ゲスト
(ka0000)
【初夢】気づけば無人島!?
マスター:なちゅい

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~8人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 無し
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/01/05 19:00
- 完成日
- 2018/01/11 06:54
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
眠りから覚めたハンターが気づくと、そこは何処かの島の砂浜だった。
「ここは……」
「無人島……か?」
同じようにこの場には、ハンターの仲間達もいたようだった。
経緯は全く覚えていないが、どうやら無人島へと流れ着いてしまったらしい。通信機などの類は一切反応してくれず、島外部と連絡が取れない状況にある。
難破した船でもあったのか、自分達のそばには食料も流れ着いている。もって1週間くらいの食料といったところだろう。
ともあれ、状況を確認せねばと、ハンター達は島の探索を始める。
島は外周1キロ程度で、15~20分で1周できる程度の大きさだ。やはり、この島にはハンター達以外に住んでいる者はいないようだ。
島の中央は小高い丘のようになっていて、その上にはたくさんの木々が群生している。
丘の頂上からならば、多少は遠くを見渡すことができるかもしれないが……。生憎と周囲に島影らしきものはない。絶海の孤島という奴である。
海岸沿いの木々は高いところにバナナが実っており、食べられそうだ。丘に至る木々や足元の植物には木の実、ベリーなどがちらほらと見受けられる。
また、釣りなどでも魚などを調達できる。丘の中腹に群生する木々の合間には、小動物はもちろんだが、なぜか赤く目を光らせる獣の息づかいが……。
本格的に探せば何かまだ発見はできるかもしれないが、小さな島だ。できることもかなり限られている状況だろう。
簡単に探索を終えた頃には、夜が更けてきた。
ハンター達は流れ着いた食料を使って調理を行い、夕食を食べながら、今後どうするのかを話し合う。
水は湧き水が出ている泉を発見したので、飲料水は問題ない。雨露を凌ぐだけならば、洞窟に篭ればどうにかなりそうだ。
また、自分達と一緒に流れ着いた食料を調理さえすれば、1週間ほどは食いつなぐことができるが、その後が問題だ。
「ここは、リアルブルーだ。できるなら、島から出て、それから……」
「歪虚の脅威がないのなら、いっそこの島でずっと暮らしていければ……」
このままこの島で暮らす術を身につけてどうにか生きていくか、それとも、何とかして島から脱出する手段を探すか。決断する必要があるだろう。
ハンター達のチームワークが試される。
翌朝、決断した彼らの行動は……。
眠りから覚めたハンターが気づくと、そこは何処かの島の砂浜だった。
「ここは……」
「無人島……か?」
同じようにこの場には、ハンターの仲間達もいたようだった。
経緯は全く覚えていないが、どうやら無人島へと流れ着いてしまったらしい。通信機などの類は一切反応してくれず、島外部と連絡が取れない状況にある。
難破した船でもあったのか、自分達のそばには食料も流れ着いている。もって1週間くらいの食料といったところだろう。
ともあれ、状況を確認せねばと、ハンター達は島の探索を始める。
島は外周1キロ程度で、15~20分で1周できる程度の大きさだ。やはり、この島にはハンター達以外に住んでいる者はいないようだ。
島の中央は小高い丘のようになっていて、その上にはたくさんの木々が群生している。
丘の頂上からならば、多少は遠くを見渡すことができるかもしれないが……。生憎と周囲に島影らしきものはない。絶海の孤島という奴である。
海岸沿いの木々は高いところにバナナが実っており、食べられそうだ。丘に至る木々や足元の植物には木の実、ベリーなどがちらほらと見受けられる。
また、釣りなどでも魚などを調達できる。丘の中腹に群生する木々の合間には、小動物はもちろんだが、なぜか赤く目を光らせる獣の息づかいが……。
