• コメディ

彼女と彼の恋愛事情

マスター:きりん

シナリオ形態
ショート
難易度
やや易しい
オプション
参加費
1,000
参加人数
現在4人 / 4~15人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
5日
プレイング締切
2018/04/20 22:00
リプレイ完成予定
2018/04/29 22:00

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。

●彼女の書置き
 拝啓、母上様。父上様。
 突然ですが、わたくし、恋をしてしまいました。
 通りすがりのハンターの方です。
 まさかわたくしのような女でも助けていただけるなんて思わず、とても感激してしまいましたの。
 思わず抱きついてしまって、すぐに我に返って恥ずかしくなって、思わず突き飛ばして逃げてしまいました。
 気を悪くしていないといいのですけれど……。
 それからは仲良くさせていただきましたのよ。
 あの方はわたくしの悩みを親身になって聞いてくださり、まるで自分のことのように共感してくださいました。
 依頼を受けて世界中を移動するのがハンターですから、彼も見聞に優れていまして、様々な話をしてくださいました。
 わたくしは彼の話を、毎日楽しく聞かせていただきましたの。
 そんな日々が終わってしまったのは、あの方が、別の女の方と歩いているのを見てしまってから。
 その方も、ハンターでした。
 当然ですわね。ハンターである彼に、ハンターである女性の知り合いがいても、全くおかしくありませんもの。
 彼はとても、その方と親しくしておいででした。
 わたくしとのやり取りなど、おままごとでしかなかったと思わされるくらい。
 それからわたくし、三日三晩ほど寝ないで考えましたのよ。
 日々のお稽古事でも失敗して大事な花瓶を握り潰してしまうくらい悩んで、決めましたの。
 わたくし、彼を探そうと思います。
 だって、あの方は、まさにわたくしの理想の殿方。
 今を逃してしまったら、きっと二度と出会うことは叶わない、そんなお方。
 あの方をわたくしは必ず手に入れます。
 ずっと奥手でお父様が必死に選んで下さった見合い写真も全て粉砕してしまったわたくしですけれど、箱入り娘は卒業いたしますわ。
 これよりわたくしは愛に生きる女となるのです。
 ああ、可愛らしいお方。肉食系の女はお嫌いかしら?
 待ってて下さいね。お母様にも、お父様にも、きっと彼と連れ添うわたくしの姿をお見せしますから。
 娘より、永遠の敬愛をこめて。

●彼の日記
 人助けなんてするもんじゃない。
 このことを、今日ほど噛み締めたことはない。
 初めは、ただの善意だったんだ。
 女性が雑魔に襲われていたから、その雑魔を退治した。本当にそれだけ。
 襲われていた彼女は、思い描いていたものとはちょっと、いや、かなり違っていた。
 助けなんて必要なさそうだったとはいえ、それでも女性であることに違いないし、紳士的に振る舞って家まで送ってあげたんだ。
 他意はない。本当だ。
 確かに彼女の悩みは他人事のようには思えなくて、俺もらしくなく熱くなっちゃったりもしたけど、そういうつもりは全くなかった。
 タイプじゃなかったし、彼女も俺のことを同じように感じていると思っていた。
 俺たちは、お互いのコンプレックスを刺激される組み合わせだったから。
 でも違った。
 彼女は俺を待ち伏せていた。しかも、曲がり角に隠れて出会い頭に強烈なタックルを仕掛けてきたんだ。
 油断をしていたというわけではないけれど、正直予想外で気付くのが遅れた点は否めない。
 でも迎撃しようとして、彼女を見て武器に伸びる手を止めてしまった。
 当然だろ。悪人でもない、契約者でもない、ましてや歪虚でもない、それもどちらかといえば善人と呼べる性格の女性に、武器なんて向けられるわけがない。
 ……今思えば、ここで無理にでも武器を向けて、彼女に諦めてもらえば良かったのか。
 彼女は、俺のことを色々聞いてきた。
 冒険や戦い、探索、調査、色んな依頼の話を、目をキラキラして聞いていたんだ。そんなところだけは、本当に可愛らしい人だった。
 興奮すると俺に手や足を出してくるのが少し、いや結構、困りものだったけど。
 関係が変わったのは、俺が知り合いのハンターと一緒にいたところを見られてから。
 そのハンターはやたらとベタベタしてくる子で、その子が抱きついてキスを迫ってくるところを見られた。
 大きな音がして、そっちを見たら、彼女が無表情で俺を見ていた。
 側にはハンターオフィスの建物の壁。その壁の一部が拳の形に凹んでて、放射状に皹が入っていた。
 うん。彼女は、覚醒者になる素質があるんだ。でも、両親が彼女を溺愛してて本格的に学ぶのを許してくれなかったらしい。たぶん上流階級の子で、箱入り娘だったんだろう。
 彼女にそんな光景を見られてしまった。
 それからしばらく、彼女は俺に会いに来なかった。
 そして次に俺が彼女と会った時、彼女は家を飛び出してハンターになってクラスまで獲得していた。
 信じられるかい? ありゃ、クラスは格闘士か霊闘士だな、きっと。
 俺のストーカーと化した彼女は、俺がどこに逃げても追ってきた。
 今も、彼女が俺のことを探している。
 日記を見た者よ。どうか、俺を助けてくれ。報酬は払う。

