ゲスト
(ka0000)
【初心】精霊のご立腹
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- LV1~LV20
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/02/27 09:00
- 完成日
- 2018/03/04 17:54
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
●その精霊、立腹につき
グラズヘイム王国のとある地域にこの町には、船も行きかう大きめな川がある。その川には精霊が住んでいる。
川の両岸に町があるが、片方だけにその精霊を祭った社がある。そちらの町が先にできたのか、もともとそちらに人がいたからできたのか、来歴を知っているのは現状ここにはいなかった。
以前は歪虚の襲撃――といっても、ここの領主の兄だった――があったが、現在は復興しつつ、穏やかな時を送っていた。
「むっかかかかかあああああなのおおおおおおおおおおおおおおお」
水辺で精霊が絶叫しているが、おおむね平和である。町の中で干している魚が消えたり、屋根の上でどたどた走る音がしたりすることがあっても平穏である。
ただ、さすがに、精霊が何か訴えているため、町の人は領主であるイノア・クリシスに伝えた。
その結果、イノアは直接やってきた。この精霊が領主の屋敷に来られるわけではないため、町の視察もかねてやってくる。
イノアの前にいる水の精霊リオ(仮)は少女のような少年のような中性的な姿をしている。その上、人間ぽい姿で布を巻き付けた服を着ているのだが、全部流水である。形があるけれども中身は流れているように見える。
「いーのーあーっ!」
「何があったのですか?」
リオ(仮)はうなずく。
「ぞおおおおまあああ、腹立つううう」
「……え?」
リオ(仮)は人間の言葉をしゃべれないところから大分話せるようになったようだ。長くなるのでかいつまんで説明する。
彼女の手が届かないところに雑魔が出ているという。まだ、町の人に被害は出ていないが、こざかしいことに手が届かないところにいる。リオ(仮)は水があるところしか動けない。下水とかも行けなくはないけれども、遠くまで行くと川の水が薄くなるし気分が乗らないらしい。
「それは困りますね」
リオ(仮)が憤慨すると、彼女を中心に大きな波が立つのがイノアにも見えている。雑魔がいるのも困るし、川が不安定なのも困る。一番いいのは雑魔に退場願うこと。
雑魔がいるという噂は人間側では発生していない。そのためイノアは精霊に感謝するとともに、怒りを鎮めてもらうべく――必死に、お礼を述べ対処することを宣言したのだった。
イノアは帰路で考える。
「……兵士でも倒せるものですけれど……うちの戦力は」
少ない。いろいろあって、最低限しかいない。
「ハンターにお願いするのが一番ですね……」
そして、イノアは支部に顔を出したのだった。
●依頼
受付嬢はイノアの話を聞いて「では、駆け出しハンターに頑張ってもらいましょう」と言い切る。
「え?」
「町の中、一応、それなりに力持っているぽい精霊のアシストもありますし、訓練にはもってこいでしょ?」
受付嬢はタグをつけていく。
「訓練だからって他者を頼り切ってはいけませんし、現状の話から……役割決めたり、探したり色々やることはありますし、町の中だから必要ならSOSも出せます。ハンターにも町にも優しい依頼です」
受付嬢のよくわからない言葉を聞きながらイノアは自分なりに解釈する。今後、世界に羽ばたくハンターのためになるなら十分いい話である。
やることはいくつかある。現在入っている情報の裏を取り、雑魔をおびき出してたたく。町には人が普通に生活しているため、危険にさらさないようにしないともならない。無理はしなければ問題は発生しないだろう。
「情報としてはこれですか……干物作成中の魚が盗まれたとか、屋根の上をドドドと走る音がするけど、猫にしては大きそうだとか……」
「それだと、梯子は用意しておいた方がいいですね」
「二階建て以上だとちょっと……まあ、バルコニーとか登ればいい話なので、そこまで私たちが心配することではないですね」
建物は二階建てから三階建てが多い。
「お屋敷周りは出ているのですか?」
「いえ、噂は聞いていません……川からはそれなりに離れたところろ……中央付近でしょうか」
領主と受付嬢は首をかしげる。
「調べてくださいということですよね! はい、領主、依頼は受けましたので、どーんと大船に乗って待っていてくださいね」
お約束だが、この言い方は「泥船」ぽいのである。
しかし、イノアは口に出さない。依頼を受け付けたのはこの職員でも、依頼を解決のために頑張るのはハンター諸氏なのだから。
