ゲスト
(ka0000)
【虚動】刎頚之友
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/11/28 15:00
- 完成日
- 2014/11/30 18:25
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
5年前に起こった王国を襲う災厄、その再来たるイスルダ島の歪虚の襲来は、クリムゾンウェストの世界を駆け巡り、震撼させた。
異界より到来したラッツィオ島での戦い、そして帝国に再び姿を現した剣機の歪虚。
世界を覆ういくつもの邪悪の影は、各国、各地域の首脳陣をリゼリオへと呼び集める。
人類の明日を、如何に守るべきか。
異世界リアルブルーの人々も交えた会合により、人類の希望は二つの兵器に託される。
一つは、蒼き世界の機械の巨人、サルヴァトーレ・ロッソに眠る戦闘装甲機「CAM」。
だがそれは、必要な燃料の入手に苦慮し、動くことはあたわなかった。
一つは、帝国の練魔院にて研究されてきた魔導アーマー。
長年の研究の結果、稼働実験にまで漕ぎ着けた、新たなる力。
そして世界は、二つの力を合わせることを選択する。
魔導アーマーの動力をCAMに搭載する実験が提唱され、世界はそれに向けて動き出した。
仮に実験が成功すれば、人類は歪虚に対抗する大きな手段を得るだろう。
だが……。
「辺境部族をまとめ上げる資格がない……そう仰いましたか」
要塞『ノアーラ・クンタウ』要塞管理者執務室で、ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)は静かに呟いた。
スコール族のファリフ・スコール(kz0009)を旗印として、オイマト族のバタルトゥ・オイマト(kz0023)が辺境部族をまとめ上げる提案を受けた際に発した一言だ。
報告書によれば、バタルトゥはスコール族と共に協調路線を取る事も拒否しているようだ。
「辺境部族の力を結集しても無理、帝国の力を借りなければ倒せない。そうハンターに答えていたそうです」
「そうですか。正しい現状把握です。
しかし、そうであるならばもう少し早く行動を起こすべきですねぇ」
部下の報告に耳を傾けていたヴェルナーは、椅子から立ち上がって窓の外に視線を向ける。
辺境部族が危機的状況であるならば、現状を打開しなければならない。
そうしない理由が『資格がない』という言葉に込められている。
過去に辺境部族の戦士が大勢歪虚に呑まれた『ベスタハの悲劇』。それを引き起こしたのがオイマト族のハイルタイという男――おそらく、バタルトゥが動かないのは、この事件が原因だろう。
(事件直後は風当たりも強く、反論もできなかったでしょう。
その現実が、彼の心にどのような影響をもたらしたか……)
「ヴェルナー様。帝都から通達された件は如何致しましょう」
ヴェルナーの思考を遮るように、部下が別の案件で話し掛けてきた。
思考を止められたヴェルナーは、表情を露わにして不機嫌となる。
「私は今、考え事をしています」
「ですが、こちらの件も放置できません。既に実験機器の移送準備が始まっています」
――実験。
そう、帝都が『ある実験体』の稼働実験場利用について辺境部族の説得を催促してきたのだ。
稼働実験場マギア砦南の沿岸地域――各国の綱引きの結果、辺境の地で開催する事になったのだが、準備に手間取って辺境部族の説得が遅れていたのだ。
「簡単に言ってくれますねぇ。
帝国に心を開いていない辺境部族がそう簡単に納得してはくれませんよ」
「下手をすれば辺境部族が実験場へ雪崩れ込んできます」
「分かっています。
……そうですね。鍵は、やはりバタルトゥさんでしょうね。
立場に苦悩され、生き様に翻弄され……ですが、帝国にとっては渡りに船です。彼も信頼するハンターを絡めて説得しましょう――CAM稼働実験の許可を」
●
「なんだ、これは……」
バタルトゥの元に届けられた一枚の書簡。
そこには、このような文面が記載されていた。
『親愛なる友人 バタルトゥさん
より一層の交流を深めるべく、帝国式の茶会を開く事となりました。
是非ともノアーラ・クンタウまでお越し下さい。
追伸:当日はハンターも同席して親交を深める予定です。
ヴェルナー・ブロスフェルト』
異界より到来したラッツィオ島での戦い、そして帝国に再び姿を現した剣機の歪虚。
世界を覆ういくつもの邪悪の影は、各国、各地域の首脳陣をリゼリオへと呼び集める。
人類の明日を、如何に守るべきか。
異世界リアルブルーの人々も交えた会合により、人類の希望は二つの兵器に託される。
