■黒狐塾（こっこじゅく）
　前・同盟軍総司令官のイザイア・バッシが、陸軍底上げのために結成したエリート育成機関。
　退官後もイザイアが「同盟陸軍アドバイザー」となって主宰しており、目標達成のための手段を模索している。
　昨今のＣＡＭの活躍にも注目しており、早くからその有効性を探るべく、塾内の講義でも取り上げていた。

　ただ、斬新過ぎる教育方針が現場の強化に直結しないのもまた事実で、いわゆる「反イザイア派」も存在する。
　そんな彼らは、塾そのものを「ニワトリ小屋」、所属する者を「ニワトリ野郎」などの蔑称で呼ぶことがある。
　この蔑称は「黒狐塾→黒狐→こっこ→コッコ→コケコッコー！→ニワトリ」が由来である。

　今回のＣＡＭ輸送任務を同盟海軍が引き受けた際、現・司令官のブルーノ・ジェンマが特殊部隊の設立を決意するも、
　同盟軍内の再編が絡むと派閥などの関係で話がこじれると判断し、後見人であるイザイアに「黒狐塾を中心に設立を」と打診した。
　これを受け、イザイアはＣＡＭ操縦に関わる部隊を「特殊機体操縦部隊」、通称「特機隊（とっきたい）」と名付け、黒狐塾の昼行灯として有名なダニエル・コレッティ陸軍中佐を隊長に任命。彼らにもＣＡＭ輸送の護衛に就くよう命令を下す。

■特機隊（とっきたい）
　正式名称「同盟陸軍 特殊機体操縦部隊」、通称「特機隊」。
　隊長はダニエル・コレッティ陸軍中佐。隊員第１号はＣＡＭに憧れを持つ下士官の少女、ジーナ・サルトリオ陸軍曹長。
　それ以外の隊員はまだ人選中のため確定しておらず、当面の間は黒狐塾のメンバー（20人程度）が臨時的に帯同する。

■海賊について
　同盟領は古くから海運で成り立っているため、「海賊」という存在が現れるのは自明の理であった。
　過去は海賊が隆盛を誇った時代もあったとされるが、自由都市協商から同盟へと発展し、初開催となった自由都市評議会で海軍を主体とした同盟軍の設立したのを契機に、同盟海軍と海賊との抗争が勃発。
　商人の出資を受けて必勝の心構えで挑む海軍に対し、力の鼓舞と物資の略奪に明け暮れるだけの海賊の実力差は次第と顕著になり、悪名高く大勢力であった海賊団のほとんどが壊滅の憂き目に遭った。

　それ以来、同盟海軍と海賊の戦力差が覆ることはなく、海賊の規模も当時よりは縮小されている。
　これは同盟海軍に目をつけられるのを避ける意味合いも含まれており、海賊同士が共闘する例も少ない。
　しかし海賊による被害がなくなったわけではなく、現在も護衛のない船が狙われたりすることはある。
　ただ、海商は同盟海軍よりも先に存在しており、当時から海賊への対抗手段を有している場合も存在する。よって現代においては、海商が自衛する形で海賊を追っ払う事例も散見される。