ゲスト
(ka0000)
やってミント
マスター:奈華里

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加制限
- -
- 参加人数
- 3~5人
- サポート
- 0~0人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 寸志
- 相談期間
- 5日
- 締切
- 2018/04/06 19:00
- 完成日
- 2018/04/16 23:45
このシナリオは2日間納期が延長されています。
みんなの思い出
思い出設定されたOMC商品がありません。
オープニング
とある村にて、ここに住まう村娘の一人の畑で事は起こる。
ハーブの中でも繁殖力の強いミントが大量繁殖。色々忙しくて面倒を見てやれなかった事が要因であるが、それをむざむざ廃棄するのは勿体ない。だからと言ってそう簡単に消費できるものではない。そこで彼女達はハンターを頼った。大量繁殖したミントを収穫し、それの利用法を一緒に考えて貰う。少し春には早い時期のミントだから清涼感のあるものよりも普通に使えるように――。そうして提案されたのは食用としての使い道が多く、だったらと腕に自信のある村娘達は期間限定の出店を決意した、のだが…。
「これ、話に聞いたのと違うんだけど…」
「っていうか、この店。かなりつかわれてない感じよね」
意気揚々と街に出てきた三人が借りる手筈を整えた店舗を前に素直な感想を述べる。
「ですねぇ。これはきっとはめられたに違いない」
田舎者だからと下に見られてしまったか。こんな埃まみれの店舗を貸してくるなんてあんまりである。
だが、彼女達が出した条件は辛うじてクリアしていた。小さ目の店舗で調理場付き。イートインできるカウンターが数席あって人の多い道には面している。面してはいるのだが、場所としては少々難あり。
「ここって港の真ん前ですよね。この場所だと朝から凄い日が当たるんじゃあ…」
店の入り口側――小窓が付いていて、持ち帰りの商品を中から渡すには丁度いいのであるが、日除けとなるテント、実際はオーニングというのだが、以前使われていた筈のそれは破けてしまったらしく影も形もなく残っているのは骨組みだけ。加えて、あったにしても思う程の効果は期待できないかもしれない。
けれど、物件を目で見てから契約しなかったのが悪いと言われればそれまでだ。彼女達も日々農業に忙しく収穫を遅らす事は収益ダウンにつながるからと話を元に即決したのがこんな所で仇となっている。
「で、でもまぁ掃除すれば使えるんだし頑張りましょうよ」
少しでも気持ちを上げるべく一人が言う。
「掃除に一日、準備に一日。契約はたった一週間なのに二日が潰れてしまうんですねぇ…元とれるかのかなぁ」
埃まみれの店舗を眺めてもう一人の言葉。
「とれるのかなぁ~じゃないっ! とるの、何が何でも取り返すのっ!」
ふんっと鼻息荒く、三人の中のリーダー的存在の娘が言い切る。
「だ…だよね。ここまで出てきて赤字なんてやだもの」
「それによく見ればちょっとこじんまりしててかわ…ッ、ブハッ! ゴホゴホ」
小さな窓を開けて空気の入れ替えをしようとした瞬間に埃が舞ったのか、言葉尻が虚しくかき消される。
「さぁやるわよ、みんな。愚痴っても時間は戻らないもの、それにね。一応こんな事もあろうかともう一度助っ人を呼ぶ手筈はつけていたのよね」
手回しが言い、リーダーちゃん。二人にハンターオフィスへの依頼書控えを開いて見せる。
「と、いう事は」
「そう言う事。もうすぐ助っ人ハンターさんが来てくれる筈。だから頑張りましょ」
「やったー、助かったぁ~」
持参してきた荷物をどさりとおくと、再び埃が舞い上がる。
ちなみに彼女達がここで売り出すのは勿論ミント料理。
とは言っても種類を提供するのは難しいのでとてもシンプル。
港の前となってしまったが、川魚のミントバター焼きサンドとフルーツミントティ。そしてチョコミントクッキーはサイドメニューと持ち帰りを用意して、その他の販売用には瓶詰したミントバター、ドライミントの5品のみ。前の三品は単品も可能だが、基本的にはセットで食べて貰いたいと考えているようだ。
「とりあえず食材系は明日到着。それまでに何とかしなきゃね」
一人が言う。
「ねえ、そう言えばまだ店の名前も考えてないよね?」
『あ…』
彼女達の限定ショップはなかなかに前途多難のようだった。
ハーブの中でも繁殖力の強いミントが大量繁殖。色々忙しくて面倒を見てやれなかった事が要因であるが、それをむざむざ廃棄するのは勿体ない。だからと言ってそう簡単に消費できるものではない。そこで彼女達はハンターを頼った。大量繁殖したミントを収穫し、それの利用法を一緒に考えて貰う。少し春には早い時期のミントだから清涼感のあるものよりも普通に使えるように――。そうして提案されたのは食用としての使い道が多く、だったらと腕に自信のある村娘達は期間限定の出店を決意した、のだが…。
