演想──弱さゆえの想いを

マスター:凪池シリル

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
参加費
1,500
参加制限
-
参加人数
3~7人
サポート
0~0人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
締切
2018/02/28 09:00
完成日
2018/03/03 05:10

みんなの思い出

思い出設定されたOMC商品がありません。

オープニング

 不意に黒く塗りつぶされた視界の中、痛みを感じて振り向くと、ナイフを手にした誰かが自分を刺していた。
 目を見開く。何故、と唇を震わせる。
「だってあなたは強いんでしょう? だから、これくらい平気でしょう?」
 ごく平静な口調だった。嫌悪も侮蔑も嘲弄も憐憫も、そして喜色もない。ただ当たり前と思うことをした声だった。
 ふと前を向き直る。誰か、は一人ではなかった。誰か。誰かと言うのは誰だ。男女共に居て、それなりの年代に渡っていて、様々な職種の人たち。そんな印象が浮かびはするが、彼らが誰なのか認識できない。
 姿はきちんと見えているのに。ほら。それぞれの手に。ナイフが。ハンマーが。石が。硝子片が。握りしめられているのは分かる。それを彼らが、気がついたように振り上げるその挙動も。どんな顔をしているのかその雰囲気も。
 さして興味もないニュース記事に向けるような顔で。
 通学途中にあった小石を蹴るような程度に。
 ごく普通の気配でごく日常の動作のように。それぞれ手にしたものを。こちらに、向かって。
 ──これが。
 ──触れ合いたいと、手を伸ばした結果が、これなら。

「──……っ!」
 痛みを払うように身体を捩ると、バチバチと音を立てて、纏わりついていたものが離れていく。
 戻ってきた視界の光景は目の前が暗くなる前と大きく違いはなかった。体感したほど時間の経過はなく、おそらく刹那の事。
 目の前の光景。敵の姿。
 直方体だ。正面から見ると細長いが、奥行きはある。それなりの面積となる側面に、張り付く狂気の異形。筐体の中央の一で見開かれる大きな単眼。伸びた触手はサーバーPCと思しき筐体に侵入し内部に絡みついている。その筐体の内部から、機械のコードと生々しい肉が絡み合うように一体化して太さを持ち伸びる、やはり触手と呼ぶべき異様が、四本。
 触手のうち一本、それを守る白兵人形の脇からこちらに伸ばされたそれが、本体の方へと引き戻されていく。今のはあれの攻撃か。精神の隙を突いて何かされたのだろう。身体に感じる鈍さは傷の痛みから生まれただけのものではない。取り落とさぬよう意識して、刀を握りなおす。
『まだ、頑張るんだ?』
 筐体がブゥンと唸り、『それ』から声がする。
『やめちゃえよ。やめようと思っただろ? 頑張るの? 頑張れるんだ。へえ。強いね。君は強いんだ。じゃあ、』
 合成されたような声には感情があった。闇の中で見たものとは違って。明確に意志があった。
『じゃあもっと、強く叩いてもいいよね?』
 言われた言葉に、身体が震える。
「お前は……」
 呟きながら、見極めるようにその存在を見据えた。
 寄生型VOID、インタラプタ。
 ネットワークに潜り情報を収集し解析し演算する。捻じ曲げ握り潰し誘導する。
 ネットワークを歪めた狂気。であり。
 ネットワークに歪んだ狂気。である。
「お前は本当に、俺が立ち向かわなきゃいけない、敵なんだな」
 そう、強く認識して、伊佐美 透は構えなおした切っ先に意志を込めた。

 呼吸、一つ。
 抗うために、己を再確認する。
 自分の、自分だから出来る演技をする、そのために敷いてきた、想い。
 自分は英雄じゃない。『ハンターという、英雄の一人』じゃない。一人一人に、顔があり、名前がある。『戦闘技術者』だけじゃない、性格がある。
 出会ってほしい。知ってほしい。受け入れて欲しい。いつか完全に帰還を果たすその時までに、少しずつ。
 ……この想いを生み出したのは、弱さだ。コーリアスの手紙を楽観できなかった、自分の弱さ。
 それも建前だ。役者だった経験を対抗手段として思いついたのはまあ、やっぱり、単に演じたいという想いが捨てられていなかったからだろうが。だが、転移で失われた、役者としての数年を補うためには、代わりに得た経験を武器と信じるために必要な意志ではある。
 だから、そう。自分の行動を逆に利用され作られた結果は己にとって致命の物だった。自分が姿を見せたことで逆に人の心がこちらから離れる、それが正しい結果なら。武器を、心を、折られて。残るのは最初の弱さだけだ。
 故に、自分の全力が、望みと真逆の結果しかもたらせないなら、もう要らないと思ったのも本心。……まあ、感情的だったのは否定できないが。
 そしてそれが作為であったなら。ハンターと人の心を離すべく工作するこいつは、純粋に自分の目的の障害だ。
 だが。

