ゲスト
(ka0000)
青竜紅刃流~温泉の絶対防衛線
マスター:深夜真世

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/01/12 07:30
- 完成日
- 2018/01/27 00:38
このシナリオは5日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
「これが暗器にもなる簪だ」
イ寺鑑(kz0175)が畳敷きの大広間ですいと包みを差し出した。
囲む者たち――男性女性とも東方風の着物を纏っている――のうちの一人がそれを丁寧に広げた。
中には細く長い簪が一つ入っていた。切っ先が鋭い。
「これ、危なくねぇですか?」
「刃は付いてない。刺突用だ。髪を束ねて差すときだけ注意すれば問題ない。……青竜紅刃流とはいえ、銃を常に持ち歩くわけにはいかないし、何かあればこれを投擲武器にすればいいんじゃないかと思ってね」
鑑がそういうのは、村土着の護衛流派として立ち上げた銃剣流派の青竜紅刃流だが、実際に村人たちが武装して日々生活するわけにはいかなかったから。さりとて剣の方は棒きれでもなんとかなる。加えて、銃を加えたのは「危険度の増す接近戦ではなく遠距離攻撃で牽制し戦闘を避けたい」との思いがあるから。
「その辺の物を投げてもいいんだけど、それじゃ威嚇にならないからね。その点、簪なら専用武器を携帯していることになるし、簪を抜いた時に髪が乱れる。雰囲気が変わることで敵が警戒するってことは多い」
ハンターも覚醒することで能力全開となる。見た目が変わって力が上がる、というのはこの世界の常識と言っていい。もちろん、イクシードして外見の変わらない者もいるが。
「相手は鬼ザルだから見た目が変わるのは有効かもしれん」
着物の者たちはそう納得する。
ここは、タスカービレ村の奥にある温泉宿。
数年前に枯れていた源泉を復活させ、温泉宿に整備した。東洋風の村づくりに合うよう、従業員は着物を着ている。これまでに鬼ザルからもちょっかいを出されたがハンターたちがいずれも返り討ちにしていた。見た目が変わることで警戒するのは間違いない。
「ここには陶器を焼く窯もあるし、先を尖らせるだけなら鉄を打つことができる環境もある。早速取り組んでほしい」
というわけで、投擲簪の製作が始まる。
「私達でも大丈夫かしら?」
「まあ、実際に投げることはないと思う。ただ護身用にあるかないかで違うし、抜いて髪が乱れた時に「覚悟」が表情に現れれば十分威嚇になる。……使い慣れた簪を抜いても目つきや構えなんかは変わらないけどね。ほら、覚悟を纏った色っぽさ、ってのはあるから」
不安がる女性従業員には、「女性としての魅力向上」という切り口で口説きにかかった。
「覚悟?」
「ええと……旦那が浮気した時にあんたを殺して私も死ぬ、みたいなのでしょうか?」
「いや、そういう例はいいから……」
思わぬ展開に慌てる鑑。
「へえ……鑑さんはそういうのに女性の魅力を感じるんですか?」
ここで、同席していた女性の役人フィーネ・リスパルミオがからかった。
「修羅場の好きな男性なんていませんよ」
鑑がそう言ったとき、どこかで声がした。
「わあっ、鬼ザルの襲撃じゃあ!」
続いて男が駆けこんで来た。
「鑑さん、鬼ザルじゃ。すごい数が鬼気迫る勢いで迫っておる!」
この頃にはキーキーという声が屋内からも聞こえた。
「運がいい!」
皆が不安がる中、鑑がそう言って立ち上がったのは従業員のほぼすべてを宿一階のこの部屋に集めていたから。
「私や連れのハンターが来ている時とはまた都合がいい。みんなは風呂か? まあ奇襲とはいえ声は聞こえただろう。個別対応に任せる。女性はまず二階に避難して」
たちまちきゃーきゃーと女性陣が二階へ。男性従業員たちは剣と銃を取りに行った。
「男性は屋内から出ないように。銃で近付かせないようにしろ!」
「鑑さんは?」
フィーネが二階に避難しかけて聞いた。
「出る!」
覚悟の表情で答え、だっと玄関へ向かった。
鑑と一緒に温泉旅行と門下生への稽古指導に訪れていた参加者も、この襲撃に巻き込まれることになる。
温泉に浸かっていたり、二階の個室で銃の手入れをしていたりと、この時に何をしていたのかは自由だ。
イ寺鑑(kz0175)が畳敷きの大広間ですいと包みを差し出した。
囲む者たち――男性女性とも東方風の着物を纏っている――のうちの一人がそれを丁寧に広げた。
中には細く長い簪が一つ入っていた。切っ先が鋭い。
「これ、危なくねぇですか?」
「刃は付いてない。刺突用だ。髪を束ねて差すときだけ注意すれば問題ない。……青竜紅刃流とはいえ、銃を常に持ち歩くわけにはいかないし、何かあればこれを投擲武器にすればいいんじゃないかと思ってね」
鑑がそういうのは、村土着の護衛流派として立ち上げた銃剣流派の青竜紅刃流だが、実際に村人たちが武装して日々生活するわけにはいかなかったから。さりとて剣の方は棒きれでもなんとかなる。加えて、銃を加えたのは「危険度の増す接近戦ではなく遠距離攻撃で牽制し戦闘を避けたい」との思いがあるから。
「その辺の物を投げてもいいんだけど、それじゃ威嚇にならないからね。その点、簪なら専用武器を携帯していることになるし、簪を抜いた時に髪が乱れる。雰囲気が変わることで敵が警戒するってことは多い」
