アニマル・スタッカート

マスター:大林さゆる

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
  • relation
参加費
1,000
参加制限
-
参加人数
3~5人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
少なめ
相談期間
6日
締切
2018/01/07 09:00
完成日
2018/01/13 01:49

このシナリオは5日間納期が延長されています。

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング


 自由都市同盟、魔術師協会広報室。
 魔術師スコットに呼び出されたラキ(kz0002)が控室に入ると、オートマトンの少年…ディエス(kz0248)が歩み寄ってきた。
「ラキさん、お久し振りです」
「久し振りだね、ディエス。元気そうで良かった」
 向かい合わせに両手を合わせて、軽くハイタッチする二人。
「それじゃ、スコットさん、ハンターさんを募集してみるから、任せてね」
 ラキが明るい笑みを浮かべた。



 翌日。
 冒険都市リゼリオ。
 ラキは仲間たちと一緒に、ディエスを連れて商店街にやってきた。
「うわー、綺麗な街並みだな。ヒトの温かみって、こういう感じなのかな?」
 ディエスにとっては、クリムゾンウェストに来てから初めての観光であった。
「いろんなお店が並んでるでしょ? ディエスは、どういうのに興味あるかな? 好きなものとか、ある?」
 ラキの問いかけに、ディエスは思い出すように答えた。
「えっと、んーと、動物が好き……だったかな」
 この世界に来た当初は記憶を失っていたディエスであったが、様々な出会いの中で、少しずつ記憶を取り戻していた。
「そっか。まずは、ショップに行ってみよう!」
 ラキが歩き出す。店に到着すると、ディエスの瞳が生き生きと輝いていた。
「ネコ、犬、ハムスター、他にも、いろんな動物がいるね。カワイイなー」
 無我夢中で動物たちを見ているディエスに、声をかけるラキ。
「欲しい動物があったら、ショップで買うこともできるよ」
「え? 動物はペット? 買う? どうして? 触ることもできないのかな?」
 不思議そうにディエスが言った。
 その言葉に、ラキが閃いた。
「動物と触れ合いたいなら、保護施設かな。そこでは、保護された動物たちがいるんだ。行ってみる?」
「はい、行ってみたいです」
 ディエスの興味が分かり、ラキは保護施設へと向かうことにした。



 ヴァリオス近郊の小さな村。
 そこに、動物たちの保護施設があった。
「ようこそ、保護施設へ」
 笑顔で出迎えてくれたのは、施設長のティムだ。
 互いに自己紹介した後、ティムが施設内部を案内してくれた。
「ここでは、主に犬を保護していますが、他にはヤギも保護しています」
「ヤギ?」
 ディエスは聴き慣れない言葉に反応して、見てみたいと言い出した。
 快く、ティムはヤギを飼育している小屋へと向かった。
「ここで保護したヤギたちは、主の酪農家さんを失った子たちです。本来は家畜として飼育されていたのですが、いろいろと事情があり、我が施設で引き取ったのです」
 嫉妬の眷属たちに襲撃された村がいくつかあったが、助かった動物たちは、なるべく引き取るようにはしてきたようだ。
「あの、そのことで、お話が……」
 ラキはそう切り出すと、魔術師協会広報室が資金面で援助する旨を施設長のティムに伝えた。
 突然のことで、驚きを隠せないティム。
「それは、とても助かりますが……魔術師協会広報室が、何故、協力してくれるのですか?」
「今、同盟では嫉妬の眷属たちによって滅ぼされた村が、いくつもあり、主を失った動物たちも助けてほしいという住民の声を聞きました。その中には、家畜業を営んでいた人々もいました。噂で、ここの施設では動物たちを引き取っているらしいと……できれば、あたしたちも協力したいと思っています。よろしくお願いします!」
 ラキが御辞儀をすると、ディエスも一緒に頭を下げていた。
「ボクからも、お願いします。少しでも協力できることがあれば、やってみたいんです。動物たちの世話も手伝います」
 ティムはしばらく思案した後、こう告げた。
「お話は分かりました。ですが、直ぐにOKという訳にはいきません。動物の世話というのは、言葉で言うほど、簡単なことではありません。命を育むということは、ちょっとした手違いで最悪のケースになることもあります。その覚悟は、ありますか?」
 最悪のケース……病気や怪我……あらゆることが想像できた。
「ただ、可愛いから……という気持ちだけでは、動物を助けることにはなりません。最後まで、命を見届ける……その覚悟が知りたいのです」
 念を押すティム。
 ディエスは気持ちを落ち着かせていた。そして……。
「どうか、ボクに手伝いをさせてください。お願いします!」
 はっきりと、想いを込めて、ディエスが言った。
「それでは、少しの間、お手伝いをお願いします。その結果で、どうするか決めたいと思います」
 施設長のティムは厳しくも、どこか優しげな眼差しをしていた。