●ハンターズソサエティにて
 受付嬢が今日も人気がない依頼を斡旋しにハンターたちの元へやってくる。
「事件です。依頼人が複数絡む案件です。その分報酬も増額されています。お得ですよ」
 盛んに呼びかける受付嬢だったが、ハンターたちは誰も信じなかった。
 確かに、報酬は良いのだろう。基本的に受付嬢が嘘偽りを述べることはない。
 しかし人気がないのはそれ相応の理由があるからであり、高額な報酬以上の何か受けたくない理由があるからこそ、誰も受けたがらないのだ。
「一つは家出して行方不明になった娘を探して欲しいというもの。こちらについてはある程度足取りが掴めていて、ハンターズソサエティを訪れてハンターになった記録が残っています。彼女が残したと思われる両親あての書置きも書き写したものがありますので後でお配りします」
 次に、受付嬢は懐から日記帳を取り出した。
 手帳タイプの日記帳で、リゼリオで手に入る有り触れたもの。
「もう一つは、この日記の主を発見することです。関連性があると判断され、本人が出したものとしてハンターズソサエティの権限で依頼が出されました」
 日記を再び懐にしまった受付嬢は、先の書置きの写しと合わせて、日記の最後のページの写しをハンターたちに配り始める。
「この方についてはハンターズソサエティ内での会話を覚えていた方がおりまして、失踪した経緯は分かっています。行方不明になった娘にストーカーされていて逃げ回っているようです」
 配り終えた受付嬢は、かけた眼鏡を中指でくいと持ち上げた。
「聞き込みの結果大よその現在地は特定できています。容姿の方ですが、角刈りお下げ髪黒髪茶目の中年男性が娘で、ショートカットの金髪碧眼美少女の方が男だそうです。なんというか、あべこべな二人ですね」
 受付嬢は、最後に再び営業スマイルを浮かべる。
「書置きや日記を読む限りでは、お互いを嫌い合っているわけではないようです。それではよろしくお願いいたします」
 お辞儀をして去っていった。

解説

●概要
 日常シナリオです。
 リゼリオ内で完結しますので街の外に出る必要はありません。
 依頼対象のハンター二人を仲直りさせてあげてください。
 仲直りに失敗してもベラを家に帰すことができればシナリオ達成となります。
 街中で何か騒ぎが起きればそれどころではなくなるため、戦闘を含む迷惑行為は控えた方が良いでしょう。

●達成条件
・ベラ・クーリを親元へ帰す

●関連NPC
○ベラ・クーリ
 黒髪茶目の角刈りお下げ髪中年男性にしか見えない女ハンター。格闘士。背が高いです。
 依頼人の娘です。
 不幸なことに女性にあるまじき怪力と体格に恵まれ、毛深くとても男性的な容姿に生まれついてしまいました。
 そのせいで一度も見合いが成功せず、結婚適齢期を過ぎて現在に至ります。
 見た目に似合わず、とても乙女チックで女性的な性格の人間です。
 家事全般が得意。特に料理上手です。
 自分を好いてくれて似たような境遇にあり、共感までしてくれたエル・フラスを深く慕っていますが、現在は誤解からストーカー化しています。

○エル・フラス
 ショートカットの金髪碧眼美少女にしか見えない男ハンター。聖導師。背が低いです。
 その天使のような容姿に反し、性格は生真面目でとても男性的。口調も硬く、家事は苦手。料理はもっと苦手です。
 自分が見た目で苦労している経験から、他人を見た目で差別しません。
 故にベラにも普通に接していますが、鈍感なので彼女が本気で自分を愛していることに全く気付いていないようです。
 鏡写しのような境遇のベラには強い仲間意識を抱いていますが、それが恋愛感情にまで発展しているかどうかは不透明です。案外自分の気持ちに気付いていないだけかもしれないです。
 自覚するような出来事があれば、自らの気持ちに気付くでしょう。

マスターより

こんにちは、初めまして。
マスターのきりんです。
今回は日常的な依頼をコメディテイストでお届けします。
騒動の元凶となった女ハンターはその場にいませんが、リゼリオ内にはいますので魔導短伝話などで連絡を取ることは可能です。
それでは楽しんでくださいね。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/04/26 00:43

参加者一覧

  • 聖癒の奏者
    マリエル(ka0116
    人間(蒼)|16才|女性|聖導士
  • 淡光の戦乙女
    セレスティア(ka2691
    人間(紅)|19才|女性|聖導士
  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 悲劇のビキニアーマー
    エメラルド・シルフィユ(ka4678
    人間(紅)|22才|女性|聖導士
依頼相談掲示板
アイコン 縁結び…?
レイア・アローネ(ka4082
人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2018/04/20 18:03:51
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/04/19 10:31:59