一つは、蒼き世界の機械の巨人、サルヴァトーレ・ロッソに眠る戦闘装甲機「CAM」。
だがそれは、必要な燃料の入手に苦慮し、動くことはあたわなかった。
一つは、帝国の練魔院にて研究されてきた魔導アーマー。
長年の研究の結果、稼働実験にまで漕ぎ着けた、新たなる力。
そして世界は、二つの力を合わせることを選択する。
魔導アーマーの動力をCAMに搭載する実験が提唱され、世界はそれに向けて動き出した。
仮に実験が成功すれば、人類は歪虚に対抗する大きな手段を得るだろう。
だが……。
「辺境部族をまとめ上げる資格がない……そう仰いましたか」
要塞『ノアーラ・クンタウ』要塞管理者執務室で、ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)は静かに呟いた。
スコール族のファリフ・スコール(kz0009)を旗印として、オイマト族のバタルトゥ・オイマト(kz0023)が辺境部族をまとめ上げる提案を受けた際に発した一言だ。
報告書によれば、バタルトゥはスコール族と共に協調路線を取る事も拒否しているようだ。
「辺境部族の力を結集しても無理、帝国の力を借りなければ倒せない。そうハンターに答えていたそうです」
「そうですか。正しい現状把握です。
しかし、そうであるならばもう少し早く行動を起こすべきですねぇ」
部下の報告に耳を傾けていたヴェルナーは、椅子から立ち上がって窓の外に視線を向ける。
辺境部族が危機的状況であるならば、現状を打開しなければならない。
そうしない理由が『資格がない』という言葉に込められている。
過去に辺境部族の戦士が大勢歪虚に呑まれた『ベスタハの悲劇』。それを引き起こしたのがオイマト族のハイルタイという男――おそらく、バタルトゥが動かないのは、この事件が原因だろう。
(事件直後は風当たりも強く、反論もできなかったでしょう。
その現実が、彼の心にどのような影響をもたらしたか……)
「ヴェルナー様。帝都から通達された件は如何致しましょう」
ヴェルナーの思考を遮るように、部下が別の案件で話し掛けてきた。
思考を止められたヴェルナーは、表情を露わにして不機嫌となる。
「私は今、考え事をしています」
「ですが、こちらの件も放置できません。既に実験機器の移送準備が始まっています」
――実験。
そう、帝都が『ある実験体』の稼働実験場利用について辺境部族の説得を催促してきたのだ。
稼働実験場マギア砦南の沿岸地域――各国の綱引きの結果、辺境の地で開催する事になったのだが、準備に手間取って辺境部族の説得が遅れていたのだ。
「簡単に言ってくれますねぇ。
帝国に心を開いていない辺境部族がそう簡単に納得してはくれませんよ」
「下手をすれば辺境部族が実験場へ雪崩れ込んできます」
「分かっています。
……そうですね。鍵は、やはりバタルトゥさんでしょうね。
立場に苦悩され、生き様に翻弄され……ですが、帝国にとっては渡りに船です。彼も信頼するハンターを絡めて説得しましょう――CAM稼働実験の許可を」
●
「なんだ、これは……」
バタルトゥの元に届けられた一枚の書簡。
そこには、このような文面が記載されていた。
『親愛なる友人 バタルトゥさん
より一層の交流を深めるべく、帝国式の茶会を開く事となりました。
是非ともノアーラ・クンタウまでお越し下さい。
追伸:当日はハンターも同席して親交を深める予定です。
ヴェルナー・ブロスフェルト』
リプレイ本文
「単刀直入に申し上げます。
CAMの稼働実験を行う為、マギア砦の南をお貸しいただきたいのです」
要塞『ノアーラ・クンタウ』要塞管理者執務室で、ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)がオイマト族のバタルトゥ・オイマト(kz0023)へ頭を下げる。
お茶会と言われて足を運んだ族長であったが、唐突に申し出に困惑するのも無理はない。何かを仕掛けてくると思っていたが、まさかこのような展開だったとは――。
「唐突にそのような事を言われても……」
「お茶をお持ちしました」
族長の声を遮るように、マリエル(ka0116)が紅茶とお菓子をテーブルに並べ始める。 困惑する族長を落ち着かせる為に敢えて割り込んだようだ。茶器を並べる間に族長に落ち着かせる時間を与える。円滑に議論を進める為だ。
マリエルがお茶を並べている間、守原 有希弥(ka0562)とメイ=ロザリンド(ka3394)が立ち上がって本日のお茶請けを説明する。
