ゲスト
(ka0000)
【羽冠】雑貨屋、鐘が鳴るを
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/04/24 07:30
- リプレイ完成予定
- 2018/05/03 07:30
オープニング
●拠点
イスルダ島に着岸した場所を港とし、拠点とするため整える作業が行われている。並行して、イスルダ島各地へそれぞれ調査のため進む。
かつて住んでいた場所に向かったライル・サヴィスとシールは歪虚支配地域となっていた現状を目の当たりにした。商人や貴族の出資者の協力の元、探索をしていく予定には変わりはない。ただし、少人数にならないということだけは肝に銘じた。
非覚醒者が圧倒的に多い現状から、ライルとシールは自分たちが頑張らねばと考える。浄化されてきているとはいえ、負のマテリアルの影響はないとは言い切れないからだ。
そして、拠点となる場所に兵士たちと到着する。彼らはライルとシールと異なり、集団での行動になれているため、てきぱきと指示されていることをこなしていく。そのため、持ってきた材料で雨露しのげる場を作り、見回りや見張りなどもこなす。
雑魔の襲撃があったとしても、対応は的確であった。
徐々に探索範囲を広げて行った。その結果、隣の村、つまり、シールが住んでいた場所に到達しそうだった。
希望に満ちた日々は終わった。
●状況
森に入った兵士の一団は、もう少しで抜けきるということで異変に気付いた。
白っぽいぬいぐるみが落ちている。
歪虚に支配されていた場所に落ちているぬいぐるみに違和感を覚えないわけがない。
兵士たちは用心をしていた。どうやって確認するか、それとも目視だけで一旦退くか。警戒し、様子見る。
不安が募る。
じっと見ているとぬいぐるみが動いたようだった。
「退こう」
リーダー格の者が告げた。一部はそのぬいぐるみ目を向けつつ、隊形を維持して拠点がある方に戻る。
「何しているんだ?」
子どもの声に兵士は困惑し、足を止める。
兵士たちが確認に行こうとしていた方向から、少年が来た。ぬいぐるみの手前で足を止めた。
「おじさんたち、ここにぬいぐるみが落ちているんだ。つまり、『おかしい』と考えたうえで、拾って報告するとか、ボクが持ち主だろうと気にするのが通常じゃない?」
少年は言う。
単独行動をしているハンターとも考えられるが、少年の表情や抑えているけれども雰囲気から直感は敵だと告げる。
そのために兵士たちはじりじりと下がっている。
「親切というのが人間の美徳だよね? ああ、でも、人間ってさ、自分が助かるためなら何でもする生き物だよね? ボクの姉さんはボクのためにどうにかしようとしたみたいだけど……ま、よくわかんないな。で、おじさんたち、ボクにぬいぐるみを手渡していくれる? それとも同士討ちしてくれる?」
少年はにこりとした。
「走――ぐっ」
リーダーは指示を出そうとしたが、その言葉は最後まで発せなかった。近づいてた少年に威圧された、だけではなかった。
「おじさん、そこの人、殺して。せっかくだし、たくさん!」
少年は命令を下した。
兵は全力でかかってくるリーダーに対応するため、武器を抜かざるを得なかった。盾で防いだとしても鎧があるため、行動を止めることができなかった。
「あはははは! 面白い! 面白い」
少年は手をたたいた。
兵は何とかリーダーを取り押さえ、その場を離れた。
「ねえ、ボクの兄さんと友達、生きているのか知りたい。ボクはそれが知りたいからキミたちを逃すんだ」
名前はライル・サヴィスとシールだと告げる。
兵たちは必死に逃げた。
●撤退へ
リーダーの意識は戻った。歪虚の支配からは逃れたようである。
ライルとシールは報告を聞いてぎょっとした。シールの顔は真っ青になる。
兵が告げる少年の外見はまさに、ライルの養父母の実子であるリーヤ・サヴィスだった。
兵たちには嘘を吐くこともなくライルたちは告げ、考える時間をもらった。
二人きりになったところで、ライルはシールの肩を抱いた。シールは無意識にライルにしがみつく。
「リーヤが生きているなら嬉しい」
シールは震えている。
ここにリーヤの最期が最期でなかったということに通じる。
ライルが見たのは、血まみれで倒れている実弟を抱き、歪虚と契約を交わしている養父母の実子でライルの義姉に当たるエッタ・サヴィスの姿と、血まみれで呆然と天を見上げるシールの姿だった。そのあと、当時、騎士団にいた雑貨屋のオーナーとともにライルはシールを助け、島からの脱出をした。