リプレイ本文

 ヴァリオス近郊の小さな村に、動物の保護施設があった。
「今回、よろしくお願いするとよ♪」
 七窪 小鈴(ka0811)は施設長のティムに挨拶すると、広報室から派遣されてきた魔術師たちにも御辞儀……と思いきや、微妙な距離感があった。
 広報室の魔術師たちは男性が多かったこともあり、小鈴は緊張してたのだ。
 キヅカ・リク(ka0038)とアリア・セリウス(ka6424)は、ディエス(kz0248)を連れて、施設長ティムと話し合うことにした。
「動物の世話はもちろんやりますが、施設の整備援助もできる限りのことはやりたいと思っています」
 リクは、今後のことも考えて、施設の改善策を提案するつもりでいた。
 そのためにも、実際に動物たちの世話をして、その記録を残すことも検討していたのだ。
 ティムは承諾してくれた。
「最終日までには、皆の提案を書類に纏めて施設長に渡します」
 リクがそう告げると、アリアはディエスと一緒に行動することにしたようだ。
 作業用ツナギを着たジャック・エルギン(ka1522)は、武器を一時的に施設へ預けて、まずはヤギたちの世話を手伝うことにした。
「餌の時間だぜ。ヤギども、たんと食えよ!」
 ジャックが牧草を与えると、6匹のヤギたちが小屋から出てきた。
「なんだ、おまえら。人懐こいな」
 ヤギたちは人馴れしていたこともあり、ジャックが持っている牧草を頬張っていた。
 一方、トリプルJ(ka6653)は、犬たちの健康状態を確認していた。
「隅っこにいる子犬が気になるな」
 トリプルJにじゃれ付いてくる犬もいたが、サークルの隅で震えながら警戒している子犬が2匹いた。
 小鈴は犬たちのために餌の準備をしていた。
「52匹……これを毎日、朝夕と準備している職員さんたち、すごかばい」
 実際にやってみると、思っていた以上に身体を使う作業だった。
 ディエスは、隅で震えている子犬2匹を見つけて、自分でも何故か、震えていた。
 その様子に気付いたアリアは、優しく微笑み、ディエスに声をかけた。
「いきましょう、ディエス。過去よりも、今感じる暖かさを信じて、ね」
「そうだよ。ここに来る前、ディエスに浄化術を使ってみたけど、異常はなかったし、今こうして生きているディエスも本物なんだ。せっかく楽しみにして来たんだからさ、一緒に動物たちの世話をしようよ」
 リクは直感していた。ディエスには、思い出したくない過去があり、その過去にはカッツォが関わっているのではないかと……。
 だからこそ『今』は、いつか来る日の為に、こういう思い出が支えになる様に……リクは笑顔で、ディエスに接していた。
 アリアとリクの気遣いに、ディエスは我に返って、微笑み返した。
「アリアさん、リクさん、ありがとう。ボク、隅っこにいる子犬たちが心配だから、傍に行ってみるね」
 そう言って、ディエスは子犬たちに近づいていく。
 だが、子犬たちは威嚇するように吠え、ディエスから離れようと様子を窺っていた。
「怖くない、恐くないよ」
 優しく声をかけるディエスだが、子犬たちは必死に吠えていた。
「どうしよう、どうすれば……」
 困った顔をしたディエスに、大きな手が優しく包むように彼の頭を撫でた。
 トリプルJだ。
「癒しと新しい家族に出会える訓練の場になる方が、犬は幸せじゃないかと思うぜ。ディエスなら、子犬たちの気持ち、分かるんじゃねぇのか?」
「気持ち……」
 ディエスは、エバーグリーンにいた頃、大切な仲間たちがいた。家族として接してくれたヒトたちもいた。だが……そこから、思い出せない。ただ湧き上がるのは、恐怖と不安だった。
 そして、この世界に来てから、新しい出会いがあった。
「……トリプルJさん、ボクなりにやってみるね」
 ディエスは右手でアリアと手を繋ぎ、左手でリクの手を握りしめた。
「あのね。ボクを助けてくれたヒトたちがいるんだ。最初はボクも怖かったけど、今は怖くないよ。この場所で、新しい出会いがあるはずだよ」
 懸命に子犬たちに話しかけるディエス。
 トリプルJは、ディエスを励ますように笑みを浮かべていた。
 しばらくすると、子犬たちは吠えるのを止めたが、まだ警戒しているように見えた。
「焦らなくても、大丈夫よ。あの子犬たちが吠えなくなったのは、ディエスの想いが伝わったから……きっと、そうよ」
 アリアは優しくディエスの手を握り返した。
 リクもまた、ディエスの手を取ったまま、こう告げた。
「打ち解けるのには時間がかかる場合もあるからさ、僕たちもいるから」
「はい!」
 元気よくディエスが返事をすると、子犬たちは首を傾げていた。
「ワンコども、餌、持ってきたぜ。まずは待て、だ」
 ジャックは広場に集まってきた犬たちに餌を与えると、ほとんどの犬は「待て」のポーズをしていた。
 待ち切れずに餌場に顔を入れる中型犬もいたが、ジャックが頭を撫でながら制した。
「待て、だ。待て」
 中型犬は「待て」のポーズをしながら、ジャックの顔を窺っていた。
「よし!」
 ジャックがそう言った途端、犬たちは一斉に餌を食べ始めた。
「おまえら、落ち着いて食べろよ」
 一心不乱に食べる犬たちの姿を見て、ジャックはうれしそうに微笑んでいた。



