クリスとマリー かぞく

マスター:柏木雄馬

シナリオ形態
シリーズ(続編)
難易度
やや難しい
オプション
参加費
1,800
参加制限
-
参加人数
6~9人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
締切
2018/01/26 19:00
完成日
2018/01/31 19:44

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

「聞けば、オードラン伯爵にはクリスティーヌ嬢の他にお子がおられぬとか。どうですかな? うちの三男坊などを婿に取られては?」
 まだ軟禁が始まる前。クリスらに対する侯爵家の感謝を顕す宴席で、ダフィールド侯ベルムドが発した冗談口に、三男ソードが示した表情は『怒り』と『屈辱』であった。
 自分が憎からず思われている自覚があっただけに、その表情はクリスに強く印象に残った。それが顔に出ていたのだろう。次男のシモンが(食事の皿を片付けながら)事情を説明してくれた。
「……以前、現侯爵が戯れに僕ら兄弟に家督争いをけしかけた事はご存知ですか? 僕ら自身にしてみれば『何言ってんだ、この親父は』くらいの感覚でしたけどね。僕らよりもむしろ母たちがその言葉を本気に取ってしまった(僕ら四兄弟全員、母が違うことは以前、話しましたよね?)。特に三男のソードの母な突如降って湧いた機会に、特に死に物狂いでね。まだ幼かったソードは期待に応えようと必死に鍛錬を重ねてね…… 母たちも僕らに無茶を言うようになって、そんな人間模様を父はまた面白がって……」
 結局、戯れに始まった継承レースは、ルーサーの母オレーリアの事故死によって自然消滅的に立ち消えた。最愛の側室を亡くした侯爵は他の母親たちをオーサンバラから遠ざけ、長男であるカールに秘書を任せるようになった。
「それで話は終わったはずなんですが、当時、幼かったソードは今でも本気で家督を継ぐことを狙っている。何の決着もつけないまま後継者の椅子に座っている兄を許さず、世俗の権力に興味を失くして勝手にゲーム盤を下りた僕を恨み、今でも父に認められようと一人で戦いを続けている」
「……だからこそ、冗談でも自分をよその家へ婿に出そうとした父親の言動が許せなかった、と……」
「本人も分かっているのでしょうがね。でも、その挙句、結果的に母親から引き離されることとなったあの出来事を、本人なりに『無駄』にはしたくないのかもしれません」


 軟禁のきっかけは、マリーがルーサーを連れ出した『家出』であった。
 ダフィールド侯ベルムドは、それを『子供のしたこと』と笑って片付けたりはしなかった。その怒りは主であるクリス、そして兄弟たちへも向けられた。
「山には熊や猪も出没するのだぞ!? そんな危険な場所へルーサーを連れ出すとは……オードラン伯爵家は使用人にいったいどんな教育を施しているのか! お前たちもだ! ルーサーは化け物に襲われたと聞いたぞ!? 失態だ! 何をやっているのか!」
 その日から、クリスは侯爵家にとって『ルーサーの恩人』から『交渉の為の手駒』に変わった。長男のカールは事あるごとにクリスと面談し、事態は既にダフィールド侯爵家とオードラン伯爵家の間の政治問題となったことを告げ、打開の為の譲歩をクリスに対して迫って来た。具体的には、侯爵家に有利な条件での協商関係の締結だ。
「……伯爵家の当主はオードラン卿です。私には領地のことを決める権限は何もありませんので……」
 事態は急速に悪化していた。クリスは『伯爵家へ状況を報せる』という名目で、マリーを実家に遣いにやることにした。侯爵家に断る理由はなかった。クリスが残るというのであれば、その孤立化はむしろ彼らの望むところである。
「嫌だよ、クリス! 貴女を残して私だけ先に帰るなんて……!」
「落ち着きなさい、マリー。一番大切なことが何なのか……あなたは貴女のすべき仕事を為しなさい」
 かくして護衛のハンターたちと共にマリーはオードラン伯爵寮へ向けて旅立った。
 クリスの予想通り、事態は更に悪化した。共に旅をしてきたリーアが、職質を拒否して秘密警察官を殺して館から逃げたのだ。彼の正体は王都の諜報員──スパイであった。それをシモンから聞かされたクリスは鳩が豆鉄砲を喰らったような顔で運命の皮肉を呪った。
 軟禁が始まった。クリスは『国事犯の仲間』という疑いを掛けられ、より警戒が厳重な上のフロアへと部屋を移された。侯爵家の人間が顔を見せることもなくなり、食事の時も礼拝の時も秘密警察の職員が四六時中監視につくこととなった。
 館に残ったハンターたちとの連絡も完全に絶たれた。さり気なく耳に入れられた噂話によれば、彼女らは村人の依頼で里山の化け物退治に出掛け、以降、帰ってきていないという。
 クリスの孤独な戦いが始まった。昼間は一日中、秘密警察の取り調べ。夜は夜で点呼の度に見張りに扉をガタガタ鳴らされ、まともに眠ることもできない日々が続いた。
 それでも、マリーが伯爵領につくまでの辛抱だと頑張った。だが、秘密警察はその心も折にきた。
「貴女の使用人──たしかマリーと言いましたか。どうやらまだ侯爵領を出れずにいるようですね。旧子爵領のフォルティーユ村で革命騒ぎに巻き込まれているようで」
 その言葉は二つの意味でクリスの心を打ちのめした。一つはまだマリーが故郷に帰れていないこと。もう一つは、そのマリーに侯爵家の監視がつけられており、その同行を完全に把握しているということ── それはつまり、マリーの安全が未だ侯爵家の掌中に握られていることを意味していた。
 クリスは部屋で神に祈った。縋るものは最早それしかなかった。心は既に折れかけていた。もう助けなどどこからも来ないかもしれない。それならば、いっそ……

