ゲスト
(ka0000)
【虚動】二兎追いし狐の歯牙
マスター:のどか

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 難しい
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2015/01/11 07:30
- リプレイ完成予定
- 2015/01/20 07:30
オープニング
青き海面に白波がいくつかの筋を作る。
さまざまな人々の記憶に新しいラッツィオ島の近海は、真夏の穏やかなそれでは無く、やや波の高い荒れ気味の冬の海へと様変わりをしていた。
不意に、そんな海面を揺るがすように轟音が響き渡った。
同時に立ち上る水柱は凍りつくように冷たい水飛沫を戦域に散りばめていた。
「射角よぉぉし! 次弾……てぇぇぇえええッ!!」
船の上に響き渡る怒声と共に、再び断続的な爆音が水平線にこだまする。
立ち上る水柱。
その柱を掻い潜るように上半身を海上に露にした装甲機――歪虚へと奪われたCAMは島を目指して一歩、また一歩とその歩みを進めていた。
今回、クラーレ・クラーラが始めた歪虚奪還ゲーム。
その同盟領のゴールとして目されたのが、このラッツィオ島であった。
狂気の歪虚事件の際に一躍注目を集めたその島と冒険都市リゼリオ、そのどちらがゴールに設定されるのか。
判断はその2択に絞られたのだが、その決が下るまで動くに動けないでいた同盟軍。
いざその目的地がラッツィオ島であると判明したや否や、すぐさま艦隊を率いてその対応へと全力を注ぎ込んでいた。
「出し惜しむ必要は無い。全弾撃ち尽くすつもりで、目標を破壊せよ!」
後方に控える指揮艦上で若き同盟軍指揮官の元帥、ブルーノ・ジェンマは爆音に負けじと轟くような威勢で拳を振り上げる。
歪虚CAMはあろう事に、海中を徒歩で移動していた。
その事がゴール選定の判断を鈍らせていたのである。
敵が深い海底ではこちらは手出しをする事もできず、選定後も結局はゴールでCAMの到着を待つしか無い。
その事実に同盟軍はかなり不利な状況へと立たされ、兵士達の士気や焦燥感も極限の状態へと陥っていた。
が、逆にこうして一点集中型の飽和攻撃で迎え撃つ策へと切り替える事ができたのが一つの怪我の功名であり、同時にそんな兵士達のフラストレーションのはけ口にもなっていた。
「ゲームなどと、ふざけた真似を……」
そう言いながら、ブルーノは歪虚にコントロールを奪われたかの機体を睨み付けた。眼帯を身に着けたその隻眼に、爆炎につつまれ尚も進撃を続けるCAMの姿が写る。
「その全てを破壊せよとは言わん……だが、牙の突き立てられる機体だけでもこの海岸線に沈めてみせよ! 狐の意地を見せるのだ!」
その言葉に短い返事と共に敬礼をした士官がキビキビと伝令に駆け回る。
「――たった一機であのしぶとさ。仮に2、3機同時となれば……いくつか取り逃がすも已む無しか」
機械的に反撃を行うCAMを見つめながら、士気にも関わるのであろう、ブルーノは苦虫を噛み潰したような表情で誰に言うでもなく、そう呟いたのだった。
「――ルートから迂回している機体だと!?」
ヴァリオスの同盟軍拠点にて、将校の1人が目の色を変えて文字通り飛び上がった。
「はい。今回、様々な情報から北東から真東にかけて歪虚CAMの予想ルートを絞られていたようですが……南東側の海域でも1機、海底を闊歩する巨人を見たと」
将校とは打って変わって、エヴァルド・ブラマンデ(kz0076)は比較的落ち着いた様子で、むしろ余裕すら見せる素振りでそう語った。
信用できる筋から手に入れたその情報は、同盟軍の今回の『奪還ゲーム』に対する方策の根底を揺るがす事実であった。
既にブルーノ元帥率いる艦隊がCAMを迎え撃つ為にラッツィオ島へと出向き、予想ルート上で迎撃態勢を敷いていたが、想定外の方向から敵が島を目指しているという。それが事実であるならば、そんな状況に面した現地の混乱は誰の目にも明らかだ。
ブルーノ元帥自ら現地に居る手前、不安ばかりと言うことはないが……それでも、万が一と言うことはある。