グラズヘイム王国のとある地域にこの町には、船も行きかう大きめな川がある。その川には精霊が住んでいる。
川の両岸に町があるが、片方だけにその精霊を祭った社がある。そちらの町が先にできたのか、もともとそちらに人がいたからできたのか、来歴を知っているのは現状ここにはいなかった。
以前は歪虚の襲撃――といっても、ここの領主の兄だった――があったが、現在は復興しつつ、穏やかな時を送っていた。
「むっかかかかかあああああなのおおおおおおおおおおおおおおお」
水辺で精霊が絶叫しているが、おおむね平和である。町の中で干している魚が消えたり、屋根の上でどたどた走る音がしたりすることがあっても平穏である。
ただ、さすがに、精霊が何か訴えているため、町の人は領主であるイノア・クリシスに伝えた。
その結果、イノアは直接やってきた。この精霊が領主の屋敷に来られるわけではないため、町の視察もかねてやってくる。
イノアの前にいる水の精霊リオ(仮)は少女のような少年のような中性的な姿をしている。その上、人間ぽい姿で布を巻き付けた服を着ているのだが、全部流水である。形があるけれども中身は流れているように見える。
「いーのーあーっ!」
「何があったのですか?」
リオ(仮)はうなずく。
「ぞおおおおまあああ、腹立つううう」
「……え?」
リオ(仮)は人間の言葉をしゃべれないところから大分話せるようになったようだ。長くなるのでかいつまんで説明する。
彼女の手が届かないところに雑魔が出ているという。まだ、町の人に被害は出ていないが、こざかしいことに手が届かないところにいる。リオ(仮)は水があるところしか動けない。下水とかも行けなくはないけれども、遠くまで行くと川の水が薄くなるし気分が乗らないらしい。
「それは困りますね」
リオ(仮)が憤慨すると、彼女を中心に大きな波が立つのがイノアにも見えている。雑魔がいるのも困るし、川が不安定なのも困る。一番いいのは雑魔に退場願うこと。
雑魔がいるという噂は人間側では発生していない。そのためイノアは精霊に感謝するとともに、怒りを鎮めてもらうべく――必死に、お礼を述べ対処することを宣言したのだった。
イノアは帰路で考える。
「……兵士でも倒せるものですけれど……うちの戦力は」
少ない。いろいろあって、最低限しかいない。
「ハンターにお願いするのが一番ですね……」
そして、イノアは支部に顔を出したのだった。
●依頼
受付嬢はイノアの話を聞いて「では、駆け出しハンターに頑張ってもらいましょう」と言い切る。
「え?」
「町の中、一応、それなりに力持っているぽい精霊のアシストもありますし、訓練にはもってこいでしょ?」
受付嬢はタグをつけていく。
「訓練だからって他者を頼り切ってはいけませんし、現状の話から……役割決めたり、探したり色々やることはありますし、町の中だから必要ならSOSも出せます。ハンターにも町にも優しい依頼です」
受付嬢のよくわからない言葉を聞きながらイノアは自分なりに解釈する。今後、世界に羽ばたくハンターのためになるなら十分いい話である。
やることはいくつかある。現在入っている情報の裏を取り、雑魔をおびき出してたたく。町には人が普通に生活しているため、危険にさらさないようにしないともならない。無理はしなければ問題は発生しないだろう。
「情報としてはこれですか……干物作成中の魚が盗まれたとか、屋根の上をドドドと走る音がするけど、猫にしては大きそうだとか……」
「それだと、梯子は用意しておいた方がいいですね」
「二階建て以上だとちょっと……まあ、バルコニーとか登ればいい話なので、そこまで私たちが心配することではないですね」
建物は二階建てから三階建てが多い。
「お屋敷周りは出ているのですか?」
「いえ、噂は聞いていません……川からはそれなりに離れたところろ……中央付近でしょうか」
領主と受付嬢は首をかしげる。
「調べてくださいということですよね! はい、領主、依頼は受けましたので、どーんと大船に乗って待っていてくださいね」
お約束だが、この言い方は「泥船」ぽいのである。
しかし、イノアは口に出さない。依頼を受け付けたのはこの職員でも、依頼を解決のために頑張るのはハンター諸氏なのだから。
リプレイ本文
●まずは挨拶
ンレ(ka7142)は今回一緒する一同を前に、不敵な笑みを浮かべつつ自信あふれた雰囲気で口を開いた。
「このような形で仕事をするのは初めてだが……皆の者、よろしく頼むぞ」
イヴ(ka6763)は関係は第一次産業と位置付けているンレの言葉にうんうんとうなずく。
「そうだな、こうやって仕事するのおは互いに初めてだ。さて、まずは敵が何か突き止めないとな」
蓬仙 霞(ka6140)は状況からどうするべきか考えつつ、仲間に確認するために口を開く。
