• 虚動

【虚動】まめしと投資と野良ベアー

マスター:のどか

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
4~8人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2014/12/02 19:00
完成日
2014/12/10 16:44

みんなの思い出

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オープニング

 ヴァリオス商工会・青年会のエヴァルド・ブラマンデは自らの執務室のデスクに座り、どこか落ち着きの無い様子で目の前の書類の角を羽ペンの先で何度も突いていた。傍に置かれたエスプレッソは既に冷め切りながらも口を付けられた様子も無い。それだけの時間をそうして、何の進展も無いまま書類とにらめっこして過ごしていた。
 比較的、内の感情を表に出さない彼がこうも落ち着きが無く……どこか苛立ちを見せている理由は2つあった。そのうち一つは嬉しい悲鳴で、もう一つは腹立たしい悲鳴であるわけだが。

 1つは先の『ジェオルジ』で開かれた村長祭。そこで多くの農場経営者と繋がりを持ち、商品を融通して貰えるルートを作ることができた事。これによって彼は今一つ、新たなビジネスに着手することができていた。目の前に詰まれている書類はその一端であり、これが形を成す頃にはきっとヴァリオスに於ける青年会の存在はより一層大きなものとなっているだろう。そのための準備に追われる、嬉しい悲鳴であった。

 もう1つは、その繋がりの大半が長老会ダリオ・ミネッリのお膳立てであったという事実。商談に出向いた農場経営者の大半が、『ヴァリオス商工会』の名前を出しただけで友好的かつ比較的乗り気で出迎えてくれた事にどこか疑問を抱いていたエヴァルド。よくよく話を聞いてみると何かにつけて「ダリオさんにはお世話になったから」と語るのである。それが彼にとってはなんとも気に食わず、こうして無駄な時間を過ごしてしまうほどの苛立ちの種として頭の中にこびり付いているのだ。

「あの偏屈ジジイの炊いたメシを食わされる事になるとは……」
 腹の中の虫を噛み潰すように、エヴァルドは呟いた。そう明らかな苛立ちは感じているものの、彼もまた一人の商人であり、リーダーである。一時の感情で大きなチャンスを逃すほど浅はかでは無い。
「例の手配はどうなっているんだい?」
「ヴァリオス通運の貨物船を一隻、抑えております。同盟海軍への護衛依頼も済ませている所です」
 エヴァルドの問いかけに、ドアの傍に控えていた黒髪の女性秘書が手帳の記述を指でなぞりつつ事務的な口調で答えた。
「うん、順調でなにより」
 エヴァルドは今回、ヴァリオス商工会・青年会として辺境に備え付けられるCAM実験場への食糧・物資供給を申し出ていた。多くの科学者、技術者、そして軍関係者が注目し集まる今回の公開実験。当然そこには大勢の人々のための兵糧が必要不可欠である事は明白である。その供給に青年会もといエヴァルドは真っ先に名乗りを上げたのだ。十分な食料に関しては早速、村長会で得たパイプを使うべき時。既に先日発表されたばかりの目玉品『まめし』を含めて、ジェオルジの農場に多数の食材の買い付け商談を済ませていた。
「ただ、1つ問題がありまして……」
「何だい、言ってごらん」
「村長祭を終えてからの突然の大量発注で生産側の対応が少々追いついておりません。先方も意気込んでくださっているのですが、期日までに予定高の収穫が可能かどうか……」
「それは人手が足りていない、という認識で構わないかい?」
「はい。加えて村では冬眠に備えた大熊の出没被害も相次いでおり、その事も収穫能力の低下に繋がっているようです」
「なるほど……労働力と安全確保が必要、か。とりわけ『まめし』は収穫が大変だろうからね」
 エヴァルドは顎に手を当てて少しばかり考えると、すぐさままっさらな便箋を取り出しペンを走らせる。それを金の箔が押された封筒に入れると、自らの指輪で封蝋の印を入れ秘書へと手渡した。
「これを持って、ソサエティ支部のルミという職員を訪ねてくれないか。それでおそらく問題は解決するはずだ」
「畏まりました」
 秘書は受け取った封筒を服の襟元へと仕舞い込むと恭しく一例をし、執務室を後にする。
 司書の後ろ姿を見送ると、エヴァルドは窓辺へと寄りかかり、賑わうヴァリオスの街を眺め下ろす。そうして照り返す秋の日差しに切れ長の目を細めると、封蝋印の指輪を指先で弄びながらどこか遠くを見つめるようにして呟いた。
「据え膳だろうと食らってやるさ。その代り――」

