ゲスト
(ka0000)
【虚動】まめしと投資と野良ベアー
マスター:のどか

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/12/02 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/12/11 19:00
オープニング
ヴァリオス商工会・青年会のエヴァルド・ブラマンデは自らの執務室のデスクに座り、どこか落ち着きの無い様子で目の前の書類の角を羽ペンの先で何度も突いていた。傍に置かれたエスプレッソは既に冷め切りながらも口を付けられた様子も無い。それだけの時間をそうして、何の進展も無いまま書類とにらめっこして過ごしていた。
比較的、内の感情を表に出さない彼がこうも落ち着きが無く……どこか苛立ちを見せている理由は2つあった。そのうち一つは嬉しい悲鳴で、もう一つは腹立たしい悲鳴であるわけだが。
1つは先の『ジェオルジ』で開かれた村長祭。そこで多くの農場経営者と繋がりを持ち、商品を融通して貰えるルートを作ることができた事。これによって彼は今一つ、新たなビジネスに着手することができていた。目の前に詰まれている書類はその一端であり、これが形を成す頃にはきっとヴァリオスに於ける青年会の存在はより一層大きなものとなっているだろう。そのための準備に追われる、嬉しい悲鳴であった。
もう1つは、その繋がりの大半が長老会ダリオ・ミネッリのお膳立てであったという事実。商談に出向いた農場経営者の大半が、『ヴァリオス商工会』の名前を出しただけで友好的かつ比較的乗り気で出迎えてくれた事にどこか疑問を抱いていたエヴァルド。よくよく話を聞いてみると何かにつけて「ダリオさんにはお世話になったから」と語るのである。それが彼にとってはなんとも気に食わず、こうして無駄な時間を過ごしてしまうほどの苛立ちの種として頭の中にこびり付いているのだ。
「あの偏屈ジジイの炊いたメシを食わされる事になるとは……」
腹の中の虫を噛み潰すように、エヴァルドは呟いた。そう明らかな苛立ちは感じているものの、彼もまた一人の商人であり、リーダーである。一時の感情で大きなチャンスを逃すほど浅はかでは無い。
「例の手配はどうなっているんだい?」
「ヴァリオス通運の貨物船を一隻、抑えております。同盟海軍への護衛依頼も済ませている所です」
エヴァルドの問いかけに、ドアの傍に控えていた黒髪の女性秘書が手帳の記述を指でなぞりつつ事務的な口調で答えた。
「うん、順調でなにより」
エヴァルドは今回、ヴァリオス商工会・青年会として辺境に備え付けられるCAM実験場への食糧・物資供給を申し出ていた。多くの科学者、技術者、そして軍関係者が注目し集まる今回の公開実験。当然そこには大勢の人々のための兵糧が必要不可欠である事は明白である。その供給に青年会もといエヴァルドは真っ先に名乗りを上げたのだ。十分な食料に関しては早速、村長会で得たパイプを使うべき時。既に先日発表されたばかりの目玉品『まめし』を含めて、ジェオルジの農場に多数の食材の買い付け商談を済ませていた。
「ただ、1つ問題がありまして……」
「何だい、言ってごらん」
「村長祭を終えてからの突然の大量発注で生産側の対応が少々追いついておりません。先方も意気込んでくださっているのですが、期日までに予定高の収穫が可能かどうか……」
「それは人手が足りていない、という認識で構わないかい?」
「はい。加えて村では冬眠に備えた大熊の出没被害も相次いでおり、その事も収穫能力の低下に繋がっているようです」
「なるほど……労働力と安全確保が必要、か。とりわけ『まめし』は収穫が大変だろうからね」
エヴァルドは顎に手を当てて少しばかり考えると、すぐさままっさらな便箋を取り出しペンを走らせる。それを金の箔が押された封筒に入れると、自らの指輪で封蝋の印を入れ秘書へと手渡した。
「これを持って、ソサエティ支部のルミという職員を訪ねてくれないか。それでおそらく問題は解決するはずだ」
「畏まりました」
秘書は受け取った封筒を服の襟元へと仕舞い込むと恭しく一例をし、執務室を後にする。
司書の後ろ姿を見送ると、エヴァルドは窓辺へと寄りかかり、賑わうヴァリオスの街を眺め下ろす。そうして照り返す秋の日差しに切れ長の目を細めると、封蝋印の指輪を指先で弄びながらどこか遠くを見つめるようにして呟いた。
「据え膳だろうと食らってやるさ。その代り――」
――ここから先はエヴァルド・ブラマンデの交渉だ。
比較的、内の感情を表に出さない彼がこうも落ち着きが無く……どこか苛立ちを見せている理由は2つあった。そのうち一つは嬉しい悲鳴で、もう一つは腹立たしい悲鳴であるわけだが。