本格的に探せば何かまだ発見はできるかもしれないが、小さな島だ。できることもかなり限られている状況だろう。
簡単に探索を終えた頃には、夜が更けてきた。
ハンター達は流れ着いた食料を使って調理を行い、夕食を食べながら、今後どうするのかを話し合う。
水は湧き水が出ている泉を発見したので、飲料水は問題ない。雨露を凌ぐだけならば、洞窟に篭ればどうにかなりそうだ。
また、自分達と一緒に流れ着いた食料を調理さえすれば、1週間ほどは食いつなぐことができるが、その後が問題だ。
「ここは、リアルブルーだ。できるなら、島から出て、それから……」
「歪虚の脅威がないのなら、いっそこの島でずっと暮らしていければ……」
このままこの島で暮らす術を身につけてどうにか生きていくか、それとも、何とかして島から脱出する手段を探すか。決断する必要があるだろう。
ハンター達のチームワークが試される。
翌朝、決断した彼らの行動は……。
リプレイ本文
●
ザザァァ……。
波打つ砂浜で、目を覚ますハンター達。
「ここは一体……」
「まさか、こんなところに流れ着いてしまうとはな」
気付いた鳳凰院ひりょ(ka3744)はトランシーバーが使えないことを確認し、ロニ・カルディス(ka0551)も驚きながらも状況確認に努める。
「ぎゃー! 何ここ何ここ何ここー! 遭難なの、私たち遭難しちゃったの!?」
忙しなく視線を周囲に向け。宵待 サクラ(ka5561)は大騒ぎ。
「もしも帰れなかったら、うちの柴犬牧場(仮)で暴動が起きちゃうよ! 餌不足・脱走・野犬化コンボしたら目も当てられないー!」
ものすごい数のペットのことが気になり、サクラは気が気でないようだ。
だが、彼女よりも年下で、落ち着き払うメンバーもちらほら。
「ん~」
その1人、夢路 まよい(ka1328)は混乱せずにこの状況を受け入れるも、状況確認をとジッとしていられない様子。
「サバイバルは、慣れてるけど……」
辺境出身ということもあってサバイバルには慣れているリュラ=H=アズライト(ka0304)も別段、この状況に戸惑いは見せない。
モフロウを飛ばすリュラはファミリアアイを使用し、ここが一つの丸い島であることを確認する。
(脱出を……)
一言告げたウルミラ(ka6896)もまるで動じず、どっしりと構えていた。
その反面、この状況に戸惑いを見せるメンバーもいる。
「孤島じゃ、殿方との運命的な出会いが期待できませんよぅ! 断固脱出ですぅ!」
新たな男性との出会いが望めぬこの状況は、星野 ハナ(ka5852)にとっては不満でしかないらしい。
「明るく楽しい食生活を取り戻す為にも、絶対脱出しないとだね」
好きな料理を食べるのが難しいと察して、イリエスカ(ka6885)もまた多少なりともショックを受けている。
ともあれ、一通り叫んだサクラが落ち着いたところで、メンバー達は当面の問題について考える。
「……ひとまずは、暫くここで生活できる備えをしなければ」
今後のことを考えるのは、食料を集めて当面を凌げる状況を整えてから。
そんなロニの意見もあり、メンバー達はこの場から動き出すのである。
●
さて、状況確認する一行だが、元々ハンターとして活動するメンバー達だ。
多少のサバイバルなど、楽しめるだけの場数をこなすメンバーも多い。
「船を作って脱出といきたいが……」
ロニは漂着物を拾い上げる。幸いにも、食料の缶詰や、小麦らしき袋が回収できた。
「食料探しも必要ですけどぉ、ここが孤島か大陸の端なのか確認する必要もあると思いますぅ」
ハナは双眼鏡で周囲を見回すが、残念ながら近場に島や陸らしき影は一切見られない。
「旅行に合わせて準備した妄想小道具が、無人島生活必需品に早変わりですぅ」
苦笑するハナもそうだが、皆元々持っていた持ち物が手元にあることを確認している。
そのハナが薪や仮小屋などを想定しつつ、使えそうなものは確保して浜の奥へと引き上げていく。
そこで、一行は流れ着いた雑誌などを確認し、ここがリアルブルーであることを知る。
だが、ここがどこかがわからないのは変わらず、救助も期待できない。
「ならば、脱出までの間に生活を送れるかどうか」
ウルミラも拠点となりそうな場所を考え、潮が満ちた際の場所も考えて浜を見つめる。