「しかし、何故1機だけ……陽動か何かのつもりなのか?」
「いえ、それがどうやらあの辺りの海流のせいだろうという事で。変な潮の流れに乗ってしまい、文字通り1機だけ逸れてしまったようです」
「それでも律儀にゴールを目指すとは……そのまま海の藻屑にでもなってくれれば良かったものを」
将校が吐き捨てるように言い放つ。
「しかし、今から連絡船を出すにも間に合うかどうか。ヴァリオスの軍艦は、すべてラッツィオ島に出払ってしまっているし……海軍本部のポルトワールからは距離的に不可能だ」
顎に手を当てて唸る将校であったが、それに対しエヴァルドは「ご安心を」とでも言いたげに笑みを浮かべて見せると、紳士的に一礼をしてみせた。
「事は急です。丁度、ヴァリオスの港に私の船が一隻寄港しております。必要であれば、我々がその役をお引き受けいたしましょう。新たに依頼を出し、ハンターの増員も募って――ああ、もちろん費用は我々に持たせて頂きたい。他ならぬ同盟の危機ですから」
そう息も吐かせぬよう一気に言い包めると、将校は思わず「それならば……」とエヴァルドへ頷き返し、エヴァルドもまた再び演技掛かっても見える様子で礼を返すのであった。
さまざまな人々の記憶に新しいラッツィオ島の近海は、真夏の穏やかなそれでは無く、やや波の高い荒れ気味の冬の海へと様変わりをしていた。
不意に、そんな海面を揺るがすように轟音が響き渡った。
同時に立ち上る水柱は凍りつくように冷たい水飛沫を戦域に散りばめていた。
「射角よぉぉし! 次弾……てぇぇぇえええッ!!」
船の上に響き渡る怒声と共に、再び断続的な爆音が水平線にこだまする。
立ち上る水柱。
その柱を掻い潜るように上半身を海上に露にした装甲機――歪虚へと奪われたCAMは島を目指して一歩、また一歩とその歩みを進めていた。
今回、クラーレ・クラーラが始めた歪虚奪還ゲーム。
その同盟領のゴールとして目されたのが、このラッツィオ島であった。
狂気の歪虚事件の際に一躍注目を集めたその島と冒険都市リゼリオ、そのどちらがゴールに設定されるのか。
判断はその2択に絞られたのだが、その決が下るまで動くに動けないでいた同盟軍。
いざその目的地がラッツィオ島であると判明したや否や、すぐさま艦隊を率いてその対応へと全力を注ぎ込んでいた。
「出し惜しむ必要は無い。全弾撃ち尽くすつもりで、目標を破壊せよ!」
後方に控える指揮艦上で若き同盟軍指揮官の元帥、ブルーノ・ジェンマは爆音に負けじと轟くような威勢で拳を振り上げる。
歪虚CAMはあろう事に、海中を徒歩で移動していた。
その事がゴール選定の判断を鈍らせていたのである。
敵が深い海底ではこちらは手出しをする事もできず、選定後も結局はゴールでCAMの到着を待つしか無い。
その事実に同盟軍はかなり不利な状況へと立たされ、兵士達の士気や焦燥感も極限の状態へと陥っていた。
が、逆にこうして一点集中型の飽和攻撃で迎え撃つ策へと切り替える事ができたのが一つの怪我の功名であり、同時にそんな兵士達のフラストレーションのはけ口にもなっていた。
「ゲームなどと、ふざけた真似を……」
そう言いながら、ブルーノは歪虚にコントロールを奪われたかの機体を睨み付けた。眼帯を身に着けたその隻眼に、爆炎につつまれ尚も進撃を続けるCAMの姿が写る。
「その全てを破壊せよとは言わん……だが、牙の突き立てられる機体だけでもこの海岸線に沈めてみせよ! 狐の意地を見せるのだ!」
その言葉に短い返事と共に敬礼をした士官がキビキビと伝令に駆け回る。
「――たった一機であのしぶとさ。仮に2、3機同時となれば……いくつか取り逃がすも已む無しか」
機械的に反撃を行うCAMを見つめながら、士気にも関わるのであろう、ブルーノは苦虫を噛み潰したような表情で誰に言うでもなく、そう呟いたのだった。
「――ルートから迂回している機体だと!?」
ヴァリオスの同盟軍拠点にて、将校の1人が目の色を変えて文字通り飛び上がった。
「はい。今回、様々な情報から北東から真東にかけて歪虚CAMの予想ルートを絞られていたようですが……南東側の海域でも1機、海底を闊歩する巨人を見たと」