「これ、話に聞いたのと違うんだけど…」
「っていうか、この店。かなりつかわれてない感じよね」
意気揚々と街に出てきた三人が借りる手筈を整えた店舗を前に素直な感想を述べる。
「ですねぇ。これはきっとはめられたに違いない」
田舎者だからと下に見られてしまったか。こんな埃まみれの店舗を貸してくるなんてあんまりである。
だが、彼女達が出した条件は辛うじてクリアしていた。小さ目の店舗で調理場付き。イートインできるカウンターが数席あって人の多い道には面している。面してはいるのだが、場所としては少々難あり。
「ここって港の真ん前ですよね。この場所だと朝から凄い日が当たるんじゃあ…」
店の入り口側――小窓が付いていて、持ち帰りの商品を中から渡すには丁度いいのであるが、日除けとなるテント、実際はオーニングというのだが、以前使われていた筈のそれは破けてしまったらしく影も形もなく残っているのは骨組みだけ。加えて、あったにしても思う程の効果は期待できないかもしれない。
けれど、物件を目で見てから契約しなかったのが悪いと言われればそれまでだ。彼女達も日々農業に忙しく収穫を遅らす事は収益ダウンにつながるからと話を元に即決したのがこんな所で仇となっている。
「で、でもまぁ掃除すれば使えるんだし頑張りましょうよ」
少しでも気持ちを上げるべく一人が言う。
「掃除に一日、準備に一日。契約はたった一週間なのに二日が潰れてしまうんですねぇ…元とれるかのかなぁ」
埃まみれの店舗を眺めてもう一人の言葉。
「とれるのかなぁ~じゃないっ! とるの、何が何でも取り返すのっ!」
ふんっと鼻息荒く、三人の中のリーダー的存在の娘が言い切る。
「だ…だよね。ここまで出てきて赤字なんてやだもの」
「それによく見ればちょっとこじんまりしててかわ…ッ、ブハッ! ゴホゴホ」
小さな窓を開けて空気の入れ替えをしようとした瞬間に埃が舞ったのか、言葉尻が虚しくかき消される。
「さぁやるわよ、みんな。愚痴っても時間は戻らないもの、それにね。一応こんな事もあろうかともう一度助っ人を呼ぶ手筈はつけていたのよね」
手回しが言い、リーダーちゃん。二人にハンターオフィスへの依頼書控えを開いて見せる。
「と、いう事は」
「そう言う事。もうすぐ助っ人ハンターさんが来てくれる筈。だから頑張りましょ」
「やったー、助かったぁ~」
持参してきた荷物をどさりとおくと、再び埃が舞い上がる。
ちなみに彼女達がここで売り出すのは勿論ミント料理。
とは言っても種類を提供するのは難しいのでとてもシンプル。
港の前となってしまったが、川魚のミントバター焼きサンドとフルーツミントティ。そしてチョコミントクッキーはサイドメニューと持ち帰りを用意して、その他の販売用には瓶詰したミントバター、ドライミントの5品のみ。前の三品は単品も可能だが、基本的にはセットで食べて貰いたいと考えているようだ。
「とりあえず食材系は明日到着。それまでに何とかしなきゃね」
一人が言う。
「ねえ、そう言えばまだ店の名前も考えてないよね?」
『あ…』
彼女達の限定ショップはなかなかに前途多難のようだった。
リプレイ本文
●大掃除
小さい店であっても長年つもりに積もった埃というのはなかなかに質が悪い。
窓と扉を全開にして、風の力を借りても店から全ての埃を追い出すのは一苦労。
三角巾と手拭いで頭と口元を覆い彼女らはとにかく埃と格闘する。
「全く、えらい場所を借りてもうたもんやなぁ」
前回からの参加であった埜月 宗人(ka6994)が苦笑しつつ言う。
「本当どうかしてるよっ、こんな場所貸すなんて」
そう言うのは狐中・小鳥(ka5484)だ。到着時その現状に唖然とするも、家事全般が得意な彼女はその後開口一番「ぴっかぴかにしてやんよ!」とばかりにはたき二刀流の荒業を披露し、今に至る。
「うーむ、私はよく知らんのだが…こういうのは珍しいのか?」
貴族出身のエメラルド・シルフィユ(ka4678)が何故かびしょびしょの布巾で椅子を拭きながら二人に尋ねる。
「せやなぁ、フツーやったらもうちょいまともな物件紹介すると思うんやけど…もしかして何かしたんか?」
思案の果てにそこへ行きついて、宗人が村娘達に尋ねる。
「あ~と、それは」
「少~しばかし無理言って値切って値切って値切った位で…」
「どんだけ値切ってんのッ!」
言葉しつつ視線を逸らしてゆくリーダーちゃんに小鳥がツッコむ。
「成程、おまえ達は倹約家なのだな」
がその言葉をあさっての方向に捉えて、エメラルドは大真面目にそう切り返す。
「ちょっ、どうしたんですかっコレ!」
そこで村娘の一人がびしょ濡れになった椅子を見つけて悲鳴を上げる。
「あ、いや…水拭きせよと言うのでしたま…」
「えと、エメラルドさん。お掃除の経験は?」
恐る恐る娘か問う。
「ない」
それにきっぱりはっきり彼女は答えて、
(これが箱入り娘かっ!?)