 ――ここから先はエヴァルド・ブラマンデの交渉だ。

リプレイ本文


「いやぁ、あんただよく来てけだの~!」
 一面に広がる豆畑を前にして、任務先の農夫婦が8人を出迎える。よれよれのズボンをサスペンダーで止めた、いかにも農家という風体の農夫と人のよさそうな奥さん。まだ年端も行かぬ子供が2人に、主人の祖母であろう老人が1人。
「見ての通り、コレだけの畑を数日だけでおらだで刈るのは大変でのう。ホントに助かります」
 言いながら、一人ひとりに握手を求める農夫。
「一に食事、二に食事やー! 飯の確保は大事やし、協力は惜しまんで!」
 その握手を意気揚々と受けながら、テェンイー(ka0637)はその小柄な体で大きく胸を張って見せた。
「まめし、か。こちらの世界には変わった植物があるんですね」
 枝に実ったまめしの実を手に取りながら、神代 誠一(ka2086)はその感触や手触りなどを念入りに確かめる。たわわに実る30cmほどの巨大な「さや」、その中にギッシリと、文字通りのおにぎりが詰まっている『おにぎり草「まめし」』。先のジェオルジ村長祭で発表された新製品であり、リアルブルーはもちろん、クリムゾンウェストの人々にとっても珍しく現在注目を集めている存在である。
「で、熊が出没するって話だけど?」
「んだんだ。冬眠前の熊がよぐ山がらおっできてな。栄養ば蓄えるために作物ば食い荒らすんだ。この時期と、春の冬眠空けの時期は大変なんだ」
 ファラ・ザルクマイア(ka2958)の問いに、農夫は苦笑交じりに答える。
「まんず、よろしくお願いします」
 そうして、ハンター達の出張農業が始まった。


