すべては、歪虚の王国侵攻から始まった。
　この事件に端を発した人類側の危機感は、サルヴァトーレ・ロッソの持つCAM投入へと繋がった。
　しかし、CAMは動力炉の問題があった。クリムゾンウェストではCAMの動力炉に必要な燃料を十分に確保する事ができなかったのだ。その対応策として帝国で研究が進められていた魔導アーマーの動力炉転用が提案。辺境のマギア砦南にて稼働実験が行われる事となった。

　ハンターによる支援もあり、実験は無事に実施される。
　稼働時間が想定よりも短い。
　歩行実験のみ行った為、跳躍などの機体へ、負担をかける実験は行われなかった事。
　動力炉量産化の際、安定した供給を確約できない事。
　様々な課題が提示されたものの、CAMは無事稼働。今後は帝国で魔導アーマー開発を継続すると共に動力炉の研究も行っていく予定だ。

　人類は対歪虚に対して一歩踏み出したところだが、歪虚もこの実験を察知して動き出す。
　ハンターズソサエティがブラックリストとして公表している『災厄の十三魔』の一人、クラーレ・クラーラが仕掛けたCAM強奪ゲーム。ハンター達はクラーレによって奪われたCAMを奪還すべく追跡するが、そこで待ち受けていたのはクラーレと同じ災厄の十三魔達だった。結果的に数機は歪虚へ奪われたものの、大半は奪還する事に成功した。
　各国を巻き込んだCAMの稼働実験は、ここで節目を迎える。
　だが、歪虚との戦いが終わった訳ではない。帝国と辺境の国境にある要塞『ノアーラ・クンタウ』より、マギア砦北部で怠惰の軍が多数目撃されていると報告されている。
　歪虚との戦いは、新たなる局面を迎えようとしているのかもしれない。

ナナ・ナインのCAM実験場襲撃、カッツォ・ヴォイによる周辺地域の混乱。
時同じくしての、残りの十三魔によるそれぞれの動き。
すべては巧妙に仕組まれた凶悪なる連鎖だった。

クラーレ・クラーラが告げた『GAME START』。　それはCAMの起動の合図でもあった。

CAMが歪虚の手に堕ちたことによって、恐怖と混乱がCAM実験場から各国方面へと一気に伝播する。
対歪虚に対抗するための『希望』は、歪虚による『絶望』へと変わってしまうのか――

否。決死の覚悟をもっての阻止。それ以外に道はない。
ハンター、そして各国の精鋭達による、決死の歪虚CAM迎撃作戦が開始された。

■CAM奪還ゲームについて
　実験場を襲撃した複数の災厄の十三魔達。その対応に追われるハンター達を横目に、歪虚の手でCAMが強奪された。
　実行犯は嫉妬の歪虚クラーレ・クラーラ。どうやら十三魔の襲撃も彼の仕組んだ筋書きのようだ。
　嫉妬の歪虚には無機物を操作する能力があり、これを用いてCAMを操作、強奪した物と思われる。
　現在正確な数は不明だが、少なくない数のデュミナスとドミニオンシリーズが操られ、それぞれのルートで逃走を開始している。
　クラーレはこの状況を“CAM奪還ゲーム”と銘打ち、壮大な遊びとして楽しんでいるようだ。
　奪われたCAM達は何故か歪虚達も無視し移動を続けている。その動きは直線的で、目標地点を定めている事が予測される。
　CAMは歪虚を無視しているが、歪虚達は逃亡するCAMを護衛しようとする動きが見られ、この奪還ゲームが単純な強奪作戦ではない事を示唆する。
　歪虚側にもクラーレの課したルールが存在している事は、奪還の可能性はまだ人類にも残されているのだ。
　各国はCAMの起動実験を中止。歪虚CAMの進路を割り出し、追撃作戦に動き出した。

■歪虚CAMについて
　クラーレの能力で操られたCAMは、歪虚CAMと呼ばれ各国の作戦目標となっている。
　本来は新型動力の起動実験であったように、これらCAMには万全な動力は搭載されておらず、その上無人で稼働している。
　嫉妬の歪虚がどのようにしてCAMを操作しているのかは不明だが、歪虚CAMは動力の有無に関わらず万全に機能しているようだ。
　奇しくも動力問題を解決し、パイロットも不要となったCAMの機動力は非常に高く、まるで生命体のように大地を疾駆している。
　元々宇宙空間での運用を前提としていたように気密性も万全で、水中を移動する事さえも全く問題にしていない。
　人類にとって貴重な兵器である以上奪還が最良の結末と言えるが、暴走する歪虚CAMは脅威であり、撃破も許可されている。
　動力を破壊する事もできず、パイロットを排除する事もできないこの怪物をどのように相手取るのか。ハンターの手腕が試されている。

■逃走ルートについて
　歪虚CAMの逃走ルートについては早い段階で予測が完了している。
　辺境北にある歪虚の領域、北荻に逃亡すれば良い物を、何故かどの歪虚CAMも揃って南下を開始している。
　また人類が全く追ってこられないような方向に逃げる事もなく、まるで追撃されるのを待っているかのようだ。
　歪虚CAM達はひたすら南に向かって移動しているが、現在の進路予測が正しければどの歪虚CAMもどこかの国の領土を通過する。
　各国はそれぞれ自国領土に侵入する歪虚CAMを追撃、迎撃する為のランデブーポイントを検討し、作戦準備を開始している。
　比較的実験場に程近い辺境領、帝国領ではランデブーポイントまでの到達が早く、1/3前後に作戦開始が予想される。
　また辺境、帝国で阻止出来なかった歪虚CAM達は時間をかけ移動。王国領、同盟領での遭遇、作戦開始は1/5前後と試算されている。
　十三魔の妨害も予想され、戦況は苛烈を極める。ハンター各位はランデブーポイントヘ向かい、作戦に参加せよ。


■ＣＡＭ奪還ゲーム最終阻止シナリオ（イベントシナリオ）（1月21日更新）
全リプレイが公開となりました。今後の戦況を左右する今作戦の結末をチェックしよう！

王国方面	【虚動】ガルドブルム襲来（馬車猪） 『災厄の十三魔』ガルドブルムが襲来！凶暴なる竜を撃退せよ！
帝国方面	【虚動】ピノキオの死 （湖欄黒江） 帝国軍第三師団、便利屋クリケットらと共に、エルフハイムに迫る歪虚CAMを迎撃せよ！
同盟方面	【虚動】二兎追いし狐の歯牙（のどか） CAM奪還ゲームにおける同盟領でのゴール地点と目される、ラッツィオ島での攻防。 直進と迂回に分かれて海中を進む歪虚CAMを迎撃し、可能な限り損害を与えよ！
辺境方面	【虚動】Doctor's Game（剣崎宗二） 歪虚に遠隔操作されたCAMがザイタス峡谷に到達。『災厄の十三魔』アレクサンドル・バーンズとその配下の雑魔の妨害を掻い潜り、歪虚CAMを撃破・奪還せよ！

実験場と周辺では『災厄の十三魔』と歪虚による襲撃が繰り返されました。
これまでの攻防、支援作戦は、連動シナリオで確認できます！