『お前さあ。いつまでもつと思ってる?』
 戦場の嵐の中、そいつはまだ語り掛けてくる。
『僕がどれくらいのことをしたと思ってる? 分かってるはずだ。これは、君たちが、この星の人たちが教えてくれたやり方だってさぁ!』
 言いたいことは──分かる。言われなくても、分かっている!
『あははははは! ほんとうはそうだよね痛いよね苦しいよね悲しいよね! 今だってそう! そんな思いすることないじゃないか。分かるだろぉ? やめちゃえば君だって愉快な愉快な【こっち側】になれることだってさぁ』
 ああ。認める。俺は弱いから、お前の言葉が苦しい。好きだから、と言うだけでその全てを跳ねのけることは出来ない。
 好きだからこそ。好き、の上に、辛い、が降り積もっていくのは悲しい。
 覆い隠されて見えなくなってしまう前に、『好きだった』、のうちに逃げてしまいたい誘惑は、いつだってある。
「……だから俺はお前を倒さないといけないんだ! お前がいずれ、必ず俺を殺すと分かるから!」
 叫ぶ。想いを振り絞る。だから今はまだ、と。
『あはははははははは! 無理するなよ! お前もリアルブルーの人間だろぉ!? 狂った狂ったその本性を僕に見せろよぉ! 僕はこの世界が大好きだだからさぁ、ずっとずっと、僕の肚の中で狂い続けろよぉ!』
 哄笑が響く。
 ……こんな奴放っておいても何ともない、と言う人はいるのだろう。強い意志があれば、こんな奴の、こんな奴が目を付ける言葉になんか惑わされないんだろう。
 でも。お前がやってるのが最後のたった一押しだとしても。その一押しに殺される人がいることが俺には分かるから。俺はそれを、許さない。
 放っておいてもいつか止まる歩みなら、今止めてもいい? お前のそれが無ければあと一つ、生まれていたかもしれない作品は、その程度なら無くても良かった?
 そうなんだろうか。
 俺自身は、あと一歩、たった一歩でも、歩めるなら歩みたい。
 ──……それでもまだ、好きなんだ、と。
 だから、こいつは倒さないといけない。もう一度、を、自分に許すためにも。

 自分はきっと強くはなれない。優しくも。
 だけど今だけは。きっと今の、そんな自分だから紡げる、この想いを。

リプレイ本文

「こいつを倒せば一段落だ。頑張ろう」
 澄んだ一声と共に、鞍馬 真(ka5819)は息を吸った。唄が響く。悪意に対抗するための星影の唄を。
 その支援を受けて、アーサー・ホーガン(ka0471)が動く。
 大剣を掲げる白兵人形の一体、その正面に位置取り、その脇を抜くように手にした二刀を、その背後に蠢く触手へと向けて──
 火花が散った。白兵人形が手にする剣を、交差させた二刀に絡ませてくる。立ちはだかり、押し返してくる動きにアーサーは逆らわずに一旦身体を引いた。生まれた隙間に、人形は割って入り、立ちはだかる──想定通りに。
 もとより、この人形の気を引くのがアーサーの目的だ。だからこそ、刺突の勢いを押し返してきた相手の力にバランスを崩さずに身を引くことが出来た。引いた分、相手を半歩分、こちらに寄せることが。
 そして、今度こそ。
 真正面からではなく左右から真と透が白兵人形の脇をすり抜けて、後ろの触手へと向かう。
 反応し、身体をねじる様に振り向きそのまま剣圧を与えようとした白兵人形の剣を、今度は、アーサーの双剣が弾いて止めた。
 二刀流の猛攻が、白兵人形に襲い掛かる。

「トール!」
 大伴 鈴太郎(ka6016)が、声を張り上げながら突撃していく。
「対等に頼られる存在になるってのはフカシだったンかよ!? アイツはテメェの敵だろ! 根性見せろ!」
 揺らぐ透に喝を入れつつ、自身も気合いを入れ直すように。
 向かうのはアーサーとは逆翼の白兵人形。
 合わせて白兵人形が振り下ろしてくる剣を、目を逸らさずに見据える。直前で停止し剣先をやり過ごすと、それが、地面へと叩きつけられる瞬間、軽く後ろへと跳躍。地に走る衝撃に足を取られぬよう立ち回る。
 そこで白兵人形の身体を銃弾が立て続けに叩いた。イルミナ(ka5759)の制圧射撃だ。ふらつかせた身体を白兵人形は……しかし、立て直す。さすがに、本拠地の守りの要とあって易々と崩されてはくれない。実際、逆翼では星野 ハナ(ka5852)が五色光符陣を向こうの人形と触手にとまとめて叩き込んではいるが、イルミナのそれより強度が一段階高いにもかかわらず、頼り切れるほどの確度かと言えばそうではない。それでも時折どれかの動きを止めてる効果は小さくはないが。
 イルミナの射撃にも、全くの手ごたえが得られなかった訳でもない。もう一度試せばいい。イルミナは落ち着いて、撃ち切った弾丸をリロードして再度構える。
 込み入った事情は分からない。だが協力はさせてもらう。偽りのない、揺るがない気持ちだ。
 ──彼女にも分かることはある。歪虚を許さない、その気持ちならば。むしろ、負けないほどに。
 動きを止めきれずとも彼女が作った隙を突いて、チィが眼前の人形の背後の触手へと斬り下ろしてくのが見えた。
 己の役割を再確認する。ダメージは鈴やチィに任せる。自分は。
「露払いは任せて」
 やり遂げるという意志を、言葉に乗せ。イルミナは、手にした銃の感触を、それで果たすべきことを確かめる。

