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【RH】一葉の盾

マスター:猫又ものと

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
やや難しい
参加費
1,000
参加人数
現在4人 / 3~4人
ユニット参加人数
現在3 / 0~4
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2018/04/17 19:00
リプレイ完成予定
2018/05/01 19:00

オープニング

※本シナリオは連動シナリオとなります。同日に出された【RH】タグの依頼との同時参加は出来ません。重複参加が認められた場合、本シナリオでの判定・描写は行いますが、近藤SD、及び凪池MSのイベントシナリオでは描写の対象外となります。ご了承ください。

●声無き慟哭
 アスガルドに所属する強化人間達の失踪。
 この事件は慈恵院明法を名乗る歪虚によって、事態は急展開を迎える。

「……アスガルドの子供達が蜂起したのは慈恵院と名乗るVOIDが原因なのだな?」
「そのような犯行声明がありました。事実とみて問題ないかと……」
 執務室で世話役兼補佐役のユーキ・ソリアーノに青い瞳を向けるトモネ・ムーンリーフ。
 小さく安堵のため息を漏らして、大きな椅子に身を沈める。
「VOIDに操られていたとなれば、子供達に罪はない。そういう方向に持って行ける。それならば救ってやれるな」
「…………」
「ユーキ。何故黙っている」
「残念ですが、総帥。逃亡した強化人間達が抵抗を続けている事実は変わっておりません。……一般市民が暮らす場所に、被害が及んでいます」
「だからそれは、VOIDに操られているからだろう? ならば……」
「VOIDに操られているとはいえ、彼らは軍に起用された『戦力』です。それが反旗を翻し、市井に被害を齎したとなれば……厳しく対処しなければ、軍の威信に関わるのですよ」
「……!」
「その証拠に、子供達の排除命令は撤回されておりません。その上、アスガルドの機密が外に漏れたものとして……外に出た『アスガルド』に関する全ての記録、全ての記憶を破棄する命令を下しました。……それがどういう意味か、総帥ならお分かり頂けるかと」
「バカな! あの子たちは何も知らぬ! 軍の機密の知識など持っておらぬではないか!」
「ええ。そうです。仰る通りですが……。あの子達の存在そのものが世にとっては『機密』なのですよ」
 淡々としたユーキの声。
 それを否定したくて……否定の言葉が出てこなくて、トモネは顔を覆う。
「……ユーキ。すまぬが1人で考えたい。席を外してくれ」
「……かしこまりました」
 トモネの気持ちを察したのか。ユーキは深く腰を折ると音もなくその場を立ち去る。
 1人残ったトモネは、顔を覆ったまま思考を巡らせる。

 ――あの子達が一体何をした?
 ただただ必死に日々を生きていただけではないか。
 それなのに、歪虚によって誑かされ。
 大人の勝手な都合で消されようとしている。
 何故こんな不条理が許される?
 ああ、この世に神など居はしないのか……。

 否。今縋るべきは神ではない。
 私の立場で出来ることは何だ?
 ――考えろ。考えろ……!

 ――ふと、目に入る一枚の写真。
 その中には、アスガルドの子供達の輝く笑顔があって……。
 ……トモネからは出たのは名案ではなく。大粒の涙だった。


●一葉の盾
「ランカスターが歪虚と強化人間達によって制圧されました。彼らを鎮圧しに行きます。ハンターさんも同行してください」
 今回もがっちりと武装したレギ(kz0229)の姿に目を伏せるハンター達。
 事態は一刻を争うのだと察して、すぐに顔を上げる。
「慈恵院っていう歪虚は別動隊が対応してるよな。俺達は何をすればいいんだ」
「敵はラズモネ・シャングリラに対して三方から迫ってきています。その少し後方になるんですが、分隊が待機していまして……どうやら退路を確保する為に、兵を置いているようなんです。僕達はそこを叩きます」
「兵の構成は?」
「正確な数は分かっていませんが、コンフェッサーが1機確認されています。あとは歩兵が数名と言ったところでしょうか」
「コンフェッサーに乗ってるってことは少なくともパイロットは強化人間か。歩兵については?」
「……恐らく、強化人間の子供達だと思います」
「そう……。でも、あの子達あの慈恵院っていう歪虚に操られていたのよね? だったら捕らえることさえ出来れば助けられるかしら」
「……それは、難しいかと思います」
「どういうことだ?」
「軍は本件に関わった強化人間の処分を決定しました。これまでの『アスガルド』に関する全ての記録、全ての記憶を破棄せよと……そういう通達がなされています」
「どうして……!? 歪虚に操られていたのよ!?」
「呪法に操られていたところで、反旗を翻した事実は消せない。向かってくる以上、対処せざるを得ないんです」
 吐き出すように言うレギ。
 ――その事実を語る彼も辛いのだろう。
 返す言葉を失くしたハンター。レギは深くため息をつく。
「……トモネ様はアスガルドのことは何とかする。時間を稼ぐとは仰っていましたが、正直どうなるか……」
「トモネは諦めていないんだな?」
「え? あ、はい。……子供達を助けたいとは、仰っていました」
「そう。それなら……もうちょっと足掻いてみるのもいいんじゃない?」
「喧嘩は最後まで立ってた方が勝ちなんだぜ、レギ」
「皆さん、諦めが悪いんですね……。きちんと仕事はして戴かないと困るんですが……」
「分かってるよ。『鎮圧』すりゃいいんだろ」
 ニヤリと笑うハンター。
 含みのあるそれに、ずっと厳しいままだったレギの表情が、少し和らいで……。
 ハンター達とレギは頷き合うと、現場に急行する。