「本日のお菓子はカトル・カールと名前のお菓子です。とても簡単にできるお菓子なんです」
『バタルトゥさん、どうしてこのケーキにしたのか分かりますか?』
メイはスケッチブックで族長宛にメッセージを伝える。
族長は一通りメッセージに視線を送った後、静かに首を横に振った。
その様子を見たメイは、再びスケッチブックにペンを走らせる。
『このケーキはリアルブルーで産まれたケーキです。
フランスと呼ばれる国では『四分の一』という意味があるんです』
――四分の一。
つまり、このケーキは辺境、帝国、王国、同盟と呼ばれる西方世界の四分の一を握る者として恥ずかしくない行動を取る、という意味合いが込められている。
「今日、この場に同席させていただく事に感謝致します。そして、未来の子供達に誇れる選択を……」
「待て。今一度、CAMについて知っておきたい」
守原の言葉に耳を傾けていた族長は、CAMや魔導アーマーの説明を要求する。
ヴェルナーから聞いていた話によれば、族長は話や噂は聞いていても現物を見た事がない。これではどのような代物が辺境に持ち込まれるのかが分からず、正しい判断できないだろう。
「すいません。……私もCAMというモノについてご教授願えませんか?」
お茶を運び終わったマリエルが申し訳なさそうに説明を懇願する。
その後に続いてアシフ・セレンギル(ka1073)も同様の説明を求める。
「CAMについての知識が俺にはない。是非、教えてもらいたいものだ」
マリエルやアシフだけではない。
クリムゾンウェストに住む多くの者は、このCAMの噂を聞くことはあっても目の当たりにする機会はあまりない。中途半端な情報だけでは判断を見誤る可能性もある。
「せやったら、まずはCAMについて説明してもらうってぇのはどや?」
アカーシャ・ヘルメース(ka0473)は紅茶が注がれたカップに口を付ける。
アカーシャの指摘通り、ここはCAMについて復習しておいた方がベストだろう。
「すいませんねぇ。……守原さん、お願いできますか?」
ヴェルナーは、守原へ軽く会釈する。
おそらくヴェルナーもこの質問が出る事は織り込み済みだったのだろう。元CAMパイロットである守原ならば経験を交えた話もできると考えたようだ。
「おお~! バシっと頼むよ、守原君!」
立ち上がった守原に対して、オキクルミ(ka1947)が煽てるように盛り上げる。
その声に守原は一瞬驚くが、咳払いを一つした後でゆっくりと話し始める。
「CAMは正式名称、Combative Amour Machie。戦闘装甲機と呼ばれる宇宙用歩兵支援兵器として開発された兵器です。
元々は宇宙都市での対テロ、対ゲリラを想定して作られています。
もし、宇宙で宇宙服が被弾すれば着ている者の命は危険に晒されます。だから、歩兵を防護する装甲を保持し、テロリストが使用する宇宙船を制圧する火気や宇宙を移動するスラスターを持つ大型の宇宙服――それがCAMのスタートなのです」
守原は、CAMを知らない者達に対して一つ一つ分かりやすく説明する。
何も知らない者でも分かるよう、ゆっくりとした語り方を意識している。
「メリットは、その大きな体躯でしょうか。
あの旗をご覧になれますか?」
守原は執務室の外を指差した。
窓の外にあるのは、見張り台の上に括り付けられた一枚の旗だ。
「CAMの全長は6メートルから8メートル。ちょうど、あの旗がある位置がCAMの高さです」
「なんと……」
族長は、驚嘆した。
噂では大型の兵器だと聞いていたが、要塞の見張り台並の兵器がリアルブルーには存在する事になる。
「亜人種であるジャイアントが全長3メートル。つまり、CAMはそれよりも大きい事になる……そうですね、守原さん?」
「そうなります。残念ながら火気を利用する事はできませんが、格闘性能だけでも充分歪虚と戦えるでしょう」
「あれ程の大きさならば……怠惰にも通用する」
「ええ。火気の方は工房のドワーフに協力してもらえば製造が可能かもしれませんね」
族長とヴェルナーにもインパクト十分な説明が行えたようだ。
辺境を攻める怠惰の主力はトロールやサイクロプスなどの巨人種と言われている。もし、怠惰が再び攻めてきたとしてもCAMで対抗すれば撃退は簡単に行えるかもしれない。
「もう一つ付け加えるならば、人型という点です」
「なるほどな。人型やったら編隊も組みやすいし、匍匐前進なんかもできるな」
守原の言葉にアカーシャは思わず納得する。
人型である為、活躍の場はずっと広がる。数を揃える事ができれば、単体が発揮するよりもずっと大きな力を発揮する事だってある。
「さすがはCAMだね!
