ゲスト
(ka0000)
図書館いこう
マスター:有坂参八

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- 締切
- 2014/11/28 22:00
- 完成日
- 2014/12/06 08:34
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「にゃぁぁぁぁ、コレ超怖いですにゃ〜。一人で来るんじゃにゃかったですにゃ〜」
暗闇に閉ざされた回廊に、少女の声が反響する。
石造りの壁や床は冷たく硬く、土と草を歩き慣れた辺境部族出身の少女にとってはすこぶる歩き心地が悪い。
手にした微かな明かりでは回廊の先の先は照らされず、ただ奥の方から吹き付けてくる弱々しい風が、却って少女の足取りを重くした。
「こんな所にお使いとか無茶ぶりですにゃ〜。絶対なんか出てきますにゃ〜。『ふらぐ』が立ってますにゃ〜」
ここは辺境中部のとある森の奥地。かつて何世代も前のドワーフの一派によって打ち建てられるも、しかし歪虚の侵攻によって放棄された、地下壕だ。
長く長く続く回廊は、本来は歪虚の侵攻に対するシェルターの役割を期待してのものだったが……残念ながら、その効果の程は今ひとつだったらしい。
歪虚との戦いが重なり、旗色が悪くなるにつれ……当時のドワーフ達はここをあっさりと放棄し、辺境南部へと戦線を下げていた。
そんな見捨てられた場所に、どうして少女はただ一人やってきたのか……その理由は、この回廊の奥にあった。
少女は足音とその振動を極力殺し、周囲を用心深く警戒しながら少しずつ前に進む。その歩みはまるで猫か何かの獣の様にしなやかで、そのあどけなさとは裏腹、まがりなりにも彼女が辺境の伝統を受け継ぐ霊闘士である事を証明するかの様だった。
「お」
薄明かりの向こう、回廊の右手に、ぼんやりと扉の形が浮かび上がる。
少女はおっかなびっくりな様子で扉をちょんちょんとつっついて、それからゆっくりと扉を押し開いた。
「おおおっ」
少女が感嘆の息を漏らす。
扉の向こうにあったのは、本の山だった。丁寧に書棚に詰め込まれたものから、無造作に平積みされたもの、薄いのから分厚いのと、兎に角、狭くないであろう部屋を埋め尽くす、大量の書物である。
それらがとても有用な情報を記した貴重な物であるらしい事を、少女はあらかじめ、自分をここに遣わした師から聞かされていた。
地下壕は本来、ドワーフ達が集めた書物を一箇所に集積する書庫の役割も担っていたのだ。そして、その書物こそ、少女が捜索を申し付けられたお宝だった。
「ビンゴですにゃぁ! らくしょうでしたにゃぁ!」
と、少女が諸手を挙げて書物に近づこうとしたとき。
『ギシャァァァァアァァァァァァアァアァッ!』
「ぎにゃぁぁぁぁぁッ!」
巨大な金切り声の様な咆哮が、静寂を引き裂くかのように響き渡った。
空気さえ震わす怪音に取り乱した少女は、思わず明かりを取り落とす。
そして闇の中に浮かびあがる、八つの紅色の光。次いで、じゃきん、と刃物が擦れ合う様な音が鳴った。
「わ、わ、あわわわわわ」
暗闇で正体が判らずとも、それが危険な存在である事は察して余りある。歪虚かどうかさえ、少女にとっては最早関係のないことだ。
「お助けですにゃーッ!」
脱兎のごとく身を翻し、今きた道をーー何度か派手にすっ転びながらーー引き返していく少女。
彼女は辺境要塞ノアーラ・クンタウに戻るやいなや、ハンターズソサエティに駆け込み、職員に泣きついた。
「このままじゃお使い失敗ですにゃぁ、お師匠様に怒られますにゃぁ、助けてくださいにゃぁー!」
暗闇に閉ざされた回廊に、少女の声が反響する。
石造りの壁や床は冷たく硬く、土と草を歩き慣れた辺境部族出身の少女にとってはすこぶる歩き心地が悪い。
手にした微かな明かりでは回廊の先の先は照らされず、ただ奥の方から吹き付けてくる弱々しい風が、却って少女の足取りを重くした。
「こんな所にお使いとか無茶ぶりですにゃ〜。絶対なんか出てきますにゃ〜。『ふらぐ』が立ってますにゃ〜」
ここは辺境中部のとある森の奥地。かつて何世代も前のドワーフの一派によって打ち建てられるも、しかし歪虚の侵攻によって放棄された、地下壕だ。
長く長く続く回廊は、本来は歪虚の侵攻に対するシェルターの役割を期待してのものだったが……残念ながら、その効果の程は今ひとつだったらしい。
歪虚との戦いが重なり、旗色が悪くなるにつれ……当時のドワーフ達はここをあっさりと放棄し、辺境南部へと戦線を下げていた。
