ゲスト
(ka0000)
旅をする沼、マーシュ・ガーディアンの跫音
マスター:文ノ字律丸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 6~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2017/12/11 19:00
- 完成日
- 2017/12/18 01:49
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
山から山へ沼が旅をしている。
山裾でウサギなどの小動物を獲って生計を立てている猟師の男が、旅芸人の一座の座長という胡散臭い男から聞いた話は、そんな出だしで始まった。
「知ってますかい? 山から山へ旅をする沼がいるんですよ、旦那」
「沼って、あの水深の浅い湖のことだろ。大抵、濁ってる、あの大きな水たまり」
「そうですそうです、その沼」
「……信じられねえな」
猟師がそう言うと、座長の男は食ってかかるように大声を出した。
「それが、本当なんです! 私もこの目で見たんですよ!」
「沼が手足を生やして、歩いているのをか?」
「へえ。三体の巨人でした」
座長の男は、しごく真面目に頷く。
その目は嘘をついているようには見えなかった。
「お前さん、夢でも見たんじゃねえのか?」
「いやいや。あれは夢なんかじゃないですぜ」
「そうかい」
「それより、旦那、山に入るんでしょ。注意した方がいいですぜ」
「なにをだよ」
「その沼は、食うらしいんですよ、人を」
そんな話を聞いた翌日のことだった。
昼頃を過ぎ、自宅で迎え酒を一杯引っかけてから、猟師の男は家を出た。
二日酔いをしてガンガン頭が痛むものだから、山に入るまで、座長の男の話を忘れていたのだ。
「人を食う沼だって? まさかな――」
その日は、少しおかしかった。
いつもならば一時間も歩けば、獲物の一匹や二匹、平気で見つかるだろうに、今日に限って一匹も見つからないのだ。
「足音すらねえ。巣穴にでもこもっていやがるのか?」
猟銃を担ぎ直して、男は山道をザクザクと歩む。
ふと、おかしなものを目にした。
「……沼だ」
それは巨大な沼だった。
対岸にある木が、麦粒ほどに小さく見えるほどの大きな沼だった。
「こんな沼……あったか?」
その沼地の奥を見ると、なにか巨大なものが通ったように、木々が薙ぎ倒され道が出来ていた。
気味悪さを感じて、男はすぐにその場を離れた。
それからまた数時間――。
獲物は一匹も捕れなかった。
暗がりが広がり、空には月が煌めく。
手持ちのランタンに火を灯してから、今日は引き上げようと決めた。
その時だった。巨大な影が目の端に映ったのだ。
「な……なんだ、あれは?」
恐怖しながら、そちらのほうを見に行くと……あの沼だった。
まるで水浴びから上がるように、手足の生えた沼が窪地から起き上がっていたのだ。
「沼が、起き上がる……っ? いや、あれは沼じゃねえ」
三体の『なにか』が沼に化けていたんだ。
それが夜になって活動を開始したに違いない。
(……く、くそ、山を無茶苦茶にしやがって!)
巨人は起き上がるやいなや、木々を薙ぎ倒して、闊歩していった。
男は息を殺して、それらが過ぎ去っていくのを待ち、ハンターオフィスに通報した。
●
「マーシュ・ガーディアン。別称、沼の巨人。沼自体が雑魔に転じてしまった姿と考えられます」
ハンターオフィスでは、件の巨人について説明がされていた。
「人的被害、家畜被害、その他諸々が報告に上がってきています。マーシュ・ガーディアンの現在地の近くには村があるんです。すぐさま出動してください!」
この夜の内に決着を付けなければならない。
ハンター達はそう決意して、闇夜の中を駆けだした。
山から山へ沼が旅をしている。
山裾でウサギなどの小動物を獲って生計を立てている猟師の男が、旅芸人の一座の座長という胡散臭い男から聞いた話は、そんな出だしで始まった。
「知ってますかい? 山から山へ旅をする沼がいるんですよ、旦那」
「沼って、あの水深の浅い湖のことだろ。大抵、濁ってる、あの大きな水たまり」
「そうですそうです、その沼」
「……信じられねえな」
猟師がそう言うと、座長の男は食ってかかるように大声を出した。
「それが、本当なんです! 私もこの目で見たんですよ!」
「沼が手足を生やして、歩いているのをか?」
「へえ。三体の巨人でした」
座長の男は、しごく真面目に頷く。
その目は嘘をついているようには見えなかった。
「お前さん、夢でも見たんじゃねえのか?」