皆の脳裏にその言葉が浮かんだのは間違いなかった。
中はさておき、外も外でする事はある。それは日差し避けの修理だ。
宗人は今日の為にとわざわざ持参してきたテントを使い、新たなオーニング作成に入る。
「これ、結構長さ有りますねぇ。どうしましょうか?」
「ま、長い目に垂らしておいた方が長時間の日除けになってええんちゃうか?」
そんな村娘が問いにそう答えて、彼自身は骨組の部分の強度を確認中。
「おお、確かにいいですね」
「せやろ? 持ってきて正解やったわ~」
港の真ん前なら日差しは大敵。温かいバター焼きを挟むからと言って、食中毒の心配がいらないかと言えばそうでない。フレッシュミントも挟むし、温かければ挟んだままにしていると蒸気が出て蒸れてしまうからだ。
「と、店の名前はどないなってんや?」
唐突に宗人が尋ねる。
「それがまだ…」
「だったらが、私が提案しよう。ミントショップ【食べてミント】というのはどうだろう!?」
とそこで手を挙げたのはエメラルドだった。待ってましたとばかりにどや顔で提案する。
だが、この名前…実は丸々彼女のアイデアかと言えばそうではない。とある人物がよく使う駄洒落という手法であるが、彼女自身は全くその事に気付いていない。
「なんや、それ。ホンマまんまやないか」
「けど、逆にストレートでいいかもだよ」
それを聞き、仲間達が口々に言う。
(フフフッ、これで決まれば私の考えた店名が公に……)
彼女はこういう事は初めてなのか次第と鼓動が速くなる。
すると自然に手元がおざなりになって、今度は拭いていた窓から嫌な音。
「あ、いや…すまぬ…」
隠す事も出来た亀裂であったが、やはり彼女は真面目なのであった。
朝の早さには自信があった。
しかし、漁師の朝は農家の朝より数段早い。海鳥に負けいなように日が上る前から海に出ているからだ。だから、朝食用にと売り出すのは問題があったか。しかし、そこで諦める彼女達ではない。朝がダメなら昼か間食。そこを狙うべく、調理場ではメインのサンドの調理に大忙し。適材適所に人を割り当てて販売準備へ。些か不器用なエメラルドはクッキーの袋詰め中のようだ。普通の力でそう簡単に割れるものではないが力加減は慎重に。
「五枚ずつ入れてリボンをかけて下さいね」
用意してきていたサテンのリボンを取り出し、村娘が彼女に言う。
「あ、ああ…承知した」
それを緊張した様子で受け取って、店の隅で丁寧に袋詰める彼女。
その姿がなんだかとても可愛らしい。幼い子供が母から特別なお手伝いを任されたように、ドキドキとワクワクをはらんでいて見ている方もなんだかほのぼのしてしまう。が、今はその雰囲気に浸っている場合ではない。
「おーい、話やとそろそろ帰ってくる時間らしいでー」
港の様子を確認しに行っていた宗人が仲間達に呼びかける。
「さぁ、やるわよ。準備はいい?」
店は何とか形となった。宗人提供のテントに光が射す。店内はピカピカに磨き上げられ、前回のハンター達の提案を採用しサシェを飾って、ほのかに爽やかな香りが漂う店内となった。椅子もテーブルもこじんまりとしていたが、これはこれで特別感が出ていていいかもしれない。
そして、出入り口側のカウンターには販売用のクッキーと瓶詰めバターと量りが並び、その隣にはドライハーブ入りの大きな樽。そこから直接取り出し、量り売るという手筈だ。いつでも出せるよう、ティーポットにはミントティーを準備してお客さんの来店を待つ。
そんな店の外に出した立て看板には店名【食べてミント】の名が記されていた。
●売込み
が、現実はそう甘くない。港に帰ってきた漁師達は彼女の店に気付いていてもなかなか足を向けてはくれない。
船の上で食事をとったのか、はたまた見慣れない店より自宅の飯の方がいいのか素通りする者の方が多い位だ。
「お洒落なお客が多い本通りならまだしも、ちょっと女性向け過ぎるのかな?」
呼び込みの為、外に出た小鳥が思案する。
「それにミント、ですからねー…偏見ではないですが大の男には近寄りがたいのかも」
彼女と共に出た村娘も困り顔でそう返答する。
「けど、これじゃあ赤字になっちゃうよね…って事であの作戦、実行していいかな?」
小鳥があらかじめ考えて来ていた作戦、それはとてもシンプルな苦肉の策。
客を呼び込むため、試供品ないし試食品を配るというものだ。
「…背に腹は代えられない。やりましょう! 作ったまま廃棄になるよりはきっとましです」
小鳥の提案に即決同意して、二人は店に戻りサンド用のパンにミントバターを塗って一口大に切り分ける。
そうして、向かう先は勿論港の市場。競りが始まっているなら人も多い筈だ。
「ふぁ~凄い活気だね。こんなに人がいるのにお客が来ないなんて…」
競りの声に圧倒されながら小鳥が呟く。
