ゲスト
(ka0000)
【CF】シフォンケーキをあなたと。
マスター:蓮華・水無月

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 4~7人
- サポート
- 現在0人 / 0~7人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/12/13 12:00
- リプレイ完成予定
- 2014/12/27 12:00
オープニング
12月、リアルブルーでは多くの街がどこもかしこもクリスマスに染まるこの時期、クリムゾンウェストでもまた同じようにクリスマスムードに包まれる。
それはここ、崖上都市「ピースホライズン」でも変わらない。
むしろどこもかしこも華やかに、賑やかにクリスマス準備が進められていて。
リアルブルーの街に輝くという電飾の代わりに、ピースホライズンを彩るのは魔導仕掛けのクリスマス・イルミネーション。
立ち並ぶ家や街の飾りつけも、あちらこちらが少しずつクリスマスの色に染まっていく。
特に今年は、去年の秋に漂着したサルヴァトーレ・ロッソによって今までになく大量に訪れたリアルブルーからの転移者たちが、落ち着いて迎えられる初めてのクリスマス。
ハンターとして活躍している者も多い彼らを目当てにしてるのか、少しばかり変わった趣向を凝らす人々もいるようで。
果たして今年はどんなクリスマスになるのか、楽しみにしている人々も多いようだった。
●
さてどうしようかと、老人は途方に暮れた。彼の目の前には1軒の、それなりに大きく、それなりに古びた屋敷がある。
傍らに立つ彼の執事が、旦那様、と慇懃に言った。
「やはり、中には怪しげなモノが潜んでいるようです。恐らく雑魔ではないかと」
「――そのようなもの、この屋敷に居たかのぅ?」
執事の言葉に、老人は心底不思議そうな顔で首を傾げた。そんな場合ではないのだが、驚きで何かが振り切れてしまったのか、それとも長く生きていると少々のことでは動じないと言うことなのか。
いえ旦那様、と執事はあくまで真面目な表情で、慇懃に彼の主に首を振った。これまた雑魔に動じた様子は見えないが、こちらはたぶん性格なのだろう。
古びた屋敷を――ピースホライズンのとある場所に佇む、彼の主人が気の向いた時にだけ訪れてくつろぐためだけに在った屋敷を見上げながら、執事は言った。
「あちこち荒れてしまっているようですから、恐らく、どこかから入り込んだのでしょう。こちらのお屋敷をお使いになるのも、ずいぶんと久しゅうございますので」
「――どのくらいだったかの?」
「かれこれ10年ぶりになりましょうか」
執事の言葉に、そうか、と老人は小さく頷いて同じく、感慨めいた眼差しを屋敷へと向ける。あれから10年が経っていたのかと、胸の中で呟いた。
あれから――長年連れ添った妻が、この屋敷で永遠に醒めぬ眠りに就いてから。そこかしこに思い出の残るこの屋敷が辛くて、知らず足は遠のいたきり、リゼリオで営む商家に備えた屋敷で過ごしてばかりいた。
この10年が長かったのか短かったのか、老人には判らない。けれども、やはり良い節目だったのだと思う。
長らく放置して久しかったこの屋敷に最近になって、ぜひ買い取りたいと申し出る人が現れた。熟考の末にそれを承諾した老人は、年明けから手を入れたいという買い手に頷いて、最後に妻と過ごしたこの屋敷をもう1度だけ、訪れようと思い立ち。
妻の好きだったシフォンケーキを、無理を言って顔見知りの菓子店に作ってもらった。そうして『2人で』共に食べようとピースホライズンまでやって来て――屋敷の中に雑魔らしき何かが潜んでいることを知ったのだった。
「お帰りになりますか?」
「そうさの。せっかく来たのに、それも詮無いことだし……なにより、雑魔が居るかもしれない屋敷なぞを譲っては、わしの沽券に関わろうて」
執事の言葉に老人は、少し考えて首を振る。この屋敷は古く、それゆえに広いおかげか雑魔達はまだ出てきていないようだが、これからも出てこないなんて保証はどこにもない。