「そうだね。雑魔一匹なら見つければ難なく倒せそうだけど……まず、見つけること……だよね」
フィア(ka6940)は無感情というよりどこか遠くにあるようなふわっとした表情で首肯する。
「肯定。フィアの性能を発揮する機会が参りました。敵を見つけ殲滅することは重要です」
蜜咲(ka7007)は精霊の状況を聞いて「かゆいところに手が届かなぇってことはイラっとくるもんだべ」と思いながらやってきた。
「よろしく頼むべ。まずは話も聞きたいしイノアとリオにも挨拶すべ」
そして、一行は移動する、まずは町中の社である。近づくと水流を人の形にしたようなものがいる。一行を見ると、待ってましたとばかりに、笑顔ではなく怒りの表情のまま移動してくる。歩くというより、飛んで移動というより水が流れてくる感じだろうか。
「よおーろおーしーくううなの」
元気が良い彼女を見ると、セイ(ka6982)は思わず目頭を押さえ、乱暴に目をこすった。知り合いの清流の精霊を思い出していた。
「水の精霊さま、リオって名前なんだって? いい名前だな。リオが雑魔がいると教えてくれたんだよな。ありがとな。雑魔がリオに指一本でも触れることないように頑張るよ」
セイが告げると、リオ(仮)はきょとんとする。
「そうだ、奴がここに来たからといってむやみやたらと姿を見せるな。私たちが討伐してやる」
ンレが力強く告げた。
リオ(仮)は表情を緩め、どこか優し気な雰囲気を見せた。
「だーじょーぶ」
リオ(仮)は胸をびちゃんとたたくと、フンと強そうなポーズをとったのだった。そうすると彼女がつながっているらしい川の水が大きく波打った。
「そ、そう来るのか」
「あ、いや……え?」
セイとンレが何とも言えない表情を浮かべることとなった。
●情報収集
蜜咲はリオ(仮)に質問するのを仲間に任せて、先に調査に向かった。まずは領主のイノア・クリシスに屋根の上に登るための梯子が借りられるか確認に向かう。
執務室にいるイノアに会うことができた。
「梯子ならあります。必要な数を言っていただければ、屋敷になくともどうにかいたします」
「助かるべ」
「よろしくお願いします」
蜜咲はイノアのところを後にした。
霞も町に向かう。依頼を受けるときに聞いている情報はあるが確認のための聞き込みだ。
雑魔がいると正直に聞くと町の人は不安がるだろうと想像した。そのため、野良猫探しと言うことにして聞いていく。
「すまない……商店街で魚とか肉が取られる被害があったと……領主に依頼が、あったんだ。野良猫……なら、しかるべき対処をしないと、ならない……」
「あー、噂では聞いているよ」
あくまで噂でも話を聞くことができると霞は安堵する。徐々に情報は集まってくるだろうから。
リオ(仮)に質問がある者が口を開く。
「どの辺に雑魔を感じたか、詳しく教えてくれないか?」
セイの問いかけに、リオ(仮)は答える。
「かーわーかーら、離れたところ。下水は嫌いだけど、行ける」
川から一定距離は離れているところまでしか来ないという。一度、攻撃しようとして逃げられたことがあり、そのあとから近づかなくなったという。
「むううううううううおおおおおなのおおお」
怒りの表情が浮かび、どんどんと地面を踏み鳴らす。踏み鳴らしても、正しくはびちゃんびちゃんという音がしている上、水しぶきが飛ぶ。
「確認。では、敵は貴女の位置と能力を把握し、貴女を敵と判断していることで問題ないでしょうか」
フィアの確認の言葉に「そおおなのおおおおおおおおお! 腹立つううううう」と返答がある。
「リオ……落ち着こう。川からこのくらいか」
イヴは地図に線を引いた。
「敵の知能がわからないが、愚かではないということだな」
イヴの推測にこの場にいる者は同意を見せる。愚かならばとっくにリオ(仮)が討伐しているだろう。
「ふむ、魚を盗んだなど許してはおけ……こぼん……街の治安を守るために犯人を捜し出さなければな」
ンレが素直に何か言いかけて、一瞬、頬に朱が散ったが、咳払いの後、まじめに言い切ったのだった。
霞は地道に情報の確認を行っていく。
干している魚とジャーキーが取られている。魚は魚屋から民家まで幅が広い。話を聞くと時間帯は日中であるという。そのため、猫ぽいかもしれないというあいまいな目撃情報も得られる。
一方、ジャーキーが盗まれたところは肉屋だけだ。店頭から人がいなくなった頃、店じまいする時間帯に気づいたという。何回か盗まれて用心はしていたらしい。盗まれる瞬間は見ていないが、貯蔵庫近辺で、黒い何かは見たかもしれないという。
「時間帯は異なると言える……でも、姿形は不明。何かいるかもしれない、となると……不安だろうな」
霞は仲間に得た情報を伝えた。
屋根の上で音を聞いたという住宅が多い辺りに蜜咲は出向いた。借りた梯子を手に情報を求める。真夜中に聞こえることもあり、恐ろしいと言われた。