「青果とはまた違った空気ですぅ。でもでも負けてられない! あ、そうだ。あそこからとかどうですか?」
そこで村娘が目を付けたのは市場の端だった。そこには漁師達の妻なのだろう。仕分けを終えて、少し話し込んでいるご婦人達の集まりがある。
「だね。行ってみよう」
そこで小鳥は元気よく彼女らに近付き御挨拶。
「こんにちはだよ♪ 試食やってるんだけど食べてみないかな? かな?」
小鳥のその言葉に振り返る御婦人方。
皆、そこそこ年がいっているように見えるから小鳥くらいの年頃の子供がいたのかもしれない。
「おやおや、アルバイトかい? せいが出るねぇ」
白髪雑じりの夫人が言う。
「どれ、じゃあ一つ貰おうかね」
もう一人もわざわざ手にはめていて手袋を外して、彼女らが切ってきたパンを食してくれる。
「どうかな?」
そう覗き込むように問うと、
「おや、爽やかなバターだね。なかなかいけるじゃないかい」
「このバターなら香草焼きをする時に手間が省けそうだ」
といい反応。その声に二人の顔に明るさが戻る。
「ありがとうだよ♪ 気に入ったらお友達とかにも教えて欲しいんだよー」
とびきりの笑顔で小鳥が言う。
「なんだなんだ? 母ちゃん連中の中にみかけねえ若い娘がいるじゃねぇか」
すると彼女らに気付いた漁師達も徐々に二人を認識し、声をかけてくれる。
「あ、あの…私達は」
「店やってんだってよ。んで、ほら。試食…持ってきてくれたんだってさぁ。食べてみなよ」
村娘が答える前に夫人がそう話す。
「ほお、で売りもんは?」
「川魚のミントバター焼きサンドなんだよ。海のお魚は食べ慣れてると思うから、たまには川魚はどうかなって?」
「それだけか?」
少し強面の漁師に村娘がびくりと肩を揺らすもそこで必死に踏み止まる。
「ほ、他にもクッキーと…ハーブティを、ご用意しています、だから…だから」
「よっしゃ、わかった。ものは試しだ。出前、出来るか?」
男の言葉に慌てて頷く彼女であった。
●好評
かくて徐々に店にもお客が来店し始める。
「二百グラムだな、暫し待たれよ」
テイクアウトはエメラルドが担当、店内の接客は村娘が担当して宗人は調理に専念。
この振り分けはひとえに立地と港への呼び込みにより男性客が多くなっているからに他ならない。
(やっぱり男はいつの時代も女の子にちやほやされて悪い気はせんからな~)
宗人はそんな事を思いながら、己が提案したバターで川魚を焼く。
その手際の良さはきっと現役主婦といい勝負をするだろう。確かにプロと比べれば雑な部分はあるが、自炊してきた腕は伊達じゃない。バター焼きの最大のポイントはやはり焼き加減にある。ここでバターの扱いを間違うとあっという間に焦げてしまい旨みをも台無しにしてしまう恐れがあるのだ。だが彼はいとも容易く丁度いい焼き加減と焼き色を維持して、ふんわり柔らかな川魚焼きを仕上げているではないか。
「う、羨ましい…」
匂いに散々空腹感を刺激されつつも休憩まで我慢と心に決め、客の応対をするエメラルドが呟く。
だが、その呟きは彼には届いていなかった。
何故なら、調理に集中していたし焼き音もまた彼女の声をかき消していたからだ。
(は~、この音、この香り。いつ嗅いでも幸せな気分になんな~)
バターの魅力の一つ――それは人々を幸せにさせる香りだと彼は思う。
更に今はミントも僅かに加わっているから、心も身体もリフレッシュするような気もする。
「わぁ、なんか素敵~。ここ寄ってみようよ」
そんな気分に浸っていると次の来店者が扉を開けて…リアルブルーの目でみれば女子高生位だろうか。
気付けば時計はもう三時前を差していた。
という事は言葉は悪いが、むさい男性客の波が引き丁度落ち着いて来た、そう言った頃合いだ。
「いらっしゃいやね」
厨房からそう声をかけると、乙女達は瞳を輝かせて彼の前のカウンターに席を取る。
「うわ~、イケメンさんやぁ」
「ほんとほんと~」
そうして彼がこの辺ではあまり見ないイケメンだと心を昂ぶらせる。
そうなると、村娘のメニュー紹介など残念ながら右から左だ。一人は本当に好みなのか視線を宗人から外さない。
「え、えっとじゃあミントティとクッキーのセットを二つでお願いします」
熱い視線を宗人に向ける友に代わって、もう一人がゴメンナサイと謝りつつ注文する。
その熱気を受けて、村娘ちゃんがオーダーついでに宗人にこっそり耳打ち。その提案を彼は快く了承する。
(ま、これもサービスサービス~ってな)
そうして、トレーにティーポットとクッキーをそれぞれのせるといざ出陣。
「おまたせやね、お嬢さん方。フルーツミントティ―とチョコミントクッキーのセットになります」
黒のシャツに黒のバリスタエプロンを披露して、少しばかり執事っぽい口調で優雅にポットからミントティーを注げば、女子二人はもうメロメロだ。