ただ、表情こそ変えぬが、ウルミラはこの状況を思いのほか楽しんでいたようである。
資材を回収する傍ら、リュラはモフロウを通して見た島の形状を紙に書いて仲間に伝える。どうやら、島の中ほどに洞窟、水場があるらしい。
「落ち着ける場所は確保したいね」
ひりょに同意しつつ、メンバーはその洞窟へと一旦移動することにしていた。
洞窟は海岸から少し島の内側に入った部分にある。移動の際は、ロニが細かい地形を地図に書き加えていく。
超感覚で周囲を警戒していたリュラを先頭に、その洞窟に何かが潜んでいないかと見回し、安全なことを確認する。
思いのほか広いその洞窟内に、リュラ、ロニ、ひりょが残り、当面の拠点として使えるように設営に入るとのことだ。
すでに、リュラが採取した樹脂を燃料にしつつ、ひりょは洞窟内で火を起こす。なお、リュラはすでに栽培できそうな芋も合わせて採取している。
「そうですね、まずは……」
リュラは当面必要な物を見繕う。とりあえずはロープ、木製の簡易ベッドと、加護、泥製の食器と瓶が欲しいとのことだ。
こうしたサバイバルの経験豊富な彼女のこと。ひりょもそのアドバイスを受けながら設営に尽力する。
「そうだな、協力したいが少し待っていてくれ」
ロニはできる限り、この場の利便性が高められるようにと、薪になりそうな枝や寝床に敷けそうな草などを探しに出かけていたようだった。
●
リュラを除く女性メンバーは、島全域の探索を続けることにしていた。
「ジッとしているのも、性に合わないしね」
「そうだそうだ、素敵な殿方との出会いはこれからだ(笑)!」
論点は少しずれているが、ハナが合わせて叫ぶ。
「とにかく食料探しだね」
このまま食料が底を尽きれば、食道楽なイリエスカはすぐに死んでしまうとのこと。だからこそ、どこにどんな食材があるのか、しっかりと確かめたいと彼女は考える。
「『腹が減ってはNo War!』って偉い人も言ってたよ。心と胃袋を落ち着けるために食料探し頑張るよー」
先ほど、ロニが発見した漂着物に入っていた食材の中身を、サクラは発見する。
思った以上に幅広く食材を発見でき、色々作れそうだが、それでも8人生活するにはもって1週間程度の食材。別に何か発見する必要はありそうだ。
とはいえ、人の手が入っていない島。見上げれば、海岸近くの木々にはバナナが実り、少し丘に視線を移せば、木の実がちらほらと見受けられる。
とりあえず、そのバナナを葉に包んで焼き、ちょいと腹ごしらえして落ち着いた彼女は、仲間と共に島の外周を1周することにした。
「食材の場所を書き込んでおいた方が安全かな」
他のメンバーが作成していた地図に、イリエスカが食材の場所を記入していく。
さらに、彼女達は歩く。程なく、ウルミラが魚の集まるポイントを発見する。
「あ、磯釣りできそうな場所発見」
サクラもそれを見下ろし、早速木の枝と蔓を使ってウルミラが作成した釣り竿を使い、釣りを始めてみる。
ドドドドド……!
だが、そのままのんびり釣りをするとはいかないらしい。
丘から駆け下りてくるのは、やや大柄なイノシシだ。文字通り、自分のシマを荒らすハンターを排除しようというところか。
「食材にしちゃった方がいいよね」
どのみち島内部を探索するならば、邪魔になる相手。物音をいち早く察したイリエスカが仲間達を呼ぶ。
釣りを邪魔されたサクラがいち早く自身をマテリアルのオーラで覆い、加速しながらイノシシの側面に回る。
苦無「狩牙」を使い、さらに加速するサクラは、相手とすれ違いざまにその身体を切り刻む。
全身の硬い毛もあり、刃はそれほどそいつの体に食い込んでいなかったが、痛みを感じたイノシシは鼻息を荒くして。
「ブヒイイィィ!!」
口から突き出す牙を突き上げてくる相手に、ハナは地面に仕掛けた符を起動させ、泥上になったその場所にまんまと掛かってきたイノシシの動きを奪い、符の結界に包み込んで光で焼き払う。
鋭敏視覚で敵を捉えはしたものの、やや出遅れたまよいも鋭い風を放ってイノシシの体を斬りつける。
「ブ、ブヒィィ……」
もがくイノシシはこれには、戦意を消失してしまう。
イリエスカが自動拳銃「DAGGER」の弾丸を浴びせて動きを止めると、突進したウルミラがミラージュグレイブてイノシシの体を貫き、見事に仕留めてみせた。
