ゲスト
(ka0000)
珈琲サロンとぱぁずと常連
マスター:佐倉眸

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 4~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2014/12/08 22:00
- 完成日
- 2014/12/17 00:03
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●
自由都市同盟工場都市フマーレ、その商業区画の一角に佇む喫茶店珈琲サロンとぱぁず。
店長代理の代理、ローレンツ・ロンベルク。旧知の男、エーレンフリートが始めたこの店でコーヒーを煎れて、もう長い。
今日は、怪我で隠居した彼の見舞いに彼の孫娘、現在店長代理としてこの二階に住み込んでいるユリア・エーレンフリートが出掛けている為、彼女を見送った朝から忙しなく店にコーヒーの香りを広げていた。
「やあ、ロロさん。ユリアちゃんはお休みかい?」
「…………ふん」
賑わっていた客が捌けた頃、カウンターの真ん中の席に座った常連客が笑いながら尋ねた。
ロロ、というのは幼い頃のユリアに呼ばせていたエーレンフリートが付けた愛称だ。
ユリアが長じてからはそう呼ばれることもなくなったが、彼女がこの店で働くようになってから、ローレンツの仏頂面を揶揄するように、彼女がまたそう呼び始めた。
ローレンツは眉間の皺を更に深く、薄い唇をへの字に結んだままで、細い鷲鼻を鳴らす。
「なんだ、寂しいのかい」
「バカ言うんじゃ無いよ――ほれ、いつものだ。さっさと飲んで、帰っとくれ」
「やだやだ、爺さんは……なぁ、店長は――ユリアちゃんじゃ無い方の」
「今日、ユリアが見舞いに行ってるよ」
ローレンツが溜息交じりに丸椅子を引き寄せ、シンクの縁に頬杖を突く。
目つきの鋭い目に皺の増えた瞼を伏せて店内に甲高い声を聞く。
●
「仕事だから仕方ないって言っているだろ」
「どうして何でも1人で勝手に決めちゃうのよ」
2人掛けのテーブルで向き合う男女の諍いは、聞いていればどうやら男が明日にも遠い街へと発つらしい。女はそれを知らずに、危ない道中も構わず着いていくと言い張っている。
しかし、男は仕事仲間と乗り合いで既に馬車も護衛の依頼も済ませてしまった、今から人は増やせないと首を横に振っている。
「――だったら、私も勝手に着いていくわ」
「危ないよ、君は……この街で待っていて? 半年も掛からない。すぐ帰ってくるよ」
細面の女は顔を顰めて押し黙る。
常連の男がちらりと振り返るのを、ローレンツは濯いだ皿を拭いながらうんざりと眺めた。
彼らの話は纏まりを見せず、ついに女が声を震わせて顔を伏せた。
常連の男は頬杖を突いてローレンツを見遣り、
「ユリアちゃんならこんな時は地図を広げて、行き先は? って。あの優しい声でハンターオフィスに取り次いでくれるんだろうね」
「…………ふん。――――地図なら奥の8人掛けに広げっぱなしさ。あのお節介め」
ローレンツが奥のテーブルを顎でしゃくる。
ユリアが広げていったという地図は、隅にピンを打ち付けて、これまでの覚え書きが幾つか小さく書き残されている。常連の男は人好きのする目をにやりと細めて笑った。
「片付けないのはロロさんだろうに。――やあ、そこのお2人…………」
もしかしたら、上手くいくかも知れないよ。
行き先は?
低く太い、大人の声でそう尋ねる。
自由都市同盟工場都市フマーレ、その商業区画の一角に佇む喫茶店珈琲サロンとぱぁず。
店長代理の代理、ローレンツ・ロンベルク。旧知の男、エーレンフリートが始めたこの店でコーヒーを煎れて、もう長い。
今日は、怪我で隠居した彼の見舞いに彼の孫娘、現在店長代理としてこの二階に住み込んでいるユリア・エーレンフリートが出掛けている為、彼女を見送った朝から忙しなく店にコーヒーの香りを広げていた。
「やあ、ロロさん。ユリアちゃんはお休みかい?」
「…………ふん」
賑わっていた客が捌けた頃、カウンターの真ん中の席に座った常連客が笑いながら尋ねた。
ロロ、というのは幼い頃のユリアに呼ばせていたエーレンフリートが付けた愛称だ。