「猫が歩き回っていることもあるけれど、重量を感じさせる音なんだ」
と言うようなことを幾人かから聞くことができた。蜜咲はある程度場所を絞って上に登らせてもらうことにしたのだった。
仲間から集まってくる情報を耳にし、雑魔とそれ以外がいるようだというのは感じ取る。
「町の中に猫くらいいるべ」
屋根に上ると足跡や毛などが落ちていないか探す。風もあるため毛は簡単に吹き飛ぶだろう。しかし、狩猟のコツとして煙突や屋根の角にこすった場合、痕跡は残りやすいのだ。
日があるうちはできる限り状況を調べた。めぼしいあとは見つからないが、自分が隠れるのによさそうなところは見つけておいた。
イヴは仲間からの情報も得て、魚屋でもらった箱を用いてわなを仕掛ける。リオ(仮)の話から浮かんだぎりぎりの位置。
ンレも手伝う。魚の匂いが染みつく箱に生きのよさそうな魚。
「これを何かにくれてやるのは悲しいものだがな」
「何かを見つけるにはこれが手っ取り早いな」
イヴとンレは罠を仕掛けて隠れる。謎の獣は夜に歩き回っているというため、薄暗くなってきたためそろそろ来るかもしれない。
カタカタ。
罠の箱が動く音がする。これは捕まっているのか周囲にいるのか確認を取らないとならない。
「こちら、罠に何かかかった模様」
エピキノニアで連絡を取るイヴ。
ンレが様子をうかがっていると、箱から逃げる生き物がいた為、ランスを構え突撃をした。
「待て、逃げるのか! 初めての相手としては不足はっ……! あれ?」
「にゃーーーーん」
「なーんでー」
ンレはぎりぎりで武器は止めるが、すぐには足が止まらず滑る。
「にゃーん」
「いてっ!」
後ろ足で立っていた猫はそのままイヴの方に向かっていく。
「捕獲完了……あ、痛いっ!」
引っかかれながらもイヴは仲間に連絡を続けた。
「ユグディラだ……これ」
結局、罠に使った箱に入れて、この処遇は後回しにした。
フィアは【壁歩き】を使うか検討する。覚醒状態になれる時間、回数を考えると現在使うのは得策ではない。
「却下。時間が無駄とは思いますが、戦闘時にスキルを使えないのはフィアの能力を生かせなくなります」
身の軽い彼女が捕まるところがある壁を通常登るのも苦にはならない。情報によると日中より夜に何かは出るという。
今ならばそのまま登っても時間ロスはたいしてはないだろう。
屋根に上ると、家々が立ち並ぶ中、景色を見る。まだ緑にはなっていない、丘が壁のようにも見え、一方には川がある。
「理解。敵は出ていくつもりもなく、精霊を取り込むため、町で力を蓄えています」
地理や情報を見つける為、屋根の上を軽やかに走った。
セイは馬の背に登り、屋根に手をのばす。
「んー、馬の背から飛び移ればなんとなく上がれそうな気がするんだよな」
二階に登ろうとしていたところ、視線を感じる。馬の近くに子供が二人立っている。
「ふ、ふしんしゃ」
「ふしんしゃだー」
「……あ、え? 俺は!」
セイは慌てたため、馬からずり落ちた。
子どもたちは悲鳴を上げて駆けていき家に入っていった。
「……まず、家の人に確認……」
仲間からの連絡が入り、どこから上ったか聞けた。そこに向かうことにした。
セイが屋根に上ると蜜咲やフィアが見ている場所と違うところを確認する。足跡があるか否かが来もかもしれない。
「なくはないなぁ……猫か、これ」
獣ぽいのはいくつかあった。
●灯の元に
夜がやってくる。
灯火の水晶球や領主から貸し出されたランタンやたいまつなどを手に、ハンターたちは警戒を行っていた。
イヴとンレが捕まえたユグディラによると、夜になると大き目な動物が出るのは事実らしい。捕まりかけたが、川の方に行くと助かったという。そのため、それはねぐらを川近くに構えているという。
霞は情報から地域は絞り、対応できそうな地上に待機した。仲間からの連絡はトランシーバー、魔導スマートフォンおよび魔導短伝話を所持し、仲間の連絡をどれでも受けられる。
隠れてじっと待つ。
住民が家に入れば、通りは静かである。
屋根の上にいる蜜咲、フィアとセイは違う重複しないように警戒する。
灯を使うと逃げられるか否かわからない。まだ人間が襲われたという話はないが、屋根の上に人がいたという事例がこれまでなかっただけかもしれない。
月が天を上っていく。
いつ敵が出るかわからない。
それからしばらくすると何かの音がした。屋根を踏みしめるような音である。
警戒するようで歩みは遅い。それ自体も隠れている可能性はある。
「なんとなくいる……ぜ」
「推測。あの角度のようです」
「ああ、おらから見てもそっちだべ」
上の三人はそれぞれ順番に連絡を取り、推測を固め、地上にいる者に連絡をする。
地上にいる三人は、その建物を囲めるように立つ。