デカイ! 強い! ……あれ? でも燃料は?」
オキクルミの疑問に対して、守原は小さく頷いた。
「はい。CAMはマテリアルエンジンと呼ばれる特殊燃料で稼働する動力炉を使っています。燃料といっても動力炉自体は内燃機関ではありません。その為、燃焼に伴う排気が発生しません。
CAMのデメリットもここにあります。クリムゾンウェストではリアルブルーで燃料としていた化石燃料が存在しません。この為、サルヴァトーレ・ロッソはマテリアルエンジンの使用を控えて特殊燃料を節約していたのです」
「CAMも万能じゃないのですね。少しCAMが分かった気がします」
マリエルは、満足そうに微笑んだ。
その傍らでアシフが状況を整理する。
「見えてきた。つまり、その特殊燃料というのをクリムゾンウェストである物で代替しようというのが今回の実験か」
CAMは対歪虚の兵器として有用ではあるが、動力炉を稼働させる為には特殊燃料が必要となる。今回辺境で行おうとしている稼働実験は、この特殊燃料の代替をクリムゾンウェストの技術で行う事にある。
アシフの一言に、ヴェルナーが大きく頷いた。
「その通り。今回の稼働実験が行われれば、辺境にはサルヴァトーレ・ロッソだけではなく、帝国や王国、同盟の技術者も実験場へと足を運ぶ事になります」
ヴェルナーの言葉に、族長は沈黙を守った。
辺境部族の中には、他者からの関与を嫌う者達も少なくない。
これは先祖代々守ってきた教えに従っての考えだ。何より、未知の存在が辺境に訪れる事は部族にとっても恐怖の対象となり得る。
彼らをどう説得するか。それが大きな鍵となる。
●
CAMの基礎知識を学んだハンター達。
次は、得た情報を元に族長を説得する段階である。
「……まあ、利権絡みやろな。一番しがらみが薄い辺境が候補に選ばれたんよ。
でも、これは悪い話やないと思うで?」
商人らしい視点からアカーシャは断言する。
実験を始めなければ辺境もCAMを借りる事ができないが、それ以上にCAMを稼働させたい諸国へ恩を売る事ができる。これは外交での切り札になるはずだ。
「おまけに色んなモンに辺境を理解してもらえる事も忘れたらあかん。実験が決まれば、否応なしに人が出入りする。辺境への理解が深まれば、協力者を得るチャンスや」
「そうか……」
アカーシャの問いかけに対し、族長はそう呟くだけだ。
傍目から見てどう考えているのか分からない。
その様子を見ていたアカーシャは、ついに別のスイッチが入る。
「バタルトゥはん、部族会議における自分の立ち位置と影響力、ちゃんと理解してます?」
「そのつもりだが」
「おんまです? オイマト族が協調路線採れるだけの材料がのうなったら帝国に飲み込まれて終いですわ。そうなったら部族会議も崩壊。なし崩しに多くの部族は帝国の臣民。そうなったら、オイマト族は辺境の民から『裏切り者』と言われますよ?」
「…………」
捲し立てるアカーシャ。
それを危惧したヴェルナーが口を挟む。
「バタルトゥさんの態度は今に始まった訳ではありませんよ。それだけ責めてはあまりに不憫です」
「ヴェルナーはんにも言いたい事があるんや。部族全ての帝国臣民化って、皇帝や帝国の総意です? 無理な選択肢を押しつけ、反帝国感情を育て、臣民化させる事に何の意味が?」
今度は矛先がヴェルナーへ切り替わる。
しかし、首都の猛者を相手にしてきたヴェルナーはその意見に落ち着いて対処する。
「皇帝や帝国の総意かと聞かれていますが、陛下は辺境を私にお任せになりました。
それは陛下の権限を私がお預かりしていると言っても差し支えないと考えています」
「って事は、皇帝が臣民化を言い出した訳ちゃうんやな?」
「そうです。私の責任の下で行っています。陛下の意図を汲んで進めているつもりですがねぇ」
そう言ってヴェルナーは、アカーシャに鋭い視線を送る。
(……ここで脅しって訳かい)
言い返そうとするアカーシャだったが、ここは引き下がる事にした。
元々CAM稼働実験の説得を行う依頼だ。これ以上突っ込めば依頼から逸脱する事になる。それはハンターとして越えてはいけないラインだ。
「タルト族長、ヴェル君も苦労しているんだよ、だからこうしてお話を作ったりしているんだ。急な話だからこそ抗議しつつ受け入れる事で譲歩と協力って点数稼げると思うんだよね」
オキクルミは、族長へ話し掛ける。
一瞬首を傾げる瞬間もあったが、タルト族長が自分の事であり、ヴェル君がヴェルナーの事だと気付いて納得したようだ。
「多少嫌だろうが、この先辺境にのさばる歪虚を蹴散らそうと思うなら大きな力が必要。その先駆けであるCAMを動かす相手に恩を売れるなら価値はあると思う」