 小鈴は、小屋から出てこない犬たちが気になり、餌を持って近付いていく。
「朝ご飯、持ってきたばい」
 声をかけるが、犬たちは小屋から出てくる気配がない。
「施設長から話を聞いたが、そのメス犬たちは悪質なブローカーに子供を産むためだけにゲージに閉じ込められてたらしいぜ。ひでぇことしやがる連中ってのは、どの世界にもいるらしいな」
 トリプルJが後ろから声をかけてきた。
 思わず、壁に寄り添う小鈴。
「そ、そんなことが……あるなんて……」
 だとしたら、ヒトを警戒して出てこないのも無理はないと小鈴は思った。
 すぐに気を取り直して、小鈴は小屋の前に餌入れを置いて、少し離れた距離から犬たちの様子を見ることにした。
 トリプルJも、メス犬たちのことが気になり、距離を取って観察することにした。
 30分ほど経ってから、ようやくメス犬たちは小屋から顔を出し、周囲を警戒しながら恐る恐る餌を食べていた。
 職員たちから話を聞きながら、アリアはクリムゾンウェスト薬草百科で調べた薬草を持ってきていた。
 ディエスはアリアと一緒に、メス犬たちがいる小屋へとやってきた。
「トリプルJさん、あの犬たち、怪我の跡があるよ」
「ああ、そうだな。怪我は治っているようだが、傷跡は残っちまったようだ」
 トリプルJが間合いを取って『ファミリアヒーリング』を施し、メス犬一匹の怪我を癒すことができたが、傷跡は消えることはなかった。
「シェパードが、ぐったりしてるわよ」
 アリアが薬草百科を参照して疲れを緩和する効果のある薬草を使い、ディエスが応急手当をしていた。
 ディエスとアリアが手当てしたシェパードは、トリプルJの愛犬だった。ファミリアヒーリングは相棒となるペットとマテリアルを同調させ、自身のマテリアルを回復の波動として解き放つスキルだが、ペットにとっては非常に体力を消耗する魔法だ。一度使用すると、しばらくはくたびれてしまうようだった。
「手当て、ありがとな」
 トリプルJがそう言うと、ディエスは戸惑っていた。
「ボク、知らなかった。回復の魔法には、こういうのもあるって……シェパードは大丈夫なの?」
 ディエスの素朴な疑問に、トリプルJは真摯に応えた。
「俺様の相棒は大丈夫だ。だがな、これだけは言わせてくれ。命には軽重がある、取捨選択もある。医療が絡むなら尚更だ。今にも死にそうな人間とすぐ治せそうな人間、同程度の怪我をした人間2人に薬が1つ、重体な人と犬。聖導士なら今後そんな場面ばかりかもしれねぇ。回復スキルは限りがある。それでも人も動物も同じ命であることは変わらねぇ。見定めて使ってくれよ、ディエス」
 そう言った後、ディエスの頭を軽く撫でるトリプルJ。
「ボク、こういうことは初めてで、何が正しいことなのか、まだ判断できないこともあるけど、トリプルJさんから聞いたこと、忘れないよ」
 ディエスにとって、貴重な体験となった。