その死体に近寄ったハナが早速、大包丁を振るって解体し、血抜きを始める。
「そういえば、イノシシって食べたことなかったなー……。どんな味がするんだろう?」
イリエスカは楽しみにしながらも、島の探索を再開するのである。
その後、探索、食糧確保と散開したメンバー達。
小一時間ほど釣りをしていたサクラ。ウォーターウォークを使うまよいも一緒になって漁をしていたこともあり、思った以上に釣果が上がったらしい。
「何か全然すれてない魚だったよ。この近辺に釣り人が来たこと、ないんじゃないかなぁ」
外周を回ったメンバー達も、人の手の入っていない無人島だと確認していたようだった。
一方、設営班。
ここでは、リュラがあれこれと製作に入り、ひりょがその補佐に当たる。
切った木と蔓を組み合わせて簡易ベッドを。さらに、食材収集を効率化させる為の若木を使った篭。
なお、樹皮繊維を使ったロープを想定していたが、ひりょがたまたまロープを持っていた為、こちらの作業はなくなった。
途中、ロニも加わり、ナタナイフ「オシュヤクト」を活用して作業を大きく進めていく。
また、泥製食器や瓶は植物繊維を混ぜて焼くのだが、そのかまどはロニが組み上げたもの。途中で探索の報告を行う流れでウルミラも手伝い、完成させていた。
リュラはさらに食材を増やすべく、小動物を捕らえる為の罠を作っていく。資材は手持ちや漂着物をフルに活用し、数を増やす。
「これだけ、作れば……」
気付けば、日は暮れている。探索に向かっていた仲間達が徐々に拠点へと戻ってきていた。
●
日も暮れて、島内部にある洞窟内にて。
まよいが改めて、リトルファイアで火を起こす。
それは、照明としての使用。洞窟内にできたかまどのお陰で、調理用の火は申し分なく燃え上がっている。
ハナが下ごしらえしたボタン肉を、ウルミラがとった海水から採った塩で味付けし、バトルスキレット「フルムーン」を使ってハナが調理していく。
なお、リュラが余った肉を干し肉に、皮は乾燥させて上着に。骨も資材にと無駄なく使用する。
サクラの焼きバナナをデザートに、イリエスカは仲間達が作った料理を口にしていく。
「うん、大味だけど、なかなか」
グルメな彼女は、これはこれでと堪能していたようだ。
ただ、美味しい店巡りが生き甲斐の彼女にとって、これが続くのは辛いようで。
「ボクは脱出希望だね」
この島で暮らすか、それとも脱出するか。
そこで、メンバー達が互いに意見を口にする。
「屋敷に残してきた妹達が心配だ。料理が出来るのは俺のみ、なのでな」
「帰る、さっさとおうちに帰るー! うちの柴犬達に餌あげないと!」
苦笑するひりょも脱出に票を投じると、サクラも叫んで脱出を主張する。
「獣を狩るくらいしか戦う相手がいない島に留まるなんて、退屈だよ。島を脱出して、もっと色々楽しめる世界に戻りたいな」
まよいもまた脱出希望。島で暮らすという意見は出ず、脱出を目指して動くことに決まった。
「そう言えば、寝る場所のこと考えてなかったなぁ」
念の為にと、見張りを立てることにしたメンバー達。最初はサクラが挙手し、外に目を光らせる。
ウルミラも焚き火の番を行うとのことで、次はロニ、ハナと順番を決め、見張り以外のメンバーは就寝する。
「こういう時は体が異常に疲れている事もあるからな。しっかり休める時はしっかり休むといいさ」
偶然持っていた毛布を、ひりょは女性メンバーに貸し出す。
この場はすぐ見張りの順番がやってくるハナが預かると、彼女はすぐに寝息を立て始めていたようだった。
●
翌日から、脱出に向けたメンバー達の活動が開始される。
こちらもリュラが主軸となり、丸太船の作成を目指す。
イカダの案もあったが、幸い、人の手の入っていない島ということで、巨木がまれに見られる。
ひりょがソウルエッジで切り倒し、イリエスカがクローズコンバットを使って移動力を高め、できるだけスムーズな輸送を目指す。
十分な期間があれば、頑丈な船をと考えていたが、食料がどれほど持つかは不透明だ。
もちろん、船作りに合間に、サクラ、ハナ、ウルスラら女性メンバー達は食材探しにも励む。
とはいえ、船作りの片手間でしかない。だからこそ、急いで製作を進めたいメンバーも多い。