オキクルミの説得は、歪虚に対抗しうる手段としてCAMを受け入れるべきというものだ。既にリムネラ(kz0018)は実験場の宿泊施設建設に動き出している。多くの部族が支持するオイマト族が動けば、部族会議に大きな変革を促せると狙った説得である。
「だが……これは、実験が成功した場合だろう。
失敗すれば……」
族長は、悲観的な意見を述べる。
成功すれば各国へ恩を売る事ができるだろう。しかし、一度持ち上げられた期待が落ちる時、反動は相応に大きくなる。失敗した際には実験に生じる被害だけではない。期待した辺境部族の落胆は想像に難くない。
「ヴェルナー、この実験における勝算は?」
アシフはヴェルナーへ実験の成功率を確認する。
彼が技術者でない事はアシフも知っている。だが、この場で下手な回答を行わない事も予想済みだ。おそらく彼なら――。
「そうですねぇ……各国の技術者が集って稼働実験を行うのですから、現状のクリムゾンウェストにおいて最高の技術者が集まると見て間違いないでしょう。これで失敗するのであれば、遅かれ我々は歪虚に滅ぼされる事になりますね」
「……勝算はあり、か」
アシフの予想通り、ヴェルナーは比較的前向きな発言をしてくれた。
族長もヴェルナーの言葉で納得はしてくれたようだが、その表情は優れない。まだ心配な事があるように見受けられる。
ここで、族長と同じ知識からスタートしたマリエルから別の懸念が投げかけられる。
「あの、もし悪意を持つ他者に使われる恐れはないのでしょうか?」
「……そうだ。その点は問題ないのか?」
マリエルに続いて族長も周囲の者へ疑問を投げかける。
それ程有能な兵器が敵の手に渡ってしまった場合、クリムゾンウェストの民に危険が及ぶのではないか。その懸念は持って誰しもが気になる点である。
「無い、と断言する事は難しいと思います。
相手はあの歪虚です。CAMを乗っ取る形で奪う事も想定できます」
この件について、守原も否定できなかった。
守原の脳裏にはリアルブルーで遭遇した狂気が浮かんでいた。歪虚と一言で片付けているが、実に多種多様な存在である。CAMを乗っ取って暴走させる事もできるかもしれない。
「如何に優れた兵器であっても、敵に奪われれば脅威となる。
それはCAMで無くても同じです。万一の場合に備える策を講じるべきでしょうねぇ。
おそらく、実験に携わる技術者も同じ事を考えていると思いますよ」
守原の一言にヴェルナーが付け加えた。
同時にマリエル向かって小さく会釈する。族長が考えていた懸念を代わりに質問する事で、族長の本音を引き出す事ができた。言葉が少ない族長相手だからこそ必要な技術と言えるだろう。
『バタルトゥさん。この実験から始めてみませんか?』
メイはスケッチブックで族長に話し掛ける。
「始める?」
『辺境の部族は今まで他者との交流を避けてきました。それも文化を守る一つの手段だったのだと思います。
ですが、いくら部族が強くても部族だけで歪虚と戦えません。
帝国も王国も同盟もサルヴァトーレ・ロッソも、みんなで協力する事で初めて歪虚と戦える。歪虚はそれ程恐ろしい存在なんです』
メイの言葉が書かれたスケッチブックを見た族長は、思わず視線を外した。
頭では理解しているのだ。
このままでは辺境部族に未来はない。
未来に繋がる架け橋を、このCAM稼働実験に託すべきなのか――。
「バタルトゥさん、如何でしょう。良いお返事をいただけるとありがたいのですがねぇ」
ヴェルナーは、敢えて族長へ回答の催促を行った。
しばしの沈黙があった後――族長は力強く答える。
「分かった。了承しよう。
他の部族に対しての説得もできる限り行おう」
「そうですか。ありがとうございます」
「帝国の為に受け入れるのではない……辺境の未来を守る為に受け入れる」
族長は覚悟を決めたようだ。
この実験を切っ掛けに、辺境部族は変わらなければならない。
その辺境部族を守る手段としなければ――。
だが。
このお茶会の裏で――辺境部族に別の動きがあった事を、族長もヴェルナーも未だ知らなかった……。
CAMの稼働実験を行う為、マギア砦の南をお貸しいただきたいのです」
要塞『ノアーラ・クンタウ』要塞管理者執務室で、ヴェルナー・ブロスフェルト(kz0032)がオイマト族のバタルトゥ・オイマト(kz0023)へ頭を下げる。
お茶会と言われて足を運んだ族長であったが、唐突に申し出に困惑するのも無理はない。何かを仕掛けてくると思っていたが、まさかこのような展開だったとは――。
「唐突にそのような事を言われても……」
「お茶をお持ちしました」
族長の声を遮るように、マリエル(ka0116)が紅茶とお菓子をテーブルに並べ始める。 困惑する族長を落ち着かせる為に敢えて割り込んだようだ。茶器を並べる間に族長に落ち着かせる時間を与える。円滑に議論を進める為だ。