 指を鉄砲に形作って。パン、と聞こえそうな勢いで、反動のように弾く。生まれた三つの光弾が向かうのは、彼の正面、左翼に展開する触手二体と、インタラプタ本体。だがその瞬間、右翼にいた触手の一本が耳障りな声を上げながらその身を解き、その一本一本の間に張り巡らせた電磁網を叫びと共に放出する。光弾はその網を通過するとともにあからさまに減衰し、結果本体への攻撃は僅かに掠める程度のものに終わった。
 悪くはない。初月 賢四郎(ka1046)はこの結果をそう分析する。敵の妨害手段を自分如きの攻撃に使わせられたのならば。どれくらいの頻度、どれくらいの回数を使えるのかは分からないが、無限という事はないだろう。左翼の触手への攻撃が止められていないのだから。
 そう、左翼。戦況は悪くない。闘狩人三人による猛攻。
 アーサーの牽制により、積極的に攻勢に出ている真はもとより、アーサー自身も、味方を巻き込まないタイミングでアスラトゥーリを放ち触手にダメージを与えている。あからさまに損傷が激しい左翼の触手の一本を庇わなかったのは、やはり回数、タイミングに制限があるか……あるいは、彼らの攻撃の前に焼け石に水と判断したか、だ。
 右翼の状況を横目で確認する。鈴の狙いは果たせていないようだが、かと言ってすぐに崩れそう、という状況ではない。ならばこのまま。ハナと共に左翼への援護射撃を重ねて、あちらの触手を落すのが優先か。
 このままいければ。このまま……。

 高火力が密集していれば、範囲攻撃を持つ敵がそこを狙うのは当然の判断だった。
 インタラプタの眼球がぐるりと動くとともに雷球が発生し、放たれたそれが地面に着弾するとともに複数の雷の柱となってアーサー、真、透に襲い掛かる。
 ……この攻撃に関しては、鈴が何かしらの妨害手段を考えていたようだが、敵から見て着弾点が近距離で、鈴から見た位置からは丁度真逆を向く位置となると飛び出すのもタイミングを合わせるのも無理があった。
 ただ、全員闘狩人であるだけに、生命力防御力も低くはない。即座に致命となるようなものではなかった。しかし、そこにさらに触手からの攻撃が伸びてくる。耳障りな哄笑、不愉快な戯言と共に。
 真はそれに耳を貸すことは無い。
 惑わされなどしない。誰に何を言われようと、今の「ハンターとしての自分」を貫く覚悟を持っているから。
 しかし──だからこそ、なのか。
 彼らの眼前の二本の触手が狙うのはまたしても透だった。
 真の目の前で。透の表情は、今もなお苦しげだ。襲い掛かる触手を払う刀がその働きを失ってはいないことから、唄の効果は出ているはずなのだが。
 能力値低下の方をまだ受けているのか。それとも……問題は、そこではないのか。

(……ふむ。さっきまでと比べると動きは戻ったように見えるが)
 ロニ・カルディス(ka0551)は戦場の正に中央に立ち、賢四郎とはまた違った視点で戦況を見渡している。即ち、回復役として今最も優先すべきことは何かという視点。
 唄の支援を受けて、透の動きは敵の能力からは立ち直ったように見えた。苦々しげな表情、時折インタラプタへと向ける昏い視線が気になりはするが。
 周囲の情報を全身で感じる。一旦余計に思える情報は排除した上で冷静に考えるならば。懸念すべきは単純に攻撃が集中しているというその点だろう。
 だがこれも、ロニの回復能力からしてみれば。むしろ単純な負傷ならば全体をじわじわと削られているより、一人に集まってくれている方が対処はやりやすいと言えた。
 冷静な思考。冷徹とすら思えるそれは、しかし、そうではない。この場で唯一回復を担うものとして、絶対に判断を間違えてはいけないという自負、必ず皆を生かして帰すという深い情愛からのものだ。
 だからこそ、冷静に。そう、先入観が薄い分、彼にはそれが出来る。そして、判断する。左翼側は真の唄が功を奏している。故にキュアは必要ない。フルリカバリーも、まだいらない。まだそこまで負傷はしていない。
 ──……。というか、これは。
 そこまで判断して、一瞬、何か別の思考が挟まりかける。
 だが、そこで小さな悲鳴が聞こえてきた。