「収穫を全て終わらせるつもりなら、3日間だとギリギリだあな」
 葉巻をふかしながら、ナハティガル・ハーレイ(ka0023)は目の前に広がるまめし畑を見渡した。100m×100mの広さを持つこの畑は、人力で刈るしかないこのクリムゾンウェストの農業にとって、生半可な作業で済むものではない。
「それでもひたすら刈るしか無いでしょう。刈りながら、効率化の手段を探って行けばいいと思うわ」
「そうですね。今日一日頑張れば作業自体にも慣れてくるでしょうし、明日以降は能率化も計れると思います」
 そう言いながら既に片手に鎌を持って刈り取り準備に入っているファラに、神代が同意を示す。
「そ~れ、行っておいでワンコたち♪」
「あんたたちの飯もかかってるんやから、よう働くんやで~」
 その傍らでサトコ・ロロブリジーダ(ka2475)とテェンイーがハンター達の連れた愛犬を畑へと解き放った。熊はそもそも臆病な生き物であることから、犬を放っていればそうそう近寄って来ないのではないだろうか。もし来ても吼える事でその存在を知らせる役割も担えるだろうと、文字通りの番犬としての役目を期待しての作戦であった。
「……お前も行って来い」
 その隻腕に抱いていた柴犬「ポチ」をけし掛けるようにして、ダラントスカスティーヤ(ka0928)もまた自らの愛犬を解き放った。ポチは最初暫く主人の下を離れるのを嫌がるようにダランの周囲を駆け回っていたが、他の犬達に連れられるようにして自らの任務へと就いた。
「さて、それじゃ……時間も惜しいし始めよう」
 ひとしきりの準備を終えた所で呼びかけた姫凪 紫苑(ka0797)の言葉で、借り入れの作業は始まった。
「まあ、なんも難しいことはね。『さや』を傷つけないように、こう手で根元を支えて……そのまま一思いにスッパリ。残った根はそのまま耕して肥料になるからの」
 農夫の実演を手本に、見よう見まねで刈り入れ作業に没頭するハンター達。しかしコレがなかなか難しい。
 まず第一に文字通りおにぎりが成っているこのおにぎり草、1株1株が地味に重い。稲のように何本かまとめて一気に刈り取る、ということがなかなかに難しい。根元を支える手にもしっかりとした力を加えないとならないのだ。
「ううん、なかなか難しいね。1株1株刈って行くと言うのは結構な重労働だよ」
 もちろん屈む腰にも来るし、それ以上に中腰を支える太ももに相当の負担が掛かる。アルベルト・ラートリー(ka2135)は時折腰を伸ばして冬の澄んだ空を見上げながら、額にうっすらとかかる汗を拭いとった。
「それでもこう、収穫に汗を流すのもよいものだね。故郷を思い出すよ」
 大勢で作物の刈り取りをする姿を眺めながら、懐かしい情景を思い起こす。思えばハンターになってから何度、故郷に帰る機会があっただろうか。そんな思いが脳裏を過ぎる。
「この『さや』の中におにぎりが入っているのですよね?」
 そんな中で神代は熱心にまめしについての質問を農夫へと問いかけていた。事あるごとに繰り返される光景であるが、その度に農夫は嬉しそうに答える。
「ああ、まあそのままではけぇねがの。茹でたり、焼いたり、蒸したり、火ぃ通せばええでの」
「あの……中を開けてみても?」
「構わんよ」
 許可を得て神代はそのさやの薄膜を手の中で開いた。中からごろりと取り出されたのはこぶし大の白い実。一部が黒く着色され、まるでおにぎりに海苔が巻いてあるかのような不思議な実が鞘の中から現れた。
「ほー、これはまた面白いもんやなぁ」
 横から覗き込むようにして伺うテェンイーもまた感嘆の言葉を漏らす。どこからどう見てもおにぎり……であるが、これでも豆なのだ。火が通っていないせいか、若干硬いその手触りを感じながらも所謂「米」では無いのだという事を身をもって実感する。
「そう言うのって……アレ、ね。ほら……生のまま、齧りついてみるヤツ……」
 淡々としながら、どこか興味センサーを動かしているような紫苑の呟きを受けて、神代はちらりと農夫の方を仰ぎ見る。農夫が「いいよ」と頷くと、意を決して実へとかぶりついた。
「……ううん、なんと言うか、やや青臭いお米という感じでしょうか。塩気もあって、豆という前提で考えればかなり不思議な味ですね」
「それに火ぃ通れば青臭さも消えてふっくら米の味になるでの。塩味も利いて、まんま塩にぎりになる」
 農夫が言うにはさやから出さなければそれなりに、神代のように実を取り外して干せば干し飯のようになってより長く保存することが出来るのだとのこと。
「保存も利くって言うのは素晴らしいわね。茹でたさやごと荷物に詰めて、依頼のお弁当にもできそう」
「なるほど、備蓄にも優れていてホント素晴らしい作物ですね!」
 ファラの見解にそうニコニコと応じるサトコ。が、その腹の中では全く別のことを考えているという事に気づいている者は居ない。
(なるほどな……今後に期待ができる品種なのは間違いねぇ。育て方、収穫の方法、商工会とのコネ、この依頼は持ってて損のねぇ千金の経験だぜ)
 そう腹黒い一面を秘めながらも、実際にその経験自体は大事に思っているようで、比較的素直に農夫の説明に聞き入っている。おそらく、どうすればより金に繋がるかのヒントを得ようとしているのだろう。
「おおっと、もうこんな時間か。今日はもうこの辺にして引き上げるべ」
「もうそんな時間か。もう少し頑張れる気もするけどね」
「まだ明日も明後日もあるんだ、初日から頑張りすぎたらいくらハンターさんでももたねぇでの」
 少し働き足りないとでも言いたげなアルベルトに農夫は笑いながらその肩を叩いた。