ハンターも覚醒することで能力全開となる。見た目が変わって力が上がる、というのはこの世界の常識と言っていい。もちろん、イクシードして外見の変わらない者もいるが。
「相手は鬼ザルだから見た目が変わるのは有効かもしれん」
着物の者たちはそう納得する。
ここは、タスカービレ村の奥にある温泉宿。
数年前に枯れていた源泉を復活させ、温泉宿に整備した。東洋風の村づくりに合うよう、従業員は着物を着ている。これまでに鬼ザルからもちょっかいを出されたがハンターたちがいずれも返り討ちにしていた。見た目が変わることで警戒するのは間違いない。
「ここには陶器を焼く窯もあるし、先を尖らせるだけなら鉄を打つことができる環境もある。早速取り組んでほしい」
というわけで、投擲簪の製作が始まる。
「私達でも大丈夫かしら?」
「まあ、実際に投げることはないと思う。ただ護身用にあるかないかで違うし、抜いて髪が乱れた時に「覚悟」が表情に現れれば十分威嚇になる。……使い慣れた簪を抜いても目つきや構えなんかは変わらないけどね。ほら、覚悟を纏った色っぽさ、ってのはあるから」
不安がる女性従業員には、「女性としての魅力向上」という切り口で口説きにかかった。
「覚悟?」
「ええと……旦那が浮気した時にあんたを殺して私も死ぬ、みたいなのでしょうか?」
「いや、そういう例はいいから……」
思わぬ展開に慌てる鑑。
「へえ……鑑さんはそういうのに女性の魅力を感じるんですか?」
ここで、同席していた女性の役人フィーネ・リスパルミオがからかった。
「修羅場の好きな男性なんていませんよ」
鑑がそう言ったとき、どこかで声がした。
「わあっ、鬼ザルの襲撃じゃあ!」
続いて男が駆けこんで来た。
「鑑さん、鬼ザルじゃ。すごい数が鬼気迫る勢いで迫っておる!」
この頃にはキーキーという声が屋内からも聞こえた。
「運がいい!」
皆が不安がる中、鑑がそう言って立ち上がったのは従業員のほぼすべてを宿一階のこの部屋に集めていたから。
「私や連れのハンターが来ている時とはまた都合がいい。みんなは風呂か? まあ奇襲とはいえ声は聞こえただろう。個別対応に任せる。女性はまず二階に避難して」
たちまちきゃーきゃーと女性陣が二階へ。男性従業員たちは剣と銃を取りに行った。
「男性は屋内から出ないように。銃で近付かせないようにしろ!」
「鑑さんは?」
フィーネが二階に避難しかけて聞いた。
「出る!」
覚悟の表情で答え、だっと玄関へ向かった。
鑑と一緒に温泉旅行と門下生への稽古指導に訪れていた参加者も、この襲撃に巻き込まれることになる。
温泉に浸かっていたり、二階の個室で銃の手入れをしていたりと、この時に何をしていたのかは自由だ。
リプレイ本文
●
「とってもほっこりするの~」
「ん、気持ちいいんだよ~」
湯船の縁の岩に両手を敷いて幸せそうに顔をのせるディーナ・フェルミ(ka5843)と、空を仰ぐように湯に漬かり目を細めている狐中・小鳥(ka5484)。ともに気持ちよさそうである。ディーナの白いお尻は湯から浮かんで少し出ているが。
ここは、タスカービレ村奥にある温泉の女湯。ほこほこと白い湯気がわいている。
「兄と離れて行動する仕事は気が楽です。それも温泉に浸かれるとなれば」
「ここは女湯だしね~」
雨月彩萌(ka3925)は湯の中で肢体を艶めかしく横たえて顔と肩だけ出している。そして「さーて、訓練後の風呂だ~」とやって来たウーナ(ka1439)が湯船の横で着替えを始めた。
「更衣室は向こうよ」
「洗濯もできるかなって。汗かいたし」
二人でそんな会話も。
「相変わらずのようですねタスカービレは。食は美味、宿は落ち着く……」
多由羅(ka6167)は普通に胸下まで漬かりのんびり。髪は結い上げ虎皮布でまとめているが大きな胸は隠そうともしない。ウーナも大きな胸を隠そうともせず縁の岩に腰掛けた。もっとも、どちらも白い湯気が微妙に隠しているが。
「のんびりですの~」
「此度は湯治に参りましたが、これで猿の群れでも出てきてくれれば退屈せずに済みそうです」
「本当に出てきたら湯治にならないんじゃないかな、かな?」
ディーナのうっとりした声に、多由羅の調子に乗った一言。小鳥はそれとなく「それは勘弁だよ~」。
「鑑センセでも出てくるかな?」
「出てくれば成敗ですね」
いたずらそうなウーナの声には彩萌がきらーん☆。イ寺鑑(kz0175)、ここにはいないがとんだとばっちりである。
その時だった。
――きー、きっきー……。
「この声は……お猿さんなの?」
ざば、とディーナが身を起こす。
「大変じゃ~。鬼ザルが大挙して襲ってきたー!」
旅館からはそんな声が。
「待っておりました! それでこそタスカービレ!」
「……むぅ、せっかく温泉で幸せな気分になってたのに。でもこんなこともあろうかと武器を近くに置いておいてよかったんだよ♪」
さばーっ、と豪快に湯から上がる多由羅。小鳥は傍に置いていた魔剣と禍炎剣をすぐさま手に取る。なお、鑑がもしも間違えて女湯に入ってきたならこれの餌食になっていたかもしれない。というか多由羅さん、あなたタスカービレを何だと思ってるんスか!