 右翼。鈴に、一番右側に展開した触手が襲い掛かる。華開く──などと綺麗な形容が出来たものではないが──ように解けた触手が噛みつくように彼女の肩口からまとわりついて、端子のあるコードを彼女の体表に絡みつかせていく。それ自体の感触もおぞましいが、体表で弾ける電気信号を通じて内部に浸透されるような感覚があった。目の前が暗くなる。
「──もっと上手くやれなかったんですか?」
 誰かの声がする。誰かとしか言えない誰か。
 非難の声だ。戦って傷ついた彼女に掛けられるのはねぎらいでなく非難の言葉。もっと被害は減らせなかったんですか? どうしてここはこうなったんですか? 貴方は選ばれて力が与えられたんだから、もっとしっかりやるべきだと思います。
 これが、戦い続けた先に行く果てだ。護ってもらえることに感謝を覚えられるのは初めのうちだけで、やがて慣れてくるとそれが当然になる。その後は……些細なミスも許されなくなる。
 無責任な言葉だし、言いがかりだ。だが出鱈目なはずの言葉に、心の奥底にある後悔を引っ掻いていくものがある。
 例えばそう、同じ白兵人形と戦った、鎌倉クラスタ包囲戦、その道中の遭遇戦だ。本拠地戦への焦りもあって対応を誤った、その割を食ったのは鈴自身ではなくあの時も同行していたハナだった。
 分かっている。何時でも全部うまくやれたわけじゃない、被害はもっと減らせたかもしれない。考えが連鎖していく。今まだ復興が進まないのはなんでだ。いやそもそも、こんなことになる前にもっと何とか出来なかったのか。──やっぱり、オレのせい?
 身に覚えのある悔しさだからこそ、思ってしまう。少しだけ。なんでこんな奴らに言われなきゃいけないんだよ、と。
 その瞬間。浸食してきた何かによって、身体の奥に、錠を下ろされたような心地を得て──

「うるっせぇ!」
 戻ってきた現実に、鈴は叫ぶ。盾を使って押し返すように、纏わりつく触手を引きはがす。分かってる。上手くやれなかったこと、たくさんある、だからこそ。誰に何を言われようが。
「もうビビらねぇって決めたんだよ!」
 離れていく触手に、逆に両の手を伸ばし掴みかかる。ミミズのようにのたくる肉糸とコードの群れに手を突っ込むのはやはり気色悪いことこの上無くはあったが──
 隣にいたチィが強い踏みこみと共に全力で鈴が拘束した触手に斬りかかる。深く入った一撃に、触手は暴れながら鈴の手元から逃れていく。
 ふと、思った。
「……なあチィ。おまえも前あれ食らったよな。なんか見えたかよ」
「ああ、ありやしたね。なんかモヤモヤしてたのがよく聞き取れねえこと言ってやしたが。手前どもにはさっぱり意味不明でしたねえ」
 気遣うつもりでかけた言葉に返ってきたのはそんなものだった。
 紅の世界、しかも辺境出身のチィには「匿名の悪意」というものがまるで分からない。故にインタラプタのイメージが伝わらない。
 ……それでも、バッドステータス効果自体はそれとこれとは別のようではある、が。
『悔しいと思うならさあ、一つ、いい方法教えてあげようか』
 インタラプタの声がする。右翼の触手は、鈴に狙いを定めようとしているように見えた。
『やめちゃえばいいんだよぉ。そしたら勝手なこと言ったやつら、面白いように慌てふためくんだ。「そんなつもりじゃなかった」ってさ。傑作だよぉ?』
 あんなものに負けはしない。地球の人たちが、そんな人たちばかりとも思っていない。けど、一度は覚えてしまった寒気に、鈴は思わず透に一瞬視線を送る。
 同時に、暖かな光が彼女を包んだ。
「なるほど……確かに人の心は弱いのだろう」
 穏やかな言葉と共に。ロニのキュアであると、鈴はそれで理解する。
「だが、実際はあれが思っているほど弱くもないし、俺達が考える以上に強いはずだ」
 そして、確信に満ちた力強い言葉と共に、光が収束していく。
 身体の奥底で填められた枷が外れていく感触。解放感と共に心が楽になって、鈴は息を吐いた。

