ゲスト
(ka0000)
【RH】ひよこの死んだ話・A
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~6人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/03/28 15:00
- 完成日
- 2018/04/01 16:49
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
ドゥーン・ヒルの戦いの後、強化人間達の動きはピタリと止まった。
戦場から離脱した強化人間達の行方は知れず、保護された強化人間達の容態も未だに昏睡状態。
現在、統一地球連合宙軍やムーンリーフ財団による事件究明が進められているが、事件に関わる情報は入手できていない。
ハンターオフィスに、一つの依頼が表示されている。
依頼主の名は、八重樫 敦(kz0056)とあった。内容は──強化人間研究施設『アスガルド』の訪問と調査。
改めてここで、子供たちの失踪の原因が何か情報は出てこないか。
それから、保護された強化人間達の容態の確認。
求められているのは、主にその二つだった。
アスガルドの研究員の話では、新しい情報は見つかっていない。
逃走している強化人間達も完全に姿を消しているという。
保護された子供たちは、未だに昏睡状態。ベッドに寝かされ、再び目覚めるのを待つ他ない状況。
打つ手がなさそうに見えるこの状況で、しかし何もしないわけにはいかなかった。
新しい情報が無ければ、動きを取る事も難しい。
そんな依頼内容を……──
(どのツラ下げててめえが来る気でいやがる、って思われるかね、やっぱり)
スウィンは、自虐の笑みすら浮かばぬ消えた表情で見つめていた。
先日。ドゥーン・ヒルの戦い。
ラズモネ・シャングリラを攻撃せんとする強化人間達たちとの交戦の結果……強化人間側に、死亡者が出た。
まだ……年端も行かない少年少女だった。それを。
……スウィンもまた、その強化人間を──少年少女を──手に掛けたハンターの、一人である。
本当に、そうするしかなかったのか?
他に、やりようはなかったのか。
それとも……やりようはあって、それでも、そうするべきだと思った?
自問した。あの時から、何度も。
思い返すまでもなく、ずっと頭から離れることは無かった。
そして、その度に。
(──……分からねえ)
結局、そうなるのだ。
本当に、それが、正直な気持ちだった。『分からない』。凄まじい後悔、後味の悪さは有りつつも、それでもただ己をなじりそれで終わらせる気にも……なれないのだ。
(分からねえ……『アレ』が本当に……何だったのか)
強化人間の少年と対峙した時。スウィンは、なるべく戦意を失わせようとした。
投降を呼びかけた。脅迫まがいの言い方もして……それでも分からないならば、心を鬼にして痛めつけるような戦い方もした。
それでも……止まってくれなかった。
痛みに泣き叫びながら、それでもこちらに刃を向けるのをやめなかった。
一対一。勝ち目もないのに、護るべきものも居ない状況で、何のために?
(あれは……あんなのは。反乱とか、幻覚なんてもんじゃ、ねえだろ……。洗脳? そんなもんですら、ねぇ)
何を信じ込まされたら、あんなものになるというのだ。
痛みを、命を一切省みず。
動きから感じたのは、「ただ殺す」、その意思だった。
だから。
あどけない少年少女を手に掛けた、その事実に苛まされながらも、思う。
心の、身体の奥底で。ハンターとしての本能のような部分から。「ああするしかなかった」──いや、「ああするべきだった」、と、感じているのを、間違いなくスウィンは認めていた。
(まあ。雑魔や人型歪虚だって命は命。それを奪い過ぎて、オレぁてめえでも分からねえうちにイカれすぎちまった、って可能性も否定は出来ねえけどよ)
甘い考えに流されそうなのを自省するようにスウィンは一度そう、独りごちる。
だがやはり、ただ自虐に浸ってそれで終わりにするつもりにはなれなかった。
自分が悪い。自分さえ罰を受ければそれでいいのだ、というのもまた思考停止。それで見落とす真実があるならば、それこそ奪った命への冒涜だろうと。
やがて、彼は決意する。
やはり自分は、自分こそが、きちんと真実へと向かい合うべきなのだと。
無論、どのような真実があろうとも、彼の命を奪ったこと、それを赦せぬ者たちから赦されることなど無いという事も、分かっている……──
戦場から離脱した強化人間達の行方は知れず、保護された強化人間達の容態も未だに昏睡状態。
現在、統一地球連合宙軍やムーンリーフ財団による事件究明が進められているが、事件に関わる情報は入手できていない。
ハンターオフィスに、一つの依頼が表示されている。
依頼主の名は、八重樫 敦(kz0056)とあった。内容は──強化人間研究施設『アスガルド』の訪問と調査。
改めてここで、子供たちの失踪の原因が何か情報は出てこないか。
それから、保護された強化人間達の容態の確認。
求められているのは、主にその二つだった。
アスガルドの研究員の話では、新しい情報は見つかっていない。
逃走している強化人間達も完全に姿を消しているという。
保護された子供たちは、未だに昏睡状態。ベッドに寝かされ、再び目覚めるのを待つ他ない状況。
打つ手がなさそうに見えるこの状況で、しかし何もしないわけにはいかなかった。
新しい情報が無ければ、動きを取る事も難しい。
そんな依頼内容を……──
(どのツラ下げててめえが来る気でいやがる、って思われるかね、やっぱり)
スウィンは、自虐の笑みすら浮かばぬ消えた表情で見つめていた。
先日。ドゥーン・ヒルの戦い。
ラズモネ・シャングリラを攻撃せんとする強化人間達たちとの交戦の結果……強化人間側に、死亡者が出た。
まだ……年端も行かない少年少女だった。それを。
……スウィンもまた、その強化人間を──少年少女を──手に掛けたハンターの、一人である。
本当に、そうするしかなかったのか?