そんな見捨てられた場所に、どうして少女はただ一人やってきたのか……その理由は、この回廊の奥にあった。
少女は足音とその振動を極力殺し、周囲を用心深く警戒しながら少しずつ前に進む。その歩みはまるで猫か何かの獣の様にしなやかで、そのあどけなさとは裏腹、まがりなりにも彼女が辺境の伝統を受け継ぐ霊闘士である事を証明するかの様だった。
「お」
薄明かりの向こう、回廊の右手に、ぼんやりと扉の形が浮かび上がる。
少女はおっかなびっくりな様子で扉をちょんちょんとつっついて、それからゆっくりと扉を押し開いた。
「おおおっ」
少女が感嘆の息を漏らす。
扉の向こうにあったのは、本の山だった。丁寧に書棚に詰め込まれたものから、無造作に平積みされたもの、薄いのから分厚いのと、兎に角、狭くないであろう部屋を埋め尽くす、大量の書物である。
それらがとても有用な情報を記した貴重な物であるらしい事を、少女はあらかじめ、自分をここに遣わした師から聞かされていた。
地下壕は本来、ドワーフ達が集めた書物を一箇所に集積する書庫の役割も担っていたのだ。そして、その書物こそ、少女が捜索を申し付けられたお宝だった。
「ビンゴですにゃぁ! らくしょうでしたにゃぁ!」
と、少女が諸手を挙げて書物に近づこうとしたとき。
『ギシャァァァァアァァァァァァアァアァッ!』
「ぎにゃぁぁぁぁぁッ!」
巨大な金切り声の様な咆哮が、静寂を引き裂くかのように響き渡った。
空気さえ震わす怪音に取り乱した少女は、思わず明かりを取り落とす。
そして闇の中に浮かびあがる、八つの紅色の光。次いで、じゃきん、と刃物が擦れ合う様な音が鳴った。
「わ、わ、あわわわわわ」
暗闇で正体が判らずとも、それが危険な存在である事は察して余りある。歪虚かどうかさえ、少女にとっては最早関係のないことだ。
「お助けですにゃーッ!」
脱兎のごとく身を翻し、今きた道をーー何度か派手にすっ転びながらーー引き返していく少女。
彼女は辺境要塞ノアーラ・クンタウに戻るやいなや、ハンターズソサエティに駆け込み、職員に泣きついた。
「このままじゃお使い失敗ですにゃぁ、お師匠様に怒られますにゃぁ、助けてくださいにゃぁー!」
リプレイ本文
●
召集された六人のハンターと依頼人の一行は、件の地下壕の前に来て一度その脚を止めた。
のぞき込んだ壕の中は真っ暗で、不気味な空気が漂っている。
「テトさん、また、よろしくお願いしますね」
「はい! こちらこそですにゃぁ」
白神 霧華(ka0915)が、依頼人……テトと名乗った少女に挨拶すると、緊張していた表情が一気に和らぐ。
「地下壕なら、手榴弾と火炎放射と散弾銃がありゃ即制圧……なんスけど。本の回収って事なら、トンネルラットしか無いっスねぇ」
「……?」
テリー・ヴェランダル(ka0911)の物騒な冗句を、テトはいまいち理解できていない様だ。
霧華がテリーを優しくつつくと、彼女は苦笑をごまかす様に、頬を掻いた。
「大量の本があるんだろう? 本好きとしては、気にならない訳には行かないな」
一方、リズレット・ウォルター(ka3580)は瞳を輝かせつつ、地下に眠るお宝に想いを馳せている。その発言は、魔術師としての知識欲以上に、純粋な本への愛好心からくるものだ。
「辺境ともなれば、知られざる法術の知識、信仰に纏わる文献もあるでしょう。全てが、貴重な品である筈です」
アクセル・ランパード(ka0448)も、育ちの良さを伺わせる穏やかな態度に、けれど強い意志の宿る語調で言った。
「せっかくの本が、歪虚と一緒に廃墟の中じゃ、もったいないもんね。機導術に関わりそうな資料があるといいんだけど」
機導師であるイェルバート(ka1772)も、LEDライトの調子を確かめながら頷いた。
準備は既に、万端だ。
唯一、できれば回収用に荷馬車を用意して貰おうとしたのだが、依頼人のテトには車輪付きの、いわゆる大八車しか用意する事ができなかった点が、予定と食い違っている。
「お力になれずすみませんにゃー」
「まぁ、十分でしょう。現場保存しておけば、また回収には来れますしね」
肩を落とすテトを横目に、Gacrux(ka2726)が言った。彼が時々鋭く視線を向けると、テトはその度にビクッと身を竦めていた。
●
入り口から続く階段をしばらく降りて回廊に脚を踏み入れると、ハンター達はそれぞれ手に持つ照明を点灯した。
『………………!』
アクセルが祈るように目を閉じ、何か小さく言葉を呟くと、彼の持つ五角形の盾が、シャインによって輝き出す。元の面積が広いだけに、盾の光は周囲をかなり明るく照らした。
それからハンター達は、依頼人の誘導を受けつつ回廊の暗闇の奥へ、ゆっくりと進みだした。