「たちが悪いな。底は浅ぇが」
 アーサーが吐き捨てる。ただの愉快犯、敵の戯言で思い悩む繊細さなんてない俺にとっては喧しいだけだと嘯く彼の、その瞳の色はしかし別の色が混ざっている。
 軽口を叩き、好戦的な気配を剥き出しにするようなその態度の奥に、隠しきれない、面倒見の良さの色が。
「とはいえ、印象操作ってのは、確かに人間が生み出して散々使ってきた手法だな。効果が実証されてるだけに、野放しには出来ねぇぜ」
 何かに断るようにそう言って、両手の剣を構えなおす。剣閃は、さらに鋭さを増したように見えた。
「……捉えた」
 イルミナが小さく呟いたのはその時だった。
 再び、魔銃から全弾叩き込まれた制圧射撃に、今度こそ白兵人形がよろめき、膝をつく。
「っしゃ! こいつを待ってた!」
 咄嗟に身動きの取れなくなった白兵人形に鈴が威勢良く掴みかかる。老龍大回天でその身体を吹き飛ばす!
「……来たな!」
 待ってましたとアーサーが歓声めいた声で応える。鈴が白兵人形を吹き飛ばした先、それは正に、アーサーと相対する白兵人形その位置。気配を感じて彼がとっさに僅かに下がると同時に、人形同士がぶつかってバランスを崩す。
 彼の二対の剣から最大火力となる連撃が二体纏めて、更にその後ろの触手も巻き込むように叩き込まれる。マテリアルの毒を這わせた刃が白兵人形それぞれに刺さり、二カ所にに分散させた火力を補うように蝕んでいく。
 攻撃が順調に入っている左翼に対し、邪魔となる白兵人形を偏らせるのはどうなのか? 鈴の老龍大回天によって乱された一体はすぐには立ち直れないだろうことが期待できる。もし復帰されたとしても、ここでもアーサーが二刀流使いであることが生きる。二体までなら牽制し続けられるはずだ。勿論確実性は落ちるが、対応するのが信頼できる戦士であれば、動きを封じきれなくても隙を作れば好機は生める。
 ……信頼できる戦士であれば。
(で、どうなんだよ? そっちの髪の長い兄さんは問題なかろうが)
 そうして、つい余計なことと思いつつやはり、お人好しな彼はそんなことを思うのだ。

「……はぁっ!」
 両手の剣にマテリアルを込めたまま、真が眼前の触手に突撃する。細い触手が束となって蠢くそれは、先ほども攻撃を受けた透の刀の切っ先が、真の側から覗いている。一か所が固定されて引き伸ばされたそこへと向けて、真は交差させるように刃を振り下ろした。
 今のはかなり削り取れた手ごたえがある。全力の攻撃を見せれば、標的をこちらに変えないものかと期待するが、様子は変わらない。目の前の触手も──その向こうにいる彼も。
「透さんとちゃんと肩を並べて戦うのは鎌倉以来かな。不謹慎だけど嬉しいよ」
 戦いに入る前に、そう声をかけた。その迷いと弱さは感じ取れていたから。惑わず戦えるようにと。
 それでは、足りなかったのだろうか。いや、そもそも届かないのか。
 先日言われた言葉。彼の演技にとって、自分たちの言葉はあまり重要ではないと。その演技が、リアルブルーでの理解を求める為の物であれば、覚醒者に対し当たり前に感情がフラットのものの意見は優先度は下がる。あるいは、結局彼の弱さにこの場の誰も寄り添えていない。そのことが。
 そんな風に考えてみて……しかし、焦りとか、悲しみとかはあまり湧いてこなかった。何だろう、考えてみたものの、やはりそれはピンとこない。これまでの戦い、これまでの交流が、そんなにも無価値なものだとは、どうしても。
 なおも触手に押しあてたまま、切れ味は止まった刃に再び手ごたえが生まれた。透の側から、触手に埋め込んだままの刀にねじるように力を加えそのまま真と位置を交差させるように踏み込んでへし切ろうとしている。
 合わせるように、真も力をこめ直して。
 ついには触手の一本が真ん中から切断された。勢いのまま、真と透は位置を入れ替わるように交差し。その、背合わせになる瞬間。
「──……」
 真はふぅ、と息を吐いた。ただ漏れでた息というには、重さのある。
 相手が強大でも。いかなる状況でも、普段通りに戦うだけだという気概でここに来た。
 だが。今回は。『普段通り』というには若干、勝手が違うかもしれない。
 真は、両手の剣をしっかりと握りなおす。

 そして。

 嵐が、巻き起こる。

 今切り落とされた一本の触手を除いた三本の触手たちが暴れまわる。前衛に居たものすべて、そしてロニをも巻き込んでハンターたちを猛烈な乱打が襲う。後衛で見ている一行は眩くも鮮烈なその攻防を息をのんで見守った。賢四郎は、せめてもと届く範囲には防御障壁を放つ。

 やがて、嵐が終わり。
 全員、その場に立っている──さすがにロニが透に急いでフルリカバリーをかけたが。
『へえ、驚いた』
 インタラプタは実際、感嘆したような声で言った。
『これを全員耐えるのか──ねえ、提案なんだけど、ここでやめないかな』
 勿論、そんな言葉に声を貸すわけもない。ハンターたちは各々に、攻撃を再開する。
『いやいや、分かる、分かるよぉ。このまま行けば、そのうち僕は倒されるかもしれないけどさあ──そっちだって、一人くらいは死ぬんじゃないかな?』

 言われて──状況を、整理する。
 ハンター側の勝算は、触手乱舞が来る前に一本目の触手を落せたこと。二本目に対しても、ハナ、賢四郎が攻撃を続けていたことに加えアーサー、真もタイミングを見て範囲攻撃に巻き込んでいたため、次までに二本目が落とせることはほぼ間違いない。というか、もうほぼ落としかかっている。
 苦しい点は、乱舞に巻き込まれた人数に対し回復行動をとれる人間が少ないこと。ここから、範囲攻撃を複数で食らい続ければ、インタラプタの体力次第では、回復の手番が、やがて回復手段そのものが足りなくなる可能性は大いに考えられる。