1つは先の『ジェオルジ』で開かれた村長祭。そこで多くの農場経営者と繋がりを持ち、商品を融通して貰えるルートを作ることができた事。これによって彼は今一つ、新たなビジネスに着手することができていた。目の前に詰まれている書類はその一端であり、これが形を成す頃にはきっとヴァリオスに於ける青年会の存在はより一層大きなものとなっているだろう。そのための準備に追われる、嬉しい悲鳴であった。
もう1つは、その繋がりの大半が長老会ダリオ・ミネッリのお膳立てであったという事実。商談に出向いた農場経営者の大半が、『ヴァリオス商工会』の名前を出しただけで友好的かつ比較的乗り気で出迎えてくれた事にどこか疑問を抱いていたエヴァルド。よくよく話を聞いてみると何かにつけて「ダリオさんにはお世話になったから」と語るのである。それが彼にとってはなんとも気に食わず、こうして無駄な時間を過ごしてしまうほどの苛立ちの種として頭の中にこびり付いているのだ。
「あの偏屈ジジイの炊いたメシを食わされる事になるとは……」
腹の中の虫を噛み潰すように、エヴァルドは呟いた。そう明らかな苛立ちは感じているものの、彼もまた一人の商人であり、リーダーである。一時の感情で大きなチャンスを逃すほど浅はかでは無い。
「例の手配はどうなっているんだい?」
「ヴァリオス通運の貨物船を一隻、抑えております。同盟海軍への護衛依頼も済ませている所です」
エヴァルドの問いかけに、ドアの傍に控えていた黒髪の女性秘書が手帳の記述を指でなぞりつつ事務的な口調で答えた。
「うん、順調でなにより」
エヴァルドは今回、ヴァリオス商工会・青年会として辺境に備え付けられるCAM実験場への食糧・物資供給を申し出ていた。多くの科学者、技術者、そして軍関係者が注目し集まる今回の公開実験。当然そこには大勢の人々のための兵糧が必要不可欠である事は明白である。その供給に青年会もといエヴァルドは真っ先に名乗りを上げたのだ。十分な食料に関しては早速、村長会で得たパイプを使うべき時。既に先日発表されたばかりの目玉品『まめし』を含めて、ジェオルジの農場に多数の食材の買い付け商談を済ませていた。
「ただ、1つ問題がありまして……」
「何だい、言ってごらん」
「村長祭を終えてからの突然の大量発注で生産側の対応が少々追いついておりません。先方も意気込んでくださっているのですが、期日までに予定高の収穫が可能かどうか……」
「それは人手が足りていない、という認識で構わないかい?」
「はい。加えて村では冬眠に備えた大熊の出没被害も相次いでおり、その事も収穫能力の低下に繋がっているようです」
「なるほど……労働力と安全確保が必要、か。とりわけ『まめし』は収穫が大変だろうからね」
エヴァルドは顎に手を当てて少しばかり考えると、すぐさままっさらな便箋を取り出しペンを走らせる。それを金の箔が押された封筒に入れると、自らの指輪で封蝋の印を入れ秘書へと手渡した。
「これを持って、ソサエティ支部のルミという職員を訪ねてくれないか。それでおそらく問題は解決するはずだ」
「畏まりました」
秘書は受け取った封筒を服の襟元へと仕舞い込むと恭しく一例をし、執務室を後にする。
司書の後ろ姿を見送ると、エヴァルドは窓辺へと寄りかかり、賑わうヴァリオスの街を眺め下ろす。そうして照り返す秋の日差しに切れ長の目を細めると、封蝋印の指輪を指先で弄びながらどこか遠くを見つめるようにして呟いた。
「据え膳だろうと食らってやるさ。その代り――」
――ここから先はエヴァルド・ブラマンデの交渉だ。
解説
依頼:おにぎり草「まめし」農場の収穫の手伝い、および害獣に対する警戒
皆さんはジェオルジの『まめし農家』の農場へと出向き、『収穫のお手伝い』と『害獣への警戒』を行って頂きます。
収穫は3日間、その間に可能な限りのまめし収穫を行い出荷の準備を整えてください。
村では冬眠のために栄養を蓄えている大熊の出没報告が多数寄せられています。昼夜問わず大熊の出没を見逃してしまう度、畑を荒らされて収穫量が減少してしまいます。
害獣に関して狩猟・撃退の結果は問いません。
しかし対応に時間を掛けてしまうと刈入れの手伝いが遅れてゆきます。
畑の広さは約10反(1反は10m×100m)。
機械化は進んでいないためすべて手刈りで、既に2反が終わっています。
農家の方と力を合わせて参加者全員で朝から夕方まで作業をすれば、1日で2~3反は刈り込む事ができるでしょう。
夜間も刈り入れができますが、昼よりも効率が下がる上に翌日1日の作業効率も下がるペナルティが発生します。