ライルが見る前にあった状況を聞いたのは、最近のことだ。
シールが言うには歪虚の出没を聞いて、大陸に女子供を避難させようとしていたサヴィス家。そこに歪虚が来た。
エッタは実弟を守るために歪虚と契約をする道を選び、歪虚はその覚悟としてシールを殺すようにと命令した。エッタはためらいなくシールを殺そうとしたが、リーヤがシールをかばって刃を受けたという。
シールが聖導士としての初めて力を使ったのはリーヤを助けるためだった。親友のリーヤのために。
ライルは腕の中にいるシールの背を撫でる。
「あー、もう、いいよ! 子どもじゃないんだから」
シールが腕を動かした。
「シール君はぬくぬくで冬はいいんですがねぇ」
「その口調嫌だ! 本当、ライルって……」
「ん?」
「いや、いい……それより、リーヤのこと」
ライルの心は決まっていた。
「退く。このまま俺たちで対処できない」
「確認したほうが!」
「使われたのが【強制】ならば、リーヤはそれなりの力を持つ。俺とお前で対処できる相手じゃない。兵に危険が及ぶ」
きっぱりと言われ、シールはうなずく。
「ハンターに協力を仰ごう」
兵には一旦戻ることを告げる。作業が遅れることは嫌である反面、命があることが重要だと誰もが心得ているから、気にしなかった。
「解決するまで、港でも仕事はあるでしょう?」
兵のリーダー格の者は言うが、その通りだ。
●依頼
ライルとシールはオーナーを通じて、ハンターに依頼を出した。
森の奥の村跡にはリーヤ・サヴィスと思われる、傲慢の歪虚がいるとされる。確認から討伐であるが、まずは状況を知ることが重要とライルは考えている。
地理は変わっている可能性はあるが、森の中にある村で、その先には牧草地があるという。その村で一番大きく丈夫な建物は教会であった。
●鐘
教会の一番高いところに登るとリーヤは座った。その横にぬいぐるみの羊が座る。
「ねえ、メェメェ、お前の持ち主は生きているのかなぁ」
ぬいぐるみはもぞもぞ動く。可愛らしい姿は一回り大きくなり、どこか凶悪な雰囲気を醸し出す。
「ボクが契約したヒトはいない。エッタもどっか行っちゃった。それより、ひどいよね、エッタはボクが島にいたのに気づかないんだ」
肩をすくめた。
「遊び相手……シーと兄さんいるといいなー」
リーヤは手に持ったハンマーで鐘をたたいた。
イスルダ島に着岸した場所を港とし、拠点とするため整える作業が行われている。並行して、イスルダ島各地へそれぞれ調査のため進む。
かつて住んでいた場所に向かったライル・サヴィスとシールは歪虚支配地域となっていた現状を目の当たりにした。商人や貴族の出資者の協力の元、探索をしていく予定には変わりはない。ただし、少人数にならないということだけは肝に銘じた。
非覚醒者が圧倒的に多い現状から、ライルとシールは自分たちが頑張らねばと考える。浄化されてきているとはいえ、負のマテリアルの影響はないとは言い切れないからだ。
そして、拠点となる場所に兵士たちと到着する。彼らはライルとシールと異なり、集団での行動になれているため、てきぱきと指示されていることをこなしていく。そのため、持ってきた材料で雨露しのげる場を作り、見回りや見張りなどもこなす。
雑魔の襲撃があったとしても、対応は的確であった。
徐々に探索範囲を広げて行った。その結果、隣の村、つまり、シールが住んでいた場所に到達しそうだった。
希望に満ちた日々は終わった。
●状況
森に入った兵士の一団は、もう少しで抜けきるということで異変に気付いた。
白っぽいぬいぐるみが落ちている。
歪虚に支配されていた場所に落ちているぬいぐるみに違和感を覚えないわけがない。
兵士たちは用心をしていた。どうやって確認するか、それとも目視だけで一旦退くか。警戒し、様子見る。
不安が募る。
じっと見ているとぬいぐるみが動いたようだった。
「退こう」
リーダー格の者が告げた。一部はそのぬいぐるみ目を向けつつ、隊形を維持して拠点がある方に戻る。
「何しているんだ?」
子どもの声に兵士は困惑し、足を止める。
兵士たちが確認に行こうとしていた方向から、少年が来た。ぬいぐるみの手前で足を止めた。
「おじさんたち、ここにぬいぐるみが落ちているんだ。つまり、『おかしい』と考えたうえで、拾って報告するとか、ボクが持ち主だろうと気にするのが通常じゃない?」
少年は言う。
