ゲスト
(ka0000)
【陶曲】夜の校舎で遭いましょう
マスター:三田村 薫

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/05/05 07:30
- リプレイ完成予定
- 2018/05/14 07:30
オープニング
●居残り先生
小学校教師ジェレミアは、ようやく終わった事務仕事を前にして思い切り伸びをした。既に日は沈んでおり、灯りを消してしまえば、この職員室も闇に沈んでしまうだろう。
「あー、やっと終わった。最近ばたばたしていたからなぁ」
ここのところ、同盟は歪虚からの侵攻によって揺らいでいる。動乱。そう呼ぶに相応しい混乱は、長いこと続いている。ハンターや軍の活躍で、少しずつ混乱は収まっているが、依然、歪虚による被害は方々で勃発していた。
奇跡的に、ジェレミアが務めるこの学校がある町は、未だに歪虚からの襲撃を受けたことはない。いつ起きるのか。ひやひやしながら、町中がいざと言うときの手順を確認していた。それでも、この町に歪虚は何故か来ず……いつしかジェレミアはその危機感を薄れさせていく。
しかし、同盟を揺るがす嫉妬の歪虚は気まぐれだ。ずっと手を出さなくても、ある日突然目を付けることもある。
こん、こん。
背後の窓が叩かれたような音がして、ジェレミアは振り返る。小さな学校の、小さな校庭が見えるだけだ。
「聞き間違いかな?」
それか風の音かもしれない。こんな音に引っかかるなんて、疲れてるんだ。もう帰ろう。彼は机を片付けると、鞄を持って職員室を出た。
こん、こん。
再び、窓を叩く音がした。けれど、もうジェレミアは振り返らない。その窓から、顔のない人形がこちらを見ていることにも気付かない。
●待ち伏せ人形
職員玄関に向かって歩いていると、その先に、ぽつんと何かが立っていることに気付く。ジェレミアの膝くらいまでの高さの人形に見えた。
(おや。忘れ物かな? ずいぶんときちんと立っているようだけど)
ジェレミアはそれに近づいた。黒を基調とした、ゴシック調のワンピースをまとい、同じく黒いボンネットをかぶった人形の様だった。
「かわいい」
生徒の忘れものにしては豪奢な服だ。そして、測ったようにぴったりと真ん中に立っていることが、ジェレミアに違和感をもたらす。
(かわいいんだが……これではまるで、たった今ここまで自分で歩いてきたみたいじゃないか……)
ジェレミアが、よく調べようとその人形にかがみ込んだその時、その人形が上を向いた。
「う、うわああ!!!!」
その顔はつるりとして何もない。ただ、丸い輪郭があどけなさを感じさせる。尻餅をついたジェレミアに、人形はゆっくりと近づいて行った。
「こ、来ないでくれ! 来るな!」
職員室に立てこもろう。そう判断した次の瞬間だった。その職員室から、窓ガラスの割れるけたたましい音がする。先ほど聞いた、窓をノックする音が思い出された。やはり外に何かいたのだ!