他に、やりようはなかったのか。
それとも……やりようはあって、それでも、そうするべきだと思った?
自問した。あの時から、何度も。
思い返すまでもなく、ずっと頭から離れることは無かった。
そして、その度に。
(──……分からねえ)
結局、そうなるのだ。
本当に、それが、正直な気持ちだった。『分からない』。凄まじい後悔、後味の悪さは有りつつも、それでもただ己をなじりそれで終わらせる気にも……なれないのだ。
(分からねえ……『アレ』が本当に……何だったのか)
強化人間の少年と対峙した時。スウィンは、なるべく戦意を失わせようとした。
投降を呼びかけた。脅迫まがいの言い方もして……それでも分からないならば、心を鬼にして痛めつけるような戦い方もした。
それでも……止まってくれなかった。
痛みに泣き叫びながら、それでもこちらに刃を向けるのをやめなかった。
一対一。勝ち目もないのに、護るべきものも居ない状況で、何のために?
(あれは……あんなのは。反乱とか、幻覚なんてもんじゃ、ねえだろ……。洗脳? そんなもんですら、ねぇ)
何を信じ込まされたら、あんなものになるというのだ。
痛みを、命を一切省みず。
動きから感じたのは、「ただ殺す」、その意思だった。
だから。
あどけない少年少女を手に掛けた、その事実に苛まされながらも、思う。
心の、身体の奥底で。ハンターとしての本能のような部分から。「ああするしかなかった」──いや、「ああするべきだった」、と、感じているのを、間違いなくスウィンは認めていた。
(まあ。雑魔や人型歪虚だって命は命。それを奪い過ぎて、オレぁてめえでも分からねえうちにイカれすぎちまった、って可能性も否定は出来ねえけどよ)
甘い考えに流されそうなのを自省するようにスウィンは一度そう、独りごちる。
だがやはり、ただ自虐に浸ってそれで終わりにするつもりにはなれなかった。
自分が悪い。自分さえ罰を受ければそれでいいのだ、というのもまた思考停止。それで見落とす真実があるならば、それこそ奪った命への冒涜だろうと。
やがて、彼は決意する。
やはり自分は、自分こそが、きちんと真実へと向かい合うべきなのだと。
無論、どのような真実があろうとも、彼の命を奪ったこと、それを赦せぬ者たちから赦されることなど無いという事も、分かっている……──
リプレイ本文
ハンターたちがアスガルドへと到着するなり、ヒース・R・ウォーカー(ka0145)は一行から離れようとするようにさっさと歩き始めた。
背中から察するものがあったのだろう。誰も声をかけることは無く、追う事もない。
一人となったヒースは死亡した強化人間たちの墓や弔う場所はあるか、職員に尋ねた。
……強化人間は軍の管理となるので、墓地、という意味では、ここに遺体は埋葬されていない。
それでも、と、無くなった彼らの写真が飾られた一室へと職員は彼を案内する。
ヒースが案内した職員に黙礼すると、職員も頷いて一度退室した。
捧げる花を、彼は手にしていない。
それでも──会わずにはいられない。
「……何か言いたい事があったはずなんだけどねぇ。いざその時になると、何も言葉が出てこないものだねぇ」
零れたのは、祈りでも懺悔でもなく、そんな言葉だった。
「今回の件、終わらせたらまた来るよ。その時までに伝えたかったことを纏めておく」
──だから今は、もう少し待ってくれ。
最後は、言葉に出さずにそう言うと、ヒースはその部屋を辞した。
「……調べたいことがあるんだ」
外で待っていた職員に再び話しかけると、職員は頷いた。