ユリアが長じてからはそう呼ばれることもなくなったが、彼女がこの店で働くようになってから、ローレンツの仏頂面を揶揄するように、彼女がまたそう呼び始めた。
ローレンツは眉間の皺を更に深く、薄い唇をへの字に結んだままで、細い鷲鼻を鳴らす。
「なんだ、寂しいのかい」
「バカ言うんじゃ無いよ――ほれ、いつものだ。さっさと飲んで、帰っとくれ」
「やだやだ、爺さんは……なぁ、店長は――ユリアちゃんじゃ無い方の」
「今日、ユリアが見舞いに行ってるよ」
ローレンツが溜息交じりに丸椅子を引き寄せ、シンクの縁に頬杖を突く。
目つきの鋭い目に皺の増えた瞼を伏せて店内に甲高い声を聞く。
●
「仕事だから仕方ないって言っているだろ」
「どうして何でも1人で勝手に決めちゃうのよ」
2人掛けのテーブルで向き合う男女の諍いは、聞いていればどうやら男が明日にも遠い街へと発つらしい。女はそれを知らずに、危ない道中も構わず着いていくと言い張っている。
しかし、男は仕事仲間と乗り合いで既に馬車も護衛の依頼も済ませてしまった、今から人は増やせないと首を横に振っている。
「――だったら、私も勝手に着いていくわ」
「危ないよ、君は……この街で待っていて? 半年も掛からない。すぐ帰ってくるよ」
細面の女は顔を顰めて押し黙る。
常連の男がちらりと振り返るのを、ローレンツは濯いだ皿を拭いながらうんざりと眺めた。
彼らの話は纏まりを見せず、ついに女が声を震わせて顔を伏せた。
常連の男は頬杖を突いてローレンツを見遣り、
「ユリアちゃんならこんな時は地図を広げて、行き先は? って。あの優しい声でハンターオフィスに取り次いでくれるんだろうね」
「…………ふん。――――地図なら奥の8人掛けに広げっぱなしさ。あのお節介め」
ローレンツが奥のテーブルを顎でしゃくる。
ユリアが広げていったという地図は、隅にピンを打ち付けて、これまでの覚え書きが幾つか小さく書き残されている。常連の男は人好きのする目をにやりと細めて笑った。
「片付けないのはロロさんだろうに。――やあ、そこのお2人…………」
もしかしたら、上手くいくかも知れないよ。
行き先は?
低く太い、大人の声でそう尋ねる。
リプレイ本文
●
整備の手が感じられない街道は、古い轍と枯れた雑草が続く。
武神 守悟(ka3517)は胸に提げた双眼鏡を取って先を覗く。まっすぐ続く道の先も、その左右にも、暫く先の緩いカーブまで何も無さそうだ。周辺を確認しすぐ走らなくては、馬車が追いついてしまう。一度だけ振り返ると、託された一枚のメモを握って先を急いだ。
(何か買い物かい――いいよ、壊さないでくれよ?)
ポルトワールに着いて、一度仲間と話すという依頼主の男に、双眼鏡を探しに行くというと差し出されたそれ。壊さないでと笑いながら、古い作りのレンズの曇ったそれが託された。
馬車の手綱を操りながら男が癖のように上着の内ポケットを探す。
そうだ、彼に貸したんだった……とそこに無い双眼鏡に苦笑する。
コリーヌ・エヴァンズ(ka0828)が助手席で前を気にしながら、その仕草に首を傾げた。何でも無いと首を横に、男は馬車を急がせる。
彼女は武神に渡したメモと同じ物を読み直す。出発前にこの道の情報を集めた物だ。
「大丈夫、道中はちゃんと守ってあげるからね!」
メモから顔を上げ、笑顔に不安の色を覗かせる男の横顔に声を掛けた。「頼もしいね、聞いたかい」と男が後ろに座る恋人を振り返った。
「……良かったのかしら」
慣れない移動に憔悴した顔で女は呟いた。隣に座り外を眺めていたアルメイダ(ka2440)がその声に、気にするなと顔を向ける。
「そこまでお金にゃ困ってないからね」
女が小さく謝辞を告げて黙ると、アルメイダも外の木々へと視線を戻す。
後ろの2人掛けの中央で脚を組み紫煙の軌跡を流しながらライナス・ブラッドリー(ka0360)は空を見上げた。
まだ日は高く、コリーヌが調べたメモに従えば日の落ちるまでには目的の村へ着くだろう。
後方を追うエヴァ・A・カルブンクルス(ka0029)の馬を一瞥すると、彼女と幌を張った柱に掛ける超級まりお(ka0824)と視線を分けるように横へ流す。
不意を突かれる程では無いが、所々に陰りは見える。警戒を保ったままで、はっと白い煙を吐き出した。