マリエルがお茶を並べている間、守原 有希弥(ka0562)とメイ=ロザリンド(ka3394)が立ち上がって本日のお茶請けを説明する。
「本日のお菓子はカトル・カールと名前のお菓子です。とても簡単にできるお菓子なんです」
『バタルトゥさん、どうしてこのケーキにしたのか分かりますか?』
メイはスケッチブックで族長宛にメッセージを伝える。
族長は一通りメッセージに視線を送った後、静かに首を横に振った。
その様子を見たメイは、再びスケッチブックにペンを走らせる。
『このケーキはリアルブルーで産まれたケーキです。
フランスと呼ばれる国では『四分の一』という意味があるんです』
――四分の一。
つまり、このケーキは辺境、帝国、王国、同盟と呼ばれる西方世界の四分の一を握る者として恥ずかしくない行動を取る、という意味合いが込められている。
「今日、この場に同席させていただく事に感謝致します。そして、未来の子供達に誇れる選択を……」
「待て。今一度、CAMについて知っておきたい」
守原の言葉に耳を傾けていた族長は、CAMや魔導アーマーの説明を要求する。
ヴェルナーから聞いていた話によれば、族長は話や噂は聞いていても現物を見た事がない。これではどのような代物が辺境に持ち込まれるのかが分からず、正しい判断できないだろう。
「すいません。……私もCAMというモノについてご教授願えませんか?」
お茶を運び終わったマリエルが申し訳なさそうに説明を懇願する。
その後に続いてアシフ・セレンギル(ka1073)も同様の説明を求める。
「CAMについての知識が俺にはない。是非、教えてもらいたいものだ」
マリエルやアシフだけではない。
クリムゾンウェストに住む多くの者は、このCAMの噂を聞くことはあっても目の当たりにする機会はあまりない。中途半端な情報だけでは判断を見誤る可能性もある。
「せやったら、まずはCAMについて説明してもらうってぇのはどや?」
アカーシャ・ヘルメース(ka0473)は紅茶が注がれたカップに口を付ける。
アカーシャの指摘通り、ここはCAMについて復習しておいた方がベストだろう。
「すいませんねぇ。……守原さん、お願いできますか?」
ヴェルナーは、守原へ軽く会釈する。
おそらくヴェルナーもこの質問が出る事は織り込み済みだったのだろう。元CAMパイロットである守原ならば経験を交えた話もできると考えたようだ。
「おお~! バシっと頼むよ、守原君!」
立ち上がった守原に対して、オキクルミ(ka1947)が煽てるように盛り上げる。
その声に守原は一瞬驚くが、咳払いを一つした後でゆっくりと話し始める。
「CAMは正式名称、Combative Amour Machie。戦闘装甲機と呼ばれる宇宙用歩兵支援兵器として開発された兵器です。
元々は宇宙都市での対テロ、対ゲリラを想定して作られています。
もし、宇宙で宇宙服が被弾すれば着ている者の命は危険に晒されます。だから、歩兵を防護する装甲を保持し、テロリストが使用する宇宙船を制圧する火気や宇宙を移動するスラスターを持つ大型の宇宙服――それがCAMのスタートなのです」
守原は、CAMを知らない者達に対して一つ一つ分かりやすく説明する。
何も知らない者でも分かるよう、ゆっくりとした語り方を意識している。
「メリットは、その大きな体躯でしょうか。
あの旗をご覧になれますか?」
守原は執務室の外を指差した。
窓の外にあるのは、見張り台の上に括り付けられた一枚の旗だ。
「CAMの全長は6メートルから8メートル。ちょうど、あの旗がある位置がCAMの高さです」
「なんと……」
族長は、驚嘆した。
噂では大型の兵器だと聞いていたが、要塞の見張り台並の兵器がリアルブルーには存在する事になる。
「亜人種であるジャイアントが全長3メートル。つまり、CAMはそれよりも大きい事になる……そうですね、守原さん?」
「そうなります。残念ながら火気を利用する事はできませんが、格闘性能だけでも充分歪虚と戦えるでしょう」
「あれ程の大きさならば……怠惰にも通用する」
「ええ。火気の方は工房のドワーフに協力してもらえば製造が可能かもしれませんね」
族長とヴェルナーにもインパクト十分な説明が行えたようだ。
辺境を攻める怠惰の主力はトロールやサイクロプスなどの巨人種と言われている。もし、怠惰が再び攻めてきたとしてもCAMで対抗すれば撃退は簡単に行えるかもしれない。
「もう一つ付け加えるならば、人型という点です」
「なるほどな。人型やったら編隊も組みやすいし、匍匐前進なんかもできるな」
守原の言葉にアカーシャは思わず納得する。
人型である為、活躍の場はずっと広がる。数を揃える事ができれば、単体が発揮するよりもずっと大きな力を発揮する事だってある。
「さすがはCAMだね!