木を繰り抜いて製作を始め、資材をできるだけ駆使して船を作っていく。
ひりょのロープを活用して大きな帆を張り、アウトリガーを左右につけて安定性を向上させる。
「思ったより早く、完成したな」
ロニが仲間と共に見上げた丸太船。5日ほどで完成したのは、見事というべきだろう。
その試運転をと近海で浮かべ、ひりょが試運転を行う。
その上で、不具合があった場所の補修を行い、翌日に出航することとなる。
リュラの天候予測では、本日は快晴。ハナもタロット占いで天候を占う。
「天気は暫くはいいみたいですぅ」
なお、船に助けてもらう可能性もあるとのことで、ハンター達はその結果に期待する。
絶好の出航日和。一週間ほどを過ごした島を離れ、メンバー達はできる限りの食料を載せて海に出た。
まよいはピュアウォーターを使って真水を作成し、湧き水とは別に水を調達する術を増やす。またリュラの用意した貯水石も合わせれば、飲み水がなくなることはなさそうだ。
思いのほか、風が弱いと感じたひりょは、船後方の水面に衝撃波を放つ。
「こういう使い方もあるのさ」
それによって、船が大きく揺れてバランスが崩れかけたのはご愛嬌である。
「無事陸地を見つけたら、まず美味しいお店巡りしないと!」
その前に、お風呂に入りたいとイリエスカは本音を漏らす。船の作成に追われ、お風呂など作る余裕はなかったのだ。
(祖先が住んでいた場所……)
リアルブルーの地。それなら、日本という場所に行ってみたいとリュラは想いを馳せる。
その時、遠くから通りがかるタンカー船を見つけ、メンバー達は精一杯主張する。
助かる。そんな安堵感からか、彼らの目の前が真っ白になって……。
彼らは元の場所で目覚めた。
多くはファナティックブラッドの地にて、先ほどの出来事は夢であったことに気付く。夢で使った道具や食材は元のとおり、道具袋に入ったままだ。
「夢かぁ……。今度遭難する時は、みんなで一緒に遭難しようね」
安堵するサクラは、凄く久しぶりな気がしながらも、その場にいた犬達を順になでなでしていく。
「夢……か」
一方、リュラは残念がる。
本当にかの地に行けるかもと感じただけに、彼女は再びリアルブルーへの興味を強めるのだった。
ザザァァ……。
波打つ砂浜で、目を覚ますハンター達。
「ここは一体……」
「まさか、こんなところに流れ着いてしまうとはな」
気付いた鳳凰院ひりょ(ka3744)はトランシーバーが使えないことを確認し、ロニ・カルディス(ka0551)も驚きながらも状況確認に努める。
「ぎゃー! 何ここ何ここ何ここー! 遭難なの、私たち遭難しちゃったの!?」
忙しなく視線を周囲に向け。宵待 サクラ(ka5561)は大騒ぎ。
「もしも帰れなかったら、うちの柴犬牧場(仮)で暴動が起きちゃうよ! 餌不足・脱走・野犬化コンボしたら目も当てられないー!」
ものすごい数のペットのことが気になり、サクラは気が気でないようだ。
だが、彼女よりも年下で、落ち着き払うメンバーもちらほら。
「ん~」
その1人、夢路 まよい(ka1328)は混乱せずにこの状況を受け入れるも、状況確認をとジッとしていられない様子。
「サバイバルは、慣れてるけど……」
辺境出身ということもあってサバイバルには慣れているリュラ=H=アズライト(ka0304)も別段、この状況に戸惑いは見せない。
モフロウを飛ばすリュラはファミリアアイを使用し、ここが一つの丸い島であることを確認する。
(脱出を……)
一言告げたウルミラ(ka6896)もまるで動じず、どっしりと構えていた。
その反面、この状況に戸惑いを見せるメンバーもいる。
「孤島じゃ、殿方との運命的な出会いが期待できませんよぅ! 断固脱出ですぅ!」
新たな男性との出会いが望めぬこの状況は、星野 ハナ(ka5852)にとっては不満でしかないらしい。
「明るく楽しい食生活を取り戻す為にも、絶対脱出しないとだね」
好きな料理を食べるのが難しいと察して、イリエスカ(ka6885)もまた多少なりともショックを受けている。
ともあれ、一通り叫んだサクラが落ち着いたところで、メンバー達は当面の問題について考える。
「……ひとまずは、暫くここで生活できる備えをしなければ」