身軽な超級の体なら支えきれる柱、幌を撓めないように浅く掛けて四肢と重心の制御しながらバランスを取る。馬車の前後ともに遠く保てる視界で、少し眩しい日差しに手を翳した。
ライナスが腕をもたげて差し出したメモを受け取る。
コリーヌのメモの写しで、この辺りのゴブリンの目撃と被害が幾つか記されていた。
「この速さなら、夜に走ることはなさそうだね」
記されていた箇所の内いくつかは既に通り過ぎている。視線を前方へ。
もうすぐ一番被害の多いカーブへ至る。
馬車に合わせて馬を走らせていたエヴァは、馬を幾らか急かして馬車の横へ付ける。
片腕で手綱を繰りながら陰りの増え始めた森と馬車とを示して、その間を自身が走ると伝えた。上からそれを見ていた超級が逆側の森へ視線を向け、ライナスも後方へと視線を移す。
「前はどうだ。何か出たら教えてくれるか」
「――こっちは、異常なしだね。そっちは」
アルメイダが横への警戒をそのまま、前方を覗うコリーヌに尋ねる。その彼女に武神からの声が届いた。
「ありがとう、今丁度その辺りに入るところ、エヴァが横に着いてくれてる……今はライナスが見張ってるよ――」
武神はそこを既に抜け、少し開けた場所へ出たという。焚き火の跡が残り、木々の影も遠い。
「ここを抜けたら、少し休憩しませんか?」
周囲の様子に強張っていた男に声を努めて明るく掛けた。
馬車を止めるとエヴァも馬を下りて近付いてくる。武神も先に休息を得ていたようだ。コリーヌが馬車を降りると片手を上げて招く。
「安全っぽいことろって、多分ここだろうな」
調べておいて良かったとはにかんで指先にメモを握る。
「情報収集による把握と周知徹底が大事だーって師匠が言ってたんだよー」
依頼人達も馬車を降りて疲れた体を伸ばしている。エヴァが駆け寄ってぱたぱたと手を揺らし、お疲れ様とカードを探す。
背筋を伸ばして座り込んだ男にスケッチブックを取り出すと白いページを開いて綴った。
『どんな危険があってもついていくという行為も、たくさん愛がいりますが「待つ」という行為には、それ以上に愛も、覚悟も必要なんです』
この道中彼の不安を感じたから。そんな場所へ送り出して1人で待つ愛と覚悟を持てるように。
『たくましい男にならなきゃ!』
スケッチブックを片手に背中を叩いて励ました。
1本目の煙草が消えて空いた口唇が深く息を吐く。ライナスはここまでの道を眺め、出てこなかったかと呟いた。
将来のためにも、殲滅しておきたかったが、と空の口元に手を添える。
柱から飛び降りて軽い砂埃を上げながら着地した超級が、周辺を見回してから軽く伸びて手足を解す。何事も無くて良かったと、残りも無事に進めるようにと気を引き締めて。
ふらついた女性に手を貸してアルメイダも馬車を降りた。
大丈夫と尋ねながらコリーヌも手を伸ばす。彼女をコリーヌに委ね、アルメイダは少し先を眺めに向かう。磯の香りが強くなってきた。
「お二人さんって、恋人同士なんだよねー?」
コリーヌの手と馬車に掴まりながら疲れた溜息を吐いた女が、途端、頬を赤く染めた。
「女の子は待たせちゃいけないよねっ」
その様子にも、にこりと笑んで話し掛ける。死にたくなる程、寂しくなっちゃうからね、と。
アルメイダが見詰める先、武神がハンター達と依頼人を振り返り、そろそろかと走り出した。
「ここからは、ポルトワールでの目撃応報が無いな。偵察、任せられるか?」
「見付からないうちに、コリーヌに連絡する……見付かっちまったら、馬車の来ない方に逃げる」
リンクを済ませた魔導短伝話が、通話可能なマテリアルの閾を示して起動のサインを出している。
そうか、と呟いて見送るとアルメイダも背を伸ばして馬車へ戻った。
超級が柱に手を伸ばし、片腕で自身の体を引き上げる。高い視界を確保して、乗ったよ、と声を掛ける。
砂の増えた道が車輪を飲み、馬車はひどく揺れながら漁村へと急いだ。
●
武神からの連絡があったのは、それからすぐのことだ。手綱を取って馬車の速度を落とし、振り返って伝える。
「歪虚、出たよ……! 守悟は様子を見て動くって」
アルメイダとライナスが頷き、それぞれ手に得物を取る。
「さて、仕事の時間だ」
「そうか。……詳しく聞けるか」