「うわああああ!!!!」
ジェレミアは、迫ってくる人形を蹴り飛ばすと、慌てて立ち上がる。階段から、上階に向かって駆け上がった。
教師が去って、少ししてから、職員室のドアが内側から大きな音を立てて開いた。鍵の部分はひしゃげて、もう使えないだろう。そこからは、同じようなゴシックのワンピースを着た、同じようにのっぺらぼうの人形が出てくる。ジェレミアに蹴り飛ばされた人形も起き上がった。
学校の玄関から、続々と、人形たちが入ってくる。登校する子どもたちのようだ。そうして、それらは階段の下に集まった。
人形たちは、揃って階段の方に顔を向けている。
それから、その小さな体で一段ずつ上り始めた。
●ハンターオフィスにて
「学校の窓が割れる音と、人形の行列が目撃されたから、近隣の住民が泡を食って通報した。どうも、この町は最近の歪虚襲撃の被害がまるでなかったらしくてね……やや危機感が薄れていたらしいが、緊急マニュアルは生きてた。立派だよ」
ハンターオフィスの職員はそう言いながら資料をめくる。
「人形の行列については、少なくとも二十以上はいたそうだ。雑魔クラスだとは思うけど……数の暴力って言葉があるからね。できるだけ注意して。また、夜の学校だ。灯りもあった方が良いだろう。屋内の灯りが使える保証はない」
そして、彼は渋い顔を作った。
「校長が言うんだけど、一人連絡が取れない教員がいるらしい。ジェレミアって言うんだ。残って仕事を片付けてたらしいんだけど……学校の玄関は鍵が開いているようだから……多分残ってたんだと思う。彼が生きてれば助け出してくれ」
小学校教師ジェレミアは、ようやく終わった事務仕事を前にして思い切り伸びをした。既に日は沈んでおり、灯りを消してしまえば、この職員室も闇に沈んでしまうだろう。
「あー、やっと終わった。最近ばたばたしていたからなぁ」
ここのところ、同盟は歪虚からの侵攻によって揺らいでいる。動乱。そう呼ぶに相応しい混乱は、長いこと続いている。ハンターや軍の活躍で、少しずつ混乱は収まっているが、依然、歪虚による被害は方々で勃発していた。
奇跡的に、ジェレミアが務めるこの学校がある町は、未だに歪虚からの襲撃を受けたことはない。いつ起きるのか。ひやひやしながら、町中がいざと言うときの手順を確認していた。それでも、この町に歪虚は何故か来ず……いつしかジェレミアはその危機感を薄れさせていく。
しかし、同盟を揺るがす嫉妬の歪虚は気まぐれだ。ずっと手を出さなくても、ある日突然目を付けることもある。
こん、こん。
背後の窓が叩かれたような音がして、ジェレミアは振り返る。小さな学校の、小さな校庭が見えるだけだ。
「聞き間違いかな?」
それか風の音かもしれない。こんな音に引っかかるなんて、疲れてるんだ。もう帰ろう。彼は机を片付けると、鞄を持って職員室を出た。
こん、こん。
再び、窓を叩く音がした。けれど、もうジェレミアは振り返らない。その窓から、顔のない人形がこちらを見ていることにも気付かない。
●待ち伏せ人形
職員玄関に向かって歩いていると、その先に、ぽつんと何かが立っていることに気付く。ジェレミアの膝くらいまでの高さの人形に見えた。
(おや。忘れ物かな? ずいぶんときちんと立っているようだけど)
ジェレミアはそれに近づいた。黒を基調とした、ゴシック調のワンピースをまとい、同じく黒いボンネットをかぶった人形の様だった。
「かわいい」
生徒の忘れものにしては豪奢な服だ。そして、測ったようにぴったりと真ん中に立っていることが、ジェレミアに違和感をもたらす。
(かわいいんだが……これではまるで、たった今ここまで自分で歩いてきたみたいじゃないか……)
ジェレミアが、よく調べようとその人形にかがみ込んだその時、その人形が上を向いた。
「う、うわああ!!!!」
その顔はつるりとして何もない。ただ、丸い輪郭があどけなさを感じさせる。尻餅をついたジェレミアに、人形はゆっくりと近づいて行った。
「こ、来ないでくれ! 来るな!」
職員室に立てこもろう。そう判断した次の瞬間だった。その職員室から、窓ガラスの割れるけたたましい音がする。先ほど聞いた、窓をノックする音が思い出された。やはり外に何かいたのだ!