デカイ! 強い! ……あれ? でも燃料は?」
オキクルミの疑問に対して、守原は小さく頷いた。
「はい。CAMはマテリアルエンジンと呼ばれる特殊燃料で稼働する動力炉を使っています。燃料といっても動力炉自体は内燃機関ではありません。その為、燃焼に伴う排気が発生しません。
CAMのデメリットもここにあります。クリムゾンウェストではリアルブルーで燃料としていた化石燃料が存在しません。この為、サルヴァトーレ・ロッソはマテリアルエンジンの使用を控えて特殊燃料を節約していたのです」
「CAMも万能じゃないのですね。少しCAMが分かった気がします」
マリエルは、満足そうに微笑んだ。
その傍らでアシフが状況を整理する。
「見えてきた。つまり、その特殊燃料というのをクリムゾンウェストである物で代替しようというのが今回の実験か」
CAMは対歪虚の兵器として有用ではあるが、動力炉を稼働させる為には特殊燃料が必要となる。今回辺境で行おうとしている稼働実験は、この特殊燃料の代替をクリムゾンウェストの技術で行う事にある。
アシフの一言に、ヴェルナーが大きく頷いた。
「その通り。今回の稼働実験が行われれば、辺境にはサルヴァトーレ・ロッソだけではなく、帝国や王国、同盟の技術者も実験場へと足を運ぶ事になります」
ヴェルナーの言葉に、族長は沈黙を守った。
辺境部族の中には、他者からの関与を嫌う者達も少なくない。
これは先祖代々守ってきた教えに従っての考えだ。何より、未知の存在が辺境に訪れる事は部族にとっても恐怖の対象となり得る。
彼らをどう説得するか。それが大きな鍵となる。
●
CAMの基礎知識を学んだハンター達。
次は、得た情報を元に族長を説得する段階である。
「……まあ、利権絡みやろな。一番しがらみが薄い辺境が候補に選ばれたんよ。
でも、これは悪い話やないと思うで?」
商人らしい視点からアカーシャは断言する。
実験を始めなければ辺境もCAMを借りる事ができないが、それ以上にCAMを稼働させたい諸国へ恩を売る事ができる。これは外交での切り札になるはずだ。
「おまけに色んなモンに辺境を理解してもらえる事も忘れたらあかん。実験が決まれば、否応なしに人が出入りする。辺境への理解が深まれば、協力者を得るチャンスや」
「そうか……」
アカーシャの問いかけに対し、族長はそう呟くだけだ。
傍目から見てどう考えているのか分からない。
その様子を見ていたアカーシャは、ついに別のスイッチが入る。
「バタルトゥはん、部族会議における自分の立ち位置と影響力、ちゃんと理解してます?」
「そのつもりだが」
「おんまです? オイマト族が協調路線採れるだけの材料がのうなったら帝国に飲み込まれて終いですわ。そうなったら部族会議も崩壊。なし崩しに多くの部族は帝国の臣民。そうなったら、オイマト族は辺境の民から『裏切り者』と言われますよ?」
「…………」
捲し立てるアカーシャ。
それを危惧したヴェルナーが口を挟む。
「バタルトゥさんの態度は今に始まった訳ではありませんよ。それだけ責めてはあまりに不憫です」
「ヴェルナーはんにも言いたい事があるんや。部族全ての帝国臣民化って、皇帝や帝国の総意です? 無理な選択肢を押しつけ、反帝国感情を育て、臣民化させる事に何の意味が?」
今度は矛先がヴェルナーへ切り替わる。
しかし、首都の猛者を相手にしてきたヴェルナーはその意見に落ち着いて対処する。
「皇帝や帝国の総意かと聞かれていますが、陛下は辺境を私にお任せになりました。
それは陛下の権限を私がお預かりしていると言っても差し支えないと考えています」
「って事は、皇帝が臣民化を言い出した訳ちゃうんやな?」
「そうです。私の責任の下で行っています。陛下の意図を汲んで進めているつもりですがねぇ」
そう言ってヴェルナーは、アカーシャに鋭い視線を送る。
(……ここで脅しって訳かい)
言い返そうとするアカーシャだったが、ここは引き下がる事にした。
元々CAM稼働実験の説得を行う依頼だ。これ以上突っ込めば依頼から逸脱する事になる。それはハンターとして越えてはいけないラインだ。
「タルト族長、ヴェル君も苦労しているんだよ、だからこうしてお話を作ったりしているんだ。急な話だからこそ抗議しつつ受け入れる事で譲歩と協力って点数稼げると思うんだよね」
オキクルミは、族長へ話し掛ける。
一瞬首を傾げる瞬間もあったが、タルト族長が自分の事であり、ヴェル君がヴェルナーの事だと気付いて納得したようだ。
「多少嫌だろうが、この先辺境にのさばる歪虚を蹴散らそうと思うなら大きな力が必要。その先駆けであるCAMを動かす相手に恩を売れるなら価値はあると思う」
オキクルミの説得は、歪虚に対抗しうる手段としてCAMを受け入れるべきというものだ。既にリムネラ(kz0018)は実験場の宿泊施設建設に動き出している。多くの部族が支持するオイマト族が動けば、部族会議に大きな変革を促せると狙った説得である。