『あ、ありがとうございますッ』
二人は両の手を取り感激して、頬を赤らめ恥じらいを見せる。
「ごゆっくりどうぞ」
そんな二人に丁寧なお辞儀をして、宗人の接客は完璧だった。
「いいなー、私もあんなのされてみたい」
あろうことか村娘の一人が小さな声で愚痴を零す。
「なんやなんや、俺よかイケメンはぎょうさんおるで」
そういうも宗人であるが、今の後ではまんざらでもない。
さっきの言葉を借りれば、やっぱりどうあっても若い子で可愛ければ尚の事。
褒められたりキャーキャー言われれば何歳になっても嬉しいものは嬉しいのだ。
「あー、ごめん。サンドの追加入ったんで至急調理お願いするんだよー」
外から帰ってきた小鳥がまた配達を取り付けてきたらしく、調理のお願いを出す。
「あいよ、まかしときー」
宗人はそう答えて、すかさずまた調理に戻るのであった。
一週間という期間はあっという間に過ぎる。やっとこ馴染んで来た頃の撤退は些か悲しいものだ。
それが一生懸命に掃除して磨き上げて、必死になって売り出したお店となると尚更である。
「終わっちゃいましたねー…」
お店のドアをクローズに変えて、村娘とハンターがそれぞれ向かい合う。
「で、売り上げはどうなったのだ?」
でだしこそ悪かったが、地道な呼び込みと試食の提供でそれなりの成果は出ている筈だ。
「ん~ひい、ふう、みい……集計すると、そうですね。少しだけ利益ありです」
『おおーっ』
少しだけ――まあ、無理もない。立地のハンデを背負って利益が出ただけでも凄い事だ。
そこでこの成果を分かち合いながら最後の晩餐…ならぬ最後の賄い、ミント尽くしをみんなで楽しむ。
「うむ、しかしやはりこのサンド。何度食べても美味いな」
ミントにあまり馴染みのないエメラルドだったが、毎日食べても飽きないと彼女は感心する。
「わたしはクッキーがお気に入りだよ。このスゥーとするのやめられないもん」
とこれは小鳥だ。甘さの中に感じる爽快感が癖になったらしい。
「ま、人生甘ないっちゅうこっちゃね。けど、楽しかったわぁ」
宗人はお酒を足したミントティをグラスで頂きながらほろ酔い顔。一攫千金ならずともそう悪くない。
「お三人方、今回は突然の依頼にご協力ありがとうございました。次もまた遊びに来て下さいね」
『え?』
最後の唐突な発言にハンター三人が首を傾げる。
「えっと、またって…どういう…?」
「郷祭ですよ。私達、ほぼ毎年出てるし…今回残ったドライミントは郷祭に出そうと思って! だから、今度はお客様でも構いませんので来て欲しいなって」
リーダーちゃんが説明に希望を加えて言葉する。
そう、今更であるが彼女達はジェオルジに属する村の生産者なのだ。
「あのー、すいませーん。私のアイデアが使われたとか何とかで―」
ドアの向こうではそんな事をいう人物がいたのだが、所詮もう終わった事。言ったところで何の事はない。
「さぁ、次は祭りよ!」
一人が言う。そんな彼女達の歩みを止める事は誰にもできないのであった。
小さい店であっても長年つもりに積もった埃というのはなかなかに質が悪い。
窓と扉を全開にして、風の力を借りても店から全ての埃を追い出すのは一苦労。
三角巾と手拭いで頭と口元を覆い彼女らはとにかく埃と格闘する。
「全く、えらい場所を借りてもうたもんやなぁ」
前回からの参加であった埜月 宗人(ka6994)が苦笑しつつ言う。
「本当どうかしてるよっ、こんな場所貸すなんて」
そう言うのは狐中・小鳥(ka5484)だ。到着時その現状に唖然とするも、家事全般が得意な彼女はその後開口一番「ぴっかぴかにしてやんよ!」とばかりにはたき二刀流の荒業を披露し、今に至る。
「うーむ、私はよく知らんのだが…こういうのは珍しいのか?」
貴族出身のエメラルド・シルフィユ(ka4678)が何故かびしょびしょの布巾で椅子を拭きながら二人に尋ねる。
「せやなぁ、フツーやったらもうちょいまともな物件紹介すると思うんやけど…もしかして何かしたんか?」
思案の果てにそこへ行きついて、宗人が村娘達に尋ねる。
「あ~と、それは」
「少~しばかし無理言って値切って値切って値切った位で…」
「どんだけ値切ってんのッ!」
言葉しつつ視線を逸らしてゆくリーダーちゃんに小鳥がツッコむ。
「成程、おまえ達は倹約家なのだな」
がその言葉をあさっての方向に捉えて、エメラルドは大真面目にそう切り返す。
「ちょっ、どうしたんですかっコレ!」
そこで村娘の一人がびしょ濡れになった椅子を見つけて悲鳴を上げる。
「あ、いや…水拭きせよと言うのでしたま…」
「えと、エメラルドさん。お掃除の経験は?」
恐る恐る娘か問う。
「ない」
それにきっぱりはっきり彼女は答えて、
(これが箱入り娘かっ!?)