テリーはトリガーから指を外した状態で銃を右手に構え、左手にはLEDライトを握りながら周囲を警戒していた。
「……通気口とかありそうっスよね、こういう建築。奇襲されたら洒落にならんっス」
「テトの出くわした敵が、どんな相手かも判っていないからな。左右や背後だけじゃなくて、天井にも注意した方がいいかもしれない」
「……実は、書庫がもう歪虚の巣になってたりして。卵とか産んで」「ひぇぇ」
リズレットの発言を聞いてGacruxが呟くと、横でテトがかたかたと震え出す。
案内人は戦力にはならなそうだと思いつつ、三人は通路の奥だけでなく、壁や、天井までつぶさに照らし、クリアリングしていく。
今の所は異常な兆候は無く、またドワーフの技術の賜か、施設事態が劣化している傾向も見られなかった。
「……崩れる心配はなさそうですにゃ~」
「え?」
「いえ、なんでも」
霧華の声を聞いた気がして、リズレットが思わず振り返る。
何事も無かったかの様な表情の霧華の隣で、テトがにこにこしながら寄り添っていた。
「ここですにゃ」
……脚を止めずに一五分ほど歩いた頃、テトがささやく様に告げた。
回廊の右手に、古ぼけた扉が見えてくる。
「この奥で、テトさんが……歪虚らしき何かに遭遇した訳ですね」
アクセルが、依頼人を振り返る。
「はい。でも、正体はよくわからにゃかったですにゃ」
「刃物みたいな金属音がしたってことは……得物が金属製ってことなんだろうな」
身構えるイェルバート。
仮に重武装の敵だとすれば、手にしたバックラーを頼るには少しばかり不安が残る。
実際に扉を開くのは、カイトシールドを持つアクセルの役目となった。
慎重にドアノブを押し、部屋の中を照らすとーーーー
「何も、居ない……?」
「既に移動したか?」
自身もLEDライトで内部を照らしつつ、リズ。
「とりあえず、音で誘き出してみるっス」
仲間に告げてからテリーが指笛を強く鳴らしてみたが、しかし静寂が返るのみ。
「……入ってみるしかないですかねぇ」
仕方なし、Gacruxが脚を踏み入れた、その時だ。
『ギシャァァァァァァッ!』
強烈な咆哮が、回廊に反響した。
音源は、書庫に入ってすぐ目の前。
しかし、正面ではない。
「本棚の上です!」霧華が叫ぶ。
「これは……!」
アクセルが発光する盾をかざし、驚愕の表情を浮かべた。
本棚の上に陣取っていたもの。
それは、牛程の大きさもある蠍型の歪虚だった。
暗闇に光る八つの赤い目、両腕には鍛冶師が鍛えたかの様な鋭利な鋏、そして尾の先からは、極太の針を侵入者……ハンターに向けている。
鋏を振り翳す仕草はまるで、書庫の中に入ったハンターを外へ追い払う様で……
「……縄張り意識か、巣ってのはあながち外れてなさそうだ」
リボルバーの撃鉄を起こしながら、イェルバートが覚醒。他のハンターも続く。
「ま、俺は蜘蛛型じゃないかと踏んでたんですけどね」
肩を竦めつつGacruxは、中距離戦に備えてルーメンスピアを構える。
だが意外にも、大蠍はハンターを迎撃はしても、書庫の中から出てこようとはしなかった。
「まずいですね。このまま踏み込んで戦っては、中の本を傷めてしまうかもしれません」
大蠍の振るう鋏を盾で受けながら、アクセルが言う。
「もうちょっと広けりゃ、蜂の巣にしてやるんスけど……」
テリーが歯噛みする。書庫の内部の本や棚は、無数の遮蔽物となって、迂闊な発砲を妨げている。狭い空間であれば、跳弾も怖い。
(せめて軟弾頭とか手に入れば……!)
クリムゾンウェストには、各銃につき単一種の弾頭しか流通していない事が、悔やまれた。
膠着しかけた状況を破ったのは、霧華だ。繰り出される鋏を意に介さず相手に接近しすると、次いで時間差で延びてきた尾針を、あろうことか手で掴んだ。
「このッ!」
「……うわっ、霧華さん!?」
慌ててイェルバートがアルケミストデバイスを作動させ、霧華に防御障壁を付与する。
次の瞬間には蠍の鋏が、光の防御膜ごと、霧華の二の腕を切り裂いた。
「くっ……!」
鮮血が、間一髪で役目を果たした防御障壁と共に飛び散ったが、霧華は意に介さない。
力任せに腕を引き、相手を書庫の外へと引きずり出した。
「豪快ですねぇ」
入り口の近くで構えていたGacruxがすかさず、書庫の扉を閉めた。
コレで、中の本に害が及ぶ事は無い。
「狭い場所で暴れられたら不利だ、早めに決着をつけよう」
リズレットはライトで蠍を照らしつつ、マジックアローの詠唱を始める。ワンドの先に圧縮されたマテリアルは光の尾を引きながら大蠍へと向かい、衝突する!