『どうなのかな。本当に、犠牲を出してまで僕に勝ちたいのかなぁ──君は』

 君は。
 君たち、ではなく、明らかに特定の一人を意識した物言い。それに。

「あーもうごちゃごちゃ煩いですぅ!」
 ハナが苛立ちの声を上げた。
「透さん、さっさとあの敵に吶喊しないなら私が後ろから蹴り入れてあげますよぅ! 歪虚は全ブッコロ一択ですぅ!」
 その叫びに、応えるように動いたのは、真だった。
 目の前の触手に全力の攻撃を叩き込む。明らかにこれまでとは違う切れ味が、滑らかに、見る見るうちに触手を切り裂いていく。
 今その刃に乗るのは、真一人のマテリアルではなかった。心の奥から響いてくる声がある。ここには居ない、友人の。
 ……二本目の触手が、斬り落とされて。
「透さん」
 そうして、呼びかける。
「もういいんじゃないかな、それ。ここからは私たちは、あいつに集中しよう」
 そう言うと。
「……まあ、それもそうか」
 透はそう答えた。構えと……表情と声を、一変させて。

「俺も、不謹慎だが言わせてもらうなら」
 あの、一本目の触手を切り落とした交差の瞬間。
「君の隣で囮役が出来るってのは小気味いいな」
 真にだけ聞こえるように、透はそう囁いていた。
「ああ、成程」
 気付いた賢四郎が、眼鏡に手を翔けながら思わずという風に呟く。
「つまり正に、こう言うべきところですか──……役者ですね」
 要するにそういう事だ。声は届いていたしここに居る皆が頼れることはすぐに分かった。その上で真とアーサーの立ち回りを見て、この作戦を安定させるためにはこのまま自分が狙われているのが一番いいと思った。
 そうして、ここまで、信じたとおり、上手くいっている、ならば。恐怖よりも、諦めたくない気持ちの方がまだ、強い。
 透は真と並び立ち、共にインタラプタ本体の元へと、切っ先を向けた。

 唄が、変わる。
 心を鎮める星影の唄から、躍動させる陽光の唄へと。変わりゆく戦場の空気に誂えたかのように。
 残る二本の触手を手繰り対抗しようとするインタラプタに対し、鈴が、イルミナが、チィが抑えにかかる。
 やがてアーサーが白兵人形の始末を終えて。
 ハナが、タイミングを見て、戦場最後列より前進していた。気迫を込めたような靴音を響かせて。
「……カスケードの下位互換が大口叩くとか有り得ないですぅ! 絶対逃がしませんよぅ!」
 その声は。
(ああもう本っ当に苛々させますねえ、この人!)
 怒りに、満ちていた。
(何なんですか散々やきもきさせておいて何なんですかそのオチだからなんで貴方が率先して危険牌切るような真似するんですか有り得ないって言ってるでしょいや貴方に言ってはないけど!)
 先ほど思わず声を張り上げたときは、謝るつもりじゃなかったのかなんて少し思ったけど。もういい。完っ全にそんな気失せた。
(これ貴方の夢のための戦いでしょ貴方が殺されたらどうするんですかむしろあいつの言う通り他の誰が殺されてでもやり遂げろってんですよええまあ分かってますよ自分のためだから犠牲になるなら自分って貴方は言うんでしょうけど! こっちとしては全部台無しにされるんですけど!? それ!?)
 声にはならない。自分の言葉は彼には響かないし不要なんだろうと思うから。
 ──全ての歪虚を踏み潰すために強くなりたい私は、歪虚の言葉なんて全て雑音に思えるほど傲慢だから。
 また瞬間的な怒りに任せているという自覚もあった。それももう、直らないものとして受け入れる。ならいっそ、この想いのまま。
「お前……歪虚の癖に生意気ですぅ!」
 理不尽極まりない台詞と共に、符に力をこめる。
 ……煌く漆黒がインタラプタの周囲に立ち上った。
『なっ! う、うわぁ!?』
 生まれる重圧に、インタラプタが初めて、本気で狼狽えた声を上げる。
 黒曜封印符。すべてのスキルを封じる符術師の技。代わりに彼女も身動きが取れなくなる。
 このまま遠距離から打ちあっても倒せる敵だと思ったけれど。
 それをしたら友人ですらなくなる気がした。
 だから私は分かり合えない傲慢さをだけを体現しよう。そのために。
『お、お前、お前かあ!?』
 恐慌のままに敵は雷球をハナに向かって放つ。動けない彼女はそれを、上等だと受け止めて……。
 鈴が振り向く。反応する目の前の触手に、叩き込まれる弾丸。
「……行って……! 貴方達の仲間を助けてあげて……!」
 イルミナが叫び、鈴が地を蹴る。再びハナを狙う雷球に、鈴は自ら飛び込んでいって手前で炸裂させる!
 向かい来るエネルギーに自ら飛び込んだ彼女を激しい雷柱が襲う。『金剛不壊』をもってしても受け止めきれるか分からない暴力を、しかし身体の中から暖かく湧き上がる力が弾き返す。ここに居ない友人の、心配の声が聞こえてくる。
 そして──耐えきった力、それを逆に練り込んで、マテリアルの力を相手に向かって、放出する!
 地下空洞全体が揺れるような激しい衝撃が、インタラプタを叩いた。
「その手はもう通用しねぇ! 何度でも倍返しにしてやンぜ!」
 はったりだ。鈴には分かっている。今の一撃が、決して自分一人の力では出せたものではないという事を。それでも、彼女も、演じて見せた。透との舞台を思い出しながら。
『あ、あ、あ……』
 インタラプタは理解する。その演算能力で。もはや破滅から逃れられないと。ならば……。
『ああもう! 死ね! 死ねばいい! それで思い知れよ! 無意味に馬鹿げた夢を抱くことも、それを無責任に煽る結果もさあ!』
 ならば宣言通り、誰か一人でも道連れに。
 自らの周辺、今己を直接攻撃する全員を巻き込むように、電撃を放ち続ける。
 視界が、白く染まる。その苦痛の中で。その叫びの中で。透は、刀を振り上げて。