「クリスーーーッ!!!」

 その時、館の庭から声がした。大きな、懐かしい声だった。

「誰に何を言われてるか知らねーですが、負けたりしやがるんじゃねーですよッ! おめーは決して一人なんかじゃねーんですからッ!」

 ……それは行方不明になったと聞かされていたハンターたちの声だった。クリスの両目から涙が零れた。そうだ、私たちはまだ負けてない。ならば私も私の役目を果たすまで──

「侯爵家は君を助けることが出来る。今現在の婚約を破棄し、ソードを婿に迎えることをオードラン伯爵に納得させればいい。そうすれば君は侯爵家の身内──すぐにでもここから出ることができる」
 最早クリスが限界であると察したのであろう。監視に袖の下を渡して面会を果たしたシモンが、熱の入った真剣な声音でクリスを説得に掛かった。
 クリスは沈思した。……今、自分がすべきことは、マリーが無事伯爵寮に帰るまでの時間を稼ぐこと。そして、可能ならばその帰還までの道筋をつけること──
「……それは即ち、『私と』侯爵家の人間が結婚すれば良いということですか?」
 わかりました、とクリスは言った。
「ただし、婚約者はソード殿でなくルーサー君にしてください」

 条件を聞いたシモンは早速、ベルムドにそれを伝えた。
「ダメだ」
 クリスの出した条件を侯爵は言下に拒絶した。そして、子供たちがいる前ではっきりと明言した。
「ルーサーは侯爵家を継ぐのだからな」