『ギシャァァァァァッ!』
「……図書館では静かに、だろ」
イェルバートのリボルバーの銃口から、弾丸の代わりに稲光が放たれる。
エレクトリックショックの電撃を受けて、蠍が壊れた機械のように震え始めた。
その隙をついてアクセルとGacruxが接近。
二人は盾を前に突き出し、蠍の鋏を押さえつける。
アクセルはカイトシールドを押しつける様に大蠍に密着、右の鋏を封じつつバスタードソードを突き刺す。
「Gacruxさん、そちらはお願いします!」
言われるまでも無く、Gacruxは反対、左の鋏に方形の大盾を被せる。
唯一自由となっている尾針の攻撃を受けたが、Gacruxは逆に倒錯的な笑みを浮かべた。
「ッ……ああ、この痛みは爽快ですね……頭がスッとしますよ」
Gacruxは自分に突き刺さる尾針をそのまま掴み、蠍を完全に固定する。
目標の動きが大きく抑えられた所で、後列のテリーは両手で確りと銃を握り込み、蠍の頭部へ銃口を向けてから……トリガーに、指をかけた。
「この状況で狙いを外す程、ボンクラじゃないっスよ……!」
閃光と共に、強弾を放つ。弾丸は蠍の目玉の一つを砕く様に着弾し、そのまま内部へと貫通した様だった。
その一撃が致命傷となったか、蠍の動きが極端に鈍りくなり……その後は、ハンター達の集中攻撃であっけなく葬られる事になった。
●
幸いにして卵の類は存在せず、大蠍の死体を片付けて安全が確保されると、ハンター達はいよいよ書庫の捜索に取り掛かった。
「テトさーん、そろそろ出てきてくれませんかねぇ。もう終わりましたんで」
「ふにゃぁ~」
戦闘が終わってなお物陰で震えていたテトを『回収』しつつ、Gacruxは膨大な書架に歩み入って、その一つずつを見定めていく。
「これは……確かに、とんでもない数だな」
リズレットは感嘆の声を上げながら、ライトで書庫の奥の奥を照らしていった。
部屋は、はじめにみた印象より、随分と広く感じる。
アクセルは、手近な本ーー恐らくは魔導書か何かーーを手袋越しにめくって、その状態を確かめた。
「本そのものも、思ったより痛みが少ないですね……比較的新しい年代のものなのでしょうか?」
「何かの技術で、部屋が保存に適した環境になってるのかも。なんせ、ドワーフの作った施設だし」
と、イェルバート。家族から受け継いだ職人気質か、なんとなく部屋そのものにも興味が湧いてくる。
「……て、霧華さん? なんで本棚の後ろなんか……」
「いえ、大したことでは」
何やらガサゴソやっている所をイェルバートに見られて、霧華はしれっと佇まいを直した。彼女は彼女で、何かを捜しているらしい。
そのままハンター達は暫しの時間をかけて、それぞれ自由に本を探す事になった。
生粋のガンナッツーー愛銃家のテリーが探すのは、やはりそれに関わるもの。
すぐに、魔導銃……らしき筒状火器の本に目を付けるが……
「訳わからないっス。撃鉄撃針どころか、引き金も無いとか。火槍じゃないんだから……」
「多分、根本的な前提が違うんじゃないか。リアルブルーの機械だと……マテリアルの力を借りないのが普通なんだろう」
隣で魔導機械についての書籍を探していたリズレットが、本をのぞき込みつつ言った。
「成る程……こりゃ、勉強しがいがありそうっスねぇ」
溜息をつきつつも子供のように目を輝かせるテリーに苦笑してから、リズレットも書架を探っていく。
珍しい道具や技術の解説書をいくつか回収候補に入れたところで、一冊の本が目を引いた。
「……魔法公害の実録か」
「あ、それ、僕も気になるな」
少し離れた所にいたイェルバートが振り返り、リズレットに駆け寄る。
機導術の素材として鉱物性マテリアルのエネルギーが一部のみ消費され、その残留物を無秩序に廃棄した結果マテリアルバランスが崩れた……という数百年前の事例が、その本には記されていた。
一方、こちらは書架のもう少し奥、史書や伝記の本が多い一角。
「夜長の退屈しのぎに、物語を持ち帰りたいんですがね」
「……それでしたら、こういうのがありましたが」
慎重に本の表紙を確認していくGacruxに、魔法や信仰についての書物を探していたアクセルが、分厚い一冊を差し出した。
「辺境部族の神話や伝承について記した本の様ですよ。王国の人間が伝聞で集めたものを、編集したそうですが」
「遠野物語みたいですね」
霧華が、リアルブルーで読んだ本を思い返しながら言った。彼女は彼女で、いつのまにか一冊の薄い本を抱え込んでいる。