「いやいや。あれは夢なんかじゃないですぜ」
「そうかい」
「それより、旦那、山に入るんでしょ。注意した方がいいですぜ」
「なにをだよ」
「その沼は、食うらしいんですよ、人を」
そんな話を聞いた翌日のことだった。
昼頃を過ぎ、自宅で迎え酒を一杯引っかけてから、猟師の男は家を出た。
二日酔いをしてガンガン頭が痛むものだから、山に入るまで、座長の男の話を忘れていたのだ。
「人を食う沼だって? まさかな――」
その日は、少しおかしかった。
いつもならば一時間も歩けば、獲物の一匹や二匹、平気で見つかるだろうに、今日に限って一匹も見つからないのだ。
「足音すらねえ。巣穴にでもこもっていやがるのか?」
猟銃を担ぎ直して、男は山道をザクザクと歩む。
ふと、おかしなものを目にした。
「……沼だ」
それは巨大な沼だった。
対岸にある木が、麦粒ほどに小さく見えるほどの大きな沼だった。
「こんな沼……あったか?」
その沼地の奥を見ると、なにか巨大なものが通ったように、木々が薙ぎ倒され道が出来ていた。
気味悪さを感じて、男はすぐにその場を離れた。
それからまた数時間――。
獲物は一匹も捕れなかった。
暗がりが広がり、空には月が煌めく。
手持ちのランタンに火を灯してから、今日は引き上げようと決めた。
その時だった。巨大な影が目の端に映ったのだ。
「な……なんだ、あれは?」
恐怖しながら、そちらのほうを見に行くと……あの沼だった。
まるで水浴びから上がるように、手足の生えた沼が窪地から起き上がっていたのだ。
「沼が、起き上がる……っ? いや、あれは沼じゃねえ」
三体の『なにか』が沼に化けていたんだ。
それが夜になって活動を開始したに違いない。
(……く、くそ、山を無茶苦茶にしやがって!)
巨人は起き上がるやいなや、木々を薙ぎ倒して、闊歩していった。
男は息を殺して、それらが過ぎ去っていくのを待ち、ハンターオフィスに通報した。
●
「マーシュ・ガーディアン。別称、沼の巨人。沼自体が雑魔に転じてしまった姿と考えられます」
ハンターオフィスでは、件の巨人について説明がされていた。
「人的被害、家畜被害、その他諸々が報告に上がってきています。マーシュ・ガーディアンの現在地の近くには村があるんです。すぐさま出動してください!」
この夜の内に決着を付けなければならない。
ハンター達はそう決意して、闇夜の中を駆けだした。
リプレイ本文
●村
篝火の灯った村に、巨人の足音が響く。
その跫音に村人達は、寝ることも出来ず恐怖していた。
篝火に集まっていたのは男衆だったが、女子供がもっぱら集まっていたのはエーミ・エーテルクラフト(ka2225)の周りだった。
彼女が広げていたのは、村にあった数枚一組のカードと、紅茶に、ミルク……。
それらを駆使しながらある種の『占い処』を設けていた。
(不安や恐怖が渦巻くこういう時には、こういった曖昧なものが役に立つわ)
それは『推理術』という魔術の域に達した能力だった。
「この村が破壊されないかどうか……そうね。確率はゼロ。大丈夫よ」
その推理術の結果に、村人は笑顔になっていった。
「あなたに、頼られるのはいつぶりかしら? ディヤー君」
エーミの視線の先には、小麦色の肌をした愛らしい少年の姿があった。
名前をディヤー・A・バトロス(ka5743)。その生い立ちにもかかわらず、元気すぎるほどの彼が、今はどこか思案顔だ。
「……む? すまなんだ。姉弟子殿。少々気になることがあって」
「巨人が作る道のことかしら?」
「さすがは我が姉弟子。『道』のことは師匠に聞いたことがある。それに……あの巨人が通った道は多くを破壊していった道じゃ。ここの者達は大丈夫だろうか?」
「あなた……意外に色々考えているのね」
「姉弟子殿! ワシだって、ちっこい怠惰な巨人なんて言われるのはもうまっぴらごめんなのじゃ!」
ディヤーは体を大きく見せようとしたのか、ぶんっと手を振り上げて抗議した。
昼間の内に避難勧告が出せればここにいる人達は逃げられたのだろうと、ディーナ・フェルミ(ka5843)は悔しい胸の内をため息にして吐き出す。
そうすれば、少なくとも恐怖の夜なんて過ごさずに済んだのだろう。
「人的被害が大きすぎるの、これを見過ごしたらエクラの聖導士を名乗れなくなるの~…」
ギュッと拳を握って、雑魔に蹂躙され殺された人々のことを思う。
マーシュ・ガーディアンに吸収されたものの主な死因は、泥の中で呼吸できないことによる窒息死。オフィスの話では咀嚼は確認されていない。ならば、その中に入ることも可能だろう。
ディーナはそう確信した。