「ええ、私に答えらえる事でしたら──」
「『答えられること』?」
ピクリと、そこでヒースの眉根が、口角が、僅かに吊り上がる。
「答えられること、じゃないだろう? 知ってること、知り得ること、すべて話せよ」
剣呑な空気を隠さずに言って、ヒースは職員を見る。善良そうな男性に見えたし、先ほどの声も友好的だった。分かっている。おそらく、先ほどの言葉に含意はなかった。言葉の綾に近いのだろう。無意識の職業意識はあったかもしれないが。
それでも。その意味の、僅かな差異すらヒースは見落とすつもりはない。彼の決意として。
──救えないどころか、この手で殺す事しかできなかった。
──ボクの『敵』と定めて、この手で殺した。
だから、彼は止まれないし引き下がれない。
この手で殺めた少女の命を、無意味なモノにしない為に。
「調べられる時に調べておかないと、次は全ての強化人間が同じ目にあうかもしれない。その可能性がゼロと断言できないなら、今この瞬間に徹底的に調べるべきだろう?」
気圧されて後ずさる職員の手首をつかんで、彼は迫る。
「機密だの政治だのを理由にするなよ。ボクらは、死んでいった強化人間たちに応えなきゃいけないんだからさぁ」
冷酷な声。冷酷な眼差し。それでも、その奥にあるものから……職員は、目が離せずにいた。
●
残る面々はまず、昏睡する少年少女たちが眠るベッドへと案内されていた。
何名かの顔にはっきりと、沈痛の表情が浮かんでいる。その中で。
アーサー・ホーガン(ka0471)は一歩引いた位置で、冷静にそれらを見ていた。
彼からしたら、ここに眠る少年少女たちは薬漬けにされた少年兵のようなものだ。
何があっても殺す、とは言わないし、求められれば最大限配慮もするが、敵になった以上は敵として扱うまで。
実際、似たような立場の量産型浄化の器を何人も殺してるし、憐れみはしても情けをかけようと思うほど慈悲深くはない。
その者らに罪はなくとも、『可哀想な加害者』になるのを見逃す理由は無い。
そう考えるうえで、現状、何を問題と捉えるか。
(随分と葛藤があるようだが、手を下した全員があの調子なら生み出される負のマテリアルも多いだろうな)
スウィンの方を見やりながら、アーサーは考える。
──今回の騒動は、強化人間を使った陰謀の予行演習ではないか?
人類同士で争わせ、葛藤と疑心暗鬼が負のマテリアルを生み出し、異世界人にも猜疑の目が向く。
異能というものにまだ馴染みが浅いリアルブルーの人たちの、クリムゾンウェスト人やハンターに対する不信感を増大させる。そういう敵に、アーサーは覚えがあった。あの敵は、愉快犯的な面が大きいように感じられたが、それを戦略的に行う誰かが居たら……。
……アーサーは踵を返した。見舞いなら、付き合い程度の義理は果たした筈だ。ならもたもたしてる暇はない。
「少し前は皆と笑ってたのにね」
深守・H・大樹(ka7084)が言う。
「……手ぇ。そろそろ力抜けよ……。それ以上は怪我するぞ」
スウィンが隣に向けて不意に呟いた。
メアリ・ロイド(ka6633)は、乏しい表情を僅かに変化させる。
握りしめた爪はいつしか、自身を傷つける程力を籠めていた。
少し顔を上げる。声をかけてきたスウィンは、そうしながらもあからさまに彼女から顔を逸らしていた。その翳りを認めて。
メアリは、ゆっくりと息を吐く。呼吸を、気持ちを、整える。
何が起きたのか──彼が何をしたのか──報告書は読んできた。知っている。
そのことで。
自分は憤っている。こんなにも。憎しみを覚えている──何に?