「だが……これは、実験が成功した場合だろう。
失敗すれば……」
族長は、悲観的な意見を述べる。
成功すれば各国へ恩を売る事ができるだろう。しかし、一度持ち上げられた期待が落ちる時、反動は相応に大きくなる。失敗した際には実験に生じる被害だけではない。期待した辺境部族の落胆は想像に難くない。
「ヴェルナー、この実験における勝算は?」
アシフはヴェルナーへ実験の成功率を確認する。
彼が技術者でない事はアシフも知っている。だが、この場で下手な回答を行わない事も予想済みだ。おそらく彼なら――。
「そうですねぇ……各国の技術者が集って稼働実験を行うのですから、現状のクリムゾンウェストにおいて最高の技術者が集まると見て間違いないでしょう。これで失敗するのであれば、遅かれ我々は歪虚に滅ぼされる事になりますね」
「……勝算はあり、か」
アシフの予想通り、ヴェルナーは比較的前向きな発言をしてくれた。
族長もヴェルナーの言葉で納得はしてくれたようだが、その表情は優れない。まだ心配な事があるように見受けられる。
ここで、族長と同じ知識からスタートしたマリエルから別の懸念が投げかけられる。
「あの、もし悪意を持つ他者に使われる恐れはないのでしょうか?」
「……そうだ。その点は問題ないのか?」
マリエルに続いて族長も周囲の者へ疑問を投げかける。
それ程有能な兵器が敵の手に渡ってしまった場合、クリムゾンウェストの民に危険が及ぶのではないか。その懸念は持って誰しもが気になる点である。
「無い、と断言する事は難しいと思います。
相手はあの歪虚です。CAMを乗っ取る形で奪う事も想定できます」
この件について、守原も否定できなかった。
守原の脳裏にはリアルブルーで遭遇した狂気が浮かんでいた。歪虚と一言で片付けているが、実に多種多様な存在である。CAMを乗っ取って暴走させる事もできるかもしれない。
「如何に優れた兵器であっても、敵に奪われれば脅威となる。
それはCAMで無くても同じです。万一の場合に備える策を講じるべきでしょうねぇ。
おそらく、実験に携わる技術者も同じ事を考えていると思いますよ」
守原の一言にヴェルナーが付け加えた。
同時にマリエル向かって小さく会釈する。族長が考えていた懸念を代わりに質問する事で、族長の本音を引き出す事ができた。言葉が少ない族長相手だからこそ必要な技術と言えるだろう。
『バタルトゥさん。この実験から始めてみませんか?』
メイはスケッチブックで族長に話し掛ける。
「始める?」
『辺境の部族は今まで他者との交流を避けてきました。それも文化を守る一つの手段だったのだと思います。
ですが、いくら部族が強くても部族だけで歪虚と戦えません。
帝国も王国も同盟もサルヴァトーレ・ロッソも、みんなで協力する事で初めて歪虚と戦える。歪虚はそれ程恐ろしい存在なんです』
メイの言葉が書かれたスケッチブックを見た族長は、思わず視線を外した。
頭では理解しているのだ。
このままでは辺境部族に未来はない。
未来に繋がる架け橋を、このCAM稼働実験に託すべきなのか――。
「バタルトゥさん、如何でしょう。良いお返事をいただけるとありがたいのですがねぇ」
ヴェルナーは、敢えて族長へ回答の催促を行った。
しばしの沈黙があった後――族長は力強く答える。
「分かった。了承しよう。
他の部族に対しての説得もできる限り行おう」
「そうですか。ありがとうございます」
「帝国の為に受け入れるのではない……辺境の未来を守る為に受け入れる」
族長は覚悟を決めたようだ。
この実験を切っ掛けに、辺境部族は変わらなければならない。
その辺境部族を守る手段としなければ――。
だが。
このお茶会の裏で――辺境部族に別の動きがあった事を、族長もヴェルナーも未だ知らなかった……。
依頼結果
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マテリアルリンク参加者一覧
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/11/24 16:24:49 |
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CAM稼働試験質問所 守原 有希弥(ka0562) 人間(リアルブルー)|19才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2014/11/28 06:19:19 |
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茶会・交渉準備室 守原 有希弥(ka0562) 人間(リアルブルー)|19才|男性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2014/11/27 21:28:20 |