「少し問題があるとすれば、隣の建物に移れることだよね」
「その時は、私たちも走るのみ」
「そう、だね……」
イヴ、ンレと霞は連絡を取り、待機する。そして、その時が来た。
フィアが先ず動く。覚醒状態になると【ランアウト】を用いて一歩でも早く敵に近づく。
「発見。敵、殲滅します」
それは狼のような姿をしつつも、負のマテリアルで膨れ上がりいびつな姿をしている。もちろん猫よりは大きく、屋根の上を走れば音が響くのも通りだ。
フィアはそれに対し銃撃を行う。回避されるが、雑魔が敵として認識してくれることも重要だ。
「逃がすわけにはいかねぞ」
続いてセイが近づき、敵の退路を断つ。
「ほら、うまそうな肉はここにあるべよ」
蜜咲は敵を引き付けるように声をかけながら近づいた。
雑魔はギラギラと光るような鈍い色の目を、ハンターに向けた。そして、言葉を理解したのか、蜜咲に向かった。引っかかれるが、大したことはない。
「無事。そのまま攻撃を続けます」
フィアの正確な射撃は雑魔を狙う。
「さっさと倒すぜ」
セイはマテリアルを活性化し【ヒッティング】を行う。
「こっちに来るいい子だべ!」
蜜咲は太刀を雑魔に叩き込んだが、雑魔はそれを回避した。
回避したのは良かったのだが、それも想定していなかった事態が発生する。
雑魔の足元に屋根はなかった。
「追撃!」
「下の奴らっ!」
「雑魔が落ちたべ!」
フィアとセイ、蜜咲の声が上がった。半ば悲鳴のようでもあるが、下にいる仲間を信じ、それぞれの方法で降りるのだった。
地上の三人は屋根の上の戦闘は音として聞いているが、把握は難しい。その結果、もどかしさがあった。
屋根の上の三人が地上にいる三人に注意を促す声が響いた。
霞は上から降ってきた雑魔を見る。落ちたことで追加のダメージも入っていそうなボロボロな姿。
「イヴとンレ、こっち」
霞は連絡を取るより早いと、鋭い声を出す。自分でも驚くほど声はしっかりと出ていた。
太刀を構え、一呼吸を置くと、鋭い突きをくらわせる。
「逃がさない」
足音は聞こえているし、屋根の上から援護も来るだろうがそれまで足止めはしないとならない。
「射撃。援護します」
フィアの銃撃が雑魔にプレッシャーを与える。
「お待たせ」
声を掛けるが早いか、イヴは銃撃を行う。アサルトライフルから吐きだされた銃弾は雑魔の足止めを行う。あと一息で倒せそうだが、油断はできない。
「これが噂の雑魔か」
ンレはイヴを守るために待機するか、それとも敵を討つべきか判断する。道の細さと敵の状況を考えると倒すほうがいい。
「行くぞ!」
ンレはランスを構え雑魔に向かった。
雑魔は攻撃に耐えきれなくなり、塵となって消えた。
●無事終了
「というわけで、雑魔と聞いてどのようなものかと思っていれば、大したことなかったぞ」
ンレがリオ(仮)に報告をした。
「そうだ。拾ったユグディラどうするか」
イヴは箱の中で眠るユグディラをリオ(仮)に見せる。
「おいていい」
放置と言う決定が下された。
「それでは、また魚が盗られるのではないか」
「イノアにいーう」
不満だったンレにリオが請け負った。
「まー、野良猫もいるべ。ユグディラ一匹も同じようなもんだべ」
「それはそうだな」
蜜咲にやんわりと言われンレはうなずいた。しかし、猫よりユグディラの方が危険度は高いが、そのあたりは別だろう。
「これでリオがご機嫌に暮らせるようになればいいけどな」
セイが告げると、リオ(仮)は思案する顔になる。
「だーじょーぶ! もう、歪虚もいない」
セイはリオの表情がどこか悲しそうにも見えた。しかし、それは一瞬で流水のように表情は変わる。
「終了。次はオフィスに依頼を完遂したことを伝えに行きます」
フィアは淡々と告げる。
リオはうんうんとうなずきながら一同を見渡す。
「これにいてええ、いっけんらくちゃうくなのー」
どこで覚えたのか知らないが妙な言葉を言った。
一行はオフィスに報告に行き眠る時間だ。
歩き始めるまえ、霞は手を握りしめる。
「……ハンターになってからよく人と話すようになった……こんなにいっぱい人と話すのは初めてかも……これからも、宜しく……」
霞は言った後、緊張して仲間を見つめる。異口同音に「よろしく」と声が上がった。
ンレ(ka7142)は今回一緒する一同を前に、不敵な笑みを浮かべつつ自信あふれた雰囲気で口を開いた。
「このような形で仕事をするのは初めてだが……皆の者、よろしく頼むぞ」
イヴ(ka6763)は関係は第一次産業と位置付けているンレの言葉にうんうんとうなずく。
「そうだな、こうやって仕事するのおは互いに初めてだ。さて、まずは敵が何か突き止めないとな」
蓬仙 霞(ka6140)は状況からどうするべきか考えつつ、仲間に確認するために口を開く。
「そうだね。雑魔一匹なら見つければ難なく倒せそうだけど……まず、見つけること……だよね」