ミグ・ロマイヤー(ka0665)とミオレスカ(ka3496)は、村人の点呼と、不在者はいないかどうかの確認を行っていた。
「どうやら、この村ではまだ被害は出ていないようじゃな」
ミグは村人からの報告を受けてホッとした様子だった。
「相手が何者かわかりませんが、どうみても、雑魔ですね。できるだけ早期に、駆逐しましょう」
通信機器の調節を終えたミオレスカは、ミグに耳打ちする。
このままだったら、確実に村は巨人に蹂躙されてしまうのだ。そんな惨事だけは引き起こしてはならない。悲劇はここで終わらせるのだ。
二人は気持ちを同じにして、互いに頷き合う。
村の集会場にて、ハンター達が作戦の最終確認をしていた。
敵が間近に迫る中、この作戦会議が最終的な決定となるだろう。
「おそらく、山裾の森から街道口に出るところ。そこに出現するわ」
エーミは持ち前の頭脳と、推理術を駆使して、敵の行動を予測した。
(数年来過ごした村を滅ぼされたり、追われたりするのは辛いわよね)
そんな風に弟弟子を慮り、村の近くで戦闘が起こらないことを悦ぶ。
「ここに至る道程で取り込んでいる物に注意しながら戦いましょう」
エーミはそう忠告する。
「……このまま放置していてはどれほどの被害がもたらされるか分かりません。一刻も早い対処が必要となります。わたしも全力を尽くさせて頂きます」
作戦会議を締めくくったのは、日下 菜摘(ka0881)の一言だった。
死を追いやり生者を救う医者である彼女の口から発せられた、その一言は重いものだ。
●街道
ただ一直線に進む――沼。
その強固な意志が単騎の行進をし、街道に踏み込んだ。
ドシン――という地鳴りに、ロニ・カルディス(ka0551)は髭の生えてこない顎をなでつける。胸元には「気をつけてね」といって、前衛担当みんなに渡されたエーミの護符があった。
見上げた場所には、件の巨人。
「思っていたよりもかなりの大物だ。これを仕留めるのは随分と骨だが……まぁ、できないわけではないな」
口も無く、目も無い沼の巨人は一歩踏み出す。
現状を確認したロニはこの一体だけが突出しているところに目を付けた。
街道と言うのも都合がいい。ここは土だけの場所だ。たいした被害も出ないだろう。
あとは、この一体以外をバラけさせれば、各個撃破が容易になる。
その時、灯火の杖を大火弓に持ち替えたミオレスカが先陣を切って矢を飛ばした。
連続される矢に巨人は歩みを止める。
「このまま一体は止めますので、その間に、各個撃破をお願いします」
「――任せたぜ!」
ロニは、まだ森の中にいるマーシュ・ガーディアンの気をそらすため、森に潜った。
「……泥というものにも雑魔って転じるんですね、初めて知りました」
T-Sein(ka6936)は、泥の巨人をその目で、目の当たりにして泥が動くという光景に息を呑んだ。負のマテリアルとはもはや何でもありだ。まるでリアルブルーにいると聞く八百万の神のようだと、思う。
銀色のオーラがT-Seinの身を包み、肌が焼け広がるように褐色になる。
「やってやるよ、泥の巨人!」
ミオレスカが後衛で足止めをしている中、T-Seinは前衛として、街道口にいる一体の泥の巨人に向かって突っ込んでいく。
「ほら、こっちだ」
巨人は、T-Seinを障害物と見たか足で踏みつけてつぶそうとしてくる。
だが、緩慢な動きだ。覚醒したT-Seinに当たるはずもない。
逆に、T-Seinは手甲のブースターを発動させ、カウンター気味に一撃を放った。
マーシュ・ガーディアンは泥の体を波打たせ、一、二歩下がる。
その時、巨人が泥化した地面を吸い上げた。かの雑魔の特徴にあった『泥化吸収』だ。
「くそ、今の攻撃をなかったことにされた……」
戦線から少し離れたところの丘の上まで相棒のエクウスを駆って辿り着いた菜摘は、LEDライトでその場を照らした。
そこから街道の戦線を見下ろす。
「エクウス、ありがとう。村に戻っていて」
その声に、ぶるると鳴いたエクウスは、筋肉を唸らせて消えていった。
「少し、手こずっているようですね。少なくとも、その場に釘付けにしておかないと」
菜摘は聖なるメイスを振りかざし、夜よりも深い暗黒を呼ぶ。
その闇は無数の刃を作りだし、一斉にマーシュ・ガーディアンに向かって落とす。
落雷にも似た速度で落ちた刃は巨人を空間に縫い付ける。
「非力とはいえ……この一撃、重いですよっ……! 存分に味わいなさい!」
暗闇は刃から、硬質な塊に転じ、急所を穿った。
巨人はたまらず、膝をつく。
その機を逃さない――。
T-Seinは気を練り上げ、膝をついたマーシュ・ガーディアンに一挙に攻めた。