リプレイ本文

「これはいったい何事か──?」
 深夜、フォルティーユ村の食糧庫前。謎の襲撃者たちを退けた直後── 騒動を聞きつけて駆けつけてきた銃騎兵隊の指揮官たちは、揺れる炎に照らし出される半異形の死体に目を丸くした。
 問い質された村長は仕方なくそれまでの経緯を話した。村外から来た革命派が村に滞在していたこと。彼らが村の食糧倉庫に火をつけようとしていたこと。ハンターたちの活躍でそれを未然に防いだこと。そこへ謎の襲撃者が襲い掛かってきて、革命派が逃げ散ったこと──
「襲撃者の正体はわかりません。おそらく何かの依頼で私たちに恨みを抱いた『堕落者』か何かでしょう」
「襲撃のタイミングが偶々重なった…… この村とは関係ありません」
 ヴァルナ=エリゴス(ka2651)とユナイテル・キングスコート(ka3458)が続けてそう説明する。
 だが、村に革命派がいたという事実だけで兵たちは騒然となった。自分たちは今まで暢気に『敵』のど真ん中で宿営していた──しかも、実際に事を起こさんとし、その所在も分からぬとは……
「何てことだ。一刻も早く食糧を徴発してこの村から出ていくべきだ」
「待て。この村は我らの後方線なのだぞ? 革命派は狩り出さねば」
 いっそ村ごと焼くべきだ──幕僚の一人が発言すると、今度はその場にいた村人たちが騒然となった。
「過激だなぁ! 村を焼いたら、食糧庫に火をつけようとした連中と一緒だよ!」
 レイン・レーネリル(ka2887)が思わず声を上げると、村人たちから賛同の拍手が上がった。対する軍からは怒気の陽炎が。襲撃者に見張りを殺された直後だけに殺気だっている。
 ルーエル・ゼクシディア(ka2473)は嘆息した。軍も、そして過激派も、極端な手段に走りたくなる気持ちは分かる。追い詰められた心はそれが最善で最短の道だと錯覚してしまうから。しかし……
「村を焼くだなんて……この部隊にも地方出身者はいるでしょう? 故郷を失うことがどれだけ辛いか、分からないはずがない」
「そもそも、賊に『脅かされていた』自領の村を焼き払ったなんてことになれば、侯爵様の統治能力が疑われることになりかねません。それは指揮官殿としても望むところではないのでは?」
 ヴァルナの言葉に我が意を得たりと、銃騎兵隊の隊長は「まったくもってその通り!」と阿吽の呼吸で言い切った。
「しかし、隊長……」
「しかしもかかしも無ぇ! 既に予定は押しているんだ。村ぁ焼いてる暇なんざあるかい!」
 それが素なのか、べらんめぇ口調になった隊長が問うと、幕僚たちは皆沈黙した。それを確認して、隊長がハンターたちを振り返る。
「で、お前ぇさん方。具体的にはどうやって解決するつもりだい? 俺としちゃあ、行軍予定と部下たちが守れるんならそれで構わねぇ」
 ハンターたちは隊長にタイムを貰うと、一旦、自分たちだけで相談を始めた。
「……事態を収拾するには、やはり村外の過激派を捕らえるしかないと思います。野放しにしておいては侯爵軍のみならず、村としても危険でしょう。何せ手段を選ばない手合いなわけですし」
「同感です。我々としてもこんな所で足止めを喰らっている場合ではないですしね」
 ヴァルナの提案に、コクコクと力強く頷くユナイテル。
「そう、村は封鎖されている…… つまり、逃げ道が無いんだよね? それって『袋のネズミ』って言うんだっけ?」
 マリーがおずおずといった感じで発言すると、ヴァイス(ka0364)は「よく知ってるな」と感心した。確かにリアルブルー出身の戦友たちがそんな言葉を使っていたことを思い出す。
「で、リアルブルーにはもう一つ、ネズミを使ったことわざがあったよね?」
「『窮鼠猫を噛む』、か? なるほど、マリーの言いたいことは分かった」
 つまり、逃げ場のない革命派は必死。逃げる為ならそれこそ手段を選ばないだろう。それを防ぐ手立てをどうするか……
「うにゅ…… おねーさん、知恵熱で頭から湯気出して溶けちゃいそう…… もし、レインスライムになっちゃったら、ルー君、海に帰してちょうだいね」
 スライムって塩水で生きていけるのかな? と心の中でツッコミを入れるマリーを他所に、レインはうんうん唸りながらレーリの方を向いて訊ねる。
「ねぇ、君の学友たちが好んでいた場所とかよく行っていた場所とか、心当たりない? 手当たり次第でもいいんだけど」
 レーリは腕を組んで考え込んだが、やがて頭を横に振った。元々、この村に来て日が浅い村外の革命派たちには詳しい土地勘など無いはずなのだ。昼の家探しの時点で心当たりは全て潰している。
「……では、人海戦術しかありませんね。逃走先の目星もつかない以上、仕方ありません」
 ヴァルナの言葉にハンターたちは頷いた。後はこの状況下で窮鼠の被害(彼我双方の)を減らせるかだが……
「隊長殿!」
 ユナイテルとヴァイスが立ち上がり、軍と村人たちの方へと向き直った。
「私はユナイテル。隊長殿と村長殿に折り入ってお願いしたいことがあります」
「……何かな?」
「革命派の者たちを、軍と村人たちとハンター、三者の官民共同で狩り出す許可をいただきたいのです」
「ついては、隊長と村長とで、軍と村人たちの中から信頼できる者を選出してもらいたい」
 ユナイテルとヴァイスの提案に双方がざわついた。なぜわざわざ一緒に捜索を、と漏れ聞こえてきた彼らの疑問に、ユナイテルが毅然と、ヴァイスがボリボリ頭を掻きながら嘆息混じりに説明する。
「村内を捜索するのです。村のことについては、この村の人たちの方がずっと詳しい」
「逆にいざ革命派と遭遇した時は、兵隊たちの方がずっと上手く戦える。それでも互いを信用できないって言うなら、俺たちハンターが間に立ってやる」
 二人が告げた内容に、軍と村人、互いに対する表立っての野次は止んだ。それでいい、と隊長はハンターたちの提案を了承した。一方の村長は返事を渋った。革命派の狩り出しに参加する村人が危険に晒される可能性を危惧している。
「では、『狩り出す』のではなく、投降を『説得』しに行くというのはどうでしょう? 最初から戦う前提でなければ、互いに怪我人も減る」
 ルーエルはそう村長に助け船を出した。村人たちは、一度客人として迎えた革命派を手の平返しで『狩り出す』事に抵抗を感じている。
「説得だと? そう上手くいくものか」
 反発する幕僚に、ルーエルはそこは条件次第かなぁ、と答えた。
「で、村長さんと指揮官さん。彼らに説得を促す為にどれだけの『譲歩』ができますか? 流石に『身柄は即刻軍に引き渡す』だと交渉も何もあったもんじゃないですし」
 村長は少し考えて、革命派を軍に引き渡すのではなく、この村の法で裁くというのはどうか、と提案した。それは妥協案であると同時に、村人にも革命派がいたという事実を隠蔽する為でもあった。
「戦が終わるまでこの村の牢に繋ぐ──これなら、『即決軍事裁判で処刑』よりは降り易いと思うのですが」
「俺ぁ別に構わねぇぜ」
「駄目です、隊長! この村は我らの後方線。万が一、村ごと蜂起されでもしたら敵中で補給が途絶します」
 だから村ごと焼き払っていけば、と話を蒸し返す幕僚たちに、マリーがおずおずと手を挙げて隊長に申し出た。
「……だったら、この村の食糧(保管分)を全部徴発していったらいいんじゃないかな? そうすれば蜂起なんて絶対に出来ないし、万が一補給が途切れても部隊には十分な食料が残るでしょ?」
 ……その場にいた全員が声を失った。
 なぜなら少女は全くの本気だったのだ。
「その代わり、村に到着する輜重の食糧は全て村に頂戴。侯爵閣下と侯爵軍と銃騎兵隊と隊長さん個人の名誉に賭けて。でないと、冬が越せなくなっちゃうから」