皆の脳裏にその言葉が浮かんだのは間違いなかった。
中はさておき、外も外でする事はある。それは日差し避けの修理だ。
宗人は今日の為にとわざわざ持参してきたテントを使い、新たなオーニング作成に入る。
「これ、結構長さ有りますねぇ。どうしましょうか?」
「ま、長い目に垂らしておいた方が長時間の日除けになってええんちゃうか?」
そんな村娘が問いにそう答えて、彼自身は骨組の部分の強度を確認中。
「おお、確かにいいですね」
「せやろ? 持ってきて正解やったわ~」
港の真ん前なら日差しは大敵。温かいバター焼きを挟むからと言って、食中毒の心配がいらないかと言えばそうでない。フレッシュミントも挟むし、温かければ挟んだままにしていると蒸気が出て蒸れてしまうからだ。
「と、店の名前はどないなってんや?」
唐突に宗人が尋ねる。
「それがまだ…」
「だったらが、私が提案しよう。ミントショップ【食べてミント】というのはどうだろう!?」
とそこで手を挙げたのはエメラルドだった。待ってましたとばかりにどや顔で提案する。
だが、この名前…実は丸々彼女のアイデアかと言えばそうではない。とある人物がよく使う駄洒落という手法であるが、彼女自身は全くその事に気付いていない。
「なんや、それ。ホンマまんまやないか」
「けど、逆にストレートでいいかもだよ」
それを聞き、仲間達が口々に言う。
(フフフッ、これで決まれば私の考えた店名が公に……)
彼女はこういう事は初めてなのか次第と鼓動が速くなる。
すると自然に手元がおざなりになって、今度は拭いていた窓から嫌な音。
「あ、いや…すまぬ…」
隠す事も出来た亀裂であったが、やはり彼女は真面目なのであった。
朝の早さには自信があった。
しかし、漁師の朝は農家の朝より数段早い。海鳥に負けいなように日が上る前から海に出ているからだ。だから、朝食用にと売り出すのは問題があったか。しかし、そこで諦める彼女達ではない。朝がダメなら昼か間食。そこを狙うべく、調理場ではメインのサンドの調理に大忙し。適材適所に人を割り当てて販売準備へ。些か不器用なエメラルドはクッキーの袋詰め中のようだ。普通の力でそう簡単に割れるものではないが力加減は慎重に。
「五枚ずつ入れてリボンをかけて下さいね」
用意してきていたサテンのリボンを取り出し、村娘が彼女に言う。
「あ、ああ…承知した」
それを緊張した様子で受け取って、店の隅で丁寧に袋詰める彼女。
その姿がなんだかとても可愛らしい。幼い子供が母から特別なお手伝いを任されたように、ドキドキとワクワクをはらんでいて見ている方もなんだかほのぼのしてしまう。が、今はその雰囲気に浸っている場合ではない。
「おーい、話やとそろそろ帰ってくる時間らしいでー」
港の様子を確認しに行っていた宗人が仲間達に呼びかける。
「さぁ、やるわよ。準備はいい?」
店は何とか形となった。宗人提供のテントに光が射す。店内はピカピカに磨き上げられ、前回のハンター達の提案を採用しサシェを飾って、ほのかに爽やかな香りが漂う店内となった。椅子もテーブルもこじんまりとしていたが、これはこれで特別感が出ていていいかもしれない。
そして、出入り口側のカウンターには販売用のクッキーと瓶詰めバターと量りが並び、その隣にはドライハーブ入りの大きな樽。そこから直接取り出し、量り売るという手筈だ。いつでも出せるよう、ティーポットにはミントティーを準備してお客さんの来店を待つ。
そんな店の外に出した立て看板には店名【食べてミント】の名が記されていた。
●売込み
が、現実はそう甘くない。港に帰ってきた漁師達は彼女の店に気付いていてもなかなか足を向けてはくれない。
船の上で食事をとったのか、はたまた見慣れない店より自宅の飯の方がいいのか素通りする者の方が多い位だ。
「お洒落なお客が多い本通りならまだしも、ちょっと女性向け過ぎるのかな?」
呼び込みの為、外に出た小鳥が思案する。
「それにミント、ですからねー…偏見ではないですが大の男には近寄りがたいのかも」
彼女と共に出た村娘も困り顔でそう返答する。
「けど、これじゃあ赤字になっちゃうよね…って事であの作戦、実行していいかな?」
小鳥があらかじめ考えて来ていた作戦、それはとてもシンプルな苦肉の策。
客を呼び込むため、試供品ないし試食品を配るというものだ。
「…背に腹は代えられない。やりましょう! 作ったまま廃棄になるよりはきっとましです」