唯一、依頼人だけが手ぶらなのを見て、アクセルがふと思い立ち、声をかけた。
「……そういえば、テトさん。お師匠様に頼まれた本というのは、どの様な物なのですか?」
「にゃ。実はですにゃ」
テトが探している書物は、リアルブルーの書物だと言う。
青の世界からの転移者と共に世界を移動してきた文献、あるいは、転移者本人が情報源となって書かれた書物の類。
「こういう遺跡にゃ、たまぁーにそういう本が混じってるんですにゃぁ」
それで、ハンター達の手も借りて、リアルブルーの本を探すことになった。
暫時の間をおいてイェルバートが、それらしき本を見つけた。
「……ひょっとして、これかな。装丁も紙も材質が全然違う」
「確かに、リアルブルーの字の様だな」
リズレットは珍しげに表紙の字をなぞる。覚醒者ならば神霊樹の力によって他種族の言語をある程度理解はできるが、それでもその文字は、少なくともクリムゾンウェストの物ではなかった。
「Holy Bible……ああ、コレ聖書っスか」
逆に、テリーや霧華にとってそれは、馴染みのある物だった。
リアルブルーのある宗教の教典だと教えてやると、テトは十分満足した様で、その一冊を持ち帰る本として選んだ。
それから、ハンター達は選定した本を運び出す作業に入った。荷車しかない事もあって持ち帰る本はそれなりに厳選したものの、それでもかなりの量だ。
「後は、次の調査が入る時まで保留ですね」
Gacruxは、散らばっていた本を整理した上で、再び歪虚が入らないよう書庫の扉を堅く閉じた。
既に運び出す本は、麻袋や毛布につめ、ロープで軽く縛ってある。
ハンター達は数度往復して本を地下壕の外まで運び出し、満載の荷車を交代で引きながら、ハンターズソサエティまで戻った。
「今回回収できなかった分の本は、後日改めて調査隊が派遣されるそうだ」
「持ち帰った本は、要塞の書庫に蔵書として保管されるそうですよ。読みたければ、いつでも入らせて貰えるそうです」
受付での手続きを終えたリズレットとアクセルが、一人一人の報酬を分配する傍らで告げた。
「じゃあ、今度勉強しに来ようかな」
イェルバートが、安心した用に息をつく。研鑽中の身を自覚する錬金術師には、大きな助けとなりそうだ。
「一冊、拝借させてもらえませんかねぇ。報酬額だけじゃ割に合わないですし」
Gacruxが自分の暇つぶしになりそうな一冊を手に取ると、テトはわざとらしく目を逸らし、見えていないフリをしてみせる。
『内緒ですよ』……という所か。
隣では霧華も、何やら真剣な顔付きで薄い本を握りしめ、中に目を通している。本棚の隙間に隠すように挟まれていたそれは、あの書庫を作ったであろうドワーフ達の桃色の欲望が、色濃く出ている一冊で……
まぁ、ぶっちゃけて言うとエロ本だった。
「霧華さん、ずっとその本読んだままっスね。よっぽど為になることが書いてあるんスか?」
感心したテリーの言葉に、霧華は無言のまま、力強く頷いた。
召集された六人のハンターと依頼人の一行は、件の地下壕の前に来て一度その脚を止めた。
のぞき込んだ壕の中は真っ暗で、不気味な空気が漂っている。
「テトさん、また、よろしくお願いしますね」
「はい! こちらこそですにゃぁ」
白神 霧華(ka0915)が、依頼人……テトと名乗った少女に挨拶すると、緊張していた表情が一気に和らぐ。
「地下壕なら、手榴弾と火炎放射と散弾銃がありゃ即制圧……なんスけど。本の回収って事なら、トンネルラットしか無いっスねぇ」
「……?」
テリー・ヴェランダル(ka0911)の物騒な冗句を、テトはいまいち理解できていない様だ。
霧華がテリーを優しくつつくと、彼女は苦笑をごまかす様に、頬を掻いた。
「大量の本があるんだろう? 本好きとしては、気にならない訳には行かないな」
一方、リズレット・ウォルター(ka3580)は瞳を輝かせつつ、地下に眠るお宝に想いを馳せている。その発言は、魔術師としての知識欲以上に、純粋な本への愛好心からくるものだ。
「辺境ともなれば、知られざる法術の知識、信仰に纏わる文献もあるでしょう。全てが、貴重な品である筈です」
アクセル・ランパード(ka0448)も、育ちの良さを伺わせる穏やかな態度に、けれど強い意志の宿る語調で言った。
「せっかくの本が、歪虚と一緒に廃墟の中じゃ、もったいないもんね。機導術に関わりそうな資料があるといいんだけど」
機導師であるイェルバート(ka1772)も、LEDライトの調子を確かめながら頷いた。
