールハイトの回転式弾倉を開いて、重撃弾が装填されていることを確認し戻した。
がたっ……物音に気づいたハヒヤ。
クッキーのまな板に齧り付いていたのは二体の妖精。
ステラも確認した。
「こちら、ステラ。ディアピクシー二体発見」
トランシーバーで報告を終えると、リボルバーを両手持ちし、アイアンサイトで照準を合わせる。
「虎猫!」
ハヒヤの声に反応したのは、彼女の相棒。
ハヒヤと虎猫は、ディアピクシーと、一気に距離を詰める。
醜悪に顔をゆがめる妖精の一体に向かって、ダガーと、猫の爪が襲いかかった。
それから逃れ、風のように舞い上がったディアピクシー。
「にゃー!? 思っていた以上にすばしっこいにゃ!」
腹に響くような重低音。
ステラの放った跳弾が、舞い上がったディアピクシーを打ち抜いたのだ。
「逃げようとしても無駄だぜ」
もう一体のディアピクシーはキッチンから出て行こうとして。
しかし、ハヒヤはそれに追いつき、ダガーを振りかざす。
ディアピクシーはそれを見切り――しかし、ハヒヤはにやりと笑った。
避けた先に、虎猫の爪が待ち構えていたのだ。
ディアピクシーは打ち落とされ、悪鬼のような顔のまま死に絶えた。
●
一階、浴室の浴槽に貯められていたのはサイダー水だった。
シュワシュワとしておいしそうだ。
千秋は、それを手で掬って、口を付ける。口の中にスッキリとした甘さが広がる。本物のサイダーだ。
「童話ではお子様を誘き寄せる罠のようなものでしたが、こちらはそんな怖いものじゃなく、そのまんまの素敵なプレゼントですねー」
千秋が驚嘆する。
ペアとして行動を共にしていたのは、信実。
洗面台の蛇口をひねると出てきた“液体”に興味をそそられて、指に付け舐める。ハチミツだ。
体を震わせながら、千秋を呼んだ。
「千秋さん。こっち来てください。すごいっすよ」
「どうしたんですかー。ピクシーさんいましたかー? って、ハチミツー!」
千秋も口を◇の形にして、驚く。
――甲高い犬の声。
千秋はそれを聞くなり、ペットのマルチーズさんとスコティッシュフォールドさんだと気づく。視覚を共有すると、ディアピクシーが二体、廊下を飛行している様子が見えた。
どうやら彼らは、部屋から部屋へ移動するディアピクシーを発見したようなのだ。
「高野さん。こっちにピクシーさんが来ます」
短く伝えて、千秋は廊下に出た。
その千秋にディアピクシーは弾丸のように突っ込んでいく。
“弾丸”を千秋はいなして躱し、反対にその力を利用してぶん投げたが、地面にぶつける前に飛んで逃げられた。
「ごめんなさい! えーいっ!」
ペイント弾を発射した信実。
だが、それは難なくかわされてしまった。
逃げられそうになったところで機転を利かせた。
「うわわ、ま、待つっす! そうだ!」
さっきのハチミツを、ハンカチで受けて貯めて、それを投擲したのだ。
それ自体はなんの攻撃力もないただのハチミツ。廊下にべちゃっと落ちた。
だが、ディアピクシーは甘い物に吸い寄せられて、一瞬の隙が生まれたのだ。
その間隙に千秋が動く。籠手についた鋭い爪でディアピクシーを切り裂いた。
もう一体は浴室の中に逃げていく。その背中へ、信実の放ったリボルバーの弾丸がかすめた。
ギロッと目を剥いた妖精は、方向転換し、殺意をむき出しに信実へ迫る。
「――」
信実が恐怖に囚われそうになったその時、疾風が一陣吹いた。
その風の中には、絶命した鬼めいた妖精と、千秋がいる。牽制の一撃が図らずも敵を討ったのだ。
安堵の息を一つ吐いた信実は、トランシーバーで報告する。
「こ、こちら、高野。ディアピクシー二体、討伐完了っす」
●
バニラの匂いが香る。
その匂いをたどった先にいるのはミアだ。彼女は自らにバニラの匂いを付けて、それを扇子で煽り、拡散していた。さらに手にはマカロンまで持っている。
まるっきり、お菓子の家に溶け込んでいる。彼女と歩くフーリィはそう思い、カラカラと笑う。
「いやあ、美人さんと一緒できてやる気も増すってもんです」
『美人』と面と向かい言われて、悪い気がしないミア。
「フラックちゃん、よろしくニャス! ミアの背中は任せるニャスよ!」
口をωの形にして、気分良く歩く。
一階の部屋は全て捜索されたと報告があったので、二階を探していた。