ならば、速やかな退治を。そう、ハンターオフィスへ依頼するよう指示しながらも、老人の顔は晴れない。
雑魔が現れたこの屋敷に、もしかしたら買い取り手は嫌悪感を示すかもしれなかった。お金などはどうでも良いけれど、屋敷がこのまま朽ちていくのは物寂しい。
家は人が住んで使ってこそなのよ、と微笑む妻を思い出した。彼女はきっと、この屋敷がすっかり荒れてしまっていることを、悲しんでいるに違いない。
だからこそ、新しい持ち主の手に渡って再び屋敷として活用してもらえるのならば、妻へのなによりの供養になると思えた。けれどもこのままでは、もしかしたらそれも叶わないかもしれない。
考え、ふと街を振り返った。ピースホライズンの街は今は、来るクリスマスに備えて賑やかで華やかな色彩を纏っている。
「――ならば、この屋敷でクリスマスをして貰おうかの?」
思いつきのように呟いてみたら、ひどく素晴らしい提案のように思えてきて老人は、それが良い、と頷いた。早速執事に、ハンターオフィスへの依頼に追加を指示する。
雑魔退治にやってくるであろうハンター達や、その他にも数多のハンター達に頼んでこの屋敷で賑やかなクリスマスパーティーをやって貰えたなら、きっと雑魔が出たなんてことは誰も気にしなくなるだろう。――きっと、妻も喜ぶだろう。
ゆえに老人は、ハンター達がやってきたらぜひ、賑やかにクリスマスをやってくれないかと頼もうと思いながら、今は雑魔が潜む古びた屋敷を降り仰いだ。そんな老人の手の中にあるシフォンケーキの入った紙袋に描かれた、花の上で蝶と遊んでいる猫もどこか、嬉しそうに見えた。
それはここ、崖上都市「ピースホライズン」でも変わらない。
むしろどこもかしこも華やかに、賑やかにクリスマス準備が進められていて。
リアルブルーの街に輝くという電飾の代わりに、ピースホライズンを彩るのは魔導仕掛けのクリスマス・イルミネーション。
立ち並ぶ家や街の飾りつけも、あちらこちらが少しずつクリスマスの色に染まっていく。
特に今年は、去年の秋に漂着したサルヴァトーレ・ロッソによって今までになく大量に訪れたリアルブルーからの転移者たちが、落ち着いて迎えられる初めてのクリスマス。
ハンターとして活躍している者も多い彼らを目当てにしてるのか、少しばかり変わった趣向を凝らす人々もいるようで。
果たして今年はどんなクリスマスになるのか、楽しみにしている人々も多いようだった。
●
さてどうしようかと、老人は途方に暮れた。彼の目の前には1軒の、それなりに大きく、それなりに古びた屋敷がある。
傍らに立つ彼の執事が、旦那様、と慇懃に言った。
「やはり、中には怪しげなモノが潜んでいるようです。恐らく雑魔ではないかと」
「――そのようなもの、この屋敷に居たかのぅ?」
執事の言葉に、老人は心底不思議そうな顔で首を傾げた。そんな場合ではないのだが、驚きで何かが振り切れてしまったのか、それとも長く生きていると少々のことでは動じないと言うことなのか。
いえ旦那様、と執事はあくまで真面目な表情で、慇懃に彼の主に首を振った。これまた雑魔に動じた様子は見えないが、こちらはたぶん性格なのだろう。
古びた屋敷を――ピースホライズンのとある場所に佇む、彼の主人が気の向いた時にだけ訪れてくつろぐためだけに在った屋敷を見上げながら、執事は言った。
「あちこち荒れてしまっているようですから、恐らく、どこかから入り込んだのでしょう。こちらのお屋敷をお使いになるのも、ずいぶんと久しゅうございますので」
「――どのくらいだったかの?」
「かれこれ10年ぶりになりましょうか」
執事の言葉に、そうか、と老人は小さく頷いて同じく、感慨めいた眼差しを屋敷へと向ける。あれから10年が経っていたのかと、胸の中で呟いた。
あれから――長年連れ添った妻が、この屋敷で永遠に醒めぬ眠りに就いてから。そこかしこに思い出の残るこの屋敷が辛くて、知らず足は遠のいたきり、リゼリオで営む商家に備えた屋敷で過ごしてばかりいた。