将校とは打って変わって、エヴァルド・ブラマンデ(kz0076)は比較的落ち着いた様子で、むしろ余裕すら見せる素振りでそう語った。
信用できる筋から手に入れたその情報は、同盟軍の今回の『奪還ゲーム』に対する方策の根底を揺るがす事実であった。
既にブルーノ元帥率いる艦隊がCAMを迎え撃つ為にラッツィオ島へと出向き、予想ルート上で迎撃態勢を敷いていたが、想定外の方向から敵が島を目指しているという。それが事実であるならば、そんな状況に面した現地の混乱は誰の目にも明らかだ。
ブルーノ元帥自ら現地に居る手前、不安ばかりと言うことはないが……それでも、万が一と言うことはある。
「しかし、何故1機だけ……陽動か何かのつもりなのか?」
「いえ、それがどうやらあの辺りの海流のせいだろうという事で。変な潮の流れに乗ってしまい、文字通り1機だけ逸れてしまったようです」
「それでも律儀にゴールを目指すとは……そのまま海の藻屑にでもなってくれれば良かったものを」
将校が吐き捨てるように言い放つ。
「しかし、今から連絡船を出すにも間に合うかどうか。ヴァリオスの軍艦は、すべてラッツィオ島に出払ってしまっているし……海軍本部のポルトワールからは距離的に不可能だ」
顎に手を当てて唸る将校であったが、それに対しエヴァルドは「ご安心を」とでも言いたげに笑みを浮かべて見せると、紳士的に一礼をしてみせた。
「事は急です。丁度、ヴァリオスの港に私の船が一隻寄港しております。必要であれば、我々がその役をお引き受けいたしましょう。新たに依頼を出し、ハンターの増員も募って――ああ、もちろん費用は我々に持たせて頂きたい。他ならぬ同盟の危機ですから」
そう息も吐かせぬよう一気に言い包めると、将校は思わず「それならば……」とエヴァルドへ頷き返し、エヴァルドもまた再び演技掛かっても見える様子で礼を返すのであった。
解説
●目標
歪虚CAMをできる限り撃破すること
☆敵戦力
歪虚CAM(手負い)×1
歪虚CAM(南東迂回)×1
島内の亜人雑魔×多数
▼状況
皆様が島へ到着した際、既に真東の海面から姿を現した『歪虚CAM1機』に対する同盟軍艦の猛攻が始まっています。
該当のCAMは手負いですが、時折反撃を行いながらゴールを目指します。
加えて、皆様は想定ルートを外れ南東から接近する歪虚CAMの情報を持って合流します。
その事が元帥のブルーノに伝わると、現地戦力の7割を対応に回します。
これは後に来るかどうか分からない機体よりも、目の前に見える機体の撃破を優先した元帥の判断です。
彼らと協力し、CAMの撃破・奪還に力を注いでください。
なお、距離的に2つの機体を同時に相手取る事は不可能です。
それらを含めてどのように、どこまで頑張るかをお考え頂ければと思います。
▼戦場
ラッツィオ島の砂浜。奥へ向かうと少々の平地の後に森へ入り、山に差し掛かります。
今回のゲームは平地の後にある森に入るとゴールとなり、CAMを奪われます。
▼戦闘について
スタートは貿易船上となりますが、皆様が分乗できるボートを用意しますのでご利用下さい。
最終的にCAMの撃破ができれば、島の上、海上、海中と、戦場はどこであっても構いません。
協力にあたる軍艦が行える事は主に大砲の一斉砲撃ですが、その目標物に関しては作戦次第で指示を打診する事も可能です。
▼エネミー
亜人雑魔は先日、実験会場に現れた軍団と同じものです。
主にゴブリンやコボルドの雑魔化した集団で、海岸でCAMを迎え撃とうと待ち構える者を妨害するために放たれたと思われます。
▼行動タグ
主な戦域区分としてご利用ください。
【真東】手負いのCAMを仕留めます
【南東】迂回するCAMに対応します
【援護】砲撃支援や後方支援を行います
その他、説明があれば独自タグの使用も可能です。
歪虚CAMをできる限り撃破すること
☆敵戦力
歪虚CAM(手負い)×1
歪虚CAM(南東迂回)×1
島内の亜人雑魔×多数
▼状況
皆様が島へ到着した際、既に真東の海面から姿を現した『歪虚CAM1機』に対する同盟軍艦の猛攻が始まっています。