単独行動をしているハンターとも考えられるが、少年の表情や抑えているけれども雰囲気から直感は敵だと告げる。
そのために兵士たちはじりじりと下がっている。
「親切というのが人間の美徳だよね? ああ、でも、人間ってさ、自分が助かるためなら何でもする生き物だよね? ボクの姉さんはボクのためにどうにかしようとしたみたいだけど……ま、よくわかんないな。で、おじさんたち、ボクにぬいぐるみを手渡していくれる? それとも同士討ちしてくれる?」
少年はにこりとした。
「走――ぐっ」
リーダーは指示を出そうとしたが、その言葉は最後まで発せなかった。近づいてた少年に威圧された、だけではなかった。
「おじさん、そこの人、殺して。せっかくだし、たくさん!」
少年は命令を下した。
兵は全力でかかってくるリーダーに対応するため、武器を抜かざるを得なかった。盾で防いだとしても鎧があるため、行動を止めることができなかった。
「あはははは! 面白い! 面白い」
少年は手をたたいた。
兵は何とかリーダーを取り押さえ、その場を離れた。
「ねえ、ボクの兄さんと友達、生きているのか知りたい。ボクはそれが知りたいからキミたちを逃すんだ」
名前はライル・サヴィスとシールだと告げる。
兵たちは必死に逃げた。
●撤退へ
リーダーの意識は戻った。歪虚の支配からは逃れたようである。
ライルとシールは報告を聞いてぎょっとした。シールの顔は真っ青になる。
兵が告げる少年の外見はまさに、ライルの養父母の実子であるリーヤ・サヴィスだった。
兵たちには嘘を吐くこともなくライルたちは告げ、考える時間をもらった。
二人きりになったところで、ライルはシールの肩を抱いた。シールは無意識にライルにしがみつく。
「リーヤが生きているなら嬉しい」
シールは震えている。
ここにリーヤの最期が最期でなかったということに通じる。
ライルが見たのは、血まみれで倒れている実弟を抱き、歪虚と契約を交わしている養父母の実子でライルの義姉に当たるエッタ・サヴィスの姿と、血まみれで呆然と天を見上げるシールの姿だった。そのあと、当時、騎士団にいた雑貨屋のオーナーとともにライルはシールを助け、島からの脱出をした。
ライルが見る前にあった状況を聞いたのは、最近のことだ。
シールが言うには歪虚の出没を聞いて、大陸に女子供を避難させようとしていたサヴィス家。そこに歪虚が来た。
エッタは実弟を守るために歪虚と契約をする道を選び、歪虚はその覚悟としてシールを殺すようにと命令した。エッタはためらいなくシールを殺そうとしたが、リーヤがシールをかばって刃を受けたという。
シールが聖導士としての初めて力を使ったのはリーヤを助けるためだった。親友のリーヤのために。
ライルは腕の中にいるシールの背を撫でる。
「あー、もう、いいよ! 子どもじゃないんだから」
シールが腕を動かした。
「シール君はぬくぬくで冬はいいんですがねぇ」
「その口調嫌だ! 本当、ライルって……」
「ん?」
「いや、いい……それより、リーヤのこと」
ライルの心は決まっていた。
「退く。このまま俺たちで対処できない」
「確認したほうが!」
「使われたのが【強制】ならば、リーヤはそれなりの力を持つ。俺とお前で対処できる相手じゃない。兵に危険が及ぶ」
きっぱりと言われ、シールはうなずく。
「ハンターに協力を仰ごう」
兵には一旦戻ることを告げる。作業が遅れることは嫌である反面、命があることが重要だと誰もが心得ているから、気にしなかった。
「解決するまで、港でも仕事はあるでしょう?」
兵のリーダー格の者は言うが、その通りだ。
●依頼
ライルとシールはオーナーを通じて、ハンターに依頼を出した。
森の奥の村跡にはリーヤ・サヴィスと思われる、傲慢の歪虚がいるとされる。確認から討伐であるが、まずは状況を知ることが重要とライルは考えている。
地理は変わっている可能性はあるが、森の中にある村で、その先には牧草地があるという。その村で一番大きく丈夫な建物は教会であった。
●鐘
教会の一番高いところに登るとリーヤは座った。その横にぬいぐるみの羊が座る。
「ねえ、メェメェ、お前の持ち主は生きているのかなぁ」
ぬいぐるみはもぞもぞ動く。可愛らしい姿は一回り大きくなり、どこか凶悪な雰囲気を醸し出す。
「ボクが契約したヒトはいない。エッタもどっか行っちゃった。それより、ひどいよね、エッタはボクが島にいたのに気づかないんだ」
肩をすくめた。
「遊び相手……シーと兄さんいるといいなー」