「うわああああ!!!!」
ジェレミアは、迫ってくる人形を蹴り飛ばすと、慌てて立ち上がる。階段から、上階に向かって駆け上がった。
教師が去って、少ししてから、職員室のドアが内側から大きな音を立てて開いた。鍵の部分はひしゃげて、もう使えないだろう。そこからは、同じようなゴシックのワンピースを着た、同じようにのっぺらぼうの人形が出てくる。ジェレミアに蹴り飛ばされた人形も起き上がった。
学校の玄関から、続々と、人形たちが入ってくる。登校する子どもたちのようだ。そうして、それらは階段の下に集まった。
人形たちは、揃って階段の方に顔を向けている。
それから、その小さな体で一段ずつ上り始めた。
●ハンターオフィスにて
「学校の窓が割れる音と、人形の行列が目撃されたから、近隣の住民が泡を食って通報した。どうも、この町は最近の歪虚襲撃の被害がまるでなかったらしくてね……やや危機感が薄れていたらしいが、緊急マニュアルは生きてた。立派だよ」
ハンターオフィスの職員はそう言いながら資料をめくる。
「人形の行列については、少なくとも二十以上はいたそうだ。雑魔クラスだとは思うけど……数の暴力って言葉があるからね。できるだけ注意して。また、夜の学校だ。灯りもあった方が良いだろう。屋内の灯りが使える保証はない」
そして、彼は渋い顔を作った。
「校長が言うんだけど、一人連絡が取れない教員がいるらしい。ジェレミアって言うんだ。残って仕事を片付けてたらしいんだけど……学校の玄関は鍵が開いているようだから……多分残ってたんだと思う。彼が生きてれば助け出してくれ」
解説
●目的
学校の歪虚討伐と、残った教員の救出
●学校について
3階建ての小さな学校です。各階に部屋が5つずつあります。
1階:教室が3つ、職員室と医務室。
2階:教室が3つ、被服室と調理室。
3階:教室が3つ、音楽室と美術室。
階の移動手段は階段です。
●敵情報
嫉妬眷属の雑魔×30
各階に10体ずつ配置されています。のっぺらぼうで、少年、少女の様な体躯にゴシック調ワンピースを着ています。外から見える目はありませんが、どうやら視力に相当するものはあるようです。
突進による体当たりを仕掛けます。見た目は陶器ですがなかなか頑丈なようです。
成人男性の膝くらいの高さがあります。
●ジェレミア先生について
※PL情報となります。PCさんたちは、依頼を受けた時点でジェレミアがどこでどうなっているか「予想」はできても知ることはできませんのでプレイングの際はお気を付けください。
3階の音楽室に籠城しています。椅子でバリケードを張り、大きめのリコーダーを素振りして襲撃に備えています。
見た目は勇ましいですが内心かなり怯えています。
学校の歪虚討伐と、残った教員の救出
●学校について
3階建ての小さな学校です。各階に部屋が5つずつあります。
1階:教室が3つ、職員室と医務室。
2階:教室が3つ、被服室と調理室。
3階:教室が3つ、音楽室と美術室。
階の移動手段は階段です。
●敵情報
嫉妬眷属の雑魔×30
各階に10体ずつ配置されています。のっぺらぼうで、少年、少女の様な体躯にゴシック調ワンピースを着ています。外から見える目はありませんが、どうやら視力に相当するものはあるようです。
突進による体当たりを仕掛けます。見た目は陶器ですがなかなか頑丈なようです。
成人男性の膝くらいの高さがあります。
●ジェレミア先生について
※PL情報となります。PCさんたちは、依頼を受けた時点でジェレミアがどこでどうなっているか「予想」はできても知ることはできませんのでプレイングの際はお気を付けください。
3階の音楽室に籠城しています。椅子でバリケードを張り、大きめのリコーダーを素振りして襲撃に備えています。
見た目は勇ましいですが内心かなり怯えています。
マスターより
こんにちは三田村です。
夜の学校って、ほんと昼に比べると全然表情が違いますよね。そんな中でのっぺらぼうの人形に追い掛けられるってどんな気分でしょうか。きっととても怖いことでしょう。
このシナリオは、人形を片っ端から叩き割りつつ、立てこもっている先生を助け出すのが目的です。
皆様の手で居残り先生を助けてあげてください。
夜の学校って、ほんと昼に比べると全然表情が違いますよね。そんな中でのっぺらぼうの人形に追い掛けられるってどんな気分でしょうか。きっととても怖いことでしょう。
このシナリオは、人形を片っ端から叩き割りつつ、立てこもっている先生を助け出すのが目的です。
皆様の手で居残り先生を助けてあげてください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/05/12 02:20
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 穂積 智里(ka6819) 人間(リアルブルー)|18才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/05/05 00:10:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/05/03 11:30:11 |