それは八極拳の型の一つ『川掌』だったが、彼女の放ったものは似て非なる破壊力を持ったまさに必殺の型。
我流八極拳捌型『覇劫』。
その浸透する勁力は泥の体に伝わり、内側から破壊する。
覇劫をぶつけられた、マーシュ・ガーディアンは元の泥へと帰っていたのだった。
●森
高い木に登り、前線から離れたところで、戦闘の推移を見守っていたのはミグ。
「リアルブルーには旅をする湖があると聞くが……これはそれとは違うようじゃな」
リアルブルーのマンガで仕入れてきた知識を口にしながら、それと似た現象に胸を躍らせる。とはいえ、その身はまだ手負いだ。
「痛てて……無理は出来ないか……せっかくの研究材料なんじゃがなぁ。ま、旅をする沼とはいえただの雑魔。やることは一つじゃ」
念のための水中用アーマーを着込み、義手を操ってトランシーバーのスイッチを押す。
仲間達に通信をとばした。
「巨人を発見。これから追跡する。なに案ずるな。深追いはせん」
夜更けに巨人が木の根を刮ぐ、グググ……という気味の悪い音が地中より響いてくる。
醜悪な大音響を上から消し去ったのは、ロニの鎮魂歌だ。
その鎮魂歌はどこか故郷を思い出させるような悲しい音階で、ロニは目をつむりながら坦々とその歌を紡ぐ。
(これで、二体のマーシュ・ガーディアンは引きつけられたはずだ……)
ロニの歌声につられて、巨人の一体がロニに突撃してきた。
それをひらりとかわしたところで、ヴァイザースタッフという名を冠した練金杖を構える。
「……これだけ大きければそれだけで脅威だが、同時にいい的でもあるな」
暗闇が凝縮して刃を成し、それがマーシュ・ガーディアン二体に向かって降り注いだ。
泥の巨人は、まるで叫び声でも上げるように暴れるが、それを押さえ込むように暗闇の刃がマーシュ・ガーディアン達の体を空間に縫い付けた。
動けなくなった二体の巨人を見て、様子をうかがっていたミグが走り出した。
まだ本調子でない体を労りつつ、可能な限り敵に接近する。
「覚醒ができれば、ファイアスローワーを使って干涸らびさせたところなんじゃがのう」
肩を落としながら、自分の不運を呪う。
それから、マーシュ・ガーディアンの背面に移動すると、――グァンッ。
引き金を引いて撃鉄を落とし、竜のような吠え声と共に銃弾を飛ばす。
暗闇に火花が散り、その弾は泥に飲み込まれて消えた。
「なるほど……さすがは泥の体じゃ。いいものをみさせてもらったのじゃ」
ミグは満足げにほくそ笑む。
水中専用鎧スキューマを着用したディーナは、
「アーリアの時だってこの鎧でなんとかなったの、女は度胸なの……うわああああああ!」
と勢い込んで、マーシュ・ガーディアンの体内に飛び込んだ。
ぐちゃっ……とした音と共に体内に入ったディーナは、その中に浮かぶ死体にびっくりしながらも、泥なので視界不良だったことが幸いした。
ディーナは何も考えずに、聖なる光セイクリッドフラッシュを連発する。
(これ、結構辛いの~、……でも頑張るの~)
内部からの攻撃に、ぐらりと、マーシュ・ガーディアンの体が崩れ、
「きゃあああああああ」
ディーナは投げ出されてしまった。
投げ出されはしたものの、巨人には大ダメージを与えられた。
巨人が手を剣に変化させた――。
ドールバイザーをつけたディヤーは遠くからその影に変化があったのを確認した後、大声を上げる。
「マーシュ・ガーディアンが『形状変化』をしたのだ! みんな、気をつけて!」
その声で巨人の足下にいたハンター達は一度退いて、マーシュ・ガーディアンが振り下ろした剣戟を避けた。
ディヤーの視界の中にいたのは、ミグ、ロニ、ディーナ。
その三人と自分に、ウォーターウォークをかけると、ブリザードの詠唱に入る。
次の瞬間、マーシュ・ガーディアン二体が凍り漬けになった。
「やっぱり凍った……のだ?」
今の内にと、街道で足止めをしているミオレスカに現在の状況を聞き及んで、それをエーミに伝えた。
「街道にて一体は撃破、こちらと交戦中の二体は凍らせたのだ、姉弟子殿」
エーミはエクウスで丘の上に上がると、騎乗にてディヤーからの通信を受ける。
星の力を宿したマスクで暗闇を見透かした。
「……地面が妙に波打っているわね。泥化吸収……。完全には沈黙していないのかしら」
凍っていた巨人が活動再開する予兆を感じ取ったエーミは、飛来物避けの傘を閉じて、一気に斜面を駆け下りた。
マーシュ・ガーディアンの属性はおそらく土……。
それならば、とエーミはエクウスから降り、極限まで集中する。
詠唱、詠唱――――――――
しめて、六枚の符を浮かべて、さらに詠唱を続ける。
――詠唱詠唱――四重詠唱――――――十二連装、全装填、風雷陣!