「門下生連れて温泉付きの追加特訓、後はお風呂入ってさっぱりって時に……あのエロ猿どもーっ!」
ざばん、とこちらは湯に入ったばかりのウーナ。一応猿どもを弁護すると、覗きに来たわけではないが。
「さ、最低限武器と盾と靴っ…」
ディーナは手を付いてわたたっと湯船から出ると更衣室へ一直線。お尻が可愛い。
「私の武器も頼みます!」
「え? ええーなの!」
多由羅、武器もなくいくつもりだ。ディーナがうろたえるのも無理はない。
そして妙に手早いのが、彩萌。
「こんな格好で戦う事になった不運を恨みます。なので、一刻も早く殲滅します」
くるっとバスタオルを体に巻き、武器を携帯している愛用のコートを羽織った。クールな恨み顔も慣れた風なカッコよさ。
これが、兄被害で訓練された妹!
「ミッション追加! エロ猿どもを掃討せよっ!」
ウーナは男湯に向かって叫んでいる。すでに先ほど脱いだ装備を装着している。体は濡れているが。
「えーっ!」
「グダグダいうな、急いげ!」
多由羅たちとどどどーっと出撃するウーナだった。
●
時は若干遡り、旅館までの道のりで。
「皆さんを残して道場で村人たちに演武をしてもらったのには、一度に旅館に行っては向こうも大変だとということでもあります」
ハンス・ラインフェルト(ka6750)が引き連れた門下生を振り返り言う。
彼らは居残り訓練をして、新たに移住を希望する人たちに村を守る流派たる青竜紅刃流を披露していたのだ。重要な役目だが、温泉抜きは可哀想なので遅れて連れてきている最中である。
その時。
――きーっ、きっきー……。
遠くで猿の鳴き声と多数の移動する気配。旅館に向かっている!
「ハンスさん!」
「門下生の皆さん……」
どうする、と視線が集まる中、ハンスは落ち着いて――あるいは、いつもの彼の仕草そのものかもしれないが――すらりと大剣「獄門刀」の柄に手を掛けた。これを見て動揺していた門下生も落ち着いて腰に帯びた木刀や剣に手を掛ける。
「抜刀」
静かに言葉に気迫がこもる。
ハンスの号令で門下生らは獲物を抜き放った。
「……おっとり刀」
「おおっ!」
突撃命令に怒涛の如く旅館へと向かう!
そして霧の発生した旅館の芝生広場。
多数の鬼ザルの襲来を食い止めるべく、鑑が単身戦っていた。敵の襲撃を遅らせるような荒い戦い方だ。実際、五、六匹を引き付けていたが敵の総数はその十倍程度。あっという間に突破されていた。
いや、中からほかの仲間が出て来た。
多由羅だ!
「多由羅!」
気付いた鑑が叫んだのは、頭を包んだ虎皮布と乗せていた手ぬぐい以外素っ裸で武器すら持たない格好に気付いたから。
「お前、服くらい着ろって。肌が傷つくだろ!」
「そう。服どころか武器さえありません。……いえ」
走っていた多由羅、鑑の言葉にきっと前を見据える。頭に乗せていた手ぬぐいを手にした!
「刀がなくとも、多由羅は「剣士」であるということをお見せしましょう…!」
白く濃くなる霧が大事なところを隠す中、ぴんっと両手で手ぬぐいを伸ばし構える。
そこへ棍棒を持った鬼ザルが襲い掛かるッ!