超級が柱に掴まりながら半身を傾けて幌の中へ声を掛ける。
「戦闘に2人は巻き込みたくないかな、逃げられるなら、逃げた方が良いかもね」
怯えた目で震えた肩を抱いた女がこくりと首を縦に揺らす。
武神から連絡が入った地点までまだ少し距離がある。けれど、この機械で声が届く範囲内、そう、遠くない。
武神の声は続く。気付かれた。街道を外して馬車から遠ざける。追ってきているのはシャコが1匹だけだ。
コリーヌが伝話の声を復唱するように伝える。
「1匹だけか? 銃が効くか確かめておきたいな。あたしが手伝ってくるよ」
止まった馬車からアルメイダが降り、エヴァも馬を少し進めて止めた。すぐに戻るとカードを探し、コリーヌの手元の伝話を指して、武神からの連絡を待ってと、街道の先へ腕を伸ばし、大振りなジェスチャーで伝える。
「僕はこのまま見張ってるよ――こっちが襲われても大変だし」
超級が先へ視線を向け、見えるだろうかと目を細める。ライナスも銃を構えて馬車の周囲へと意識を巡らせた。
「――っ、畜生」
身の丈程の槍を翳し、鋭い切っ先が眩く陽光を映す。しかし、その穂先が届かぬ距離から放たれた水の衝撃が利き腕を叩き、狙いを地面へと落とさせた。砂埃を上げて足下を抉った槍を支えに立ちながら、走ってきた道を振り返る。
街道に逃げるよりも、このまま誘って始末してしまいたい。
終えたばかりの伝話から馬車を止めて援護に向かったと聞こえたが、到着にはもう暫し掛かりそうだ。
放たれた2発目は槍を引いて回避したが、踏み込む隙が見当たらない。
膠着する中、高い発砲音が幾つも響いた。
その内の一発がシャコの関節に入って怯ませ、マテリアルを乗せた足が強く地面を蹴って槍ごと飛び込むように貫く。
傷を得た場所を崩しながらシャコは丸くその身を庇うように甲羅を向ける。
銃口を空に、狙いを悟らせないための音を立てていたエヴァが、狙いをシャコに向け直した。
エヴァの立てた銃声に紛れて正確に狙ったアルメイダは、やはり唯の銃弾では足りないと、マテリアルを巡らせて魔導機械を起動させる。距離を保って甲羅ごと貫くように叩き込まれる光が、蠢いていた体を弾き飛ばした。
歪虚が土塊に崩れていく傍ら、エヴァが武神に駆け寄った。銃を下ろした手が、大丈夫、と尋ねるカードを探す前に、武神の唇から、助かったと安堵の息が零れた。
アルメイダはその屍が消える側を更に奥へと探りに向かう。
「――こっちは無事だ」
馬車で待機しているコリーヌに伝える。コリーヌから馬車へ向かってきたものはいないと届き、戻ってきたアルメイダが頷いた。
「下手に迂回路を探すよりも、このまま進ませた方がいいだろう。追って殲滅するなら、この後だ」
周囲に、他に潜む気配は無い。
●
2人が馬車へ戻り、緊張を強めながら馬車が揺れる。
武神も軽傷を負ったまま斥候にと走った。
更に暫し進んでから入った連絡は、戦いの跡を見つけたというものだ。
馬車を止め、超級が柱の上に立ってバランスを取りながら更に遠くを眺める。屈んで座り直しながらまだ見えないと首を揺らした。
「また、馬車を止めた方が良いかな。さっきよりも危なそうなら余計にさ」
広いとは言えない道幅、馬車を引き替えさせることは難しい。それならその場所へ着いてしまう前に留まってはと、依頼人を覗った。手綱馬を止めていた手綱を緩め、その場にゆったりと歩ませながら男は、そうだなと日の傾き始める先を見詰める。
「安心しなよ、何かあっても、あんたらはあたしが守るからさ」
アルメイダが馬車を降りる。ライナスは大振りの銃を担ぎ座席を飛び降りると、鋭い緑の瞳でリアサイトを覗く。
馬車回りに気配が無い事を確かめ、躙るように前に進む。
「ここまでは来させないさ」
男を振り返って口角を微かに上げると、すぐに厳しい顔で前を睨んだ。
「歪虚はね、潰さないといけないんだよ」
コリーヌも助手席を降り、笑顔を保ってそう告げた。だから、行ってくる。潰して、すぐに戻るからと。
馬を馬車に寄せて止め、エヴァも馬車の側から少し先を警戒する。
たん、と軽い音を立てて、その傍らに超級が降りてきた。膝の柔らかな屈伸で着地の姿勢から立ち上がると、砂に触れてもいない手を払い、頬に被る髪を除けた。
「馬車が襲われたら、僕が2人を連れて逃げるよ」