十二枚の符を投げた。
「膳は調えた。余さず喰らいなさい?」
氷漬けから回復したマーシュ・ガーディアン二体を狙って強烈な一撃が飛ぶ。
瞬間的に生まれた、この世の物とも思えない暴風と雷撃に、夜が一瞬消し飛んだかのように見えた。
穏やかになる。
月が輝く、静かな夜だ。
その夜の風景から、巨人達の跫音は消えていたのだった。
●朝
夜が明けた――。
マーシュ・ガーディアンが倒れた場所には沼地が出来ている。
プカプカと浮かんでいるのは獣達、そして人の骸だった。
遺体をそのままにして放置していればアンデッドになりかねないだけではなく、疫病が広まる原因にもなる。
そのため、近くの村人やハンターオフィスにも依頼し総出で遺体を集めて、病気が発生しているかもしれないということで火葬を行った。
「これで彼らも安らかに眠れるでしょう」
菜摘は、医者として、彼ら達の冥福を祈る。
「歪虚化前に浄化できたら……もっと被害が抑えられたかもなの……」
あまりにも多すぎた犠牲に、防護服として着ていた鎧を脱ぎながらディーナは感慨を持って呟く。
彼女が、スキューマと一緒に煮沸消毒した遺品はハンターオフィスに収容され、その一部が遺族に返却されたが、ほとんどはいまだ引き取り手がないという。
炎が上がる光景を見ながらT-Seinは、一服のたばこを口にくわえ、紫煙を吐き出した。
まだ興奮が冷めあらぬのか、『ニヒト』が表に出ている。
「……もう、こんなことないといいな」
ふと、漏れた『彼女』の本音に、内側にいる『ザイン』は声もなく同意したのだった。
夜が明け――ハンター達が現場状況の確認をしている中、ミオレスカは生存者の確認にあたっていた。泥の中にも、その周囲にもこの事件に巻き込まれた生存者はいない。泥に飲み込まれてしまった者達は全員亡くなっていた。
「街道もデコボコになってしまいましたね。ハンターオフィスに報告しないと」
そんなことを考えながら、村に戻ると、ディヤーが深刻そうな大人達の輪の中にいた。
なにをしているのだろうと、近くにいたエーミに問いかける。
「あの巨人が引いた道のことよ」
「道? ああ、森もたくさん破壊されていましたね」
「みんなの生活基盤が崩されないかってことを心配していたの。ふふ。あの子も考える時は考えるのね」
「優しいんですね」
「ええ。良い弟弟子だわ」
二人がそんな話をしているともつゆ知らず、ディヤーは地図を見ながら、巨人が引いた線を地図に書き出していた。
「『道』のことは、ハンターオフィスに相談してみる。だから、みんなはこの村を守るのだ、みんなの手で」
そう言うと、大人達は、目に精気を宿して立ち上がった。
それを見たディヤーは安心したように微笑んだ。
泥の巨人が蹂躙された道の上では、やがて小さな芽が息吹くだろう。
その頃にはきっと、この事件で生まれた悲しみが幾分かは晴れているかもしれない。
篝火の灯った村に、巨人の足音が響く。
その跫音に村人達は、寝ることも出来ず恐怖していた。
篝火に集まっていたのは男衆だったが、女子供がもっぱら集まっていたのはエーミ・エーテルクラフト(ka2225)の周りだった。
彼女が広げていたのは、村にあった数枚一組のカードと、紅茶に、ミルク……。
それらを駆使しながらある種の『占い処』を設けていた。
(不安や恐怖が渦巻くこういう時には、こういった曖昧なものが役に立つわ)
それは『推理術』という魔術の域に達した能力だった。
「この村が破壊されないかどうか……そうね。確率はゼロ。大丈夫よ」
その推理術の結果に、村人は笑顔になっていった。
「あなたに、頼られるのはいつぶりかしら? ディヤー君」
エーミの視線の先には、小麦色の肌をした愛らしい少年の姿があった。
名前をディヤー・A・バトロス(ka5743)。その生い立ちにもかかわらず、元気すぎるほどの彼が、今はどこか思案顔だ。
「……む? すまなんだ。姉弟子殿。少々気になることがあって」
「巨人が作る道のことかしら?」
「さすがは我が姉弟子。『道』のことは師匠に聞いたことがある。それに……あの巨人が通った道は多くを破壊していった道じゃ。ここの者達は大丈夫だろうか?」
「あなた……意外に色々考えているのね」
「姉弟子殿! ワシだって、ちっこい怠惰な巨人なんて言われるのはもうまっぴらごめんなのじゃ!」
ディヤーは体を大きく見せようとしたのか、ぶんっと手を振り上げて抗議した。