「はっ!」
多由羅、伸ばした手ぬぐいに遠心力を掛けまるで剣のように扱う。同時に自身は右に流れた。
攻撃と見せ掛け間合いを先に潰した、先の先を取った威嚇である。
「多由羅、失礼するぞ! これを使え!」
鑑、この動きを読み多由羅の背後を取ると頭の虎皮布を奪い彼女の腰に巻いた。さらに自身の鉢巻きを取ると胸に巻いて大切な部分を隠す。最後に投擲用簪を渡した。
「お借りします!」
あえて攻撃を受け簪を掴み逆手で持つと、円舞の動きでいなして敵の急所を狙い刺す。湯上りの上気した肌が、腰の虎皮布が艶めかしくちらっ、ちらっ。トップのみを隠した鉢巻きが外れないのは奇跡的だ。
ただ、鑑の移動により戦場バランスは大きく崩れた。
もともと鑑のいた中央以外に回り込まれていたのだが、これで温泉に近い右翼以外は怒涛のように押し寄せられることに……。
いや、戦場を右翼から左翼に一直線に走る多数の影があるッ!
「門下生、壁作れーっ!」
「おおーっ!」
チャイナドレスに胸当「プリムラ・コルセット」を付けたウーナの指令の元、門下生集団が旅館を守るべく戦場を横切ったのだ。
「あのこん棒…当たると痛いよ! 鑑センセ、加勢に来た!」
「ウーナ、すまんな」
ただ、一番遠い左翼までは止めることができない。
あえなく突破され……いや、三つの光条が一気に伸びて鬼ザルを横から吹っ飛ばしたぞ!
「こんな格好では湯冷めしてしまいます。一刻も早く、排除しましょう」
湯上り彩萌だ!
しっとり黒髪にほっこり湯煙。しかもバスタオルのみ。機杖を片手で掲げてデルタレイをぶっ放したが、もう一方の手は髪を撫でつけている。まさにいい雰囲気!
これは猿に襲われても文句は言われない……。
「わたしに、触れるな!」
あ。
バスタオルの上に羽織ったコートに敵の攻撃が引っ掛かってはがれたが、その瞬間激怒した。ちょっと肌に猿の体毛が触れたようで。
光の障壁に雷撃を纏わせ、身を守ると同時に敵を弾き飛ばす。
この頃には門下生も一番遠い敵に到達。陶器窯などある作業場に入った猿を追った。
そんな乱戦のさなか。
♪
振り向くな 立ち止まるな ボクも後ろについて行く
♪
明るく勢いのある歌が流れる。
小鳥だ。
余裕のある者が振り返り、意外そうな顔をした。
「温泉を邪魔したお猿さんにはしっかりとお仕置きしないとだね♪ でも今日は…私の歌を聞けー! なんだよ♪」
小鳥、そんな味方に呼び掛け右手と左ひざを上げチアポーズ。なお、服装はバスタオル。
目立った分サルに目をつけられたが……。
「この娘さんはやらせん!」
門下生のおっさんが必死にディフェンス!
「よくやった! いいか、相手に連携させない! 連携する! やられる前に袋叩きっ!」
これには指揮するウーナも手放し。その間にも自ら手本を示すように敵に回り込み、分断し、斬り付ける!
「お、おおーっ!」
味方の気合いの入ったディフェンスと普段厳しいウーナの誉め言葉に味方の指揮は大爆発だ。
小鳥、引き続き歌う。
そんな様子を見て彩萌は微笑した。蒼機剣「N=Fシグニス」を抜き、光刃が伸びる。
「動かない的は確実に仕留めてください。わたしたちは動く的を優先して排除します」
円舞で身をひるがえし半身の姿勢で水平構え。駆け抜けがてらにばっさばっさとサルを斬る。
猿どもは周囲の戦況変化について行けずだんだん動きが止まっていく。
「旅館には入れさせません!」
さらに彩萌、蒼機剣の光波で遠くの敵も撃つ。
●
この少し前。
「急ぐですの~」
更衣室でばさっとふわふわキャミソールを頭からかぶり足を踏み代え下着もはいたディーナ、靴を履くと髪をなびかせ最前線に弾かれたように駆け出した。
目指すは包囲された中、簪を手に戦っている多由羅。サルの死体も転がり足場も悪くなっている。近くで鑑も戦っている。
「鎧帽子なくても威力は十分なの!」
まだ遠くはあるがホーリーメイスを掲げてセイクリッドフラッシュ!
包囲の穴をぶち開けると、振り向いた多由羅の元にたたたーっ。
「持ってきましたの!」
「助かります。刀が手に入れば遠慮はいりません!」
大太刀「鬼霧雨」をディーナから受け取った多由羅、早速大きく振るって円舞を挟むと……。
紅蓮斬、紅蓮斬!