「前回の戦いで、スウィンさん達が行った行動、どちらを選ぶのもつらく重い決断だったと思います。非人道的だった等と責めるつもりはありません」
そう、直接戦闘した前依頼の参加者や、スウィンの判断に対しての怒りはない。
自分がその状況に直面したら、生かすか殺して楽にするか、そのどちらかきちんと選べたか、それを背負う覚悟が出来たかわからない。
だから。
「この状況を生み出した……原因こそを憎み、突き止める」
言葉にして噛み締める。そう、この怒りはそのためのもの。この想いは消さないし、隠さない。
「僕も、恨みはないよ」
深守も言った。
「嫌な役目をやらせたと思う。決断できるのと、好んでいるのは違うことだ」
二人の言葉に、スウィンが、何かを言おうとわずかに口を開いて……そして、何も言葉に出来ないまま、閉じた。
「……後悔しか無いよ」
代わりに口を開いたのは、蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009)だった。
「妾は救える筈で在った命を手にかけた。妾は彼の少年と、己が後ろに立つか弱き者達との命を天秤にかけたのじゃ」
どこか淡々と、蜜鈴はあの時の己の『算段』を述べた。
罪の重さを競うつもりは無い。
何方の罪が軽いと言うつもりもない。
「命の重さに違いが無い様にの……そう、違いは無い……そうである筈なのじゃ……」
ギリ、と軋むような音が、彼女の口元から聞こえた。
「俺は君を肯定する」
応えたのは、テノール(ka5676)だった。
「正に君の言う通りだと思うよ。命を平等と見るのならば数で計るしか無い。優先を決めるというのは、それ以外を低く見るのと同義でもあるのだから」
全てを救えるほど現実は優しくない。
優先順位は付けなくてはならない。
「蜜鈴君の判断は正しい。あの状況は1の命に固執すればそれ以上の命を失われる可能性があった」
テノールは告げる。
「俺は優先すべき人以外なら1の犠牲で2を救う事は是としている。それが俺の根幹であり戦う理由だ」
……ここまでが、前置き。
「君たちが戦う理由はなんだ? それこそが前に進み続ける為の道標になる筈だ」
ここまでの言葉が、慰めにはならないと分かっていて、彼は告げる。問うために。
「背負いて生きると誓うたは妾じゃ。故に、如何に責められようと、罵られようと彼の少年の分まで生きるだけじゃ。……罪を罪と識り、奪った命の重みを両の腕で抱き締め生きるのじゃ」
テノールの気遣いを受けてだろう。蜜鈴は堂々と答えた。初めから、己で定めていた答えを。
「……今の妾に出来るは残りし子等を救う為に、小さくとも、ささやかでも、心を救う為の方法を探す事じゃと思うて居る」
最後に蜜鈴がそう告げると、テノールは満足げに頷いて、それからスウィンの方を見た。
「オレは──師匠に助けられた命を無駄にしねえ。ハンターとしてオレに出来ることが、オレのやるべきことだ。……戦う理由ってんなら、そんだけだ」
蜜鈴に比べれば曖昧な答えに、テノールはやはり、優しく頷いた。
「……聞きたいことがあるんだ」
ここまで話したところで、深守がそう、切り出した。心の整理はここまでだと。
「戦闘中あの子達はどんな表情してた?」
引っかかっていることがある。
「無視したか、通じた様子がないか、聞こえてはいるか、どれに見えた?」
深守は考える。『訓練だけで戦闘経験がない』子どもが、『投降』も『自害』もなく何があっても戦おうとするのは尋常じゃない。
「強化人間の成り立ち考えると、『強化のルーツ』を弄る能力ある人が弄って五感に異常を来たしていたら、思想そのものは問題なくても、あの子達自身の意思でこちらを敵、いや、皆の仇として何とか戦おうとするんじゃないかと思って。
突飛と思うんだけど、ここを訪れた時彼らは無垢ないい子達で、感謝もしているようだったから」
「……思想が……少なくとも、思考がねえとは、思わなかった。会話は出来る上で、納得させられなかった……のか?」
「やっぱり、あの子たちは君たちを、『絶対の敵』と見做して襲ってきた?」
「そんな感じだが……なんつーか、もっと根本的なところで、分かり合えねえ感じがしたんだよな。
……オレらからしたら、なんであの状況で、逃げも降伏もしねえのか分からねえ。それと同じで……何でこの状況で殺し合わねえのかが分からねえ。それが当たり前の感覚みてえな……そんな歪みを感じた」
スウィンの答えに、一行はしばし考える。
「……行方の知れぬ子等は一体何を見、聞き、そう思うようになったのじゃろうか」
蜜鈴が呟く。
強化人間で在るからか? 子供で在るからか?
……ベッドの上の子たちが目覚めなければ分からないだろうか。
身を侵されたのか、心を侵されたのか……。
彼女は子供たちにそっと近づく。
ハンターが与えた以外の外傷は無いだろうか。
マテリアルにおかしな流れや淀みは無いか?