昼間の内に避難勧告が出せればここにいる人達は逃げられたのだろうと、ディーナ・フェルミ(ka5843)は悔しい胸の内をため息にして吐き出す。
そうすれば、少なくとも恐怖の夜なんて過ごさずに済んだのだろう。
「人的被害が大きすぎるの、これを見過ごしたらエクラの聖導士を名乗れなくなるの~…」
ギュッと拳を握って、雑魔に蹂躙され殺された人々のことを思う。
マーシュ・ガーディアンに吸収されたものの主な死因は、泥の中で呼吸できないことによる窒息死。オフィスの話では咀嚼は確認されていない。ならば、その中に入ることも可能だろう。
ディーナはそう確信した。
ミグ・ロマイヤー(ka0665)とミオレスカ(ka3496)は、村人の点呼と、不在者はいないかどうかの確認を行っていた。
「どうやら、この村ではまだ被害は出ていないようじゃな」
ミグは村人からの報告を受けてホッとした様子だった。
「相手が何者かわかりませんが、どうみても、雑魔ですね。できるだけ早期に、駆逐しましょう」
通信機器の調節を終えたミオレスカは、ミグに耳打ちする。
このままだったら、確実に村は巨人に蹂躙されてしまうのだ。そんな惨事だけは引き起こしてはならない。悲劇はここで終わらせるのだ。
二人は気持ちを同じにして、互いに頷き合う。
村の集会場にて、ハンター達が作戦の最終確認をしていた。
敵が間近に迫る中、この作戦会議が最終的な決定となるだろう。
「おそらく、山裾の森から街道口に出るところ。そこに出現するわ」
エーミは持ち前の頭脳と、推理術を駆使して、敵の行動を予測した。
(数年来過ごした村を滅ぼされたり、追われたりするのは辛いわよね)
そんな風に弟弟子を慮り、村の近くで戦闘が起こらないことを悦ぶ。
「ここに至る道程で取り込んでいる物に注意しながら戦いましょう」
エーミはそう忠告する。
「……このまま放置していてはどれほどの被害がもたらされるか分かりません。一刻も早い対処が必要となります。わたしも全力を尽くさせて頂きます」
作戦会議を締めくくったのは、日下 菜摘(ka0881)の一言だった。
死を追いやり生者を救う医者である彼女の口から発せられた、その一言は重いものだ。
●街道
ただ一直線に進む――沼。
その強固な意志が単騎の行進をし、街道に踏み込んだ。
ドシン――という地鳴りに、ロニ・カルディス(ka0551)は髭の生えてこない顎をなでつける。胸元には「気をつけてね」といって、前衛担当みんなに渡されたエーミの護符があった。
見上げた場所には、件の巨人。
「思っていたよりもかなりの大物だ。これを仕留めるのは随分と骨だが……まぁ、できないわけではないな」
口も無く、目も無い沼の巨人は一歩踏み出す。
現状を確認したロニはこの一体だけが突出しているところに目を付けた。
街道と言うのも都合がいい。ここは土だけの場所だ。たいした被害も出ないだろう。
あとは、この一体以外をバラけさせれば、各個撃破が容易になる。
その時、灯火の杖を大火弓に持ち替えたミオレスカが先陣を切って矢を飛ばした。
連続される矢に巨人は歩みを止める。
「このまま一体は止めますので、その間に、各個撃破をお願いします」
「――任せたぜ!」
ロニは、まだ森の中にいるマーシュ・ガーディアンの気をそらすため、森に潜った。
「……泥というものにも雑魔って転じるんですね、初めて知りました」
T-Sein(ka6936)は、泥の巨人をその目で、目の当たりにして泥が動くという光景に息を呑んだ。負のマテリアルとはもはや何でもありだ。まるでリアルブルーにいると聞く八百万の神のようだと、思う。
銀色のオーラがT-Seinの身を包み、肌が焼け広がるように褐色になる。
「やってやるよ、泥の巨人!」
ミオレスカが後衛で足止めをしている中、T-Seinは前衛として、街道口にいる一体の泥の巨人に向かって突っ込んでいく。
「ほら、こっちだ」
巨人は、T-Seinを障害物と見たか足で踏みつけてつぶそうとしてくる。
だが、緩慢な動きだ。覚醒したT-Seinに当たるはずもない。
逆に、T-Seinは手甲のブースターを発動させ、カウンター気味に一撃を放った。
マーシュ・ガーディアンは泥の体を波打たせ、一、二歩下がる。
その時、巨人が泥化した地面を吸い上げた。かの雑魔の特徴にあった『泥化吸収』だ。
「くそ、今の攻撃をなかったことにされた……」
戦線から少し離れたところの丘の上まで相棒のエクウスを駆って辿り着いた菜摘は、LEDライトでその場を照らした。