先ほどよりさらに猛威を振るい始める。
「敵を固めて貰って助かったの、まだまだ敵が多いの!」
ディーナの方は鑑に駆け寄りセイクリッドフラッシュ。これで鑑、フリーになった。
「ディーナ、助かる!」
「イ寺さんの方が小回り効くのよろしくなの!」
二人の狙いは同じで、門下生の幅広い援護だ。ディーナは棍棒攻撃を籠手で受ける。一人ででも大丈夫だ。
「分かった!」
陶器窯などある作業小屋方面へと急ぐ。
「近寄るならこうですの!」
敵を引き受けていた鑑がいなくなった分、接近されもしたがメイスをぶうんと振り回して吹っ飛ばしてから、ぴかーとセイクリッドする。
「ん、乗ってきたしアンコール行ってみよう、だよ♪」
離れた場所では小鳥がさらに踊って歌っている。
「動かない的は確実に仕留めてください。わたしたちは動く的を優先して排除します」
彩萌もうまく攻性防御を活用し敵を止め門下生と連携している。
「これでこそタスカービレ!」
多由羅も剣を存分に振るっている。とても充実している。
これで広範囲の戦線維持の態勢が完全に構築できた。
そして敵後背からはついに到着したハンス隊が突入開始!
「覚醒者はこれを持って旅館内を」
ハンス、門下生の中の少ない覚醒者に魔導スマホを渡して行かせる。
そして自身も門下生をフォローするように大剣を振るい戦う!
「棍棒を刀で受ければ最悪折れます。今回は多対一ではありません、多対多の乱戦です。目の前だけでなく背後の殺気にも気を配りなさい。目の前の鬼ザルにしか気を配っていないと……」
言ってる傍から遠くで孤立した門下生が背後を取られていた。
――どしゅっ……。
「死にますよ?」
すうっと細められるハンスの目。
いま彼の振るった、空を切ったかと思われた剣は見えない剣戟として遠く孤立した門下生の背後の敵に届いていた。
次元斬である。
「歌はここまでかな? 残ったお猿さんは、直にお仕置きさせて貰うよー! 多少遠くにいても届くんだからね♪」
「小鳥ッ!」
歌っていた小鳥も次元斬。
さらに右の魔剣と左の禍炎剣の二刀流で近くの敵にも斬り付ける。
ただ、動きの質が変わった勢いでタオルがはらり。もちろん霧が立ち込めているが。
「そこっ、貸し一つね!」
「私か?!」
そこをウーナが射撃で援護。小鳥のタオルを背後から支えてやっている鑑、はなはだ遺憾。
やがて敵は数えるほどになる。
――くる、どしゅっ。
「森のほうも確認する必要がありますね」
ハンス、半身で敵の棍棒をかわして鋭く横に薙ぎバックステップ。血しぶきを避けると周囲を確認し森へと視線を向けた。指揮する敵がいるかもしれないし、撤退するなら回り込んでおきたい。
そう。
戦況はもうそのくらい落ち着いていた。
「いま回復しますの!」
ディーナが門下生のため、ヒールの柔らかい光を放っている。
残った敵は……。
「殲滅、完了」
蒼機剣の光の刃を消す彩萌。
立ち姿の背後には、サルの屍が累々。
「……なんだ、この格好は」
多由羅、ここで初めて自分の格好に気付いた。細い鉢巻きは奇跡的に最後まで大切なところを隠していたようで。
●
「ふぅ、動いてすっかり湯冷めしちゃったんだよ。もう一回温まらないと♪」
小鳥が改めて湯に漬かってほっこりしている。
「ひと騒動起きた後だからこそ、ゆっくり入れる温泉はいいですね」
彩萌も一緒で、手で髪を撫でつけキレイキレイしている。
「なかなか良い物でした」
多由羅、鑑から渡された投擲用簪を面白そうに弄っている。
「そういえば鑑センセは?」
ようやく温泉にのんびり浸かって幸せそうな顔をしていたウーナがはたと気付く。
その頃、鑑。
「こんな大集団で襲ってくるのはおかしいの。このまま山狩りに……へくち」
個室の布団でディーナが力なくぐったりしていた。
「完全に湯冷めだな……ほら、そんなことはいいから」
鑑、ディーナの看病をしていた。ほら、とミカンの皮をむいて差し出すと「ふへへ」と幸せそうな顔をしてぱくっと食べる。
もう一人、ハンスもここにいた。
「何かが森の中で起きている可能性が高いでしょう…速やかな山狩りをお勧めしますね」
「そうだな」
頷く鑑。
外で後始末をする門下生たちの作業ももうすぐ終わる。
この後、旅館周辺の森を確認したが特に異常がない。
もしも森の中で何かが起きているならば、かなり奥のことでしっかりした準備をしたうえでの山狩りが必要となるだろう。
「とってもほっこりするの~」
「ん、気持ちいいんだよ~」
湯船の縁の岩に両手を敷いて幸せそうに顔をのせるディーナ・フェルミ(ka5843)と、空を仰ぐように湯に漬かり目を細めている狐中・小鳥(ka5484)。ともに気持ちよさそうである。ディーナの白いお尻は湯から浮かんで少し出ているが。
ここは、タスカービレ村奥にある温泉の女湯。ほこほこと白い湯気がわいている。
