ゲスト
(ka0000)
ストリクス・エッジ
マスター:瀬川綱彦

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- サポート
- 現在0人 / 0~2人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 4日
- プレイング締切
- 2014/12/14 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/12/23 19:00
オープニング
●
おかしいと思ったのは、森の中を歩いたときに獣の亡骸が散見されるようになったからだ。
農家の主人が山菜採りのために森の中へと足をのばすと、食い荒らされた獣の死骸が転がっていたのである。
獣もとうぜん狩りをする。死体自体は別段に珍しいことはないものであった。それでも男が薄気味悪いものを感じたのは、なにも獣の死体にショックを受けたからではなかった。うち捨てられた獣の姿が、あまりにも多く目についたのである。
鳥の死骸が散乱し、時が経つようになるに連れて、大型の獣の亡骸すら転がるようになっていた。この周辺で何十年と生活していて、男はこのように獣の死体が散見する経験は一度としてなかった。
森の中で夕暮れを迎えたとき、男は背後から視線を感じることが多々あった。振り返っても、自分以外に人はいない。妻と息子は家で待っているはずで、森の中にやってくることはほとんどないのだ。
けれど、視線を感じる。舐めるように、自分を見聞するような、静かな気配だ。
男は怖くなって、森に入ることはなくなった。
そして数日後、家畜の羊が食い殺された。
夜、柵の中に囲っていた羊が何頭も死体となって転がっており、白い羊毛はどす黒い紅に染まっていた。
男は、番犬をつけることにした。
その日の夜から、羊の警備として番犬があてがわれた。羊の放牧にはよく用いていた、大型の牧羊犬だった。岩を貼り付けたような筋骨隆々とした躯つきは大の大人でも吠えられれば近寄ることを躊躇し、腕を噛みつかれたらその強靱な顎の力に悲鳴をあげることになるだろうと容易に想像させる力強さがあった。
外見の番犬然とした姿とは裏腹に、その犬は農家の子供には特に好かれていた。与えられた仕事をこなすためには戦意を剥き出しにするが、常は重ねた齢のためか物静かで利口な犬であったからだ。
だから夜中に子供が目を覚ましてしまったのは、窓の外からそんな愛犬の鳴き声が聞こえたからだった。
いつもの音の塊で鼓膜を叩くような声ではない。夜でなければ気づけなかったかもしれないほど、弱々しい鳴き声だ。
どうしたのだろう。
その少年が疑問に思ってしまったのは、真っ当な流れであった。
そっとベッドから抜け出すとランプを手に外に出る。
「ひっ」
喉を締め付けられたような声が出た。
そこには、腹を食い破られた犬の亡骸が転がっていた。
犬の首を刃物のような鉤爪で締め上げて、のしかかる影がひとつ。肉に爪を立てる影がひとつ。
少年のランプの灯りに舐めあげられて、ぐるりと首が回転した。四つの瞳と目が合った。
二匹の梟が、愛犬の血にぬれた相貌で少年を見ていた。
●
「以上が事件について、農家から寄せられた被害のあらましです」
眼鏡をかけた受付嬢が読み上げた資料をカウンターに置くと、ハンターの面々を見回した。
ハンターオフィスの一画で、今回の依頼に関する概要を語っていたのである。
「ある農家の運営する放牧地周辺の森に雑魔が住み着き、近隣に被害をもたらしているとのことです。未だに人的被害こそ発生してはおりませんが、状況を鑑みるに、いずれ人に危害を及ぼす可能性は十二分に考えられます。早急に撃破をお願いします」
なお、雑魔は大型化した梟といった風情であり、生態もそれに類するものと予想される。そのため、放牧地に再び現れるのは月明かり以外の光源のない深い夜の帳が降りてからになるだろう。
「また、雑魔は放牧地の家畜の味を覚え、再度標的として狙ってくるものと見られます。みなさんはそこを迎え撃っていただく形となります。雑魔の撃破が最優先ですが、家畜の被害は最小限にとどめていただきたいとのご要望です」
家畜は農家の財産である。雑魔の撃破が最優先だが、これ以上に資産への被害が増えるというのも看過できる問題ではないのだろう。それもまた農家にとっては切実な要望であった。
「それでは、よろしくお願いいたします」
そうして受付嬢は頭をさげ、説明を終えた。
おかしいと思ったのは、森の中を歩いたときに獣の亡骸が散見されるようになったからだ。
農家の主人が山菜採りのために森の中へと足をのばすと、食い荒らされた獣の死骸が転がっていたのである。
獣もとうぜん狩りをする。死体自体は別段に珍しいことはないものであった。それでも男が薄気味悪いものを感じたのは、なにも獣の死体にショックを受けたからではなかった。うち捨てられた獣の姿が、あまりにも多く目についたのである。
鳥の死骸が散乱し、時が経つようになるに連れて、大型の獣の亡骸すら転がるようになっていた。この周辺で何十年と生活していて、男はこのように獣の死体が散見する経験は一度としてなかった。
森の中で夕暮れを迎えたとき、男は背後から視線を感じることが多々あった。振り返っても、自分以外に人はいない。妻と息子は家で待っているはずで、森の中にやってくることはほとんどないのだ。
けれど、視線を感じる。舐めるように、自分を見聞するような、静かな気配だ。
男は怖くなって、森に入ることはなくなった。
そして数日後、家畜の羊が食い殺された。