今後のことを考えるのは、食料を集めて当面を凌げる状況を整えてから。
そんなロニの意見もあり、メンバー達はこの場から動き出すのである。
●
さて、状況確認する一行だが、元々ハンターとして活動するメンバー達だ。
多少のサバイバルなど、楽しめるだけの場数をこなすメンバーも多い。
「船を作って脱出といきたいが……」
ロニは漂着物を拾い上げる。幸いにも、食料の缶詰や、小麦らしき袋が回収できた。
「食料探しも必要ですけどぉ、ここが孤島か大陸の端なのか確認する必要もあると思いますぅ」
ハナは双眼鏡で周囲を見回すが、残念ながら近場に島や陸らしき影は一切見られない。
「旅行に合わせて準備した妄想小道具が、無人島生活必需品に早変わりですぅ」
苦笑するハナもそうだが、皆元々持っていた持ち物が手元にあることを確認している。
そのハナが薪や仮小屋などを想定しつつ、使えそうなものは確保して浜の奥へと引き上げていく。
そこで、一行は流れ着いた雑誌などを確認し、ここがリアルブルーであることを知る。
だが、ここがどこかがわからないのは変わらず、救助も期待できない。
「ならば、脱出までの間に生活を送れるかどうか」
ウルミラも拠点となりそうな場所を考え、潮が満ちた際の場所も考えて浜を見つめる。
ただ、表情こそ変えぬが、ウルミラはこの状況を思いのほか楽しんでいたようである。
資材を回収する傍ら、リュラはモフロウを通して見た島の形状を紙に書いて仲間に伝える。どうやら、島の中ほどに洞窟、水場があるらしい。
「落ち着ける場所は確保したいね」
ひりょに同意しつつ、メンバーはその洞窟へと一旦移動することにしていた。
洞窟は海岸から少し島の内側に入った部分にある。移動の際は、ロニが細かい地形を地図に書き加えていく。
超感覚で周囲を警戒していたリュラを先頭に、その洞窟に何かが潜んでいないかと見回し、安全なことを確認する。
思いのほか広いその洞窟内に、リュラ、ロニ、ひりょが残り、当面の拠点として使えるように設営に入るとのことだ。
すでに、リュラが採取した樹脂を燃料にしつつ、ひりょは洞窟内で火を起こす。なお、リュラはすでに栽培できそうな芋も合わせて採取している。
「そうですね、まずは……」
リュラは当面必要な物を見繕う。とりあえずはロープ、木製の簡易ベッドと、加護、泥製の食器と瓶が欲しいとのことだ。
こうしたサバイバルの経験豊富な彼女のこと。ひりょもそのアドバイスを受けながら設営に尽力する。
「そうだな、協力したいが少し待っていてくれ」
ロニはできる限り、この場の利便性が高められるようにと、薪になりそうな枝や寝床に敷けそうな草などを探しに出かけていたようだった。
●
リュラを除く女性メンバーは、島全域の探索を続けることにしていた。
「ジッとしているのも、性に合わないしね」
「そうだそうだ、素敵な殿方との出会いはこれからだ(笑)!」
論点は少しずれているが、ハナが合わせて叫ぶ。
「とにかく食料探しだね」
このまま食料が底を尽きれば、食道楽なイリエスカはすぐに死んでしまうとのこと。だからこそ、どこにどんな食材があるのか、しっかりと確かめたいと彼女は考える。
「『腹が減ってはNo War!』って偉い人も言ってたよ。心と胃袋を落ち着けるために食料探し頑張るよー」
先ほど、ロニが発見した漂着物に入っていた食材の中身を、サクラは発見する。
思った以上に幅広く食材を発見でき、色々作れそうだが、それでも8人生活するにはもって1週間程度の食材。別に何か発見する必要はありそうだ。
とはいえ、人の手が入っていない島。見上げれば、海岸近くの木々にはバナナが実り、少し丘に視線を移せば、木の実がちらほらと見受けられる。
とりあえず、そのバナナを葉に包んで焼き、ちょいと腹ごしらえして落ち着いた彼女は、仲間と共に島の外周を1周することにした。
「食材の場所を書き込んでおいた方が安全かな」
他のメンバーが作成していた地図に、イリエスカが食材の場所を記入していく。
さらに、彼女達は歩く。程なく、ウルミラが魚の集まるポイントを発見する。
「あ、磯釣りできそうな場所発見」
サクラもそれを見下ろし、早速木の枝と蔓を使ってウルミラが作成した釣り竿を使い、釣りを始めてみる。
ドドドドド……!