フィア(ka6940)は無感情というよりどこか遠くにあるようなふわっとした表情で首肯する。
「肯定。フィアの性能を発揮する機会が参りました。敵を見つけ殲滅することは重要です」
蜜咲(ka7007)は精霊の状況を聞いて「かゆいところに手が届かなぇってことはイラっとくるもんだべ」と思いながらやってきた。
「よろしく頼むべ。まずは話も聞きたいしイノアとリオにも挨拶すべ」
そして、一行は移動する、まずは町中の社である。近づくと水流を人の形にしたようなものがいる。一行を見ると、待ってましたとばかりに、笑顔ではなく怒りの表情のまま移動してくる。歩くというより、飛んで移動というより水が流れてくる感じだろうか。
「よおーろおーしーくううなの」
元気が良い彼女を見ると、セイ(ka6982)は思わず目頭を押さえ、乱暴に目をこすった。知り合いの清流の精霊を思い出していた。
「水の精霊さま、リオって名前なんだって? いい名前だな。リオが雑魔がいると教えてくれたんだよな。ありがとな。雑魔がリオに指一本でも触れることないように頑張るよ」
セイが告げると、リオ(仮)はきょとんとする。
「そうだ、奴がここに来たからといってむやみやたらと姿を見せるな。私たちが討伐してやる」
ンレが力強く告げた。
リオ(仮)は表情を緩め、どこか優し気な雰囲気を見せた。
「だーじょーぶ」
リオ(仮)は胸をびちゃんとたたくと、フンと強そうなポーズをとったのだった。そうすると彼女がつながっているらしい川の水が大きく波打った。
「そ、そう来るのか」
「あ、いや……え?」
セイとンレが何とも言えない表情を浮かべることとなった。
●情報収集
蜜咲はリオ(仮)に質問するのを仲間に任せて、先に調査に向かった。まずは領主のイノア・クリシスに屋根の上に登るための梯子が借りられるか確認に向かう。
執務室にいるイノアに会うことができた。
「梯子ならあります。必要な数を言っていただければ、屋敷になくともどうにかいたします」
「助かるべ」
「よろしくお願いします」
蜜咲はイノアのところを後にした。
霞も町に向かう。依頼を受けるときに聞いている情報はあるが確認のための聞き込みだ。
雑魔がいると正直に聞くと町の人は不安がるだろうと想像した。そのため、野良猫探しと言うことにして聞いていく。
「すまない……商店街で魚とか肉が取られる被害があったと……領主に依頼が、あったんだ。野良猫……なら、しかるべき対処をしないと、ならない……」
「あー、噂では聞いているよ」
あくまで噂でも話を聞くことができると霞は安堵する。徐々に情報は集まってくるだろうから。
リオ(仮)に質問がある者が口を開く。
「どの辺に雑魔を感じたか、詳しく教えてくれないか?」
セイの問いかけに、リオ(仮)は答える。
「かーわーかーら、離れたところ。下水は嫌いだけど、行ける」
川から一定距離は離れているところまでしか来ないという。一度、攻撃しようとして逃げられたことがあり、そのあとから近づかなくなったという。
「むううううううううおおおおおなのおおお」
怒りの表情が浮かび、どんどんと地面を踏み鳴らす。踏み鳴らしても、正しくはびちゃんびちゃんという音がしている上、水しぶきが飛ぶ。
「確認。では、敵は貴女の位置と能力を把握し、貴女を敵と判断していることで問題ないでしょうか」
フィアの確認の言葉に「そおおなのおおおおおおおおお! 腹立つううううう」と返答がある。
「リオ……落ち着こう。川からこのくらいか」
イヴは地図に線を引いた。
「敵の知能がわからないが、愚かではないということだな」
イヴの推測にこの場にいる者は同意を見せる。愚かならばとっくにリオ(仮)が討伐しているだろう。
「ふむ、魚を盗んだなど許してはおけ……こぼん……街の治安を守るために犯人を捜し出さなければな」
ンレが素直に何か言いかけて、一瞬、頬に朱が散ったが、咳払いの後、まじめに言い切ったのだった。
霞は地道に情報の確認を行っていく。
干している魚とジャーキーが取られている。魚は魚屋から民家まで幅が広い。話を聞くと時間帯は日中であるという。そのため、猫ぽいかもしれないというあいまいな目撃情報も得られる。
一方、ジャーキーが盗まれたところは肉屋だけだ。店頭から人がいなくなった頃、店じまいする時間帯に気づいたという。何回か盗まれて用心はしていたらしい。盗まれる瞬間は見ていないが、貯蔵庫近辺で、黒い何かは見たかもしれないという。
「時間帯は異なると言える……でも、姿形は不明。何かいるかもしれない、となると……不安だろうな」
霞は仲間に得た情報を伝えた。
屋根の上で音を聞いたという住宅が多い辺りに蜜咲は出向いた。借りた梯子を手に情報を求める。真夜中に聞こえることもあり、恐ろしいと言われた。