「兄と離れて行動する仕事は気が楽です。それも温泉に浸かれるとなれば」
「ここは女湯だしね~」
雨月彩萌(ka3925)は湯の中で肢体を艶めかしく横たえて顔と肩だけ出している。そして「さーて、訓練後の風呂だ~」とやって来たウーナ(ka1439)が湯船の横で着替えを始めた。
「更衣室は向こうよ」
「洗濯もできるかなって。汗かいたし」
二人でそんな会話も。
「相変わらずのようですねタスカービレは。食は美味、宿は落ち着く……」
多由羅(ka6167)は普通に胸下まで漬かりのんびり。髪は結い上げ虎皮布でまとめているが大きな胸は隠そうともしない。ウーナも大きな胸を隠そうともせず縁の岩に腰掛けた。もっとも、どちらも白い湯気が微妙に隠しているが。
「のんびりですの~」
「此度は湯治に参りましたが、これで猿の群れでも出てきてくれれば退屈せずに済みそうです」
「本当に出てきたら湯治にならないんじゃないかな、かな?」
ディーナのうっとりした声に、多由羅の調子に乗った一言。小鳥はそれとなく「それは勘弁だよ~」。
「鑑センセでも出てくるかな?」
「出てくれば成敗ですね」
いたずらそうなウーナの声には彩萌がきらーん☆。イ寺鑑(kz0175)、ここにはいないがとんだとばっちりである。
その時だった。
――きー、きっきー……。
「この声は……お猿さんなの?」
ざば、とディーナが身を起こす。
「大変じゃ~。鬼ザルが大挙して襲ってきたー!」
旅館からはそんな声が。
「待っておりました! それでこそタスカービレ!」
「……むぅ、せっかく温泉で幸せな気分になってたのに。でもこんなこともあろうかと武器を近くに置いておいてよかったんだよ♪」
さばーっ、と豪快に湯から上がる多由羅。小鳥は傍に置いていた魔剣と禍炎剣をすぐさま手に取る。なお、鑑がもしも間違えて女湯に入ってきたならこれの餌食になっていたかもしれない。というか多由羅さん、あなたタスカービレを何だと思ってるんスか!
「門下生連れて温泉付きの追加特訓、後はお風呂入ってさっぱりって時に……あのエロ猿どもーっ!」
ざばん、とこちらは湯に入ったばかりのウーナ。一応猿どもを弁護すると、覗きに来たわけではないが。
「さ、最低限武器と盾と靴っ…」
ディーナは手を付いてわたたっと湯船から出ると更衣室へ一直線。お尻が可愛い。
「私の武器も頼みます!」
「え? ええーなの!」
多由羅、武器もなくいくつもりだ。ディーナがうろたえるのも無理はない。
そして妙に手早いのが、彩萌。
「こんな格好で戦う事になった不運を恨みます。なので、一刻も早く殲滅します」
くるっとバスタオルを体に巻き、武器を携帯している愛用のコートを羽織った。クールな恨み顔も慣れた風なカッコよさ。
これが、兄被害で訓練された妹!
「ミッション追加! エロ猿どもを掃討せよっ!」
ウーナは男湯に向かって叫んでいる。すでに先ほど脱いだ装備を装着している。体は濡れているが。
「えーっ!」
「グダグダいうな、急いげ!」
多由羅たちとどどどーっと出撃するウーナだった。
●
時は若干遡り、旅館までの道のりで。
「皆さんを残して道場で村人たちに演武をしてもらったのには、一度に旅館に行っては向こうも大変だとということでもあります」
ハンス・ラインフェルト(ka6750)が引き連れた門下生を振り返り言う。
彼らは居残り訓練をして、新たに移住を希望する人たちに村を守る流派たる青竜紅刃流を披露していたのだ。重要な役目だが、温泉抜きは可哀想なので遅れて連れてきている最中である。
その時。
――きーっ、きっきー……。
遠くで猿の鳴き声と多数の移動する気配。旅館に向かっている!
「ハンスさん!」
「門下生の皆さん……」
どうする、と視線が集まる中、ハンスは落ち着いて――あるいは、いつもの彼の仕草そのものかもしれないが――すらりと大剣「獄門刀」の柄に手を掛けた。これを見て動揺していた門下生も落ち着いて腰に帯びた木刀や剣に手を掛ける。
「抜刀」
静かに言葉に気迫がこもる。
ハンスの号令で門下生らは獲物を抜き放った。
「……おっとり刀」
「おおっ!」
突撃命令に怒涛の如く旅館へと向かう!
そして霧の発生した旅館の芝生広場。
多数の鬼ザルの襲来を食い止めるべく、鑑が単身戦っていた。敵の襲撃を遅らせるような荒い戦い方だ。実際、五、六匹を引き付けていたが敵の総数はその十倍程度。あっという間に突破されていた。
いや、中からほかの仲間が出て来た。
多由羅だ!
「多由羅!」
気付いた鑑が叫んだのは、頭を包んだ虎皮布と乗せていた手ぬぐい以外素っ裸で武器すら持たない格好に気付いたから。
「お前、服くらい着ろって。肌が傷つくだろ!」
「そう。服どころか武器さえありません。……いえ」
走っていた多由羅、鑑の言葉にきっと前を見据える。頭に乗せていた手ぬぐいを手にした!