 結論から言えば、マリーの提案は却下された。実のところ、部隊が所持できる兵糧の量には限りがあったし、荷が重くなりすぎればそれだけ足が遅くなる。村としても冬越しに必要な食糧全てを渡すなどという無理を通せるはずもない。
 それでも、マリーの提案を元に、可能な限りの糧食を部隊に融通することで両者の話し合いは決着した。それは村にとって『軍を信頼する』という証を立てると同時に、『軍からの信頼を買う』ということも意味していた。
 隊長は正式な文書でもって、後方の輜重から食料を『返済』することを約した。輜重部隊がそれを守るかはまだ不安だが……まぁ、まだ軍に露見していない『革命派が集めた隠し食糧』があればどうにか冬は越せるだろう。

「騒ぎにならないよう内々で済ませたかったのですが……なってしまった以上は仕方ありません」
「マリーちゃんと一緒に旅をしたかっただけで、こんな事態は想定してなかったんだけどなぁ…… 人生はままならないねー」
 頬に手を当て嘆息するヴァルナの横で、頭の後ろで手を組んで葉っぱを加えて歩きながら、レイン。表には出さず、しかし、絶対に焦っているはずのマリーにチラと視線をやり……その両肩をポンと掴んで後ろから顔を覗き込む。
「でも、生きてるとこんな事はしょっちゅうだからね! だから落ち込まないでね。年齢不詳なすーぱーえるふからのアドバイス!」
 パチリとウィンクと共に励ますレイン。マリーは「ままならないねぇ」と苦笑しながら、空の彼方を眺めやる。
 そんなマリーたちを見やって、ヴァルナは「昨晩の襲撃さえ無ければ」と呟いた。
「……マリーには必ず誰かをつけていた方がいいね」
 マリーに聞こえぬよう、ルーエルが小声で呟いた。分からないことだらけの中で、ただ一つ確かな事──あの謎の襲撃者たちは、わざわざ見張りを殺して村に侵入し、自分たちを襲ってきた。
 ヴァルナも表情を硬くした。もし、アレが堕落者だった場合、その背後には歪虚がいることになる。

 かくして、『官民共同』で組織された捜索隊は夜明けと共に出発した。
 ハンターたちは各班に広く浅く配置された。ヴァイスは愛犬の『ワンコ』を連れてその捜索に加わった。
「村の為にも、軍の為にも、早く奴らを見つけないとだな」
 わしゃわしゃとワンコを撫でながら、ヴァイスは村人たちに潜伏し易い場所を聞いた。昨日、レーリに教えてもらった場所に連中が戻っている可能性は低いが、一応、灯台下暗しを避ける為に真っ先に捜索して可能性を潰しておく。
「レーリさんには革命派の面通しをお願いします。辛い役目かもしれないですけど……」
 ルーエルが慰めるように言うと、レーリは苦渋の表情で小さく頷いた。彼が今、こうして拘束されていないのは、村長たちが必死で軍を説得してくれたからだ。

「まだそう遠くへは行っていないはず…… 徹底的に炙り出します!」
 騎乗したユナイテルが軍の騎兵隊と共に村内を駆け巡り始めた。馬の蹄の音も高く、村中に響けとばかりに大声で檄を飛ばしながら、『敢えて』自分たちの存在を報せるように──
 その接近を察知した潜伏中の過激派たちは、息を潜めてその騎兵たちをやり過ごすと、捜索の手が及んできたことを悟り、潜伏場所を変えるべくそっと移動を開始した。
 その微かな物音や気配をハンターたちは見逃さなかった。
 行く手に待ち受けていたヴァルナの班と出くわし「あっ!」と踵を返した革命派たちは、しかし、既に包囲を終えていたヴァイス班に取り囲まれている。
 誰よりも早く彼らに襲い掛かったヴァイスが、槍を棒術代わりに抵抗する革命派を手早く無力化し。逃げに徹する者たちは『瞬脚』を使ったヴァルナがその背に追いつき、取り押さえる。
 その場にいた逃走者たちは、ほぼ全員がハンター2人の手によって捕縛された。ヴァルナは心の中で呟いた。──人死にを出すわけにはいきませんからね。軍や村人たちには手出しをさせません──
「まだ油断するな。周辺に仲間が隠れていないか見落とさないように」
 ヴァイスは兵と村人たちに周辺の捜索を指示すると、自身は捕らえた革命派に歩み寄った。
「他の仲間はどこにいる……?」
「……」
 次の瞬間、革命派の耳元で木の幹が砕ける音がした。ヴァイスが目にも止まらぬ速さで顔の横に槍を突き出したのだ。その得物からはヴァイスの内なる静かな怒りを示すように、立ち上った炎気がゆらゆらと揺れている。
「……もう一度だけ訊く。仲間はどこだ?」
「しっ、知らねぇよ! 本当だ! 昨晩、散り散りになったきり、他の連中とが会ってねぇ!」
 ……ヴァイスは凄みのある表情で革命派を見下ろしてその様子を伺っていたが、怯えて震える様からどうやら嘘は言っていないと判断した。
(ってことは、村中に散っているってことか……こいつは面倒なことになりそうだぜ)