「猫が歩き回っていることもあるけれど、重量を感じさせる音なんだ」
と言うようなことを幾人かから聞くことができた。蜜咲はある程度場所を絞って上に登らせてもらうことにしたのだった。
仲間から集まってくる情報を耳にし、雑魔とそれ以外がいるようだというのは感じ取る。
「町の中に猫くらいいるべ」
屋根に上ると足跡や毛などが落ちていないか探す。風もあるため毛は簡単に吹き飛ぶだろう。しかし、狩猟のコツとして煙突や屋根の角にこすった場合、痕跡は残りやすいのだ。
日があるうちはできる限り状況を調べた。めぼしいあとは見つからないが、自分が隠れるのによさそうなところは見つけておいた。
イヴは仲間からの情報も得て、魚屋でもらった箱を用いてわなを仕掛ける。リオ(仮)の話から浮かんだぎりぎりの位置。
ンレも手伝う。魚の匂いが染みつく箱に生きのよさそうな魚。
「これを何かにくれてやるのは悲しいものだがな」
「何かを見つけるにはこれが手っ取り早いな」
イヴとンレは罠を仕掛けて隠れる。謎の獣は夜に歩き回っているというため、薄暗くなってきたためそろそろ来るかもしれない。
カタカタ。
罠の箱が動く音がする。これは捕まっているのか周囲にいるのか確認を取らないとならない。
「こちら、罠に何かかかった模様」
エピキノニアで連絡を取るイヴ。
ンレが様子をうかがっていると、箱から逃げる生き物がいた為、ランスを構え突撃をした。
「待て、逃げるのか! 初めての相手としては不足はっ……! あれ?」
「にゃーーーーん」
「なーんでー」
ンレはぎりぎりで武器は止めるが、すぐには足が止まらず滑る。
「にゃーん」
「いてっ!」
後ろ足で立っていた猫はそのままイヴの方に向かっていく。
「捕獲完了……あ、痛いっ!」
引っかかれながらもイヴは仲間に連絡を続けた。
「ユグディラだ……これ」
結局、罠に使った箱に入れて、この処遇は後回しにした。
フィアは【壁歩き】を使うか検討する。覚醒状態になれる時間、回数を考えると現在使うのは得策ではない。
「却下。時間が無駄とは思いますが、戦闘時にスキルを使えないのはフィアの能力を生かせなくなります」
身の軽い彼女が捕まるところがある壁を通常登るのも苦にはならない。情報によると日中より夜に何かは出るという。
今ならばそのまま登っても時間ロスはたいしてはないだろう。
屋根に上ると、家々が立ち並ぶ中、景色を見る。まだ緑にはなっていない、丘が壁のようにも見え、一方には川がある。
「理解。敵は出ていくつもりもなく、精霊を取り込むため、町で力を蓄えています」
地理や情報を見つける為、屋根の上を軽やかに走った。
セイは馬の背に登り、屋根に手をのばす。
「んー、馬の背から飛び移ればなんとなく上がれそうな気がするんだよな」
二階に登ろうとしていたところ、視線を感じる。馬の近くに子供が二人立っている。
「ふ、ふしんしゃ」
「ふしんしゃだー」
「……あ、え? 俺は!」
セイは慌てたため、馬からずり落ちた。
子どもたちは悲鳴を上げて駆けていき家に入っていった。
「……まず、家の人に確認……」
仲間からの連絡が入り、どこから上ったか聞けた。そこに向かうことにした。
セイが屋根に上ると蜜咲やフィアが見ている場所と違うところを確認する。足跡があるか否かが来もかもしれない。
「なくはないなぁ……猫か、これ」
獣ぽいのはいくつかあった。
●灯の元に
夜がやってくる。
灯火の水晶球や領主から貸し出されたランタンやたいまつなどを手に、ハンターたちは警戒を行っていた。
イヴとンレが捕まえたユグディラによると、夜になると大き目な動物が出るのは事実らしい。捕まりかけたが、川の方に行くと助かったという。そのため、それはねぐらを川近くに構えているという。
霞は情報から地域は絞り、対応できそうな地上に待機した。仲間からの連絡はトランシーバー、魔導スマートフォンおよび魔導短伝話を所持し、仲間の連絡をどれでも受けられる。
隠れてじっと待つ。
住民が家に入れば、通りは静かである。
屋根の上にいる蜜咲、フィアとセイは違う重複しないように警戒する。
灯を使うと逃げられるか否かわからない。まだ人間が襲われたという話はないが、屋根の上に人がいたという事例がこれまでなかっただけかもしれない。
月が天を上っていく。
いつ敵が出るかわからない。
それからしばらくすると何かの音がした。屋根を踏みしめるような音である。
警戒するようで歩みは遅い。それ自体も隠れている可能性はある。
「なんとなくいる……ぜ」
「推測。あの角度のようです」
「ああ、おらから見てもそっちだべ」
上の三人はそれぞれ順番に連絡を取り、推測を固め、地上にいる者に連絡をする。
地上にいる三人は、その建物を囲めるように立つ。
「少し問題があるとすれば、隣の建物に移れることだよね」
「その時は、私たちも走るのみ」