夜、柵の中に囲っていた羊が何頭も死体となって転がっており、白い羊毛はどす黒い紅に染まっていた。
男は、番犬をつけることにした。
その日の夜から、羊の警備として番犬があてがわれた。羊の放牧にはよく用いていた、大型の牧羊犬だった。岩を貼り付けたような筋骨隆々とした躯つきは大の大人でも吠えられれば近寄ることを躊躇し、腕を噛みつかれたらその強靱な顎の力に悲鳴をあげることになるだろうと容易に想像させる力強さがあった。
外見の番犬然とした姿とは裏腹に、その犬は農家の子供には特に好かれていた。与えられた仕事をこなすためには戦意を剥き出しにするが、常は重ねた齢のためか物静かで利口な犬であったからだ。
だから夜中に子供が目を覚ましてしまったのは、窓の外からそんな愛犬の鳴き声が聞こえたからだった。
いつもの音の塊で鼓膜を叩くような声ではない。夜でなければ気づけなかったかもしれないほど、弱々しい鳴き声だ。
どうしたのだろう。
その少年が疑問に思ってしまったのは、真っ当な流れであった。
そっとベッドから抜け出すとランプを手に外に出る。
「ひっ」
喉を締め付けられたような声が出た。
そこには、腹を食い破られた犬の亡骸が転がっていた。
犬の首を刃物のような鉤爪で締め上げて、のしかかる影がひとつ。肉に爪を立てる影がひとつ。
少年のランプの灯りに舐めあげられて、ぐるりと首が回転した。四つの瞳と目が合った。
二匹の梟が、愛犬の血にぬれた相貌で少年を見ていた。
●
「以上が事件について、農家から寄せられた被害のあらましです」
眼鏡をかけた受付嬢が読み上げた資料をカウンターに置くと、ハンターの面々を見回した。
ハンターオフィスの一画で、今回の依頼に関する概要を語っていたのである。
「ある農家の運営する放牧地周辺の森に雑魔が住み着き、近隣に被害をもたらしているとのことです。未だに人的被害こそ発生してはおりませんが、状況を鑑みるに、いずれ人に危害を及ぼす可能性は十二分に考えられます。早急に撃破をお願いします」
なお、雑魔は大型化した梟といった風情であり、生態もそれに類するものと予想される。そのため、放牧地に再び現れるのは月明かり以外の光源のない深い夜の帳が降りてからになるだろう。
「また、雑魔は放牧地の家畜の味を覚え、再度標的として狙ってくるものと見られます。みなさんはそこを迎え撃っていただく形となります。雑魔の撃破が最優先ですが、家畜の被害は最小限にとどめていただきたいとのご要望です」
家畜は農家の財産である。雑魔の撃破が最優先だが、これ以上に資産への被害が増えるというのも看過できる問題ではないのだろう。それもまた農家にとっては切実な要望であった。
「それでは、よろしくお願いいたします」
そうして受付嬢は頭をさげ、説明を終えた。
解説
勝利条件:梟型雑魔を撃退する
敗北条件:上記の条件を満たせなくなった場合
■敵についての情報
・梟型雑魔×2
つがいで行動している雑魔であると思われます。雌雄によって行動に違いが見られるという報告はありませんので、基本的に同一の戦闘力を持った個体が2羽いると思われれば問題ありません。
■戦闘場所周辺
・農家の放牧地
広大な平野です。木も数本点在するだけで、行動の障害になるものはほとんどありません。
・柵
基本的に、夜は家畜の羊は柵の中に集められ、就寝しています。柵は森と隣接した箇所に設営されています。
・時間帯
これは夜となります。雑魔の襲撃を迎え撃つことになるため、陽が落ちるまで待機する必要があるためです。この周辺の夜ですと、基本的に光源は月明かりしかありません。
・農家の家
森とは家畜を囲っている柵を挟んだ反対側にあります。柵から十メートルほど離れた場所に建っています。
以上です。
それでは、ご健闘を祈ります。
――無愛想な眼鏡の受付嬢より。
敗北条件:上記の条件を満たせなくなった場合
■敵についての情報
・梟型雑魔×2
つがいで行動している雑魔であると思われます。雌雄によって行動に違いが見られるという報告はありませんので、基本的に同一の戦闘力を持った個体が2羽いると思われれば問題ありません。
■戦闘場所周辺
・農家の放牧地
広大な平野です。木も数本点在するだけで、行動の障害になるものはほとんどありません。
・柵
基本的に、夜は家畜の羊は柵の中に集められ、就寝しています。柵は森と隣接した箇所に設営されています。
・時間帯
これは夜となります。雑魔の襲撃を迎え撃つことになるため、陽が落ちるまで待機する必要があるためです。この周辺の夜ですと、基本的に光源は月明かりしかありません。
・農家の家
森とは家畜を囲っている柵を挟んだ反対側にあります。柵から十メートルほど離れた場所に建っています。
以上です。
それでは、ご健闘を祈ります。
――無愛想な眼鏡の受付嬢より。
マスターより
梟、かわいいんですが飼うのはすごく難しいらしいですね。無念。
今回は羊を守って梟と戦うお話となります、よろしくお願いします。
今回は羊を守って梟と戦うお話となります、よろしくお願いします。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/21 17:48
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 三日月 壱(ka0244) 人間(リアルブルー)|14才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/12/14 15:56:14 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/10 23:02:19 |