「刀がなくとも、多由羅は「剣士」であるということをお見せしましょう…!」
白く濃くなる霧が大事なところを隠す中、ぴんっと両手で手ぬぐいを伸ばし構える。
そこへ棍棒を持った鬼ザルが襲い掛かるッ!
「はっ!」
多由羅、伸ばした手ぬぐいに遠心力を掛けまるで剣のように扱う。同時に自身は右に流れた。
攻撃と見せ掛け間合いを先に潰した、先の先を取った威嚇である。
「多由羅、失礼するぞ! これを使え!」
鑑、この動きを読み多由羅の背後を取ると頭の虎皮布を奪い彼女の腰に巻いた。さらに自身の鉢巻きを取ると胸に巻いて大切な部分を隠す。最後に投擲用簪を渡した。
「お借りします!」
あえて攻撃を受け簪を掴み逆手で持つと、円舞の動きでいなして敵の急所を狙い刺す。湯上りの上気した肌が、腰の虎皮布が艶めかしくちらっ、ちらっ。トップのみを隠した鉢巻きが外れないのは奇跡的だ。
ただ、鑑の移動により戦場バランスは大きく崩れた。
もともと鑑のいた中央以外に回り込まれていたのだが、これで温泉に近い右翼以外は怒涛のように押し寄せられることに……。
いや、戦場を右翼から左翼に一直線に走る多数の影があるッ!
「門下生、壁作れーっ!」
「おおーっ!」
チャイナドレスに胸当「プリムラ・コルセット」を付けたウーナの指令の元、門下生集団が旅館を守るべく戦場を横切ったのだ。
「あのこん棒…当たると痛いよ! 鑑センセ、加勢に来た!」
「ウーナ、すまんな」
ただ、一番遠い左翼までは止めることができない。
あえなく突破され……いや、三つの光条が一気に伸びて鬼ザルを横から吹っ飛ばしたぞ!
「こんな格好では湯冷めしてしまいます。一刻も早く、排除しましょう」
湯上り彩萌だ!
しっとり黒髪にほっこり湯煙。しかもバスタオルのみ。機杖を片手で掲げてデルタレイをぶっ放したが、もう一方の手は髪を撫でつけている。まさにいい雰囲気!
これは猿に襲われても文句は言われない……。
「わたしに、触れるな!」
あ。
バスタオルの上に羽織ったコートに敵の攻撃が引っ掛かってはがれたが、その瞬間激怒した。ちょっと肌に猿の体毛が触れたようで。
光の障壁に雷撃を纏わせ、身を守ると同時に敵を弾き飛ばす。
この頃には門下生も一番遠い敵に到達。陶器窯などある作業場に入った猿を追った。
そんな乱戦のさなか。
♪
振り向くな 立ち止まるな ボクも後ろについて行く
♪
明るく勢いのある歌が流れる。
小鳥だ。
余裕のある者が振り返り、意外そうな顔をした。
「温泉を邪魔したお猿さんにはしっかりとお仕置きしないとだね♪ でも今日は…私の歌を聞けー! なんだよ♪」
小鳥、そんな味方に呼び掛け右手と左ひざを上げチアポーズ。なお、服装はバスタオル。
目立った分サルに目をつけられたが……。
「この娘さんはやらせん!」
門下生のおっさんが必死にディフェンス!
「よくやった! いいか、相手に連携させない! 連携する! やられる前に袋叩きっ!」
これには指揮するウーナも手放し。その間にも自ら手本を示すように敵に回り込み、分断し、斬り付ける!
「お、おおーっ!」
味方の気合いの入ったディフェンスと普段厳しいウーナの誉め言葉に味方の指揮は大爆発だ。
小鳥、引き続き歌う。
そんな様子を見て彩萌は微笑した。蒼機剣「N=Fシグニス」を抜き、光刃が伸びる。
「動かない的は確実に仕留めてください。わたしたちは動く的を優先して排除します」
円舞で身をひるがえし半身の姿勢で水平構え。駆け抜けがてらにばっさばっさとサルを斬る。
猿どもは周囲の戦況変化について行けずだんだん動きが止まっていく。
「旅館には入れさせません!」
さらに彩萌、蒼機剣の光波で遠くの敵も撃つ。
●
この少し前。
「急ぐですの~」
更衣室でばさっとふわふわキャミソールを頭からかぶり足を踏み代え下着もはいたディーナ、靴を履くと髪をなびかせ最前線に弾かれたように駆け出した。
目指すは包囲された中、簪を手に戦っている多由羅。サルの死体も転がり足場も悪くなっている。近くで鑑も戦っている。
「鎧帽子なくても威力は十分なの!」
まだ遠くはあるがホーリーメイスを掲げてセイクリッドフラッシュ!
包囲の穴をぶち開けると、振り向いた多由羅の元にたたたーっ。
「持ってきましたの!」
「助かります。刀が手に入れば遠慮はいりません!」
大太刀「鬼霧雨」をディーナから受け取った多由羅、早速大きく振るって円舞を挟むと……。
紅蓮斬、紅蓮斬!