 ヴァイスの予感は当たった。
 多くの革命派が捕らえられていく中、残された革命派たちは追い詰められ、なりふり構わず逃げようとした。
 村外れの家屋では、食べ物目当てで忍び込んだ革命派が家族を人質に立て籠もり、ルーエルとレインが説得に当たっていた。立て籠もり犯は強気──というより焦燥から強硬な主張を繰り返していた。
 そこへ遠くから鐘の音が聞こえて来て、ルーエルは嫌な予感と共に振り返った。
 冬の寒色の空に高く立ち上り、風に棚引く煙が見えた。革命派の一部が逃走の為に、村の家屋や枯草の束に火をつけたのだ。
「……自分たちが逃げる為に村人を人質に取り、あまつさえ村に火をつける…… これがあなたたちの言う革命ですか?! それは何の為、誰の為の革命なんですか?!」
 ルーエルの怒りに立て籠もり犯は色を失くした。やがて、冷静さを取り戻したルーエルの説得に、冷静さを取り戻した犯人が応じた。最終的には、軍には引き渡さないという条件が決め手となった。
「君にはたーんとお説教をしたいところだけど、まずは……!」
 レインはルーエルと頷き合うと、火事を収める為にそちらへ走り出した。

 一方、火の放たれた現場── ユナイテルは兵と村人たちに消火を優先させるよう指示を出すと、自らは単騎で逃げた犯人たちを追っていた。
 最早、手加減するつもりはなかった。ユナイテルは走って逃げる犯人たちに馬を走らせ追いつくと、骨も折れるくらいの勢いで鞘に収まった剣を振り下ろした。
「投降せよ! 逃走および抵抗すれば騎士の名において叩き斬る!」 
 だが、その叫びは恐慌を起こした過激派たちには届かない。怒りに燃えるユナイテルは舌を打つと愛馬に拍車をかけ……結局、全員の骨を折ってその捕縛を完遂することとなった。

「この連中が革命派です。村の潔白の証です」
 後ろ手に縛られ、集めて座らされた革命派たちを示しながら、ユナイテルは村の広場に集まった軍の幕僚たちにそう告げた。
「これで全員ですか?」
「……『学友』がいない」
 ルーエルに問われて答えるレーリを睨みつける革命派に、ヴァイスはあいつに感謝しろ、と言った。お前たちを引き渡さずに済むよう計らったのは彼とこの村の人々の尽力によるものだ、と。
「まぁ、それくらいなら構うめぇ。時間も無いしな」
 隊長の決断により、食糧を徴収した銃騎兵隊が出発する。

 村の封鎖は解除された。実に数日ぶりのことだった。


「事ここに至っては穏便に済ませられそうにない。もはや問答無用──こちらで勝手に出ていかせてもらおうと思うが、如何?」
 昼下がりの紅茶の時間。館の中庭のテーブルにて── アデリシア=R=エルミナゥ(ka0746)はシレークス(ka0752)とサクラ・エルフリード(ka2598)に己の考えの是非を問うた。
 その声に常の穏やかさはなかった。冷徹──即ち、戦に臨む心持である。
「はい。私もそろそろ堪忍袋の緒が切れてきたところです。身体が鈍る前に運動といきましょう」
「信仰への冒涜、クリスへの不当な扱い…… 最早、贖うことすら許されないと知りやがれ、ってなもんです」
 サクラとシレークスの二人も元よりそのつもりであった。
 問題はそのやりようだ。3人はケーキを刺したフォークを手に作戦の細部を詰めていく……

「さて。色々吹っ切れたことですし、猫を被るのはやめるとしましょうかね」
 中庭に一人残ったシレークスは、指と首とをコキコキ鳴らすと、上着を一枚脱ぎ捨てながら寝椅子に逆さまに寝転がり。クリスの元へ届けとばかりに大声で聖句を唱えながら、いきなり腹筋を鍛え始めた。
 その大声に気付いた使用人たちが窓から中庭を覗き込み、そんなシレークスを見てザワザワと騒ぎ出す。上半身下着の様なシレークスの恰好は、素朴で信心深いオーサンバラの人々にはかなり刺激の強い恰好だった。
 人々の耳目が集まるその状況に、堪らず監視員が飛び出して来て、何をしているのか、尋ねた。
「何って……王都ではごく一般的なエクラ教徒の祈りの形態でやがりますが(嘘」
「そんな祈り、聞いたこともない!」
「やれやれ。オーサンバラは田舎ですねぇ」
 答えつつ、うつ伏せへと移行して背筋を鍛え出すシレークス。その上半身が上下する度にその豊かな胸が揺れ、チェアの上で挟まれ、たわむ……