準備は既に、万端だ。
唯一、できれば回収用に荷馬車を用意して貰おうとしたのだが、依頼人のテトには車輪付きの、いわゆる大八車しか用意する事ができなかった点が、予定と食い違っている。
「お力になれずすみませんにゃー」
「まぁ、十分でしょう。現場保存しておけば、また回収には来れますしね」
肩を落とすテトを横目に、Gacrux(ka2726)が言った。彼が時々鋭く視線を向けると、テトはその度にビクッと身を竦めていた。
●
入り口から続く階段をしばらく降りて回廊に脚を踏み入れると、ハンター達はそれぞれ手に持つ照明を点灯した。
『………………!』
アクセルが祈るように目を閉じ、何か小さく言葉を呟くと、彼の持つ五角形の盾が、シャインによって輝き出す。元の面積が広いだけに、盾の光は周囲をかなり明るく照らした。
それからハンター達は、依頼人の誘導を受けつつ回廊の暗闇の奥へ、ゆっくりと進みだした。
テリーはトリガーから指を外した状態で銃を右手に構え、左手にはLEDライトを握りながら周囲を警戒していた。
「……通気口とかありそうっスよね、こういう建築。奇襲されたら洒落にならんっス」
「テトの出くわした敵が、どんな相手かも判っていないからな。左右や背後だけじゃなくて、天井にも注意した方がいいかもしれない」
「……実は、書庫がもう歪虚の巣になってたりして。卵とか産んで」「ひぇぇ」
リズレットの発言を聞いてGacruxが呟くと、横でテトがかたかたと震え出す。
案内人は戦力にはならなそうだと思いつつ、三人は通路の奥だけでなく、壁や、天井までつぶさに照らし、クリアリングしていく。
今の所は異常な兆候は無く、またドワーフの技術の賜か、施設事態が劣化している傾向も見られなかった。
「……崩れる心配はなさそうですにゃ~」
「え?」
「いえ、なんでも」
霧華の声を聞いた気がして、リズレットが思わず振り返る。
何事も無かったかの様な表情の霧華の隣で、テトがにこにこしながら寄り添っていた。
「ここですにゃ」
……脚を止めずに一五分ほど歩いた頃、テトがささやく様に告げた。
回廊の右手に、古ぼけた扉が見えてくる。
「この奥で、テトさんが……歪虚らしき何かに遭遇した訳ですね」
アクセルが、依頼人を振り返る。
「はい。でも、正体はよくわからにゃかったですにゃ」
「刃物みたいな金属音がしたってことは……得物が金属製ってことなんだろうな」
身構えるイェルバート。
仮に重武装の敵だとすれば、手にしたバックラーを頼るには少しばかり不安が残る。
実際に扉を開くのは、カイトシールドを持つアクセルの役目となった。
慎重にドアノブを押し、部屋の中を照らすとーーーー
「何も、居ない……?」
「既に移動したか?」
自身もLEDライトで内部を照らしつつ、リズ。
「とりあえず、音で誘き出してみるっス」
仲間に告げてからテリーが指笛を強く鳴らしてみたが、しかし静寂が返るのみ。
「……入ってみるしかないですかねぇ」
仕方なし、Gacruxが脚を踏み入れた、その時だ。
『ギシャァァァァァァッ!』
強烈な咆哮が、回廊に反響した。
音源は、書庫に入ってすぐ目の前。
しかし、正面ではない。
「本棚の上です!」霧華が叫ぶ。
「これは……!」
アクセルが発光する盾をかざし、驚愕の表情を浮かべた。
本棚の上に陣取っていたもの。
それは、牛程の大きさもある蠍型の歪虚だった。
暗闇に光る八つの赤い目、両腕には鍛冶師が鍛えたかの様な鋭利な鋏、そして尾の先からは、極太の針を侵入者……ハンターに向けている。
鋏を振り翳す仕草はまるで、書庫の中に入ったハンターを外へ追い払う様で……
「……縄張り意識か、巣ってのはあながち外れてなさそうだ」
リボルバーの撃鉄を起こしながら、イェルバートが覚醒。他のハンターも続く。
「ま、俺は蜘蛛型じゃないかと踏んでたんですけどね」
肩を竦めつつGacruxは、中距離戦に備えてルーメンスピアを構える。
だが意外にも、大蠍はハンターを迎撃はしても、書庫の中から出てこようとはしなかった。
「まずいですね。このまま踏み込んで戦っては、中の本を傷めてしまうかもしれません」
大蠍の振るう鋏を盾で受けながら、アクセルが言う。
「もうちょっと広けりゃ、蜂の巣にしてやるんスけど……」
テリーが歯噛みする。書庫の内部の本や棚は、無数の遮蔽物となって、迂闊な発砲を妨げている。狭い空間であれば、跳弾も怖い。
(せめて軟弾頭とか手に入れば……!)