3日目に関しては貨物船へ品物を運ぶ準備をしなければならないため、夕方までの作業で刈入れは終了となります。
なお、10反すべてを収穫することができると全部で約100俵分ほどのまめしの実が準備できます。
これは1000人が1ヶ月ほど主食として食べる事ができる量です。
3日目終了時には刈入れたまめしを農家さんが炊いて振舞ってくれます。
汗を流して収穫した作物をどうぞご賞味ください。
おにぎり草「まめし」
ジェオルジ村長祭にて発表された「おにぎり草」の正式名称。
枝豆状の鞘の中に米粒に似た実が詰まっており、それを炊く事で米と同じように食すことが出来る。
実そのものに自在に味を付ける事ができ、既に「塩味」が2反分刈り取られている。
残り8反分は参加者で相談し、1反ずつ好きな味の実が成っているものとして扱っても良い(カレー味やミートソース味なども可)。
皆さんはジェオルジの『まめし農家』の農場へと出向き、『収穫のお手伝い』と『害獣への警戒』を行って頂きます。
収穫は3日間、その間に可能な限りのまめし収穫を行い出荷の準備を整えてください。
村では冬眠のために栄養を蓄えている大熊の出没報告が多数寄せられています。昼夜問わず大熊の出没を見逃してしまう度、畑を荒らされて収穫量が減少してしまいます。
害獣に関して狩猟・撃退の結果は問いません。
しかし対応に時間を掛けてしまうと刈入れの手伝いが遅れてゆきます。
畑の広さは約10反(1反は10m×100m)。
機械化は進んでいないためすべて手刈りで、既に2反が終わっています。
農家の方と力を合わせて参加者全員で朝から夕方まで作業をすれば、1日で2~3反は刈り込む事ができるでしょう。
夜間も刈り入れができますが、昼よりも効率が下がる上に翌日1日の作業効率も下がるペナルティが発生します。
3日目に関しては貨物船へ品物を運ぶ準備をしなければならないため、夕方までの作業で刈入れは終了となります。
なお、10反すべてを収穫することができると全部で約100俵分ほどのまめしの実が準備できます。
これは1000人が1ヶ月ほど主食として食べる事ができる量です。
3日目終了時には刈入れたまめしを農家さんが炊いて振舞ってくれます。
汗を流して収穫した作物をどうぞご賞味ください。
おにぎり草「まめし」
ジェオルジ村長祭にて発表された「おにぎり草」の正式名称。
枝豆状の鞘の中に米粒に似た実が詰まっており、それを炊く事で米と同じように食すことが出来る。
実そのものに自在に味を付ける事ができ、既に「塩味」が2反分刈り取られている。
残り8反分は参加者で相談し、1反ずつ好きな味の実が成っているものとして扱っても良い(カレー味やミートソース味なども可)。
マスターより
おはようございます、のどかです。
2度目の登場となりますヴァリオス商工会、青年会代表エヴァルド・ブラマンデのNPCとして初登場となります。
長老会のダリオがセスト君といちゃいちゃしている(?)間、青年会も青年会で新たなビジネスに向けて邁進しておりました。
彼の言う「交渉」の行方ももちろん気になりますが、一番はCAM実験場への十分な食料と物資の供給。
今回の公開実験を成功へと導くための活力となるよう、皆様のご協力をお待ちしております。
質問があれば答えられるものに関してエヴァルドがお答えいたします。別途、質問卓を立ててご用命ください。
2度目の登場となりますヴァリオス商工会、青年会代表エヴァルド・ブラマンデのNPCとして初登場となります。
長老会のダリオがセスト君といちゃいちゃしている(?)間、青年会も青年会で新たなビジネスに向けて邁進しておりました。
彼の言う「交渉」の行方ももちろん気になりますが、一番はCAM実験場への十分な食料と物資の供給。
今回の公開実験を成功へと導くための活力となるよう、皆様のご協力をお待ちしております。
質問があれば答えられるものに関してエヴァルドがお答えいたします。別途、質問卓を立ててご用命ください。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/10 16:44
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼相談 ダラントスカスティーヤ(ka0928) 人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/12/02 14:55:40 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/11/30 23:14:46 |