 その騒ぎの間に、アデリシアは話し合った作戦内容を紙片に書き止め、庭先の石の下へと置いた。
 暫くして、空からばさばさ舞い降りてきたモフロウが嘴で石をひっくり返し、丸めた手紙を咥えて山を越え……村外の時音 ざくろ(ka1250)の元へと戻る。
「脱出作戦が決まったようです」
 肩に留まったモフロウから受け取った手紙を読んで、ざくろはその内容をリーアに伝えた。
「どう思う?」
 リーアに問われて、ざくろは少し考え、答えた。
「いい加減、なんとかしないと事態はどんどん悪い方に転がっていくだけだし…… オーサンバラの警備が手薄になった今なら」
 ざくろはモフロウで見てきたオーサンバラの警備状態を伝えた。これまで山狩りに従事していた村人たちの動員は解除され、それぞれ仕事に戻っている。この状態なら、館の馬を奪えば一気に距離を稼げるかもしれない。
「……決まりだな」
 リーアは頷くと、ざくろに今夜の決行を3人に報せるように言った。そして、準備を整えて夜を待ち…… 出発前、ざくろに手紙を渡した。
「もし俺に何かあったらこいつを王都に届けてくれ。もう今更かもしれんが、侯爵領の内情について記してある」
 ざくろは軽く目を見張ると、縁起でもないと言って受け取りを拒否した。
「それに、そんなものを持っていて捕まったら言い逃れできないじゃないですか。絶対に無事に戻って、自分で報告してください」

 そして、夜── 隣り村に潜り込んだリーアが廃屋に火を放ち、作戦は始まった。
 闇夜に煌々と燃える炎に照らされ、隣家の屋根に上ったリーアが怪盗よろしくその身を晒す。
「おい、あれ……」
「あの顔……手配書にあったスパイだ! スパイが火を放ちやがった!」
 村人たちが自分に気付いて騒ぎ出した事を確認して、リーアが闇の中へと身を投じる。
 一方、リーア発見の報を受け、オーサンバラの館に詰めていた秘密警察官の多くが叩き起こされ、おっとり刀で隣り村へと出動していく。
 それを闇の中から見届けて、再び静寂が辺りを支配した頃…… 館の近くまで潜入し、潜伏していたざくろは、周囲に人の気配が無いことを確認すると素早く館脇の道を駆け渡り、『ジェットブーツ』で一気に館の外壁を飛び越えた。
 転がるようにして着地の衝撃を逃がしながら、片手を地についた格好良いポーズで姿勢も低く身を起こす。
 懐中時計で時刻を確認して、ざくろは厩舎へ移動した。そして、閂を外して中へと入ると怯える馬たちの首を撫でて宥めながら、鐙などを装着して脱出の準備を整えに掛かる……