リーヤは手に持ったハンマーで鐘をたたいた。
解説
村の捜索
歪虚についての調査
●地理 イメージ図
教会□□□牧草地→
□□□□□□
□□□□□□
□□□□□□
~(略)~~
森森□森森森
森森□森森森
<拠点側>
教会がある村は建物が残っており、小さな家20軒ほど点在している。ただし、扉や窓は残っていたり、壊れていたりする。家具や食器などは残っていない。
牧草地があるところに抜ける道以外は周囲は森である。
畑だったところは現在荒地である。
教会は二階建てになっており、さらに鐘がある塔がその上にある。なお、建物自体は残っているが、扉や窓などは壊れているし、家具等は基本的に残っていない。
●敵情報(PL情報含む)
・リーヤ・サヴィス 外見年齢十歳、男。スキルは【強制】【??】、他一般スキル。武器として大きなハンマー、ハサミを所有。
・メェメェ もともと羊のぬいぐるみだったが、雑魔化した後、力をつけて現在に至る。基本サイズ1。スキル【変容】、体当たりなど。
・雑魔 適度に。サイズ1、噛みつき、ひっかき、頭突きなど使う獣系タイプ。
●同行NPC
・シール 少年、駆け出し聖導士。リーヤとは仲が良かった。羊の毛を使って作ったぬいぐるみを島に住んでいたときは持っていた。現在使用可能スキル【ヒール】【キュア】【シャイン】
・ライル・サヴィス 青年、男、闘狩人、腕前そこそこ。イスルダ島に拠点を置いていた商人の家の養子。現在使用可能スキル【攻めの構え】【守りの構え】【刺突一閃】
歪虚についての調査
●地理 イメージ図
教会□□□牧草地→
□□□□□□
□□□□□□
□□□□□□
~(略)~~
森森□森森森
森森□森森森
<拠点側>
教会がある村は建物が残っており、小さな家20軒ほど点在している。ただし、扉や窓は残っていたり、壊れていたりする。家具や食器などは残っていない。
牧草地があるところに抜ける道以外は周囲は森である。
畑だったところは現在荒地である。
教会は二階建てになっており、さらに鐘がある塔がその上にある。なお、建物自体は残っているが、扉や窓などは壊れているし、家具等は基本的に残っていない。
●敵情報(PL情報含む)
・リーヤ・サヴィス 外見年齢十歳、男。スキルは【強制】【??】、他一般スキル。武器として大きなハンマー、ハサミを所有。
・メェメェ もともと羊のぬいぐるみだったが、雑魔化した後、力をつけて現在に至る。基本サイズ1。スキル【変容】、体当たりなど。
・雑魔 適度に。サイズ1、噛みつき、ひっかき、頭突きなど使う獣系タイプ。
●同行NPC
・シール 少年、駆け出し聖導士。リーヤとは仲が良かった。羊の毛を使って作ったぬいぐるみを島に住んでいたときは持っていた。現在使用可能スキル【ヒール】【キュア】【シャイン】
・ライル・サヴィス 青年、男、闘狩人、腕前そこそこ。イスルダ島に拠点を置いていた商人の家の養子。現在使用可能スキル【攻めの構え】【守りの構え】【刺突一閃】
マスターより
こんにちは、狐野径です。
今回は森の奥の集落だったところの探索です。調査とはいえ、戦闘は避けられないです。ジャンル「戦闘」と見てもよいですが、ライルたちは情報が欲しいということもあり「調査」としてあります。
歪虚となったリーヤにしてみれ義兄と友人と遊びたいのです……が、遊びたい……歪虚なのでそのあたりを考えると危険なものです。
よろしくお願いします。
今回は森の奥の集落だったところの探索です。調査とはいえ、戦闘は避けられないです。ジャンル「戦闘」と見てもよいですが、ライルたちは情報が欲しいということもあり「調査」としてあります。
歪虚となったリーヤにしてみれ義兄と友人と遊びたいのです……が、遊びたい……歪虚なのでそのあたりを考えると危険なものです。
よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/05/01 05:48
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/04/22 20:58:47 |
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調査・倒して良いのか悪いのか? ディーナ・フェルミ(ka5843) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/04/24 00:31:16 |