だから攻め込むのは任せた、とハンター達を見送り、彼らの背と依頼人との間に佇む。
直進したコリーヌとライナスが武神に追いついた時、武神は2匹のカニと対峙していた。
1匹には幾度か穂先が届いたらしく甲羅にひびが入っていたが、2匹を相手に武神にも疲れの色が見える。振り下ろされた鋏を躱しきれず、槍を支えに膝を突いた。
そのカニの膝下へ向けてライナスが数発を束ねて放ち、動きを止めた所へコリーヌは拳を構えて迫る。飛び掛かる勢いを乗せたままで、罅に向けて叩き込み、甲羅の内へ衝撃を至らせたカニが動きを止めた。もう1匹がコリーヌへ横凪ぎの鋏を鋭く突きつける。
強く地面を蹴って鋏の切っ先を躱すと、ライナスの2発目の銃声が最初のカニへ留めを刺す。
マテリアルを巡らせ、重い銃をその巨躯に支え。熱を得る程に集中を高めた瞳は、長い射程を保ちながらも的からフロントサイトを外さない。
立ち上がった武神が槍を構え直し、3人がそれぞれの得物を構えて敵を睨んだ。
戦闘を終え、武神が抑えていたのは2匹だと言った時、3人は背後で銃声を聞いた。
「戻って挟み撃ちだな、行くか」
「徹底的に! 潰さないとね」
銃を担いでライナスが走る。コリーヌと武神もすぐに続いた。
馬車周辺を警戒しながら銃を構えていたアルメイダとエヴァが横からの襲撃をうけ、咄嗟に数発を打ち込んだ。
銃声が響く中現れたのは大きなカニが2匹。
「これか」
戦いの跡を作ったのは、とアルメイダがライフルを掲げて銃床を肩に据える。凝った意匠のグリップを握り、トリガーを引く。真っ直ぐにカニへ迫る。
1匹が弾かれると立ち上がるのを待たず2匹目が鋏を揺らす。
それがアルメイダへと迫る傍らに淡い色の花が咲かせる。
花の幻影が崩れると風の刃が甲羅に刺さった。片方はに銃を握ったまま、片手の指を伸ばして風を飛ばしたエヴァが次の攻撃を定めるように2匹を交互に見詰める。
アルメイダの2発目が倒れていたカニの足を一つ抉り取った。
エヴァが銃と刃を使い分けて誘い、アルメイダが強力な光で叩き、カニの体力は次第に削られていく。
1匹が少し離れた所に止まる馬車とその前に立って刀を構える超級の姿を見つけた。
超級もカニに気付き刀の切っ先を向け、馬車から距離を取るように前へ進む。
手負いの1匹だけなら、逃げて追われて騒がれるより、僕を狙わせて始末した方が早い。そう誘って、馬車から少しずつ離れていく。
馬車を視界に入れたまま攻撃できる距離まで、素早く動き地面を蹴る。白い刀身が甲羅を削り、吸い込まれるようにカニの体を貫いた。
暴れたカニが鋏を振り回し、馬車を庇った腕を打つ。鎧でその攻撃を受け止め弾くと、刀を払って2撃目を斬り掛かる。
このカニまで馬車を狙わせないように、エヴァが前へ出て手に収まる銃を鳴らす。装填し直すとアルメイダの攻撃に遭わせて動きを止めるように打ちながら近付いた。
大振りな鋏を振り回し、その音に釣られて近付いたカニがエヴァの腹部へ鋏を向け、打たれながら指を伸ばしその鋏を幻の花を纏う風が斬り飛ばす。
アルメイダの正確に据えた狙いが、そのカニを甲羅ごと弾き飛ばし、鋏と並んで転がった地面で土塊に変わっていく。
馬車が再び走り出す。幸いにもその先の村まで遭遇は無く、送り届けた2人は何度も礼を言った。武神が双眼鏡を返すと、再度の謝辞を告げてそれを受け取る。
帰り際に超級が、村人に声を掛けた。
「被害が続くなら、討伐依頼を出したら良いんじゃ無いかな」
村人がそうだな、と彼らの来た道へと目を細めて視線を向ける。
「きっちり倒しておく方が良さそうだ。まあ、他の人の仕事を奪う可能性も無きにしも非ずだが」
見たんだろ、と尋ねる様にアルメイダ。
村人は、いずれ改めてと頷いて、
「お疲れでしょう、今日はゆっくり休んでいって下さい」
ハンター達を潮騒の聞こえる長閑な村へ誘った。
整備の手が感じられない街道は、古い轍と枯れた雑草が続く。
武神 守悟(ka3517)は胸に提げた双眼鏡を取って先を覗く。まっすぐ続く道の先も、その左右にも、暫く先の緩いカーブまで何も無さそうだ。周辺を確認しすぐ走らなくては、馬車が追いついてしまう。一度だけ振り返ると、託された一枚のメモを握って先を急いだ。
(何か買い物かい――いいよ、壊さないでくれよ?)