「そう、だね……」
イヴ、ンレと霞は連絡を取り、待機する。そして、その時が来た。
フィアが先ず動く。覚醒状態になると【ランアウト】を用いて一歩でも早く敵に近づく。
「発見。敵、殲滅します」
それは狼のような姿をしつつも、負のマテリアルで膨れ上がりいびつな姿をしている。もちろん猫よりは大きく、屋根の上を走れば音が響くのも通りだ。
フィアはそれに対し銃撃を行う。回避されるが、雑魔が敵として認識してくれることも重要だ。
「逃がすわけにはいかねぞ」
続いてセイが近づき、敵の退路を断つ。
「ほら、うまそうな肉はここにあるべよ」
蜜咲は敵を引き付けるように声をかけながら近づいた。
雑魔はギラギラと光るような鈍い色の目を、ハンターに向けた。そして、言葉を理解したのか、蜜咲に向かった。引っかかれるが、大したことはない。
「無事。そのまま攻撃を続けます」
フィアの正確な射撃は雑魔を狙う。
「さっさと倒すぜ」
セイはマテリアルを活性化し【ヒッティング】を行う。
「こっちに来るいい子だべ!」
蜜咲は太刀を雑魔に叩き込んだが、雑魔はそれを回避した。
回避したのは良かったのだが、それも想定していなかった事態が発生する。
雑魔の足元に屋根はなかった。
「追撃!」
「下の奴らっ!」
「雑魔が落ちたべ!」
フィアとセイ、蜜咲の声が上がった。半ば悲鳴のようでもあるが、下にいる仲間を信じ、それぞれの方法で降りるのだった。
地上の三人は屋根の上の戦闘は音として聞いているが、把握は難しい。その結果、もどかしさがあった。
屋根の上の三人が地上にいる三人に注意を促す声が響いた。
霞は上から降ってきた雑魔を見る。落ちたことで追加のダメージも入っていそうなボロボロな姿。
「イヴとンレ、こっち」
霞は連絡を取るより早いと、鋭い声を出す。自分でも驚くほど声はしっかりと出ていた。
太刀を構え、一呼吸を置くと、鋭い突きをくらわせる。
「逃がさない」
足音は聞こえているし、屋根の上から援護も来るだろうがそれまで足止めはしないとならない。
「射撃。援護します」
フィアの銃撃が雑魔にプレッシャーを与える。
「お待たせ」
声を掛けるが早いか、イヴは銃撃を行う。アサルトライフルから吐きだされた銃弾は雑魔の足止めを行う。あと一息で倒せそうだが、油断はできない。
「これが噂の雑魔か」
ンレはイヴを守るために待機するか、それとも敵を討つべきか判断する。道の細さと敵の状況を考えると倒すほうがいい。
「行くぞ!」
ンレはランスを構え雑魔に向かった。
雑魔は攻撃に耐えきれなくなり、塵となって消えた。
●無事終了
「というわけで、雑魔と聞いてどのようなものかと思っていれば、大したことなかったぞ」
ンレがリオ(仮)に報告をした。
「そうだ。拾ったユグディラどうするか」
イヴは箱の中で眠るユグディラをリオ(仮)に見せる。
「おいていい」
放置と言う決定が下された。
「それでは、また魚が盗られるのではないか」
「イノアにいーう」
不満だったンレにリオが請け負った。
「まー、野良猫もいるべ。ユグディラ一匹も同じようなもんだべ」
「それはそうだな」
蜜咲にやんわりと言われンレはうなずいた。しかし、猫よりユグディラの方が危険度は高いが、そのあたりは別だろう。
「これでリオがご機嫌に暮らせるようになればいいけどな」
セイが告げると、リオ(仮)は思案する顔になる。
「だーじょーぶ! もう、歪虚もいない」
セイはリオの表情がどこか悲しそうにも見えた。しかし、それは一瞬で流水のように表情は変わる。
「終了。次はオフィスに依頼を完遂したことを伝えに行きます」
フィアは淡々と告げる。
リオはうんうんとうなずきながら一同を見渡す。
「これにいてええ、いっけんらくちゃうくなのー」
どこで覚えたのか知らないが妙な言葉を言った。
一行はオフィスに報告に行き眠る時間だ。
歩き始めるまえ、霞は手を握りしめる。
「……ハンターになってからよく人と話すようになった……こんなにいっぱい人と話すのは初めてかも……これからも、宜しく……」
霞は言った後、緊張して仲間を見つめる。異口同音に「よろしく」と声が上がった。
依頼結果
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マテリアルリンク参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/02/25 22:49:46 |
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相談卓 蓬仙 霞(ka6140) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 2018/02/27 08:41:54 |