該当のCAMは手負いですが、時折反撃を行いながらゴールを目指します。
加えて、皆様は想定ルートを外れ南東から接近する歪虚CAMの情報を持って合流します。
その事が元帥のブルーノに伝わると、現地戦力の7割を対応に回します。
これは後に来るかどうか分からない機体よりも、目の前に見える機体の撃破を優先した元帥の判断です。
彼らと協力し、CAMの撃破・奪還に力を注いでください。
なお、距離的に2つの機体を同時に相手取る事は不可能です。
それらを含めてどのように、どこまで頑張るかをお考え頂ければと思います。
▼戦場
ラッツィオ島の砂浜。奥へ向かうと少々の平地の後に森へ入り、山に差し掛かります。
今回のゲームは平地の後にある森に入るとゴールとなり、CAMを奪われます。
▼戦闘について
スタートは貿易船上となりますが、皆様が分乗できるボートを用意しますのでご利用下さい。
最終的にCAMの撃破ができれば、島の上、海上、海中と、戦場はどこであっても構いません。
協力にあたる軍艦が行える事は主に大砲の一斉砲撃ですが、その目標物に関しては作戦次第で指示を打診する事も可能です。
▼エネミー
亜人雑魔は先日、実験会場に現れた軍団と同じものです。
主にゴブリンやコボルドの雑魔化した集団で、海岸でCAMを迎え撃とうと待ち構える者を妨害するために放たれたと思われます。
▼行動タグ
主な戦域区分としてご利用ください。
【真東】手負いのCAMを仕留めます
【南東】迂回するCAMに対応します
【援護】砲撃支援や後方支援を行います
その他、説明があれば独自タグの使用も可能です。
マスターより
おはようございます、のどかです。
今回は【虚動】奪還ゲームの一端を担わせて頂きます、よろしくお願いいたします。
海を渡る(歩く)CAMという事で島に近づくまでは手出しが出来ず、ゴール付近での総力戦となります。
そのため難易度としては他の地域に比べて少々高めかもしれません。
今回はえーてるMSのシナリオ『【虚動】機械巨人とぜんまい仕掛けの軍勢』とのシチュエーション連動となっておりますが、時系列的にはこちらの方が先となります。
こちらのシナリオが片付いた後にえーてるMSのシナリオが勃発する形となります。
質問がございましたらエヴァルドがお答えいたしますので、別途卓を立ててご用命ください。
今回は【虚動】奪還ゲームの一端を担わせて頂きます、よろしくお願いいたします。
海を渡る(歩く)CAMという事で島に近づくまでは手出しが出来ず、ゴール付近での総力戦となります。
そのため難易度としては他の地域に比べて少々高めかもしれません。
今回はえーてるMSのシナリオ『【虚動】機械巨人とぜんまい仕掛けの軍勢』とのシチュエーション連動となっておりますが、時系列的にはこちらの方が先となります。
こちらのシナリオが片付いた後にえーてるMSのシナリオが勃発する形となります。
質問がございましたらエヴァルドがお答えいたしますので、別途卓を立ててご用命ください。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/01/19 18:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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作戦相談卓 シエル=アマト(ka0424) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/01/11 01:47:54 |
|
![]() |
質問卓 シエル=アマト(ka0424) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2015/01/09 15:05:43 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2015/01/08 23:22:17 |