集中して感じ取ろうとしてみるものの、特にはっきりと妙だと感じることは無かった。
メアリもまた、深守と同じように考えていた。視覚、聴覚認識を物理的に狂わされて此方が歪虚だと認識している可能性や、意志関係なく強く操られている可能性。
強化人間技術の謎の多さと合わせて考えると……。
「技術か施術かこの辺りに歪虚か、悪意を持った人間が関与し操っている者がいるのではないでしょうか」
無表情のままメアリが言うと、テノールは頷いた。
「一旦、強化人間について、情報を整理しよう」
指折りながら、テノールは述べる。
・地球統一連合議会の研究所で「ハンターシステム」に酷似した「スペリオルシステム」により作られる
・トマーゾ・アルキミアも言っていたが、強化人間からは負のマテリアルが計測される
・リアルブルーは精霊の存在が希薄
「加え、統一連合議会はクリムゾンウエストを「侵略」しようとしていたことまで考えれば……裏に歪虚がいても驚かない」
そこまで彼が言った時、彼の視線ははっきりと敦へと向けられていた。
「以上から『スペリオルシステム』は『【契約者】を簡易的に作り出すシステム』という推論が組み立てられないか?」
彼に意見を請うように。あるいは、行動を促すように。
「飛躍した妄想だ──とは、言わん。だが強化人間に何かあるならば財団の関与を外すことは出来ん筈だ。その疑惑は、トモネにも向かう事になる」
敦は答えた。
「……。財団内部はともかく、彼女は何も知らない、という事は、有り得ないですか?」
「それも、無いとは言わん。が……現状、『という推論も出来る』以上のことではないな。いきなり、こんな疑惑があるから調べさせろ、と言える内容ではない」
証拠も無しにそんなこと言えば、間違いだった時に跳ね返るものは浅くは無いだろう。そして、どうなろうとも、そのことに対し深い傷を負うことになるのは……。
「お前たちの考えは、俺も頭の片隅には入れておこう。だが……」
今、それを確かめるためにすぐできることは、無い。
ならばやはり、目の前のことをやっていくしかない……──。
「子ども達は自ら出ていったように見えますが、何らかトリガーを引くことによって集められたのでは?」
切り替えるように、メアリが再び、『この施設で起きたこと』を探るための考えを述べる。
「……超高周波、モスキート音。あれは大人には聞こえず子供だけに聞こえる。集める際使用された可能性はあるかもしれませんね」
「負のマテリアルを扱うことは魔術師協会では禁忌とされています。例えばそれが、先日のような事態になるから等もありえるのでは?」
そのまま、様々な可能性を、彼らは議論した。
●
(失踪の原因は、内部にあるか外部にあるか?)
皆が考えたように、強化人間の施術その中に、ここの子らをおかしくさせる何かがあったのでは、とはアーサーも考えていた。
だが、別の可能性も考慮している。故に今は建物の外を歩いていた。
もし、強化人間の暴走の原因が彼らの『内部』に無いのならば……。
「……よう。そっちは何か分かったか」
とある一角の前でヒースと出会うと、アーサーはそう声をかけた。
ヒースはゆっくりとかぶりを振る。
「施設外の強化人間たちに同じ行動を起こした奴は居ないと聞いて、ここと他の強化人間たちの違いは無いか調べてみたんだけどねえ」
実戦経験の有無、年齢差、強化人間になった時の施術した時期や場所、手段の違い。
「これといったものは見つからなかったよ。……同じ年齢の奴も。実戦経験がない奴も。同じ施設で施術を受けた奴も他にいた。結局、暴走した子たちのはっきり言える共通点は唯一つだよ。『ここに居た』」
アーサーは頷く。それならば……失踪の原因は、『外部』にある、その可能性は益々高くなったのではないか。
例えば、侵入者がいる……敷地内でない可能性も、捨てるべきではないか。
「ところで、ここに突っ立ってたのは何か意味があるのか?」
屋敷の角。外から部屋へ向かって視線を送っていたヒースに、アーサーはその意味を訪ねる。
「……死んだ子たちの部屋はこのあたりに固まってた、らしくてねえ」
救えた子と、救えなかった子。その差異が、そこにあるのならば。
「……こっちか?」
すぐ裏には、丁度侵入し隠れ潜むことも出来そうな林。そちらに向かって、二人は進む。
慎重に歩くと、やがて彼らは見つけた。何かを慌てて埋めて隠したような痕跡。
その地面を掘り起こしてみると、所々土が黒く変色していた。塗料の跡だ。何が書かれていたかまでは混ざりすぎて分からないが。
そしてその中心。何かが深く突き刺さっていたような跡からは、時間が経ってなおも分かる負のマテリアルの痕跡……──
「確定だ」
アーサーは呟いた。