 同刻──
 懐中時計を見て時間を確認したサクラが、壁をコツコツ叩いて隣室へ合図を送る。
 それを受けたシレークスは「光よ、我らを導きたまえ」と神に幸運と加護を祈ると行動を開始した。
「すいません…… トイレに行きたいのですが……」
 ノックに応じて扉の覗き窓が開かれ、変わった様子が無いことを確認し。見張りは「少し待て」と窓を閉めて、廊下の突き当りにいる見張りを呼び寄せた。
 覗き窓が閉まった瞬間、シレークスは信じられない速度で寝間着を脱ぎ捨て普段着に着替えると、シーツを左腕にグルグル巻いて防具代わりに固定した。そして、扉のノブが動いた瞬間に『怪力無双』を発動。開きかけたドアを思いっきり蹴りつけて、反動で開いた入り口の向こう、強かに頭を打ち付け、倒れた見張り2人に躍りかかる。
「何をしている!?」
 アデリシアとサクラの部屋の前にいた見張り2人が慌てて抜剣し、同僚たちをボコボコに殴るシレークスを取り押さえんと走り寄る。
 だが、次の瞬間、サクラの部屋の扉がガァン! と大きな音を立てて、部屋の前の見張りは思わずそちらを振り返った。
 牢代わりに使われている頑丈な扉──だが、『怪力無双』を使ったサクラが三度、四度と角材(ベッドをバラして入手した)を破城槌代わりに打ちつける内に、ひしゃげ、砕け散る。
「筋肉の力、甘く見ないでください……!」
「な……ッ!?」
 驚愕する見張りに対し、某一子相伝暗殺拳継承者が如くマテリアルのオーラを噴出しながら、怪鳥の様な声と共に指先一つでダウンさせるサクラ。その間にシレークスは突っ込んできたアデリシア部屋の見張りの剣を『防具』で防ぐと、その握力で武器を落とさせ、徒手空拳で無力化する。
「相手はか弱い修道女、お手柔らかに願いやがるです」
 どの口で言うシレークス。サクラは見張りが持っていた縄で彼らを縛ると鍵を奪ってアデリシアの部屋の扉を開けると、出てきたアデリシアと入れ替わりに彼らを中へ押し込んだ。
 アデリシアは普段着を動き易いように改造していた。戦闘に支障が出るような動きにくい箇所に切れ込みを入れ……なんというかヒラヒラとけしからん格好になっている。
「装備は1階の倉庫に。ルーサーは3階、クリスは4階に囚われています」
 既に調べはついている。三人は頷き合うとそれぞれ行動を開始した。
 アデリシアは1階に降りると、物陰から倉庫前の廊下の様子を伺った。倉庫の前には一人しか見張りがいなかった。見るからに幼く、新人であることが見て取れた。
 アデリシアは意を決すると、一気にそちらへ駆け出した。突然の出来事に見張りは慌てた。そして、風を孕んでバラけた(ように見えた)服と肌に硬直し……その間にあっという間に組みつかれ、頸動脈を絞められて(なぜか幸せそうに)気絶した。
 アデリシアは哀れ(?)な犠牲者から鍵を奪って倉庫を開けると、中に入って自分たちの装備を探し、回収した。急ぎ法具と防具を身に纏い(露出度はあんまり変わっていないが)、残り2人分の装備を両脇に抱えて急ぎ階段を駆け上る……
「『アブソリュート・ポーズ』!」
 その間、サクラは3階の階段を駆け上り、誰何の声を上げる見張りたちにポージングと共に体内で練り上げたマテリアルの光を放っていた。謎の衝撃が見張りたちを襲い、昭和の漫画の如く吹き飛ばされて天高く舞い上がる。
「どうした!? いったい何があった?!」
 騒動に気付いて部屋の中から問うルーサーに、サクラは何も答えずにその扉の下に手紙を差し入れた。
 気づいたルーサーが手紙を広げた。そこにはハンターたちがこの館から脱出することが記されていた。もしルーサーも一緒にいくなら、クリスを助けてから迎えに来るので、その間に準備を整えておくように、とも──
 ルーサーは煩悶とした。昨日までであれば、一も二もなく彼らについていったろう。だが……
(家督が、僕に……?)
 四男のルーサーはそれまで政治に興味を持ったことはなかった。しかし、今の自分には目指すべき理想があり、侯爵家をそこに導ける立場が約束されている……

 アデリシアは3、4階間の踊り場でシレークス、サクラと合流した。そして、2人に装備を渡し、彼女らが着替え終える間、無防備な仲間を守るべく4階へと進み出た。
 この頃には流石に秘密警察も事態を承知するところとなり、4階にはそれなりの戦力が待ち構えていた。降伏を促す彼らに、アデリシアは逆に突っ込んだ。そして、狼狽える新人たちと数少ないベテランらを『セイクリッドフラッシュ』の光で吹き飛ばした。
「我々はクリスの護衛をハンターズギルドから正式に依頼として引き受けている。かかってくるというのなら、戦神の神官としてやすらぎの地へ送ってやろう」
 言いつつ、更に放たれる光の衝撃波── アデリシアの全身から溢れ出るその怒りと闘志に、秘密警察官たちは退却の命と共に4階から退いた。
「流石でやがりますね」
「演技とは思えない見事な恫喝でした」
 武器防具の装備を終えたシレークスとサクラが感心した様子で言うと、アデリシアは心底不思議そうな表情で「……演技???」と見返し、2人は(マジか)と顔を見合わせた。
 アデリシアは戦神の神官だ。無用な殺戮は固く戒めるところであるが、戦いとなれば一切手を抜くことはない。

 アデリシアが周囲を警戒する中、サクラが鍵を使って手早くクリスの部屋の扉を開けた。
 当然、騒ぎは承知していて、クリスは寝間着にショールを重ねて部屋の中に立っていた。最後に会った時と比べてその表情は少し疲れ、若干やつれているようにも見えた。
「……クリス、良く頑張りましたね」
「お疲れさまでした…… そろそろ軟禁生活にも飽きたので、逃走することにしました。一緒に行きましょう」
 そう手を差し伸べるシレークスとサクラ。クリスは嬉しいような、寂しいような、複雑な表情で込み上げる何かを押し留めると、姿勢を正し、微笑さえ浮かべてゆっくりと頭を横に振った。
「私は行けません。今、私が行ってしまえばマリーが危険に晒されますから」
 シレークスとサクラは固まった。まさかここで謝絶されるとは思っていなかった。
「し、しかし、今を逃せばもう脱出の機会はなくなってしまいます」
「私たちハンターを信じてください。マリーのことは皆がきちんと守ってくれやがります」
 二人の説得に、クリスは何かを言いかけた。しかし、無言のまま頷くと「40秒で支度します」と答えて部屋に戻った。
 40秒後。すっかり旅支度を整えたクリスが出てくると、3人は1つフロアを下ってルーサーの部屋の前へと戻った。
 部屋の前にルーサーはいなかった。扉には鍵が掛かっており、ノックしても呼びかけても中から応答はなかった。
「行きましょう」
 アデリシアがサクラに促した。時間はもうあまりなかった。
「独立独歩の種は蒔きました。どう育つかは土壌次第でしょうが、精々真っ直ぐに伸びて欲しいものです」
 サクラは扉にそっと手を当てると「いつかまた皆で」とだけを告げてその場を離れていった。