「それが本当なら、由々しき事態だね。メス犬たちのことも、書類に纏めておくよ」
 リクは掃除や世話の合間を縫って、レポートに、悪質ブローカーについても書き綴っていた。
 ジャックと小鈴は、ラキ(kz0002)たちが犬の散歩をしている間に、小屋の周辺や広場を掃除していた。
 箒で庭を掃きながら、ジャックが呟いた。
「ここに来て、思ったんだが……施設長たちのように同盟を支えてくれる人たちがいるから、俺らは歪虚との戦いにも専念できるんだよな」
「いろんな人達が、同盟を守ろうと必死やけん。動物たちを助けようとしてる施設長たちには、感謝ばい。今回、お手伝いできる機会があって、良かったとよ」
 小鈴は水で絞った雑巾で、小屋の中を拭いていた。
 その頃、トリプルJはラキたちと一緒に犬の散歩をしていた。
 トリプルJがリードで大型犬を引き連れ、ラキが中型犬、ディエスとアリアは小型犬を担当していた。
「散歩と言ったら、これを忘れちゃならねぇよな」
 犬たちは散歩中に糞をする。トリプルJは犬たちの仕草を見ては、紙袋に糞を回収していく。
 一時間半ほど施設の周囲を散歩してから、中庭に戻ると、ジャックたちが出迎えてくれた。
「よっ、お疲れさん。少し休憩しようぜ。施設長からも許可が出た」
「もう、あたし、ワンコたちに引っ張られてばかりだったよ」
 ラキは汗をかきながらも、楽しそうだった。
「これだけの数がいれば、体力は使うが、犬たちにとっても良い運動になってるようだな」
 ジャックはそう言いながら、毛布に包んだ子犬二匹をディエスに見せた。
「こいつら、愛用の毛布があると安心するらしいぜ」
 気持ち良さそうに子犬たちが、ジャックの腕の中で眠っていた。
「あ、さっき、ボクに吠えてた子犬たちだね。毛布があると、安心するのかな?」
 ディエスの問いに、ジャックは優しく子犬たちを抱えながら答えた。
「担当の職員から聞いた話なんだが、この毛布は、こいつらの母親が使ってたものらしいぜ。きっと、母親の臭いが残ってるから、安心するんだろうな」
「母親……お母さん?」
 ディエスは、どことなく羨ましそうな表情をしていた。
 アリアが、ディエスを見守るように微笑んだ。
「ディエス、こちらの生活には慣れてきたかしら?」
「あ、そう言えば、言われてみると、慣れてきた、かな? まだ分からないこともあるけど」
 気が付けば、自分の意思で依頼に参加したことを思い出したディエス。
「好きなもの、思い出したのね。ディエスは何事も一生懸命だけれど、時々、無茶し過ぎよ」
 アリアにそう言われて、ディエスが呟いた。
「そうかな。アリアさんの方が、無茶し過ぎると思うけどな」
「ん……そうね。返す言葉もないわ」
 小さく笑うアリアであった。