だが、そのままのんびり釣りをするとはいかないらしい。
丘から駆け下りてくるのは、やや大柄なイノシシだ。文字通り、自分のシマを荒らすハンターを排除しようというところか。
「食材にしちゃった方がいいよね」
どのみち島内部を探索するならば、邪魔になる相手。物音をいち早く察したイリエスカが仲間達を呼ぶ。
釣りを邪魔されたサクラがいち早く自身をマテリアルのオーラで覆い、加速しながらイノシシの側面に回る。
苦無「狩牙」を使い、さらに加速するサクラは、相手とすれ違いざまにその身体を切り刻む。
全身の硬い毛もあり、刃はそれほどそいつの体に食い込んでいなかったが、痛みを感じたイノシシは鼻息を荒くして。
「ブヒイイィィ!!」
口から突き出す牙を突き上げてくる相手に、ハナは地面に仕掛けた符を起動させ、泥上になったその場所にまんまと掛かってきたイノシシの動きを奪い、符の結界に包み込んで光で焼き払う。
鋭敏視覚で敵を捉えはしたものの、やや出遅れたまよいも鋭い風を放ってイノシシの体を斬りつける。
「ブ、ブヒィィ……」
もがくイノシシはこれには、戦意を消失してしまう。
イリエスカが自動拳銃「DAGGER」の弾丸を浴びせて動きを止めると、突進したウルミラがミラージュグレイブてイノシシの体を貫き、見事に仕留めてみせた。
その死体に近寄ったハナが早速、大包丁を振るって解体し、血抜きを始める。
「そういえば、イノシシって食べたことなかったなー……。どんな味がするんだろう?」
イリエスカは楽しみにしながらも、島の探索を再開するのである。
その後、探索、食糧確保と散開したメンバー達。
小一時間ほど釣りをしていたサクラ。ウォーターウォークを使うまよいも一緒になって漁をしていたこともあり、思った以上に釣果が上がったらしい。
「何か全然すれてない魚だったよ。この近辺に釣り人が来たこと、ないんじゃないかなぁ」
外周を回ったメンバー達も、人の手の入っていない無人島だと確認していたようだった。
一方、設営班。
ここでは、リュラがあれこれと製作に入り、ひりょがその補佐に当たる。
切った木と蔓を組み合わせて簡易ベッドを。さらに、食材収集を効率化させる為の若木を使った篭。
なお、樹皮繊維を使ったロープを想定していたが、ひりょがたまたまロープを持っていた為、こちらの作業はなくなった。
途中、ロニも加わり、ナタナイフ「オシュヤクト」を活用して作業を大きく進めていく。
また、泥製食器や瓶は植物繊維を混ぜて焼くのだが、そのかまどはロニが組み上げたもの。途中で探索の報告を行う流れでウルミラも手伝い、完成させていた。
リュラはさらに食材を増やすべく、小動物を捕らえる為の罠を作っていく。資材は手持ちや漂着物をフルに活用し、数を増やす。
「これだけ、作れば……」
気付けば、日は暮れている。探索に向かっていた仲間達が徐々に拠点へと戻ってきていた。
●
日も暮れて、島内部にある洞窟内にて。
まよいが改めて、リトルファイアで火を起こす。
それは、照明としての使用。洞窟内にできたかまどのお陰で、調理用の火は申し分なく燃え上がっている。
ハナが下ごしらえしたボタン肉を、ウルミラがとった海水から採った塩で味付けし、バトルスキレット「フルムーン」を使ってハナが調理していく。
なお、リュラが余った肉を干し肉に、皮は乾燥させて上着に。骨も資材にと無駄なく使用する。
サクラの焼きバナナをデザートに、イリエスカは仲間達が作った料理を口にしていく。
「うん、大味だけど、なかなか」
グルメな彼女は、これはこれでと堪能していたようだ。
ただ、美味しい店巡りが生き甲斐の彼女にとって、これが続くのは辛いようで。
「ボクは脱出希望だね」
この島で暮らすか、それとも脱出するか。
そこで、メンバー達が互いに意見を口にする。
「屋敷に残してきた妹達が心配だ。料理が出来るのは俺のみ、なのでな」
「帰る、さっさとおうちに帰るー! うちの柴犬達に餌あげないと!」
苦笑するひりょも脱出に票を投じると、サクラも叫んで脱出を主張する。
「獣を狩るくらいしか戦う相手がいない島に留まるなんて、退屈だよ。島を脱出して、もっと色々楽しめる世界に戻りたいな」