 例えば。
 例えば、ここに一人の男がいる。
 好戦的な態度を隠さない男だ。
 その双剣は柔軟に状況に合わせ、仲間の無茶にも的確に応える、堅実に戦場を支え続けた剣だった。
 逆境を楽しみながら、それは決して無謀でも勝手でもなく、むしろ周囲をよく見ている。
 そんな戦いをする男が。

 例えば。
 例えば、ここに一人の少女がいる。
 独り戦場に立つ少女、その姿が似合すぎてしまほど孤独を纏ってしまっているエルフの少女だ。
 略奪への復讐と恐怖に、彼女はすべてを拒絶するようで、彼女はここに居る仲間を思う誰かのために声を上げた。
 怯えながらも、また寄り添う温もりを分かっている。
 そんな空気を纏う少女が。

 例えば。
 例えば、ここに一人の男がいる。
 歪虚との戦いが原因で、故郷を追われることになったドワーフの男だ。
 恨みの思いを認めつつ彼はそれを同じ思いをさせまいという他者への慈しみへと変えた。
 その祈りはただ傷を塞ぐというだけでない暖かみをもって仲間を癒し続ける。
 そんな信仰を掲げる男が。

 例えば。
 例えば、ここに一人の男がいる。
 知性にてより良き道を目指す男だ。
 しかし、理で全てを詰めれば理想を捨てるべきとなる矛盾に気付いてしまっている男だ。
 彼は人類を愚かと嘆きながら、それでも人類への賛歌を口にすることをやめない。
 そんな矛盾と向き合う男が。

 例えば。
 例えば、ここに一人の女性がいる。
 騒がしく時に強烈なまでに躍動する女性だ。
 ただ奇矯なようでいてその奥には強い信念を秘めている。
 時に他者の夢のためにすら本気の怒りを覚え躊躇わず全力でぶつけてくるような。
 そんな激しさを持つ女性が。

 例えば。
 例えば、ここに一人の少女がいる。
 故郷の惨状を目の当たりにし泣き叫んだ少女だ。
 嘆き怒った彼女は、やがてその怒りを正しく力に変え正しく振るった。
 故郷を取り戻した彼女は、これからも故郷のために拳を振るい、夢を目指すのだろう。
 そんな輝きに満ちた少女が。

 例えば。
 例えば、ここに一人の男がいる。
 過去を失い己に空白を抱える男だ。
 彼はいつも他者のために、自己を省みなさすぎではないのかという、そんな戦い方をする。
 しかしだからこそ、彼の存在が戦場にあると誰もが安心を感じるだろう。
 そんな風に信じさせる男が。

 例えば。
 例えば、ここに一人の男がいる。
 紅の世界の辺境にて、戦士として育てられてきた男だ。
 深く考えずに、感じるままに信じる、今回もなんの文句も叱咤も言わない彼の感性は未だによく分からなくて。
 それでも、純粋な意見は時折はっとする真理を突いてくるような。
 そんな──




 ──これを得たんだ。

 一度は手が届いた夢は、訳が分からない形で目の前から消失して。
 積み上げてきた結果と技術は時間とともに失われていくと分かっていた。
 でも、代わりに、これを得たんだ。
 幾多もの感情が迸るのを。
 その先に、幾多もの意志が磨かれていくのを。
 見てきた。感じてきた。そこに想いが、芽生えた。
 だから。

(演じたいんだ。『今の俺』で。そう、この想いが叫ぶから)