この10年が長かったのか短かったのか、老人には判らない。けれども、やはり良い節目だったのだと思う。
長らく放置して久しかったこの屋敷に最近になって、ぜひ買い取りたいと申し出る人が現れた。熟考の末にそれを承諾した老人は、年明けから手を入れたいという買い手に頷いて、最後に妻と過ごしたこの屋敷をもう1度だけ、訪れようと思い立ち。
妻の好きだったシフォンケーキを、無理を言って顔見知りの菓子店に作ってもらった。そうして『2人で』共に食べようとピースホライズンまでやって来て――屋敷の中に雑魔らしき何かが潜んでいることを知ったのだった。
「お帰りになりますか?」
「そうさの。せっかく来たのに、それも詮無いことだし……なにより、雑魔が居るかもしれない屋敷なぞを譲っては、わしの沽券に関わろうて」
執事の言葉に老人は、少し考えて首を振る。この屋敷は古く、それゆえに広いおかげか雑魔達はまだ出てきていないようだが、これからも出てこないなんて保証はどこにもない。
ならば、速やかな退治を。そう、ハンターオフィスへ依頼するよう指示しながらも、老人の顔は晴れない。
雑魔が現れたこの屋敷に、もしかしたら買い取り手は嫌悪感を示すかもしれなかった。お金などはどうでも良いけれど、屋敷がこのまま朽ちていくのは物寂しい。
家は人が住んで使ってこそなのよ、と微笑む妻を思い出した。彼女はきっと、この屋敷がすっかり荒れてしまっていることを、悲しんでいるに違いない。
だからこそ、新しい持ち主の手に渡って再び屋敷として活用してもらえるのならば、妻へのなによりの供養になると思えた。けれどもこのままでは、もしかしたらそれも叶わないかもしれない。
考え、ふと街を振り返った。ピースホライズンの街は今は、来るクリスマスに備えて賑やかで華やかな色彩を纏っている。
「――ならば、この屋敷でクリスマスをして貰おうかの?」
思いつきのように呟いてみたら、ひどく素晴らしい提案のように思えてきて老人は、それが良い、と頷いた。早速執事に、ハンターオフィスへの依頼に追加を指示する。
雑魔退治にやってくるであろうハンター達や、その他にも数多のハンター達に頼んでこの屋敷で賑やかなクリスマスパーティーをやって貰えたなら、きっと雑魔が出たなんてことは誰も気にしなくなるだろう。――きっと、妻も喜ぶだろう。
ゆえに老人は、ハンター達がやってきたらぜひ、賑やかにクリスマスをやってくれないかと頼もうと思いながら、今は雑魔が潜む古びた屋敷を降り仰いだ。そんな老人の手の中にあるシフォンケーキの入った紙袋に描かれた、花の上で蝶と遊んでいる猫もどこか、嬉しそうに見えた。
解説
【目的】
・ピースホライズンの某所に立っている、古びた屋敷に潜む雑魔を退治する。
依頼人は屋敷に入ろうとしたところ、中から聞こえてくるただならぬ物音に気づいて雑魔の存在を知ったそうです。
目撃した執事の話によれば、中には大きな角を生やしたトナカイのような生き物が2匹居て、赤い鼻から突風を吹き出して椅子を巻き上げたり、角で扉や壁を突き壊していたそうです。
裏口が壊れた形跡があり、雑魔はそこから入り込んだのだろう、と言うことでした。
正確な数は判っていません。
屋敷は2階建て、お客様を招いてパーティーも行えるような吹き抜け天井の大広間が玄関ホールから続く中央部分にあり、そこから両翼部分が左右に続いています。
階段は3カ所、玄関ホールと両翼の突き当たり。
ホールの階段は広く見通しも良いですが、両翼奥の階段は使用人が使っていたもので狭いそうです。
両翼部分には家人や来客が過ごすための部屋があり、荒れた庭の向こうには使用人のための離れがありますが、そちらには雑魔が侵入した形跡はありません。
なお、OP内で依頼人の老人が触れているクリスマスパーティーについては、クリスマス連動の別の依頼などで随時行われていく予定です。
まずは、会場となる屋敷の無事の確保をお願いいたします。
※依頼参加上のご注意※