ポルトワールに着いて、一度仲間と話すという依頼主の男に、双眼鏡を探しに行くというと差し出されたそれ。壊さないでと笑いながら、古い作りのレンズの曇ったそれが託された。
馬車の手綱を操りながら男が癖のように上着の内ポケットを探す。
そうだ、彼に貸したんだった……とそこに無い双眼鏡に苦笑する。
コリーヌ・エヴァンズ(ka0828)が助手席で前を気にしながら、その仕草に首を傾げた。何でも無いと首を横に、男は馬車を急がせる。
彼女は武神に渡したメモと同じ物を読み直す。出発前にこの道の情報を集めた物だ。
「大丈夫、道中はちゃんと守ってあげるからね!」
メモから顔を上げ、笑顔に不安の色を覗かせる男の横顔に声を掛けた。「頼もしいね、聞いたかい」と男が後ろに座る恋人を振り返った。
「……良かったのかしら」
慣れない移動に憔悴した顔で女は呟いた。隣に座り外を眺めていたアルメイダ(ka2440)がその声に、気にするなと顔を向ける。
「そこまでお金にゃ困ってないからね」
女が小さく謝辞を告げて黙ると、アルメイダも外の木々へと視線を戻す。
後ろの2人掛けの中央で脚を組み紫煙の軌跡を流しながらライナス・ブラッドリー(ka0360)は空を見上げた。
まだ日は高く、コリーヌが調べたメモに従えば日の落ちるまでには目的の村へ着くだろう。
後方を追うエヴァ・A・カルブンクルス(ka0029)の馬を一瞥すると、彼女と幌を張った柱に掛ける超級まりお(ka0824)と視線を分けるように横へ流す。
不意を突かれる程では無いが、所々に陰りは見える。警戒を保ったままで、はっと白い煙を吐き出した。
身軽な超級の体なら支えきれる柱、幌を撓めないように浅く掛けて四肢と重心の制御しながらバランスを取る。馬車の前後ともに遠く保てる視界で、少し眩しい日差しに手を翳した。
ライナスが腕をもたげて差し出したメモを受け取る。
コリーヌのメモの写しで、この辺りのゴブリンの目撃と被害が幾つか記されていた。
「この速さなら、夜に走ることはなさそうだね」
記されていた箇所の内いくつかは既に通り過ぎている。視線を前方へ。
もうすぐ一番被害の多いカーブへ至る。
馬車に合わせて馬を走らせていたエヴァは、馬を幾らか急かして馬車の横へ付ける。
片腕で手綱を繰りながら陰りの増え始めた森と馬車とを示して、その間を自身が走ると伝えた。上からそれを見ていた超級が逆側の森へ視線を向け、ライナスも後方へと視線を移す。
「前はどうだ。何か出たら教えてくれるか」
「――こっちは、異常なしだね。そっちは」
アルメイダが横への警戒をそのまま、前方を覗うコリーヌに尋ねる。その彼女に武神からの声が届いた。
「ありがとう、今丁度その辺りに入るところ、エヴァが横に着いてくれてる……今はライナスが見張ってるよ――」
武神はそこを既に抜け、少し開けた場所へ出たという。焚き火の跡が残り、木々の影も遠い。
「ここを抜けたら、少し休憩しませんか?」
周囲の様子に強張っていた男に声を努めて明るく掛けた。
馬車を止めるとエヴァも馬を下りて近付いてくる。武神も先に休息を得ていたようだ。コリーヌが馬車を降りると片手を上げて招く。
「安全っぽいことろって、多分ここだろうな」
調べておいて良かったとはにかんで指先にメモを握る。
「情報収集による把握と周知徹底が大事だーって師匠が言ってたんだよー」
依頼人達も馬車を降りて疲れた体を伸ばしている。エヴァが駆け寄ってぱたぱたと手を揺らし、お疲れ様とカードを探す。
背筋を伸ばして座り込んだ男にスケッチブックを取り出すと白いページを開いて綴った。
『どんな危険があってもついていくという行為も、たくさん愛がいりますが「待つ」という行為には、それ以上に愛も、覚悟も必要なんです』
この道中彼の不安を感じたから。そんな場所へ送り出して1人で待つ愛と覚悟を持てるように。
『たくましい男にならなきゃ!』
スケッチブックを片手に背中を叩いて励ました。
1本目の煙草が消えて空いた口唇が深く息を吐く。ライナスはここまでの道を眺め、出てこなかったかと呟いた。
将来のためにも、殲滅しておきたかったが、と空の口元に手を添える。
柱から飛び降りて軽い砂埃を上げながら着地した超級が、周辺を見回してから軽く伸びて手足を解す。何事も無くて良かったと、残りも無事に進めるようにと気を引き締めて。
ふらついた女性に手を貸してアルメイダも馬車を降りた。
大丈夫と尋ねながらコリーヌも手を伸ばす。彼女をコリーヌに委ね、アルメイダは少し先を眺めに向かう。磯の香りが強くなってきた。
「お二人さんって、恋人同士なんだよねー?」
コリーヌの手と馬車に掴まりながら疲れた溜息を吐いた女が、途端、頬を赤く染めた。
「女の子は待たせちゃいけないよねっ」
その様子にも、にこりと笑んで話し掛ける。死にたくなる程、寂しくなっちゃうからね、と。