小鳥の提案に即決同意して、二人は店に戻りサンド用のパンにミントバターを塗って一口大に切り分ける。
そうして、向かう先は勿論港の市場。競りが始まっているなら人も多い筈だ。
「ふぁ~凄い活気だね。こんなに人がいるのにお客が来ないなんて…」
競りの声に圧倒されながら小鳥が呟く。
「青果とはまた違った空気ですぅ。でもでも負けてられない! あ、そうだ。あそこからとかどうですか?」
そこで村娘が目を付けたのは市場の端だった。そこには漁師達の妻なのだろう。仕分けを終えて、少し話し込んでいるご婦人達の集まりがある。
「だね。行ってみよう」
そこで小鳥は元気よく彼女らに近付き御挨拶。
「こんにちはだよ♪ 試食やってるんだけど食べてみないかな? かな?」
小鳥のその言葉に振り返る御婦人方。
皆、そこそこ年がいっているように見えるから小鳥くらいの年頃の子供がいたのかもしれない。
「おやおや、アルバイトかい? せいが出るねぇ」
白髪雑じりの夫人が言う。
「どれ、じゃあ一つ貰おうかね」
もう一人もわざわざ手にはめていて手袋を外して、彼女らが切ってきたパンを食してくれる。
「どうかな?」
そう覗き込むように問うと、
「おや、爽やかなバターだね。なかなかいけるじゃないかい」
「このバターなら香草焼きをする時に手間が省けそうだ」
といい反応。その声に二人の顔に明るさが戻る。
「ありがとうだよ♪ 気に入ったらお友達とかにも教えて欲しいんだよー」
とびきりの笑顔で小鳥が言う。
「なんだなんだ? 母ちゃん連中の中にみかけねえ若い娘がいるじゃねぇか」
すると彼女らに気付いた漁師達も徐々に二人を認識し、声をかけてくれる。
「あ、あの…私達は」
「店やってんだってよ。んで、ほら。試食…持ってきてくれたんだってさぁ。食べてみなよ」
村娘が答える前に夫人がそう話す。
「ほお、で売りもんは?」
「川魚のミントバター焼きサンドなんだよ。海のお魚は食べ慣れてると思うから、たまには川魚はどうかなって?」
「それだけか?」
少し強面の漁師に村娘がびくりと肩を揺らすもそこで必死に踏み止まる。
「ほ、他にもクッキーと…ハーブティを、ご用意しています、だから…だから」
「よっしゃ、わかった。ものは試しだ。出前、出来るか?」
男の言葉に慌てて頷く彼女であった。
●好評
かくて徐々に店にもお客が来店し始める。
「二百グラムだな、暫し待たれよ」
テイクアウトはエメラルドが担当、店内の接客は村娘が担当して宗人は調理に専念。
この振り分けはひとえに立地と港への呼び込みにより男性客が多くなっているからに他ならない。
(やっぱり男はいつの時代も女の子にちやほやされて悪い気はせんからな~)
宗人はそんな事を思いながら、己が提案したバターで川魚を焼く。
その手際の良さはきっと現役主婦といい勝負をするだろう。確かにプロと比べれば雑な部分はあるが、自炊してきた腕は伊達じゃない。バター焼きの最大のポイントはやはり焼き加減にある。ここでバターの扱いを間違うとあっという間に焦げてしまい旨みをも台無しにしてしまう恐れがあるのだ。だが彼はいとも容易く丁度いい焼き加減と焼き色を維持して、ふんわり柔らかな川魚焼きを仕上げているではないか。
「う、羨ましい…」
匂いに散々空腹感を刺激されつつも休憩まで我慢と心に決め、客の応対をするエメラルドが呟く。
だが、その呟きは彼には届いていなかった。
何故なら、調理に集中していたし焼き音もまた彼女の声をかき消していたからだ。
(は~、この音、この香り。いつ嗅いでも幸せな気分になんな~)
バターの魅力の一つ――それは人々を幸せにさせる香りだと彼は思う。
更に今はミントも僅かに加わっているから、心も身体もリフレッシュするような気もする。
「わぁ、なんか素敵~。ここ寄ってみようよ」
そんな気分に浸っていると次の来店者が扉を開けて…リアルブルーの目でみれば女子高生位だろうか。
気付けば時計はもう三時前を差していた。
という事は言葉は悪いが、むさい男性客の波が引き丁度落ち着いて来た、そう言った頃合いだ。
「いらっしゃいやね」
厨房からそう声をかけると、乙女達は瞳を輝かせて彼の前のカウンターに席を取る。
「うわ~、イケメンさんやぁ」
「ほんとほんと~」
そうして彼がこの辺ではあまり見ないイケメンだと心を昂ぶらせる。
そうなると、村娘のメニュー紹介など残念ながら右から左だ。一人は本当に好みなのか視線を宗人から外さない。