そこから街道の戦線を見下ろす。
「エクウス、ありがとう。村に戻っていて」
その声に、ぶるると鳴いたエクウスは、筋肉を唸らせて消えていった。
「少し、手こずっているようですね。少なくとも、その場に釘付けにしておかないと」
菜摘は聖なるメイスを振りかざし、夜よりも深い暗黒を呼ぶ。
その闇は無数の刃を作りだし、一斉にマーシュ・ガーディアンに向かって落とす。
落雷にも似た速度で落ちた刃は巨人を空間に縫い付ける。
「非力とはいえ……この一撃、重いですよっ……! 存分に味わいなさい!」
暗闇は刃から、硬質な塊に転じ、急所を穿った。
巨人はたまらず、膝をつく。
その機を逃さない――。
T-Seinは気を練り上げ、膝をついたマーシュ・ガーディアンに一挙に攻めた。
それは八極拳の型の一つ『川掌』だったが、彼女の放ったものは似て非なる破壊力を持ったまさに必殺の型。
我流八極拳捌型『覇劫』。
その浸透する勁力は泥の体に伝わり、内側から破壊する。
覇劫をぶつけられた、マーシュ・ガーディアンは元の泥へと帰っていたのだった。
●森
高い木に登り、前線から離れたところで、戦闘の推移を見守っていたのはミグ。
「リアルブルーには旅をする湖があると聞くが……これはそれとは違うようじゃな」
リアルブルーのマンガで仕入れてきた知識を口にしながら、それと似た現象に胸を躍らせる。とはいえ、その身はまだ手負いだ。
「痛てて……無理は出来ないか……せっかくの研究材料なんじゃがなぁ。ま、旅をする沼とはいえただの雑魔。やることは一つじゃ」
念のための水中用アーマーを着込み、義手を操ってトランシーバーのスイッチを押す。
仲間達に通信をとばした。
「巨人を発見。これから追跡する。なに案ずるな。深追いはせん」
夜更けに巨人が木の根を刮ぐ、グググ……という気味の悪い音が地中より響いてくる。
醜悪な大音響を上から消し去ったのは、ロニの鎮魂歌だ。
その鎮魂歌はどこか故郷を思い出させるような悲しい音階で、ロニは目をつむりながら坦々とその歌を紡ぐ。
(これで、二体のマーシュ・ガーディアンは引きつけられたはずだ……)
ロニの歌声につられて、巨人の一体がロニに突撃してきた。
それをひらりとかわしたところで、ヴァイザースタッフという名を冠した練金杖を構える。
「……これだけ大きければそれだけで脅威だが、同時にいい的でもあるな」
暗闇が凝縮して刃を成し、それがマーシュ・ガーディアン二体に向かって降り注いだ。
泥の巨人は、まるで叫び声でも上げるように暴れるが、それを押さえ込むように暗闇の刃がマーシュ・ガーディアン達の体を空間に縫い付けた。
動けなくなった二体の巨人を見て、様子をうかがっていたミグが走り出した。
まだ本調子でない体を労りつつ、可能な限り敵に接近する。
「覚醒ができれば、ファイアスローワーを使って干涸らびさせたところなんじゃがのう」
肩を落としながら、自分の不運を呪う。
それから、マーシュ・ガーディアンの背面に移動すると、――グァンッ。
引き金を引いて撃鉄を落とし、竜のような吠え声と共に銃弾を飛ばす。
暗闇に火花が散り、その弾は泥に飲み込まれて消えた。
「なるほど……さすがは泥の体じゃ。いいものをみさせてもらったのじゃ」
ミグは満足げにほくそ笑む。
水中専用鎧スキューマを着用したディーナは、
「アーリアの時だってこの鎧でなんとかなったの、女は度胸なの……うわああああああ!」
と勢い込んで、マーシュ・ガーディアンの体内に飛び込んだ。
ぐちゃっ……とした音と共に体内に入ったディーナは、その中に浮かぶ死体にびっくりしながらも、泥なので視界不良だったことが幸いした。
ディーナは何も考えずに、聖なる光セイクリッドフラッシュを連発する。
(これ、結構辛いの~、……でも頑張るの~)
内部からの攻撃に、ぐらりと、マーシュ・ガーディアンの体が崩れ、
「きゃあああああああ」
ディーナは投げ出されてしまった。
投げ出されはしたものの、巨人には大ダメージを与えられた。
巨人が手を剣に変化させた――。
ドールバイザーをつけたディヤーは遠くからその影に変化があったのを確認した後、大声を上げる。
「マーシュ・ガーディアンが『形状変化』をしたのだ! みんな、気をつけて!」
その声で巨人の足下にいたハンター達は一度退いて、マーシュ・ガーディアンが振り下ろした剣戟を避けた。
ディヤーの視界の中にいたのは、ミグ、ロニ、ディーナ。