アルメイダが見詰める先、武神がハンター達と依頼人を振り返り、そろそろかと走り出した。
「ここからは、ポルトワールでの目撃応報が無いな。偵察、任せられるか?」
「見付からないうちに、コリーヌに連絡する……見付かっちまったら、馬車の来ない方に逃げる」
リンクを済ませた魔導短伝話が、通話可能なマテリアルの閾を示して起動のサインを出している。
そうか、と呟いて見送るとアルメイダも背を伸ばして馬車へ戻った。
超級が柱に手を伸ばし、片腕で自身の体を引き上げる。高い視界を確保して、乗ったよ、と声を掛ける。
砂の増えた道が車輪を飲み、馬車はひどく揺れながら漁村へと急いだ。
●
武神からの連絡があったのは、それからすぐのことだ。手綱を取って馬車の速度を落とし、振り返って伝える。
「歪虚、出たよ……! 守悟は様子を見て動くって」
アルメイダとライナスが頷き、それぞれ手に得物を取る。
「さて、仕事の時間だ」
「そうか。……詳しく聞けるか」
超級が柱に掴まりながら半身を傾けて幌の中へ声を掛ける。
「戦闘に2人は巻き込みたくないかな、逃げられるなら、逃げた方が良いかもね」
怯えた目で震えた肩を抱いた女がこくりと首を縦に揺らす。
武神から連絡が入った地点までまだ少し距離がある。けれど、この機械で声が届く範囲内、そう、遠くない。
武神の声は続く。気付かれた。街道を外して馬車から遠ざける。追ってきているのはシャコが1匹だけだ。
コリーヌが伝話の声を復唱するように伝える。
「1匹だけか? 銃が効くか確かめておきたいな。あたしが手伝ってくるよ」
止まった馬車からアルメイダが降り、エヴァも馬を少し進めて止めた。すぐに戻るとカードを探し、コリーヌの手元の伝話を指して、武神からの連絡を待ってと、街道の先へ腕を伸ばし、大振りなジェスチャーで伝える。
「僕はこのまま見張ってるよ――こっちが襲われても大変だし」
超級が先へ視線を向け、見えるだろうかと目を細める。ライナスも銃を構えて馬車の周囲へと意識を巡らせた。
「――っ、畜生」
身の丈程の槍を翳し、鋭い切っ先が眩く陽光を映す。しかし、その穂先が届かぬ距離から放たれた水の衝撃が利き腕を叩き、狙いを地面へと落とさせた。砂埃を上げて足下を抉った槍を支えに立ちながら、走ってきた道を振り返る。
街道に逃げるよりも、このまま誘って始末してしまいたい。
終えたばかりの伝話から馬車を止めて援護に向かったと聞こえたが、到着にはもう暫し掛かりそうだ。
放たれた2発目は槍を引いて回避したが、踏み込む隙が見当たらない。
膠着する中、高い発砲音が幾つも響いた。
その内の一発がシャコの関節に入って怯ませ、マテリアルを乗せた足が強く地面を蹴って槍ごと飛び込むように貫く。
傷を得た場所を崩しながらシャコは丸くその身を庇うように甲羅を向ける。
銃口を空に、狙いを悟らせないための音を立てていたエヴァが、狙いをシャコに向け直した。
エヴァの立てた銃声に紛れて正確に狙ったアルメイダは、やはり唯の銃弾では足りないと、マテリアルを巡らせて魔導機械を起動させる。距離を保って甲羅ごと貫くように叩き込まれる光が、蠢いていた体を弾き飛ばした。
歪虚が土塊に崩れていく傍ら、エヴァが武神に駆け寄った。銃を下ろした手が、大丈夫、と尋ねるカードを探す前に、武神の唇から、助かったと安堵の息が零れた。
アルメイダはその屍が消える側を更に奥へと探りに向かう。
「――こっちは無事だ」
馬車で待機しているコリーヌに伝える。コリーヌから馬車へ向かってきたものはいないと届き、戻ってきたアルメイダが頷いた。
「下手に迂回路を探すよりも、このまま進ませた方がいいだろう。追って殲滅するなら、この後だ」
周囲に、他に潜む気配は無い。
●
2人が馬車へ戻り、緊張を強めながら馬車が揺れる。
武神も軽傷を負ったまま斥候にと走った。
更に暫し進んでから入った連絡は、戦いの跡を見つけたというものだ。
馬車を止め、超級が柱の上に立ってバランスを取りながら更に遠くを眺める。屈んで座り直しながらまだ見えないと首を揺らした。
「また、馬車を止めた方が良いかな。さっきよりも危なそうなら余計にさ」
広いとは言えない道幅、馬車を引き替えさせることは難しい。それならその場所へ着いてしまう前に留まってはと、依頼人を覗った。手綱馬を止めていた手綱を緩め、その場にゆったりと歩ませながら男は、そうだなと日の傾き始める先を見詰める。
「安心しなよ、何かあっても、あんたらはあたしが守るからさ」
アルメイダが馬車を降りる。ライナスは大振りの銃を担ぎ座席を飛び降りると、鋭い緑の瞳でリアサイトを覗く。
馬車回りに気配が無い事を確かめ、躙るように前に進む。
「ここまでは来させないさ」
男を振り返って口角を微かに上げると、すぐに厳しい顔で前を睨んだ。