 職員たちと協力しながら、小鈴は包帯や薬、治療器具を使い、応急手当をしていた。
 アリアは薬草百科を参考にして、止血の薬草を使うことにした。
 あまりにも怪我の酷いメス犬に対しては、小鈴が『ヒール』を施す。
「安心するばい。もう大丈夫とよ」
 メス犬の表情が穏やかになってきた。
「痛みが無くなったのね。良かったわ」
 安堵するアリア。
 その頃、ジャックとトリプルJたちは、ドッグランを囲む柵の修理をしていた。
「柵の高さは1.5Mくらいが良いらしいぜ」
 ジャックは軍用ツールボックスから道具を取り出し、柵に釘を打っていた。
「1Mの樽を隣の農家から貰ってきたんだが、ヤギや大型犬は軽く飛び越えちまうからな」
 トリプルJは広場の中心に樽二つを運んでいたが、すでにヤギたちが樽の上に乗って遊んでいた。
 リクは修理の手伝いをしながら、時折、レポートを書き進めていた。
「ちょっと調べてみたんだけど、ジャガイモはヤギにとって中毒になる場合もあるんだって。餌をあげる時は気を付けないとね」
「人間にとっては美味いモンでも、ヤギには中毒になる食べ物もあるんだな」
 ジャックはツールを使って柵の修理をしながら、そう応えた。


 作業が終わり、夕方になると、ジャックと小鈴、リクが犬の散歩へと出かけていった。
 その間に、ラキたちが餌の準備をしていた。
「ヤギとワンコの餌を合わせると、準備するだけでも一時間はかかるね」
 ラキがそう言うと、アリアは『数え歌』を唄い始めた。
「歌いながら作業すれば、楽しくなるね」
 アリアの歌に合わせて、ラキもリズムを取りながら作業していた。
 歌いながらの作業は、あっという間に感じられた。
「お帰りなさい」
 アリアがジャックたちを出迎えた頃には、餌は全て整っていた。
 飲み水は、トリプルJが用意。
「水も毎回、取り替えてやらねぇとな」
 ハンターたちの計らいに、施設長も感心していたようだった。



「カメラ、持ってくるの忘れた」
 リクは施設改善の資料として、写真を撮るつもりでいたが、肝心の道具が無かった。
「あー、俺様もだ」
 トリプルJはヤギの写真を撮ろうとしたが、カメラを持っていなかった。
「あたしが代わりに写真を撮るから、大丈夫だよ」
 ラキが携帯していた魔導スマートフォンで、施設内部やヤギの写真を撮ることにした。
「ありがとう、ラキ。これで資料も全て揃ったよ」
 リクはそう言った後、ラキに相談したいことがあると告げた。
 ディエスのことだ。
「ラキ、何かあったら知らせてくれると助かるよ」
「キヅカさんの推測が当たってたら、依頼として皆に知らせるから」
 ラキが頷く。
「今回はヤギの引き取り主は見つからなかったが、施設長が引き続き、手配してくれるそうだぜ」
 トリプルJの申し出に、施設長も承諾してくれたのだ。
 リクが最終日に、出来上がった資料を施設長に渡すと、了解を得ることができた。
「きめ細やかな配慮に、私たち職員一同も安心しました」
 こうして、魔術師協会広報室からの資金援助が、動物の保護施設へと正式に決まったのだった。
 ディエスは、アリアから借りていた銀の栞と高級羽ペン、日記を約束通り、返していた。
 日記には、ディエスが描いたヤギと犬の絵が描かれていた。

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MVP一覧

重体一覧

参加者一覧

  • 白き流星
    鬼塚 陸(ka0038
    人間(蒼)|22才|男性|機導師
  • 月下氷人
    七窪 小鈴(ka0811
    人間(蒼)|12才|女性|聖導士
  • 未来を示す羅針儀
    ジャック・エルギン(ka1522
    人間(紅)|20才|男性|闘狩人
  • 紅の月を慈しむ乙女
    アリア・セリウス(ka6424
    人間(紅)|18才|女性|闘狩人
  • Mr.Die-Hard
    トリプルJ(ka6653
    人間(蒼)|26才|男性|霊闘士

サポート一覧

マテリアルリンク参加者一覧

依頼相談掲示板
アイコン 相談卓
ジャック・エルギン(ka1522
人間(クリムゾンウェスト)|20才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2018/01/06 12:09:55
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/01/02 23:29:47