クリムゾンウェストには、各銃につき単一種の弾頭しか流通していない事が、悔やまれた。
膠着しかけた状況を破ったのは、霧華だ。繰り出される鋏を意に介さず相手に接近しすると、次いで時間差で延びてきた尾針を、あろうことか手で掴んだ。
「このッ!」
「……うわっ、霧華さん!?」
慌ててイェルバートがアルケミストデバイスを作動させ、霧華に防御障壁を付与する。
次の瞬間には蠍の鋏が、光の防御膜ごと、霧華の二の腕を切り裂いた。
「くっ……!」
鮮血が、間一髪で役目を果たした防御障壁と共に飛び散ったが、霧華は意に介さない。
力任せに腕を引き、相手を書庫の外へと引きずり出した。
「豪快ですねぇ」
入り口の近くで構えていたGacruxがすかさず、書庫の扉を閉めた。
コレで、中の本に害が及ぶ事は無い。
「狭い場所で暴れられたら不利だ、早めに決着をつけよう」
リズレットはライトで蠍を照らしつつ、マジックアローの詠唱を始める。ワンドの先に圧縮されたマテリアルは光の尾を引きながら大蠍へと向かい、衝突する!
『ギシャァァァァァッ!』
「……図書館では静かに、だろ」
イェルバートのリボルバーの銃口から、弾丸の代わりに稲光が放たれる。
エレクトリックショックの電撃を受けて、蠍が壊れた機械のように震え始めた。
その隙をついてアクセルとGacruxが接近。
二人は盾を前に突き出し、蠍の鋏を押さえつける。
アクセルはカイトシールドを押しつける様に大蠍に密着、右の鋏を封じつつバスタードソードを突き刺す。
「Gacruxさん、そちらはお願いします!」
言われるまでも無く、Gacruxは反対、左の鋏に方形の大盾を被せる。
唯一自由となっている尾針の攻撃を受けたが、Gacruxは逆に倒錯的な笑みを浮かべた。
「ッ……ああ、この痛みは爽快ですね……頭がスッとしますよ」
Gacruxは自分に突き刺さる尾針をそのまま掴み、蠍を完全に固定する。
目標の動きが大きく抑えられた所で、後列のテリーは両手で確りと銃を握り込み、蠍の頭部へ銃口を向けてから……トリガーに、指をかけた。
「この状況で狙いを外す程、ボンクラじゃないっスよ……!」
閃光と共に、強弾を放つ。弾丸は蠍の目玉の一つを砕く様に着弾し、そのまま内部へと貫通した様だった。
その一撃が致命傷となったか、蠍の動きが極端に鈍りくなり……その後は、ハンター達の集中攻撃であっけなく葬られる事になった。
●
幸いにして卵の類は存在せず、大蠍の死体を片付けて安全が確保されると、ハンター達はいよいよ書庫の捜索に取り掛かった。
「テトさーん、そろそろ出てきてくれませんかねぇ。もう終わりましたんで」
「ふにゃぁ~」
戦闘が終わってなお物陰で震えていたテトを『回収』しつつ、Gacruxは膨大な書架に歩み入って、その一つずつを見定めていく。
「これは……確かに、とんでもない数だな」
リズレットは感嘆の声を上げながら、ライトで書庫の奥の奥を照らしていった。
部屋は、はじめにみた印象より、随分と広く感じる。
アクセルは、手近な本ーー恐らくは魔導書か何かーーを手袋越しにめくって、その状態を確かめた。
「本そのものも、思ったより痛みが少ないですね……比較的新しい年代のものなのでしょうか?」
「何かの技術で、部屋が保存に適した環境になってるのかも。なんせ、ドワーフの作った施設だし」
と、イェルバート。家族から受け継いだ職人気質か、なんとなく部屋そのものにも興味が湧いてくる。
「……て、霧華さん? なんで本棚の後ろなんか……」
「いえ、大したことでは」
何やらガサゴソやっている所をイェルバートに見られて、霧華はしれっと佇まいを直した。彼女は彼女で、何かを捜しているらしい。
そのままハンター達は暫しの時間をかけて、それぞれ自由に本を探す事になった。
生粋のガンナッツーー愛銃家のテリーが探すのは、やはりそれに関わるもの。
すぐに、魔導銃……らしき筒状火器の本に目を付けるが……
「訳わからないっス。撃鉄撃針どころか、引き金も無いとか。火槍じゃないんだから……」
「多分、根本的な前提が違うんじゃないか。リアルブルーの機械だと……マテリアルの力を借りないのが普通なんだろう」
隣で魔導機械についての書籍を探していたリズレットが、本をのぞき込みつつ言った。
「成る程……こりゃ、勉強しがいがありそうっスねぇ」
溜息をつきつつも子供のように目を輝かせるテリーに苦笑してから、リズレットも書架を探っていく。
珍しい道具や技術の解説書をいくつか回収候補に入れたところで、一冊の本が目を引いた。