まよいもまた脱出希望。島で暮らすという意見は出ず、脱出を目指して動くことに決まった。
「そう言えば、寝る場所のこと考えてなかったなぁ」
念の為にと、見張りを立てることにしたメンバー達。最初はサクラが挙手し、外に目を光らせる。
ウルミラも焚き火の番を行うとのことで、次はロニ、ハナと順番を決め、見張り以外のメンバーは就寝する。
「こういう時は体が異常に疲れている事もあるからな。しっかり休める時はしっかり休むといいさ」
偶然持っていた毛布を、ひりょは女性メンバーに貸し出す。
この場はすぐ見張りの順番がやってくるハナが預かると、彼女はすぐに寝息を立て始めていたようだった。
●
翌日から、脱出に向けたメンバー達の活動が開始される。
こちらもリュラが主軸となり、丸太船の作成を目指す。
イカダの案もあったが、幸い、人の手の入っていない島ということで、巨木がまれに見られる。
ひりょがソウルエッジで切り倒し、イリエスカがクローズコンバットを使って移動力を高め、できるだけスムーズな輸送を目指す。
十分な期間があれば、頑丈な船をと考えていたが、食料がどれほど持つかは不透明だ。
もちろん、船作りに合間に、サクラ、ハナ、ウルスラら女性メンバー達は食材探しにも励む。
とはいえ、船作りの片手間でしかない。だからこそ、急いで製作を進めたいメンバーも多い。
木を繰り抜いて製作を始め、資材をできるだけ駆使して船を作っていく。
ひりょのロープを活用して大きな帆を張り、アウトリガーを左右につけて安定性を向上させる。
「思ったより早く、完成したな」
ロニが仲間と共に見上げた丸太船。5日ほどで完成したのは、見事というべきだろう。
その試運転をと近海で浮かべ、ひりょが試運転を行う。
その上で、不具合があった場所の補修を行い、翌日に出航することとなる。
リュラの天候予測では、本日は快晴。ハナもタロット占いで天候を占う。
「天気は暫くはいいみたいですぅ」
なお、船に助けてもらう可能性もあるとのことで、ハンター達はその結果に期待する。
絶好の出航日和。一週間ほどを過ごした島を離れ、メンバー達はできる限りの食料を載せて海に出た。
まよいはピュアウォーターを使って真水を作成し、湧き水とは別に水を調達する術を増やす。またリュラの用意した貯水石も合わせれば、飲み水がなくなることはなさそうだ。
思いのほか、風が弱いと感じたひりょは、船後方の水面に衝撃波を放つ。
「こういう使い方もあるのさ」
それによって、船が大きく揺れてバランスが崩れかけたのはご愛嬌である。
「無事陸地を見つけたら、まず美味しいお店巡りしないと!」
その前に、お風呂に入りたいとイリエスカは本音を漏らす。船の作成に追われ、お風呂など作る余裕はなかったのだ。
(祖先が住んでいた場所……)
リアルブルーの地。それなら、日本という場所に行ってみたいとリュラは想いを馳せる。
その時、遠くから通りがかるタンカー船を見つけ、メンバー達は精一杯主張する。
助かる。そんな安堵感からか、彼らの目の前が真っ白になって……。
彼らは元の場所で目覚めた。
多くはファナティックブラッドの地にて、先ほどの出来事は夢であったことに気付く。夢で使った道具や食材は元のとおり、道具袋に入ったままだ。
「夢かぁ……。今度遭難する時は、みんなで一緒に遭難しようね」
安堵するサクラは、凄く久しぶりな気がしながらも、その場にいた犬達を順になでなでしていく。
「夢……か」
一方、リュラは残念がる。
本当にかの地に行けるかもと感じただけに、彼女は再びリアルブルーへの興味を強めるのだった。
依頼結果
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ハンター漂流記(相談卓) 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/01/05 18:25:06 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/01/02 21:26:15 |