ここで何か、呪術のようなものが行われた。
それから。
「元凶が、居るんだね」
ヒースは、嗤う。
「なら、この手で殺す」
背中から察するものがあったのだろう。誰も声をかけることは無く、追う事もない。
一人となったヒースは死亡した強化人間たちの墓や弔う場所はあるか、職員に尋ねた。
……強化人間は軍の管理となるので、墓地、という意味では、ここに遺体は埋葬されていない。
それでも、と、無くなった彼らの写真が飾られた一室へと職員は彼を案内する。
ヒースが案内した職員に黙礼すると、職員も頷いて一度退室した。
捧げる花を、彼は手にしていない。
それでも──会わずにはいられない。
「……何か言いたい事があったはずなんだけどねぇ。いざその時になると、何も言葉が出てこないものだねぇ」
零れたのは、祈りでも懺悔でもなく、そんな言葉だった。
「今回の件、終わらせたらまた来るよ。その時までに伝えたかったことを纏めておく」
──だから今は、もう少し待ってくれ。
最後は、言葉に出さずにそう言うと、ヒースはその部屋を辞した。
「……調べたいことがあるんだ」
外で待っていた職員に再び話しかけると、職員は頷いた。
「ええ、私に答えらえる事でしたら──」
「『答えられること』?」
ピクリと、そこでヒースの眉根が、口角が、僅かに吊り上がる。
「答えられること、じゃないだろう? 知ってること、知り得ること、すべて話せよ」
剣呑な空気を隠さずに言って、ヒースは職員を見る。善良そうな男性に見えたし、先ほどの声も友好的だった。分かっている。おそらく、先ほどの言葉に含意はなかった。言葉の綾に近いのだろう。無意識の職業意識はあったかもしれないが。
それでも。その意味の、僅かな差異すらヒースは見落とすつもりはない。彼の決意として。
──救えないどころか、この手で殺す事しかできなかった。
──ボクの『敵』と定めて、この手で殺した。
だから、彼は止まれないし引き下がれない。
この手で殺めた少女の命を、無意味なモノにしない為に。
「調べられる時に調べておかないと、次は全ての強化人間が同じ目にあうかもしれない。その可能性がゼロと断言できないなら、今この瞬間に徹底的に調べるべきだろう?」
気圧されて後ずさる職員の手首をつかんで、彼は迫る。
「機密だの政治だのを理由にするなよ。ボクらは、死んでいった強化人間たちに応えなきゃいけないんだからさぁ」
冷酷な声。冷酷な眼差し。それでも、その奥にあるものから……職員は、目が離せずにいた。
●
残る面々はまず、昏睡する少年少女たちが眠るベッドへと案内されていた。
何名かの顔にはっきりと、沈痛の表情が浮かんでいる。その中で。
アーサー・ホーガン(ka0471)は一歩引いた位置で、冷静にそれらを見ていた。
彼からしたら、ここに眠る少年少女たちは薬漬けにされた少年兵のようなものだ。
何があっても殺す、とは言わないし、求められれば最大限配慮もするが、敵になった以上は敵として扱うまで。
実際、似たような立場の量産型浄化の器を何人も殺してるし、憐れみはしても情けをかけようと思うほど慈悲深くはない。
その者らに罪はなくとも、『可哀想な加害者』になるのを見逃す理由は無い。
そう考えるうえで、現状、何を問題と捉えるか。
(随分と葛藤があるようだが、手を下した全員があの調子なら生み出される負のマテリアルも多いだろうな)
スウィンの方を見やりながら、アーサーは考える。
──今回の騒動は、強化人間を使った陰謀の予行演習ではないか?
人類同士で争わせ、葛藤と疑心暗鬼が負のマテリアルを生み出し、異世界人にも猜疑の目が向く。
異能というものにまだ馴染みが浅いリアルブルーの人たちの、クリムゾンウェスト人やハンターに対する不信感を増大させる。そういう敵に、アーサーは覚えがあった。あの敵は、愉快犯的な面が大きいように感じられたが、それを戦略的に行う誰かが居たら……。
……アーサーは踵を返した。見舞いなら、付き合い程度の義理は果たした筈だ。ならもたもたしてる暇はない。
「少し前は皆と笑ってたのにね」
深守・H・大樹(ka7084)が言う。
「……手ぇ。そろそろ力抜けよ……。それ以上は怪我するぞ」
スウィンが隣に向けて不意に呟いた。
メアリ・ロイド(ka6633)は、乏しい表情を僅かに変化させる。
握りしめた爪はいつしか、自身を傷つける程力を籠めていた。
少し顔を上げる。声をかけてきたスウィンは、そうしながらもあからさまに彼女から顔を逸らしていた。その翳りを認めて。
メアリは、ゆっくりと息を吐く。呼吸を、気持ちを、整える。
何が起きたのか──彼が何をしたのか──報告書は読んできた。知っている。
そのことで。
自分は憤っている。こんなにも。憎しみを覚えている──何に?