「……魔法公害の実録か」
「あ、それ、僕も気になるな」
少し離れた所にいたイェルバートが振り返り、リズレットに駆け寄る。
機導術の素材として鉱物性マテリアルのエネルギーが一部のみ消費され、その残留物を無秩序に廃棄した結果マテリアルバランスが崩れた……という数百年前の事例が、その本には記されていた。
一方、こちらは書架のもう少し奥、史書や伝記の本が多い一角。
「夜長の退屈しのぎに、物語を持ち帰りたいんですがね」
「……それでしたら、こういうのがありましたが」
慎重に本の表紙を確認していくGacruxに、魔法や信仰についての書物を探していたアクセルが、分厚い一冊を差し出した。
「辺境部族の神話や伝承について記した本の様ですよ。王国の人間が伝聞で集めたものを、編集したそうですが」
「遠野物語みたいですね」
霧華が、リアルブルーで読んだ本を思い返しながら言った。彼女は彼女で、いつのまにか一冊の薄い本を抱え込んでいる。
唯一、依頼人だけが手ぶらなのを見て、アクセルがふと思い立ち、声をかけた。
「……そういえば、テトさん。お師匠様に頼まれた本というのは、どの様な物なのですか?」
「にゃ。実はですにゃ」
テトが探している書物は、リアルブルーの書物だと言う。
青の世界からの転移者と共に世界を移動してきた文献、あるいは、転移者本人が情報源となって書かれた書物の類。
「こういう遺跡にゃ、たまぁーにそういう本が混じってるんですにゃぁ」
それで、ハンター達の手も借りて、リアルブルーの本を探すことになった。
暫時の間をおいてイェルバートが、それらしき本を見つけた。
「……ひょっとして、これかな。装丁も紙も材質が全然違う」
「確かに、リアルブルーの字の様だな」
リズレットは珍しげに表紙の字をなぞる。覚醒者ならば神霊樹の力によって他種族の言語をある程度理解はできるが、それでもその文字は、少なくともクリムゾンウェストの物ではなかった。
「Holy Bible……ああ、コレ聖書っスか」
逆に、テリーや霧華にとってそれは、馴染みのある物だった。
リアルブルーのある宗教の教典だと教えてやると、テトは十分満足した様で、その一冊を持ち帰る本として選んだ。
それから、ハンター達は選定した本を運び出す作業に入った。荷車しかない事もあって持ち帰る本はそれなりに厳選したものの、それでもかなりの量だ。
「後は、次の調査が入る時まで保留ですね」
Gacruxは、散らばっていた本を整理した上で、再び歪虚が入らないよう書庫の扉を堅く閉じた。
既に運び出す本は、麻袋や毛布につめ、ロープで軽く縛ってある。
ハンター達は数度往復して本を地下壕の外まで運び出し、満載の荷車を交代で引きながら、ハンターズソサエティまで戻った。
「今回回収できなかった分の本は、後日改めて調査隊が派遣されるそうだ」
「持ち帰った本は、要塞の書庫に蔵書として保管されるそうですよ。読みたければ、いつでも入らせて貰えるそうです」
受付での手続きを終えたリズレットとアクセルが、一人一人の報酬を分配する傍らで告げた。
「じゃあ、今度勉強しに来ようかな」
イェルバートが、安心した用に息をつく。研鑽中の身を自覚する錬金術師には、大きな助けとなりそうだ。
「一冊、拝借させてもらえませんかねぇ。報酬額だけじゃ割に合わないですし」
Gacruxが自分の暇つぶしになりそうな一冊を手に取ると、テトはわざとらしく目を逸らし、見えていないフリをしてみせる。
『内緒ですよ』……という所か。
隣では霧華も、何やら真剣な顔付きで薄い本を握りしめ、中に目を通している。本棚の隙間に隠すように挟まれていたそれは、あの書庫を作ったであろうドワーフ達の桃色の欲望が、色濃く出ている一冊で……
まぁ、ぶっちゃけて言うとエロ本だった。
「霧華さん、ずっとその本読んだままっスね。よっぽど為になることが書いてあるんスか?」
感心したテリーの言葉に、霧華は無言のまま、力強く頷いた。
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相談卓 イェルバート(ka1772) 人間(クリムゾンウェスト)|15才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/11/28 21:27:02 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/11/25 20:11:37 |