 ランカスターの市内。金色に輝き、六本の腕を持つ仏像が遠目に見える場所。
 市街の外へと通じる大通りに、1つの分隊が展開を始めていた。
 中心には赤いコンフェッサーが。
 そしてその近くにある武装トラック『ブロート』から、滑るような動きで強化人間達が出て来る。
 彼らはすぐさま武装トラックや、建物の陰に隠れるように身を潜めた。
『……敵の凶行により、多くの仲間が失われた。彼らの仇を取るが良い。決してここから先へ敵を通すな。……もしもの時は、腰にある箱のボタンを押せ。諸君を涅槃へと導いてくれるだろう』
 脳裏に響く声。
 ――そうだ。仇を取らなくちゃ。
 沢山の仲間が死んだ。
 そして杏も……。
 コンフェッサーの中で震えるユニス。
 ――この機体は、杏が使っていたものだ。
 ユニス自身、ユニットを使うのはあまり好きにはなれなかったけれど。
 この機体に乗れば、杏が近くにいてくれるような気がして……。
「……逃げろって言われたけど、やっぱり一緒にいればよかった……。寂しいよ、杏……」
 己の身体を抱きしめるように腕を回すユニス。
 ふと目を閉じて……元気だったトモダチの姿を思い出す。
「皆と一緒に杏の仇は必ず取るから……。だから、まってて。……全部殺すから……」
 虚ろな目で呟くユニス。

 ――そう。ぜんぶ。殺さなきゃ。

 ――どうして?

 ――だって、あのお方がそう言うから。

 ――あのお方って誰だっけ?

 ――あのお方は、私達を助けてくれるって……それに戦えば、トモネ様も褒めてくれる。

 操縦桿を手にしたユニス。
 視界に入る敵性生物に、銃を向けた。

解説

■目的
強化人間達を鎮圧してください。
今回の依頼については、鎮圧が条件です。子供達の生死は問いません。

■場所
イングランドのルーン川流域、ランカスターの市街。
今回戦場になるのは市街の外へと通じる大通りです。
そこに立ち塞がる強化人間たちに対応します。
ハンター達が近づくと狙撃して来ますので、近づく際には注意が必要です。

■強化人間達について
●歩兵
強化人間達は9歳から12歳の少年少女です。
大型の機械剣と銃で武装しています。目視で確認されているのは4人ですが、それ以上潜んでいる可能性もあります。

●新型CAM「コンフェッサー」
強化人間ユニスが搭乗しています。元々は杏の機体だったようで、肩に音符のマークが描かれています。
アサルトライフルと剣で武装しています。

また、彼らは全員、腰に爆弾を括りつけられています。
もし戦闘に負けるようなことがあれば、自爆して1人でも多く巻き込めと意識化に刷り込まれています。


■強化人間達の状態について
慈恵院の呪法により、周囲を正しく認識出来ておらず、ハンター達の姿や呼びかけを理解できない状態です。
説得は不可能とお考え下さい。

■NPCの同行
今回はレギが同行しております。
強化人間達は後輩にあたりますが、任務はきちんと遂行するつもりのようです。

■情報について
OPに出てきている強化人間達の状況、及び上記に書かれている状態はプレイヤー情報となり、PCさんは知りません。
知っている前提での行動は判定が厳しくなります。取り扱いには十分ご注意ください。

■その他
白紙は描写できません。
質問板は立てて戴いても構いませんが、明確にすることで逆に厳しい状況になることがありますのでご利用の際はご注意ください。
また、質問する場合は出発24時間前までの質問を受け付けます。

マスターより

お世話になっております。猫又です。
皆様に【RH】連動の依頼をお届けします。

ついに敵が姿を現しました。
トモネと子供達にとっては進んでも地獄。引いても地獄ですが……ここで立ち止まる訳にはいきません。
納得のいく結末を得る為にも、是非全力で足掻いてみてください。

皆様の気合の入ったプレイングを心よりお待ちしております。

関連NPC

  • 青銀の狩人
    レギ(kz0229
    人間(リアルブルー)|15才|男性|猟撃士(イェーガー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/05/01 23:07

参加者一覧

  • 元気な墓守猫
    リューリ・ハルマ(ka0502
    エルフ|20才|女性|霊闘士
  • 話上手な先生
    鍛島 霧絵(ka3074
    人間(蒼)|22才|女性|猟撃士
  • 部族なき部族
    エステル・ソル(ka3983
    人間(紅)|16才|女性|魔術師
  • お約束のツナサンド
    アルスレーテ・フュラー(ka6148
    エルフ|27才|女性|格闘士
依頼相談掲示板
アイコン 【相談】『鎮圧』するために
エステル・ソル(ka3983
人間(クリムゾンウェスト)|16才|女性|魔術師(マギステル)
最終発言
2018/04/17 17:56:01
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/04/12 22:01:10
アイコン 質問卓
アルスレーテ・フュラー(ka6148
エルフ|27才|女性|格闘士(マスターアームズ)
最終発言
2018/04/14 16:28:20