・依頼に参加なさいましたら、まずは『がんばる』の一言だけでも仮プレイングを送信される事を、強くお奨めいたします。プレイングを送信しないまま出発してしまった場合、リプレイに登場して頂く事が出来ませんので、くれぐれもご注意下さいませ。
・所持品をご使用になる場合は、可能な限りプレイングにご明記頂けると助かります。場合によっては記載なくとも削除させていただいたり、或いは所持金の削除にて対応させて頂きますので、何卒ご了承下さいませ。
・称号は、希望と書いて頂いても基本は対応出来ません。悪しからず、ご了承下さいませ。
・ピースホライズンの某所に立っている、古びた屋敷に潜む雑魔を退治する。
依頼人は屋敷に入ろうとしたところ、中から聞こえてくるただならぬ物音に気づいて雑魔の存在を知ったそうです。
目撃した執事の話によれば、中には大きな角を生やしたトナカイのような生き物が2匹居て、赤い鼻から突風を吹き出して椅子を巻き上げたり、角で扉や壁を突き壊していたそうです。
裏口が壊れた形跡があり、雑魔はそこから入り込んだのだろう、と言うことでした。
正確な数は判っていません。
屋敷は2階建て、お客様を招いてパーティーも行えるような吹き抜け天井の大広間が玄関ホールから続く中央部分にあり、そこから両翼部分が左右に続いています。
階段は3カ所、玄関ホールと両翼の突き当たり。
ホールの階段は広く見通しも良いですが、両翼奥の階段は使用人が使っていたもので狭いそうです。
両翼部分には家人や来客が過ごすための部屋があり、荒れた庭の向こうには使用人のための離れがありますが、そちらには雑魔が侵入した形跡はありません。
なお、OP内で依頼人の老人が触れているクリスマスパーティーについては、クリスマス連動の別の依頼などで随時行われていく予定です。
まずは、会場となる屋敷の無事の確保をお願いいたします。
※依頼参加上のご注意※
・依頼に参加なさいましたら、まずは『がんばる』の一言だけでも仮プレイングを送信される事を、強くお奨めいたします。プレイングを送信しないまま出発してしまった場合、リプレイに登場して頂く事が出来ませんので、くれぐれもご注意下さいませ。
・所持品をご使用になる場合は、可能な限りプレイングにご明記頂けると助かります。場合によっては記載なくとも削除させていただいたり、或いは所持金の削除にて対応させて頂きますので、何卒ご了承下さいませ。
・称号は、希望と書いて頂いても基本は対応出来ません。悪しからず、ご了承下さいませ。
マスターより
いつもお世話になっております、または初めまして、蓮華・水無月と申します。
街がクリスマスで華やかになり始めた今日この頃、依頼でもこんな変わった雑魔退治でお邪魔いたします。
二度と会えない大切な人との、二度と過ごせない大切なひととき。
思い出を胸に飲むお茶は、どんな味がするのでしょうか。
と、美しくまとめた割に色々とアレですが()、お気が向かれましたらどなた様もお気軽に、どうぞよろしくお願いいたします(ぺこり
街がクリスマスで華やかになり始めた今日この頃、依頼でもこんな変わった雑魔退治でお邪魔いたします。
二度と会えない大切な人との、二度と過ごせない大切なひととき。
思い出を胸に飲むお茶は、どんな味がするのでしょうか。
と、美しくまとめた割に色々とアレですが()、お気が向かれましたらどなた様もお気軽に、どうぞよろしくお願いいたします(ぺこり
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/31 19:11
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 壬生 義明(ka3397) 人間(リアルブルー)|25才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2014/12/13 10:56:37 |
|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/10 07:38:51 |