先ほどよりさらに猛威を振るい始める。
「敵を固めて貰って助かったの、まだまだ敵が多いの!」
ディーナの方は鑑に駆け寄りセイクリッドフラッシュ。これで鑑、フリーになった。
「ディーナ、助かる!」
「イ寺さんの方が小回り効くのよろしくなの!」
二人の狙いは同じで、門下生の幅広い援護だ。ディーナは棍棒攻撃を籠手で受ける。一人ででも大丈夫だ。
「分かった!」
陶器窯などある作業小屋方面へと急ぐ。
「近寄るならこうですの!」
敵を引き受けていた鑑がいなくなった分、接近されもしたがメイスをぶうんと振り回して吹っ飛ばしてから、ぴかーとセイクリッドする。
「ん、乗ってきたしアンコール行ってみよう、だよ♪」
離れた場所では小鳥がさらに踊って歌っている。
「動かない的は確実に仕留めてください。わたしたちは動く的を優先して排除します」
彩萌もうまく攻性防御を活用し敵を止め門下生と連携している。
「これでこそタスカービレ!」
多由羅も剣を存分に振るっている。とても充実している。
これで広範囲の戦線維持の態勢が完全に構築できた。
そして敵後背からはついに到着したハンス隊が突入開始!
「覚醒者はこれを持って旅館内を」
ハンス、門下生の中の少ない覚醒者に魔導スマホを渡して行かせる。
そして自身も門下生をフォローするように大剣を振るい戦う!
「棍棒を刀で受ければ最悪折れます。今回は多対一ではありません、多対多の乱戦です。目の前だけでなく背後の殺気にも気を配りなさい。目の前の鬼ザルにしか気を配っていないと……」
言ってる傍から遠くで孤立した門下生が背後を取られていた。
――どしゅっ……。
「死にますよ?」
すうっと細められるハンスの目。
いま彼の振るった、空を切ったかと思われた剣は見えない剣戟として遠く孤立した門下生の背後の敵に届いていた。
次元斬である。
「歌はここまでかな? 残ったお猿さんは、直にお仕置きさせて貰うよー! 多少遠くにいても届くんだからね♪」
「小鳥ッ!」
歌っていた小鳥も次元斬。
さらに右の魔剣と左の禍炎剣の二刀流で近くの敵にも斬り付ける。
ただ、動きの質が変わった勢いでタオルがはらり。もちろん霧が立ち込めているが。
「そこっ、貸し一つね!」
「私か?!」
そこをウーナが射撃で援護。小鳥のタオルを背後から支えてやっている鑑、はなはだ遺憾。
やがて敵は数えるほどになる。
――くる、どしゅっ。
「森のほうも確認する必要がありますね」
ハンス、半身で敵の棍棒をかわして鋭く横に薙ぎバックステップ。血しぶきを避けると周囲を確認し森へと視線を向けた。指揮する敵がいるかもしれないし、撤退するなら回り込んでおきたい。
そう。
戦況はもうそのくらい落ち着いていた。
「いま回復しますの!」
ディーナが門下生のため、ヒールの柔らかい光を放っている。
残った敵は……。
「殲滅、完了」
蒼機剣の光の刃を消す彩萌。
立ち姿の背後には、サルの屍が累々。
「……なんだ、この格好は」
多由羅、ここで初めて自分の格好に気付いた。細い鉢巻きは奇跡的に最後まで大切なところを隠していたようで。
●
「ふぅ、動いてすっかり湯冷めしちゃったんだよ。もう一回温まらないと♪」
小鳥が改めて湯に漬かってほっこりしている。
「ひと騒動起きた後だからこそ、ゆっくり入れる温泉はいいですね」
彩萌も一緒で、手で髪を撫でつけキレイキレイしている。
「なかなか良い物でした」
多由羅、鑑から渡された投擲用簪を面白そうに弄っている。
「そういえば鑑センセは?」
ようやく温泉にのんびり浸かって幸せそうな顔をしていたウーナがはたと気付く。
その頃、鑑。
「こんな大集団で襲ってくるのはおかしいの。このまま山狩りに……へくち」
個室の布団でディーナが力なくぐったりしていた。
「完全に湯冷めだな……ほら、そんなことはいいから」
鑑、ディーナの看病をしていた。ほら、とミカンの皮をむいて差し出すと「ふへへ」と幸せそうな顔をしてぱくっと食べる。
もう一人、ハンスもここにいた。
「何かが森の中で起きている可能性が高いでしょう…速やかな山狩りをお勧めしますね」
「そうだな」
頷く鑑。
外で後始末をする門下生たちの作業ももうすぐ終わる。
この後、旅館周辺の森を確認したが特に異常がない。
もしも森の中で何かが起きているならば、かなり奥のことでしっかりした準備をしたうえでの山狩りが必要となるだろう。
依頼結果
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マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/01/11 00:44:50 |
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お風呂からの出撃? ディーナ・フェルミ(ka5843) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/01/11 23:59:02 |