「歪虚はね、潰さないといけないんだよ」
コリーヌも助手席を降り、笑顔を保ってそう告げた。だから、行ってくる。潰して、すぐに戻るからと。
馬を馬車に寄せて止め、エヴァも馬車の側から少し先を警戒する。
たん、と軽い音を立てて、その傍らに超級が降りてきた。膝の柔らかな屈伸で着地の姿勢から立ち上がると、砂に触れてもいない手を払い、頬に被る髪を除けた。
「馬車が襲われたら、僕が2人を連れて逃げるよ」
だから攻め込むのは任せた、とハンター達を見送り、彼らの背と依頼人との間に佇む。
直進したコリーヌとライナスが武神に追いついた時、武神は2匹のカニと対峙していた。
1匹には幾度か穂先が届いたらしく甲羅にひびが入っていたが、2匹を相手に武神にも疲れの色が見える。振り下ろされた鋏を躱しきれず、槍を支えに膝を突いた。
そのカニの膝下へ向けてライナスが数発を束ねて放ち、動きを止めた所へコリーヌは拳を構えて迫る。飛び掛かる勢いを乗せたままで、罅に向けて叩き込み、甲羅の内へ衝撃を至らせたカニが動きを止めた。もう1匹がコリーヌへ横凪ぎの鋏を鋭く突きつける。
強く地面を蹴って鋏の切っ先を躱すと、ライナスの2発目の銃声が最初のカニへ留めを刺す。
マテリアルを巡らせ、重い銃をその巨躯に支え。熱を得る程に集中を高めた瞳は、長い射程を保ちながらも的からフロントサイトを外さない。
立ち上がった武神が槍を構え直し、3人がそれぞれの得物を構えて敵を睨んだ。
戦闘を終え、武神が抑えていたのは2匹だと言った時、3人は背後で銃声を聞いた。
「戻って挟み撃ちだな、行くか」
「徹底的に! 潰さないとね」
銃を担いでライナスが走る。コリーヌと武神もすぐに続いた。
馬車周辺を警戒しながら銃を構えていたアルメイダとエヴァが横からの襲撃をうけ、咄嗟に数発を打ち込んだ。
銃声が響く中現れたのは大きなカニが2匹。
「これか」
戦いの跡を作ったのは、とアルメイダがライフルを掲げて銃床を肩に据える。凝った意匠のグリップを握り、トリガーを引く。真っ直ぐにカニへ迫る。
1匹が弾かれると立ち上がるのを待たず2匹目が鋏を揺らす。
それがアルメイダへと迫る傍らに淡い色の花が咲かせる。
花の幻影が崩れると風の刃が甲羅に刺さった。片方はに銃を握ったまま、片手の指を伸ばして風を飛ばしたエヴァが次の攻撃を定めるように2匹を交互に見詰める。
アルメイダの2発目が倒れていたカニの足を一つ抉り取った。
エヴァが銃と刃を使い分けて誘い、アルメイダが強力な光で叩き、カニの体力は次第に削られていく。
1匹が少し離れた所に止まる馬車とその前に立って刀を構える超級の姿を見つけた。
超級もカニに気付き刀の切っ先を向け、馬車から距離を取るように前へ進む。
手負いの1匹だけなら、逃げて追われて騒がれるより、僕を狙わせて始末した方が早い。そう誘って、馬車から少しずつ離れていく。
馬車を視界に入れたまま攻撃できる距離まで、素早く動き地面を蹴る。白い刀身が甲羅を削り、吸い込まれるようにカニの体を貫いた。
暴れたカニが鋏を振り回し、馬車を庇った腕を打つ。鎧でその攻撃を受け止め弾くと、刀を払って2撃目を斬り掛かる。
このカニまで馬車を狙わせないように、エヴァが前へ出て手に収まる銃を鳴らす。装填し直すとアルメイダの攻撃に遭わせて動きを止めるように打ちながら近付いた。
大振りな鋏を振り回し、その音に釣られて近付いたカニがエヴァの腹部へ鋏を向け、打たれながら指を伸ばしその鋏を幻の花を纏う風が斬り飛ばす。
アルメイダの正確に据えた狙いが、そのカニを甲羅ごと弾き飛ばし、鋏と並んで転がった地面で土塊に変わっていく。
馬車が再び走り出す。幸いにもその先の村まで遭遇は無く、送り届けた2人は何度も礼を言った。武神が双眼鏡を返すと、再度の謝辞を告げてそれを受け取る。
帰り際に超級が、村人に声を掛けた。
「被害が続くなら、討伐依頼を出したら良いんじゃ無いかな」
村人がそうだな、と彼らの来た道へと目を細めて視線を向ける。
「きっちり倒しておく方が良さそうだ。まあ、他の人の仕事を奪う可能性も無きにしも非ずだが」
見たんだろ、と尋ねる様にアルメイダ。
村人は、いずれ改めてと頷いて、
「お疲れでしょう、今日はゆっくり休んでいって下さい」
ハンター達を潮騒の聞こえる長閑な村へ誘った。
依頼結果
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相談卓 コリーヌ・エヴァンズ(ka0828) エルフ|17才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/12/08 20:25:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/08 00:05:22 |