「ミアのマカロンはあーまいぞーニャス。ピクシーちゃん出てくるニャスー」
歌うように呼びかけるが、いないようだ。
ピクシーがどこかに隠れてお菓子の家を食べているかと思うと、――じゅるり。袖口で拭く。気を取り直した。
「……でも確かに、このお菓子の家の魅力ははんぱニャいニャスなぁ……わかるニャス。でもミアはピクシーちゃんとは違うニャス、我慢するニャス……!」
グーと鳴ったお腹を黙らせるように、マカロンを頬張った。
「次は応接間ですかね」
二人は書斎を出て、応接間の前まで来る。
「さてさて、ピクシーちゃんはどこからお出ましですかね~。オイタする子にはオシオキですよ~」
堅焼きのキッフェルンで作られたドアの取っ手を開けたフーリィは、三体のディアピクシーを見つけた。
「ミアさん。ソファの影です」
「わかったニャス」
練気を練り上げたミアは、そのまま突撃を敢行する。
バターケーキで作られていたソファを半分まで平らげていたディアピクシーは、ミアを見つけるなり、空圧弾を飛ばしてきた。
「お菓子の家が!」
ミアは立ち止まり、一発、二発――フーリィに向けられた三発目ですらも身を挺して盾となる。
「ニャア――」
闘気をみなぎらせて、再突入したミアはディアピクシーと肉薄。
一体を、目にも捉えきれないほどの素早い一撃で、薙ぎ倒す。
背後に気配。爪が振りかぶられていた。避けきれない――。
しかし、次の瞬間、妖精は弾け飛んだ。
フーリィの放ったマジックアローが、間一髪のところで命中したのだ。
「ミアさん。次、天井ですよぉ」
見上げた場所に吊されていたのは、飴細工のシャンデリア。
そこにチラチラと小さな影が見え隠れしている。
フーリィは氷の矢を放つ。それを避けたディアピクシーは急降下。爪を伸ばしてフーリィを狙う。だが、その爪はフーリィまで届かなかった。
ミアが割り込み、カウンターの一撃を放ったのだった。
ディアピクシー最後の一体はこうして、あっけない最期を遂げた。
フーリィが報告をしている間、ミアは自らの怪我を自己回復に努めた。
「よし、完了ニャス」
「私は最終確認をしていきますので」
そう言って、フーリィは消えていった。
●
屋内を虱潰しに確認し終えたフーリィは、外に出て、キティと執事にこう話した。
「今回は討伐になってしまいましたが……次からこういうことをする時は、ピクシー用のお菓子を用意しておけば諍いにならずにすむかもしれませんねぇ?」
「そうですわ。あの妖精達には悪いことをしました。あなた方にも」
フーリィはさきほどまでの少女とは思えないほどの殊勝な態度に、少し驚いてから、
「弔いの意味を込めても、お茶会などいかがですか?」
と提案をしたのだった。
お菓子の家の前で、甘いお菓子が持ち寄られて、小さなお茶会が開かれた。
「甘いものは好きだけど今日はもう充分すぎる」
という篝の声で、彼女の前には煎餅が並んでいる。もちろんお茶は玉露だ。
アークもそれに便乗していた。
「今回はこいつの出番はなかったな」
ステラはポーションを戻して、ダージリンティーに口を付ける。
「ティティ。お菓子おいしいにゃー!」
「まだありますわよ」
愛称で呼ぶハヒヤに、キティは微笑んだ。
「お茶のおかわりどうですかー?」
千秋はなぜかメイドさんに混じって、お茶を煎れていた。
「キティさんのおじいさんは、キティさんが大好きなんすね。部外者の僕にも分かるんです。だって素敵な贈り物っすから」
信実がキティの祖父へ敬意を示しているその横で、
「目にもお鼻にも美味しい世界だったニャス……いいなぁ、いいなぁ、ちょっとだけ……ダメ、ニャスか?」
ミアが未練を露わにするのだった。
お菓子の家。
その前で開かれたお茶会。
甘い甘い時間は、きっといつまでも続いたことだろう。
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【相談卓】 ステラ・レッドキャップ(ka5434) 人間(クリムゾンウェスト)|14才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/11/13 22:37:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/11/13 05:31:29 |