「え、えっとじゃあミントティとクッキーのセットを二つでお願いします」
熱い視線を宗人に向ける友に代わって、もう一人がゴメンナサイと謝りつつ注文する。
その熱気を受けて、村娘ちゃんがオーダーついでに宗人にこっそり耳打ち。その提案を彼は快く了承する。
(ま、これもサービスサービス~ってな)
そうして、トレーにティーポットとクッキーをそれぞれのせるといざ出陣。
「おまたせやね、お嬢さん方。フルーツミントティ―とチョコミントクッキーのセットになります」
黒のシャツに黒のバリスタエプロンを披露して、少しばかり執事っぽい口調で優雅にポットからミントティーを注げば、女子二人はもうメロメロだ。
『あ、ありがとうございますッ』
二人は両の手を取り感激して、頬を赤らめ恥じらいを見せる。
「ごゆっくりどうぞ」
そんな二人に丁寧なお辞儀をして、宗人の接客は完璧だった。
「いいなー、私もあんなのされてみたい」
あろうことか村娘の一人が小さな声で愚痴を零す。
「なんやなんや、俺よかイケメンはぎょうさんおるで」
そういうも宗人であるが、今の後ではまんざらでもない。
さっきの言葉を借りれば、やっぱりどうあっても若い子で可愛ければ尚の事。
褒められたりキャーキャー言われれば何歳になっても嬉しいものは嬉しいのだ。
「あー、ごめん。サンドの追加入ったんで至急調理お願いするんだよー」
外から帰ってきた小鳥がまた配達を取り付けてきたらしく、調理のお願いを出す。
「あいよ、まかしときー」
宗人はそう答えて、すかさずまた調理に戻るのであった。
一週間という期間はあっという間に過ぎる。やっとこ馴染んで来た頃の撤退は些か悲しいものだ。
それが一生懸命に掃除して磨き上げて、必死になって売り出したお店となると尚更である。
「終わっちゃいましたねー…」
お店のドアをクローズに変えて、村娘とハンターがそれぞれ向かい合う。
「で、売り上げはどうなったのだ?」
でだしこそ悪かったが、地道な呼び込みと試食の提供でそれなりの成果は出ている筈だ。
「ん~ひい、ふう、みい……集計すると、そうですね。少しだけ利益ありです」
『おおーっ』
少しだけ――まあ、無理もない。立地のハンデを背負って利益が出ただけでも凄い事だ。
そこでこの成果を分かち合いながら最後の晩餐…ならぬ最後の賄い、ミント尽くしをみんなで楽しむ。
「うむ、しかしやはりこのサンド。何度食べても美味いな」
ミントにあまり馴染みのないエメラルドだったが、毎日食べても飽きないと彼女は感心する。
「わたしはクッキーがお気に入りだよ。このスゥーとするのやめられないもん」
とこれは小鳥だ。甘さの中に感じる爽快感が癖になったらしい。
「ま、人生甘ないっちゅうこっちゃね。けど、楽しかったわぁ」
宗人はお酒を足したミントティをグラスで頂きながらほろ酔い顔。一攫千金ならずともそう悪くない。
「お三人方、今回は突然の依頼にご協力ありがとうございました。次もまた遊びに来て下さいね」
『え?』
最後の唐突な発言にハンター三人が首を傾げる。
「えっと、またって…どういう…?」
「郷祭ですよ。私達、ほぼ毎年出てるし…今回残ったドライミントは郷祭に出そうと思って! だから、今度はお客様でも構いませんので来て欲しいなって」
リーダーちゃんが説明に希望を加えて言葉する。
そう、今更であるが彼女達はジェオルジに属する村の生産者なのだ。
「あのー、すいませーん。私のアイデアが使われたとか何とかで―」
ドアの向こうではそんな事をいう人物がいたのだが、所詮もう終わった事。言ったところで何の事はない。
「さぁ、次は祭りよ!」
一人が言う。そんな彼女達の歩みを止める事は誰にもできないのであった。
依頼結果
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MVP一覧
- 勇気をささえるもの
埜月 宗人(ka6994)
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/04/06 10:08:11 |
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相談だよー 狐中・小鳥(ka5484) 人間(クリムゾンウェスト)|12才|女性|舞刀士(ソードダンサー) |
最終発言 |