 その日の夜、農夫の家のお世話になったハンター達であったが、害獣の警戒という面を考えると全員が全員、安らかな夜を迎えるわけにもいかない。ハンター達は交代で畑の番をする事とし、睡眠はい最低限の仮眠に抑える事になった。睡眠時間が減ることによって翌日の体調に影響が及ぶ懸念もあったが、熊に作物を食い荒らされるよりは……という判断だ。
「いや、しかし寒いなぁ」
 両の手をこすり合わせながら、テェンイーは白い息を口から吐いてみせる。暖の変わりもかねて焚いた焚き木に当たりながら、ハンター達は熊が来るとされる山の方角に神経を尖らせていた。
「好きに動いていい……けど、なにかあったら教えて、ね」
 言いながら紫苑は自らの猫を闇夜へと放つ。焚き木の光に照らされて光る瞳が、すうっと夜の帳へと消えていった。
「流石に夜にもなれば冬って感じだね。防寒を怠らずにいて良かったよ」
 パチパチと弾ける焚き木の音の中、アルベルトは自らの持つ魔導銃の背を撫でた。
「出ねぇのが一番、出ても出来れば仕留めたくはねぇが……奴さんも命が掛かってんだ。そう簡単に済む話じゃ終われねぇかもな」
 目の前の火で新たな葉巻に火を付けながら、ナハティガルがそう呟いた。冬眠前の熊……言わば、相手は自然そのものだ。それを相手取ると言うことがいかに困難なことであるか。誰も口にする事は無かったが、十二分に分かっていた。
「……どうしたの?」
 不意に、紫苑がそんな声を上げた。見ると、彼女の愛猫がハンター達の下へと戻ってきていたのだ。焚き木の炎に照らされて、熊の巨体が見えたのはそれからすぐの事であった。
「――おいでなすったか」
 猫に導かれてでも来たのだろうか。現れた熊は炎や人間に恐れを成すでもなく、ただぬっと、焚き木の火の照らす範囲へとその身を寄せてみせた。何で傷がついたのだろうか、鼻の頭に一文字の傷があるその熊は、ギロリとハンター達の姿を一瞥するとゆっくりとその上半身を起こしてみせる。
「これで退散してくれりゃ良いんだが……」
 すかさずナハティガルが威嚇の横笛を鳴らす。が、熊は退散するどころか一声方向を上げるとその両手を大きく広げて、逆に威嚇し返すかのようにハンター達を睨み付けた。
「できれば苦しませたくない……それ以上、近づいてくれるなよ」
 魔導銃を構えながら、アルベルトはそう独りごちる。当然、熊が人語を解するわけは無いが、それでもそういわずには居られない。それは誰もが同じことであったが、それでも熊はのそりのそりとその歩みを進めてゆく。
「……食べ物の恨みは恐ろしい。それ以上、近づかない方が良い」
 紫苑は足元へと帰ってきた猫の喉を撫でながら、熊へ向かってありったけの殺気をぶつけてみせた。それ以上近づいたら命の保障は無いと……背中と瞳でそう語って聞かせるのだ。
 その意気に若干おじ気づいたか、熊は一瞬後ずさるもすぐに前行の姿勢を取り戻す。
「その気ならしゃーない……堪忍な!」
 そうしてテェンイーの手からナイフの一刀が放たれた。ナイフは熊の鼻先の傷を掠めるように飛翔すると、その背後の木へと突き刺さり止る。急所への不意の攻撃を受けたせいか、しかしどこか緩やかな動きで踵を返すと山のほうへと消えてゆくのだった。