「前回の戦いで、スウィンさん達が行った行動、どちらを選ぶのもつらく重い決断だったと思います。非人道的だった等と責めるつもりはありません」
そう、直接戦闘した前依頼の参加者や、スウィンの判断に対しての怒りはない。
自分がその状況に直面したら、生かすか殺して楽にするか、そのどちらかきちんと選べたか、それを背負う覚悟が出来たかわからない。
だから。
「この状況を生み出した……原因こそを憎み、突き止める」
言葉にして噛み締める。そう、この怒りはそのためのもの。この想いは消さないし、隠さない。
「僕も、恨みはないよ」
深守も言った。
「嫌な役目をやらせたと思う。決断できるのと、好んでいるのは違うことだ」
二人の言葉に、スウィンが、何かを言おうとわずかに口を開いて……そして、何も言葉に出来ないまま、閉じた。
「……後悔しか無いよ」
代わりに口を開いたのは、蜜鈴=カメーリア・ルージュ(ka4009)だった。
「妾は救える筈で在った命を手にかけた。妾は彼の少年と、己が後ろに立つか弱き者達との命を天秤にかけたのじゃ」
どこか淡々と、蜜鈴はあの時の己の『算段』を述べた。
罪の重さを競うつもりは無い。
何方の罪が軽いと言うつもりもない。
「命の重さに違いが無い様にの……そう、違いは無い……そうである筈なのじゃ……」
ギリ、と軋むような音が、彼女の口元から聞こえた。
「俺は君を肯定する」
応えたのは、テノール(ka5676)だった。
「正に君の言う通りだと思うよ。命を平等と見るのならば数で計るしか無い。優先を決めるというのは、それ以外を低く見るのと同義でもあるのだから」
全てを救えるほど現実は優しくない。
優先順位は付けなくてはならない。
「蜜鈴君の判断は正しい。あの状況は1の命に固執すればそれ以上の命を失われる可能性があった」
テノールは告げる。
「俺は優先すべき人以外なら1の犠牲で2を救う事は是としている。それが俺の根幹であり戦う理由だ」
……ここまでが、前置き。
「君たちが戦う理由はなんだ? それこそが前に進み続ける為の道標になる筈だ」
ここまでの言葉が、慰めにはならないと分かっていて、彼は告げる。問うために。
「背負いて生きると誓うたは妾じゃ。故に、如何に責められようと、罵られようと彼の少年の分まで生きるだけじゃ。……罪を罪と識り、奪った命の重みを両の腕で抱き締め生きるのじゃ」
テノールの気遣いを受けてだろう。蜜鈴は堂々と答えた。初めから、己で定めていた答えを。
「……今の妾に出来るは残りし子等を救う為に、小さくとも、ささやかでも、心を救う為の方法を探す事じゃと思うて居る」
最後に蜜鈴がそう告げると、テノールは満足げに頷いて、それからスウィンの方を見た。
「オレは──師匠に助けられた命を無駄にしねえ。ハンターとしてオレに出来ることが、オレのやるべきことだ。……戦う理由ってんなら、そんだけだ」
蜜鈴に比べれば曖昧な答えに、テノールはやはり、優しく頷いた。
「……聞きたいことがあるんだ」
ここまで話したところで、深守がそう、切り出した。心の整理はここまでだと。
「戦闘中あの子達はどんな表情してた?」
引っかかっていることがある。
「無視したか、通じた様子がないか、聞こえてはいるか、どれに見えた?」
深守は考える。『訓練だけで戦闘経験がない』子どもが、『投降』も『自害』もなく何があっても戦おうとするのは尋常じゃない。
「強化人間の成り立ち考えると、『強化のルーツ』を弄る能力ある人が弄って五感に異常を来たしていたら、思想そのものは問題なくても、あの子達自身の意思でこちらを敵、いや、皆の仇として何とか戦おうとするんじゃないかと思って。
突飛と思うんだけど、ここを訪れた時彼らは無垢ないい子達で、感謝もしているようだったから」
「……思想が……少なくとも、思考がねえとは、思わなかった。会話は出来る上で、納得させられなかった……のか?」
「やっぱり、あの子たちは君たちを、『絶対の敵』と見做して襲ってきた?」
「そんな感じだが……なんつーか、もっと根本的なところで、分かり合えねえ感じがしたんだよな。
……オレらからしたら、なんであの状況で、逃げも降伏もしねえのか分からねえ。それと同じで……何でこの状況で殺し合わねえのかが分からねえ。それが当たり前の感覚みてえな……そんな歪みを感じた」
スウィンの答えに、一行はしばし考える。
「……行方の知れぬ子等は一体何を見、聞き、そう思うようになったのじゃろうか」
蜜鈴が呟く。
強化人間で在るからか? 子供で在るからか?
……ベッドの上の子たちが目覚めなければ分からないだろうか。
身を侵されたのか、心を侵されたのか……。
彼女は子供たちにそっと近づく。
ハンターが与えた以外の外傷は無いだろうか。
マテリアルにおかしな流れや淀みは無いか?