 1階まで下りた時、初めて秘密警察の組織立った反撃が行われた。武装し、態勢を整えた1個班による襲撃──警官隊はどうやら『殺害も辞さず』に方針を変えたようだった。
 狭い廊下にきっちりと隊列を組んでの短槍による槍衾。建物の中では突いて突いて突きまくるに限る──屋内戦闘に慣れた彼らは連携しながらきっちりそれを実践する。
 別の出口へ向かう回り道を考慮に入れ始めた頃、廊下の反対側から別の槍衾が迫って来た。挟撃される前に、と最初の槍衾へ強行するハンターたち…… と、その槍衾の向こうから現れた謎の人影が、無防備な槍衾の後衛を『デルタレイ』の光で薙ぎ払った。
「……ッ!?」
「ナイトの参上だよ! アデリシア! サクラ! やっと会えた……!」
 挟撃を受けた槍衾は脆くも崩れ去り、3人はその『ナイト』、ざくろと合流を果たした。
「いったいどうやって中に…… 扉には鍵が掛かっていたはずですが」
「機導術のちょっとした応用だよ。扉の隙間に盾を突っ込んで『超重錬成』で巨大化させたんだ。そうして壊した隙間に、後はてこの原理で、ね」
 答えてパチリとウインクするざくろ。そこへアデリシアがそっと身体を合わせた。それだけホッとしたのだろう。これまでずっと気を張り詰め続けていたから……
「さて、いつまでもこうしている暇はねーです。さっさと脱出しちまうですよ」
 背後の槍衾を親指で指し示すシレークスの提言に従って一行は館を出ると、厩舎の前へと辿り着いた。馬の準備はすっかり出来ていた。シレークスは鞍上へ飛び乗り、クリスを振り返る。
「クリス! 確か馬には乗れやがりましたよ……ね……?」
 その場にクリスはいなかった。代わりにいたのは、怒られる、と怯えた表情で立つ、猫の様な幻獣1匹……
「マリーのユグディラ!? まさか、幻術!?」
「クリス……! 館に残るつもりですか……!」
 驚愕している暇もなく、狭い裏口から飛び出してくる槍衾の警官隊── ハンターたちはユグディラを馬上に拾い上げると、そのまま館から逃走する他なかった。

 ……ユグディラの首には手紙が括りつけられていた。
 そこにはクリスの筆跡で、「マリーをよろしく頼みます」とだけ短く記されていた。


 封鎖が解かれたフォルティーユ村に、それまで止め置かれていた新聞や役場関係の書類が入って来た。
 オードランへ向かう準備を進めていたマリーは、しかし、その中の指名手配書に目を止め、驚愕する。
 手配書にはオードランに残った仲間たちの名前と似顔絵が記されていた。その罪状はスパイの手引きと、四男ルーサーの『誘拐』──
 だが、何よりマリーが気にしたのは、そこにクリスの名が無かったこと── その事実だけで、マリーはクリスの意図を正確に察していた。
「オードランには向かわない。行っている時間がない」
 マリーはハンターたちに目的地の変更を告げた。
「オーサンバラに戻る。戻ってクリスを助けなきゃ……!」

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参加者一覧


  • ヴァイス・エリダヌス(ka0364
    人間(紅)|31才|男性|闘狩人
  • 戦神の加護
    アデリシア・R・時音(ka0746
    人間(紅)|26才|女性|聖導士
  • 流浪の剛力修道女
    シレークス(ka0752
    ドワーフ|20才|女性|闘狩人
  • 神秘を掴む冒険家
    時音 ざくろ(ka1250
    人間(蒼)|18才|男性|機導師
  • 掲げた穂先に尊厳を
    ルーエル・ゼクシディア(ka2473
    人間(紅)|17才|男性|聖導士
  • 星を傾く者
    サクラ・エルフリード(ka2598
    人間(紅)|15才|女性|聖導士
  • 誓槍の騎士
    ヴァルナ=エリゴス(ka2651
    人間(紅)|18才|女性|闘狩人
  • それでも私はマイペース
    レイン・ゼクシディア(ka2887
    エルフ|16才|女性|機導師
  • いつも心に盾を
    ユナイテル・キングスコート(ka3458
    人間(紅)|20才|女性|闘狩人

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アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/01/25 13:53:58
アイコン 相談・・・
サクラ・エルフリード(ka2598
人間(クリムゾンウェスト)|15才|女性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2018/01/26 15:25:52