 だから、今ここでは諦めない。信じてもいいと思えるから。踏ん張る。踏み切る──


 刃が、歪虚の目玉を貫いた。皆で弱らせたところに、真っ直ぐ入った刃が、それの寄生する筐体ごと貫くまでに貫通する。
 その刃は──
「よう悪かったな本日の主演。様子見してる場合じゃなさそうだったんでな」
 魔剣バルムンク。アーサーの剣だ。まあ……そんなもんだ。実際前衛の体力は削られ続けていたし、鈴の一撃が無ければ実際倒しきる前に回復が足りなかった公算は高い、そんな状況だった。
 崩れ去っていく歪虚を、真は油断せずに警戒していた。もう悪あがきは無いのか。反撃や自爆に備えるが、杞憂だったのか黒曜封印符の効果なのか、何も起こらない。
 発生するのは歪虚としての自然現象。寄生していた筐体、扱っていた機器ごと崩れ去っていく、それに、賢四郎が急ぎ近づく。
(離間が目的か手段か。VOIDが何を考えているか少しでも解れば……)
 端からゆっくりと崩れていくインタラプタから、断片的にだが引き出せる情報を引き出していく。
 そこで、はあー、と、大きく深く息を吐く音がした。ハナだ。瞬間的に沸いた怒りはもう落ち着いていようが、何か言いたげな気配は残っている。
 そんなハナに、透が口を開いた。
「……俺は。君が大嫌いと言った俺から何も変わっていないし、無理に変わるつもりもないよ」
「……そうみたいですね。それで?」
「だから謝ってほしくないし、君はこのことに何か報いを求めるべきじゃない。それは、馴れ合いのために君が俺に譲歩するってことだし、その程度だったのなら逆にただの殴られ損になる」
 ああやっぱりそっちもその気だったのか、とハナは確信する。自分たちがするべきは半端にしかならない歩み寄りじゃない。むしろ徹底的にわかり合えないことの提示と理解。
「俺は……走れないよ。歩く。一歩踏み出して、また行けそうならもう一歩。そうやって。……でも、なるべく長く歩けたら、幸せだとは、思う」
 だから。
「やっぱり、蹴り飛ばしてもいいですかぁ?」
「……」
「何ですぅ? 目的地がはっきりしてるのに目の前でのろのろ歩かれたら当然の反応と思いますけどぉ」
 その言葉に、アーサーが後ろで「そりゃ言えてんな」と同意を呟いて、透は顔を顰めるしかなかった。
 作業を終えた賢四郎は透に同情的な視線を向け苦笑する。ここに漂うものは何なのだろう。分かり合えないことを分かり合って、しかし拒絶はそこにない。それを可能にしているものを、何と呼ぶのか。
 曖昧さ。不安定──不確定。
 不確定、か。それをそのままにしておけるのが人間のしたたかさで、あるいは希望に変えうるもの。そんな風に思うのは。
(彼は顔のある個人を演じる目的で。自分は顔の無い人物を手段で演じようと思っていた。故に眩しく思えた……ですかね)
 そう、自他比較しつつ結論して、しかしその内心を彼が語ることは、無い。
 改めて、得た情報を賢四郎は確認する。分かったのは離間策は手段だったという事だ。孤立したこれが、寄る辺に対して己がハンターに損害を与えうる存在だとアピールするための。そしてその秋波は、どうやら欧州方面にも送られていた。
 そうやってこいつが頼ろうとする歪虚が、今欧州に存在している──?
 情報は、軍にも提供された。もっとも、民間の情報提供に感謝する、程度の反応ではあったが。
 だが、現状においてはこいつは、はぐれ歪虚だったことも証明された。
 つまり──今ここで倒せたことで、一先ずの事態としては収束したのだ。

 地下室から出る。透は空を見上げて……次の一歩に、想いを馳せた。

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  • 蒼き世界の守護者
    アーサー・ホーガンka0471
  • 友よいつまでも
    大伴 鈴太郎ka6016

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  • 蒼き世界の守護者
    アーサー・ホーガン(ka0471
    人間(蒼)|27才|男性|闘狩人
  • 支援巧者
    ロニ・カルディス(ka0551
    ドワーフ|20才|男性|聖導士
  • 矛盾に向かう理知への敬意
    初月 賢四郎(ka1046
    人間(蒼)|29才|男性|機導師
  • 無くした過去に背を向けて
    イルミナ(ka5759
    エルフ|17才|女性|猟撃士

  • 鞍馬 真(ka5819
    人間(蒼)|22才|男性|闘狩人
  • 命無き者塵に還るべし
    星野 ハナ(ka5852
    人間(蒼)|24才|女性|符術師
  • 友よいつまでも
    大伴 鈴太郎(ka6016
    人間(蒼)|22才|女性|格闘士

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アイコン 相談卓
鞍馬 真(ka5819
人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2018/02/27 23:30:03
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/02/24 21:22:59
アイコン 質問卓
大伴 鈴太郎(ka6016
人間(リアルブルー)|22才|女性|格闘士(マスターアームズ)
最終発言
2018/02/25 22:00:05