集中して感じ取ろうとしてみるものの、特にはっきりと妙だと感じることは無かった。
メアリもまた、深守と同じように考えていた。視覚、聴覚認識を物理的に狂わされて此方が歪虚だと認識している可能性や、意志関係なく強く操られている可能性。
強化人間技術の謎の多さと合わせて考えると……。
「技術か施術かこの辺りに歪虚か、悪意を持った人間が関与し操っている者がいるのではないでしょうか」
無表情のままメアリが言うと、テノールは頷いた。
「一旦、強化人間について、情報を整理しよう」
指折りながら、テノールは述べる。
・地球統一連合議会の研究所で「ハンターシステム」に酷似した「スペリオルシステム」により作られる
・トマーゾ・アルキミアも言っていたが、強化人間からは負のマテリアルが計測される
・リアルブルーは精霊の存在が希薄
「加え、統一連合議会はクリムゾンウエストを「侵略」しようとしていたことまで考えれば……裏に歪虚がいても驚かない」
そこまで彼が言った時、彼の視線ははっきりと敦へと向けられていた。
「以上から『スペリオルシステム』は『【契約者】を簡易的に作り出すシステム』という推論が組み立てられないか?」
彼に意見を請うように。あるいは、行動を促すように。
「飛躍した妄想だ──とは、言わん。だが強化人間に何かあるならば財団の関与を外すことは出来ん筈だ。その疑惑は、トモネにも向かう事になる」
敦は答えた。
「……。財団内部はともかく、彼女は何も知らない、という事は、有り得ないですか?」
「それも、無いとは言わん。が……現状、『という推論も出来る』以上のことではないな。いきなり、こんな疑惑があるから調べさせろ、と言える内容ではない」
証拠も無しにそんなこと言えば、間違いだった時に跳ね返るものは浅くは無いだろう。そして、どうなろうとも、そのことに対し深い傷を負うことになるのは……。
「お前たちの考えは、俺も頭の片隅には入れておこう。だが……」
今、それを確かめるためにすぐできることは、無い。
ならばやはり、目の前のことをやっていくしかない……──。
「子ども達は自ら出ていったように見えますが、何らかトリガーを引くことによって集められたのでは?」
切り替えるように、メアリが再び、『この施設で起きたこと』を探るための考えを述べる。
「……超高周波、モスキート音。あれは大人には聞こえず子供だけに聞こえる。集める際使用された可能性はあるかもしれませんね」
「負のマテリアルを扱うことは魔術師協会では禁忌とされています。例えばそれが、先日のような事態になるから等もありえるのでは?」
そのまま、様々な可能性を、彼らは議論した。
●
(失踪の原因は、内部にあるか外部にあるか?)
皆が考えたように、強化人間の施術その中に、ここの子らをおかしくさせる何かがあったのでは、とはアーサーも考えていた。
だが、別の可能性も考慮している。故に今は建物の外を歩いていた。
もし、強化人間の暴走の原因が彼らの『内部』に無いのならば……。
「……よう。そっちは何か分かったか」
とある一角の前でヒースと出会うと、アーサーはそう声をかけた。
ヒースはゆっくりとかぶりを振る。
「施設外の強化人間たちに同じ行動を起こした奴は居ないと聞いて、ここと他の強化人間たちの違いは無いか調べてみたんだけどねえ」
実戦経験の有無、年齢差、強化人間になった時の施術した時期や場所、手段の違い。
「これといったものは見つからなかったよ。……同じ年齢の奴も。実戦経験がない奴も。同じ施設で施術を受けた奴も他にいた。結局、暴走した子たちのはっきり言える共通点は唯一つだよ。『ここに居た』」
アーサーは頷く。それならば……失踪の原因は、『外部』にある、その可能性は益々高くなったのではないか。
例えば、侵入者がいる……敷地内でない可能性も、捨てるべきではないか。
「ところで、ここに突っ立ってたのは何か意味があるのか?」
屋敷の角。外から部屋へ向かって視線を送っていたヒースに、アーサーはその意味を訪ねる。
「……死んだ子たちの部屋はこのあたりに固まってた、らしくてねえ」
救えた子と、救えなかった子。その差異が、そこにあるのならば。
「……こっちか?」
すぐ裏には、丁度侵入し隠れ潜むことも出来そうな林。そちらに向かって、二人は進む。
慎重に歩くと、やがて彼らは見つけた。何かを慌てて埋めて隠したような痕跡。
その地面を掘り起こしてみると、所々土が黒く変色していた。塗料の跡だ。何が書かれていたかまでは混ざりすぎて分からないが。
そしてその中心。何かが深く突き刺さっていたような跡からは、時間が経ってなおも分かる負のマテリアルの痕跡……──
「確定だ」
アーサーは呟いた。
ここで何か、呪術のようなものが行われた。
それから。
「元凶が、居るんだね」
ヒースは、嗤う。
「なら、この手で殺す」
依頼結果
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アーサー・ホーガン(ka0471)
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/03/25 22:10:37 |