その三人と自分に、ウォーターウォークをかけると、ブリザードの詠唱に入る。
次の瞬間、マーシュ・ガーディアン二体が凍り漬けになった。
「やっぱり凍った……のだ?」
今の内にと、街道で足止めをしているミオレスカに現在の状況を聞き及んで、それをエーミに伝えた。
「街道にて一体は撃破、こちらと交戦中の二体は凍らせたのだ、姉弟子殿」
エーミはエクウスで丘の上に上がると、騎乗にてディヤーからの通信を受ける。
星の力を宿したマスクで暗闇を見透かした。
「……地面が妙に波打っているわね。泥化吸収……。完全には沈黙していないのかしら」
凍っていた巨人が活動再開する予兆を感じ取ったエーミは、飛来物避けの傘を閉じて、一気に斜面を駆け下りた。
マーシュ・ガーディアンの属性はおそらく土……。
それならば、とエーミはエクウスから降り、極限まで集中する。
詠唱、詠唱――――――――
しめて、六枚の符を浮かべて、さらに詠唱を続ける。
――詠唱詠唱――四重詠唱――――――十二連装、全装填、風雷陣!
十二枚の符を投げた。
「膳は調えた。余さず喰らいなさい?」
氷漬けから回復したマーシュ・ガーディアン二体を狙って強烈な一撃が飛ぶ。
瞬間的に生まれた、この世の物とも思えない暴風と雷撃に、夜が一瞬消し飛んだかのように見えた。
穏やかになる。
月が輝く、静かな夜だ。
その夜の風景から、巨人達の跫音は消えていたのだった。
●朝
夜が明けた――。
マーシュ・ガーディアンが倒れた場所には沼地が出来ている。
プカプカと浮かんでいるのは獣達、そして人の骸だった。
遺体をそのままにして放置していればアンデッドになりかねないだけではなく、疫病が広まる原因にもなる。
そのため、近くの村人やハンターオフィスにも依頼し総出で遺体を集めて、病気が発生しているかもしれないということで火葬を行った。
「これで彼らも安らかに眠れるでしょう」
菜摘は、医者として、彼ら達の冥福を祈る。
「歪虚化前に浄化できたら……もっと被害が抑えられたかもなの……」
あまりにも多すぎた犠牲に、防護服として着ていた鎧を脱ぎながらディーナは感慨を持って呟く。
彼女が、スキューマと一緒に煮沸消毒した遺品はハンターオフィスに収容され、その一部が遺族に返却されたが、ほとんどはいまだ引き取り手がないという。
炎が上がる光景を見ながらT-Seinは、一服のたばこを口にくわえ、紫煙を吐き出した。
まだ興奮が冷めあらぬのか、『ニヒト』が表に出ている。
「……もう、こんなことないといいな」
ふと、漏れた『彼女』の本音に、内側にいる『ザイン』は声もなく同意したのだった。
夜が明け――ハンター達が現場状況の確認をしている中、ミオレスカは生存者の確認にあたっていた。泥の中にも、その周囲にもこの事件に巻き込まれた生存者はいない。泥に飲み込まれてしまった者達は全員亡くなっていた。
「街道もデコボコになってしまいましたね。ハンターオフィスに報告しないと」
そんなことを考えながら、村に戻ると、ディヤーが深刻そうな大人達の輪の中にいた。
なにをしているのだろうと、近くにいたエーミに問いかける。
「あの巨人が引いた道のことよ」
「道? ああ、森もたくさん破壊されていましたね」
「みんなの生活基盤が崩されないかってことを心配していたの。ふふ。あの子も考える時は考えるのね」
「優しいんですね」
「ええ。良い弟弟子だわ」
二人がそんな話をしているともつゆ知らず、ディヤーは地図を見ながら、巨人が引いた線を地図に書き出していた。
「『道』のことは、ハンターオフィスに相談してみる。だから、みんなはこの村を守るのだ、みんなの手で」
そう言うと、大人達は、目に精気を宿して立ち上がった。
それを見たディヤーは安心したように微笑んだ。
泥の巨人が蹂躙された道の上では、やがて小さな芽が息吹くだろう。
その頃にはきっと、この事件で生まれた悲しみが幾分かは晴れているかもしれない。
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駆逐作戦 ミオレスカ(ka3496) エルフ|18才|女性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2017/12/11 16:20:55 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2017/12/11 16:05:31 |