 ハンター達の手伝いと活躍によって、1日目、2日目と比較的スムーズに借り入れは進んでいった。が、交代で警備を行っていたせいかやはり体力的な面で思ったよりも作業は進まない。ナハティガルの案で早朝早くから作業を行う話も出たが、最低限の休養をも考えるとやはり難しいとの判断に至った。
 そんな中でも作業を行いながらハンター達の手際も少しずつムダが無くなり、3日目の今ではちょっとでも効率化を図るための試行錯誤が成されていた。
「オッサン、片手なのにすげぇな!」
 オッサン呼ばわりされていることにも眉一つ動かさず、ダンテは黙々と刈り取りに専念する。事前に農夫の子供達に垂れ下がる「さや」を束ねて邪魔にならないようにしてもらい、そこを一息で刈り取るのだ。そうして刈ったまめしはもう1人の子供が黙々と運ぶ算段である。
「それにしても、不思議な熊だったなぁ」
 アルベルトが呟くのは1日目の夜に現れたあの傷持ちの熊であったが、2日目にも同じように、今度は昼であったが、その姿を現したのだ。その際もハンター達の素早い対応によって事なきを得たが、謎は深まるばかりである。
「わざわざ人間の居る所に現れたのよね、確かに不思議な話だわ」
 刈り取ったまめしを束ねて担ぎ上げながら、ファラは山の方を見やる。今日はまだその姿を現していないが油断はできない。
「歪虚……では無さそうだったんだよな。だからこそ不思議なわけなんだが……まぁ、それを考えてる余裕まではねぇわけだ」
 そう愚痴っぽく言いながら、ナハティガルもまたやや怠そうにまめしの束を担ぎ上げる。そんな時、農夫の声が畑に響き渡った。
「おぉい、ハンターさん達! 作業はここまでだ、いやぁほんとに助かっただの!」
 言いながらザルに積んだ湯気の立ち上るまめし。ここまで頑張ってくれたハンター達へと、農家さん達が用意してくれたものであった。
「やったぁ、コレをまってたんや!」
 その言葉を聞くや否やテェンイーはその場で飛び上がり、同時にお腹の虫も同意を示した。
「流石に全面を刈るのは無理でしたか……」
「いや、それでもあすこから全部で8反分も刈れたんでの、ホント助かっただの」
 何処か残念そうな神代であったが、農夫は想定以上だとハンターらを労う。
「これが噂の『おにぎり草』か。技術の進歩ってのは凄いモンだぜ」
 自らが刈り取ったしょうゆ味の実を口にしながらナハティガルは驚きを隠せなかった。まめしの最大の特徴として、つぼみに調味料を加えることで実そのものに味をつけることが出来ると言うこと。つまり、調理する手間を省いて様々な味付けが可能なのだ。
「なるほど……火を通せばこうなるのですね。本当に、まんまお握りです」
「ん……基本が一番」
 シンプルな塩味に手を伸ばすのは神代と紫苑。とりわけ、生のまめしを味わった神代にとっては2倍の楽しみがあったと言っても良いかもしれない。
「これ、カレー味だよ! こういう味付けもできるんだね」
 好きだというカレー味のついたまめしをほお張りながらサトコは嬉しそうな笑顔を見せるが……もちろん腹の中で考えているのは別のことである。
(なーるほど、ここの味付けの工夫でさらに価値を上げられそうだな)
 その着眼点自体は悪くない。実際、まだまだ商品価値としての伸びしろを持った作物と言っても過言では無い。
「うん、確かに美味しい……♪ うちの食堂でも出せないかしらね、これ」
「まだ、一般に自由に出せるだけの段階には至ってないでの……もう少し栽培に関する技術の進歩や協力が増えれば、一般市場に出回る日もそう遠くは無いとは思うだがの」
 ファラの希望に答える農夫の言葉はまだどこか非現実的なニュアンスであったが、いずれ未来にはそういうふうになっていたらいいなという、微かな希望が見えていた。

 そんなクリムゾンウェストの新たな名物に舌鼓を打ちつつ、まめしの刈り入れは無事に終了した。数日後にはCAMの公開実験を控える辺境の地へ、その関係者の胃袋を満たすという本懐を成し遂げるためにハンター達のまめしが届いている事となるだろう。

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MVP一覧

  • その力は未来ある誰かの為
    神代 誠一ka2086
  • ライブラリアン
    サトコ・ロロブリジーダka2475

重体一覧

参加者一覧

  • 一刀必滅
    ナハティガル・ハーレイ(ka0023
    人間(紅)|24才|男性|闘狩人

  • テェンイー(ka0637
    ドワーフ|10才|女性|霊闘士
  • 黒き殲滅者
    姫凪 紫苑(ka0797
    人間(蒼)|13才|女性|疾影士
  • 無口の傭兵
    ダラントスカスティーヤ(ka0928
    人間(紅)|30才|男性|闘狩人
  • その力は未来ある誰かの為
    神代 誠一(ka2086
    人間(蒼)|32才|男性|疾影士

  • アルベルト・ラートリー(ka2135
    人間(紅)|20才|男性|猟撃士
  • ライブラリアン
    サトコ・ロロブリジーダ(ka2475
    人間(紅)|11才|女性|魔術師

  • ファラ・ザルクマイア(ka2958
    人間(紅)|21才|女性|猟撃士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 依頼相談
ダラントスカスティーヤ(ka0928
人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2014/12/02 14:55:40
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/11/30 23:14:46