ゲスト
(ka0000)
狼さんは赤色がお好み?
マスター:一縷

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/12/16 19:00
- リプレイ完成予定
- 2014/12/25 19:00
オープニング
●冬の訪れ
「今日は一段と冷えるのぅ……」
老婆は皺だらけの手を擦り合わせながら呟く。
つい最近まで紅葉が空を占めていたというのに、いつの間にか次の季節が訪れていた。
吐く息は白く、吸い込むと体の芯まで冷えてしまいそうになるくらいの冬の始まり。
そろそろ暖を取る為の薪を集めなければいけない。
その為には森に入らなくてはならないのだが、一つ困ったことがあった。
以前までその森は安全な場所だった。
森を進めば少し開けた場所では子供たちが走り回って遊ぶことが出来るし、茸や木の実が豊富で村人の生活面にとっても欠かせない場所になっていた。
●森の危機
ある日、森で遊んでいたはずの子供が息を切らしながら慌てて帰って来た。
「おばあちゃん! おばあちゃん……!!」
「おやおや、そんなに慌ててどうしたんじゃ?」
「森に! 森にね……!」
肩を大きく揺らしながら少年は言葉を続ける。
「森に、大きな、犬みたいなの、が……っ」
こーんな、こーんな、と腕をぶんぶんと振りながら、小さな体で見て来たものの大きさを表現する。
「それは、本当かい?」
「本当だよ! 僕、おばあちゃんに貰ったマフラー落としちゃって探しててねっ。見つけたと思ったら、その大きな犬がいて、僕のマフラーを咥えようとしてたのっ。それでねっ、隠れて見てたら大きな犬に見つかって、追いかけられそうになったから頑張って走ったんだもん……っ!」
息もつかず一気に言い切る少年に、老婆は眉根を寄せながら水の入ったコップを手渡す。
嘘とも取れない言葉に、老婆は報告として村長に伝えておこうと心に決める。
「後ね! その大きな犬、お怪我してるのかな? 体にね、他にも赤いのが見えたんだ」
「……怪我かい?」
「あ……!! 僕、マフラー取り返しに行かなきゃっ」
「何を言っておるんじゃ!」
今にも駆け出しそうな勢いの少年を老婆は慌てながら引き留める。
普段なら行かせたかもしれない。一緒にマフラーを取りに行こうと提案も出来たかもしれない。
だが、今回に限ってはそれを許すことは出来なかった。
「大きな犬がおったんじゃろう? 行ってはならん」
「だって……、だって……! あのマフラーお気に入りなんだもんっ!」
うっすらと涙目になる少年に、老婆は微笑みながら頭を撫でる。
「なぁに、それくらいなら、また編んでやるから。の?」
●村長の決断
それ以来、その森は万が一を考え、出入りを制限されるようになった。
調査の為と森に入った猟師の情報によると、姿を確認することは出来なかったが、確かに普段は見慣れない大きな獣の足跡があったとの事だ。
さらに、木には大きな引っ掻き傷や、森に生る木の実を喰い荒らした跡が見つかったと。
「……犬と言っていたな……多分、狼か何かだろう」
「しかも、足跡からすると相当の大きさだ。普通の獣じゃない。後は、マフラーの事だが……」
「……ああ」
猟師の言葉に村長が頷く。
実は、森で物が無くなったのは初めてではなかった。
大きな犬の情報を得てから、村長は村人に何か情報はないかと聞きまわっていた。
時折出てくる『森で物を無くしている』『無くした物は赤色』という言葉が妙に引っかかる。
いずれも目を離した内に無くなっていた為、どこかにやってしまったのだろうかと深く気に留める者は少なかったのだ。
「少年も赤いマフラーを無くしたそうじゃないか……」
村長と猟師がしかめっ面のまま相談をしていると、コンコンと戸をノックする音が小さな部屋に響く。
「村長さん!!」
戸を開けて入ってきたのは、あの少年だった。
「あの森に入るんだよねっ? 僕の! 僕のマフラーも一緒に探してっ! きっとあの大きな犬が持ってるんだっ!」
必死に訴える少年に、絶対は約束できないよ、と村長は言いながら頷く。
森は村人が生活して行く為に大切な場所だ。それに、もしその獣が森を降り、村を襲うことがあれば犠牲者が出てしまうかもしれない。
村長は急いで筆を取り、ハンターオフィスへと手紙を書く。
『どうか、私たちの村を救ってはくれないだろうか。 村長』
「今日は一段と冷えるのぅ……」
老婆は皺だらけの手を擦り合わせながら呟く。
つい最近まで紅葉が空を占めていたというのに、いつの間にか次の季節が訪れていた。
吐く息は白く、吸い込むと体の芯まで冷えてしまいそうになるくらいの冬の始まり。
そろそろ暖を取る為の薪を集めなければいけない。
その為には森に入らなくてはならないのだが、一つ困ったことがあった。
以前までその森は安全な場所だった。
森を進めば少し開けた場所では子供たちが走り回って遊ぶことが出来るし、茸や木の実が豊富で村人の生活面にとっても欠かせない場所になっていた。
●森の危機
ある日、森で遊んでいたはずの子供が息を切らしながら慌てて帰って来た。
「おばあちゃん! おばあちゃん……!!」
「おやおや、そんなに慌ててどうしたんじゃ?」
「森に! 森にね……!」
肩を大きく揺らしながら少年は言葉を続ける。
「森に、大きな、犬みたいなの、が……っ」
こーんな、こーんな、と腕をぶんぶんと振りながら、小さな体で見て来たものの大きさを表現する。
「それは、本当かい?」
「本当だよ! 僕、おばあちゃんに貰ったマフラー落としちゃって探しててねっ。見つけたと思ったら、その大きな犬がいて、僕のマフラーを咥えようとしてたのっ。それでねっ、隠れて見てたら大きな犬に見つかって、追いかけられそうになったから頑張って走ったんだもん……っ!」
息もつかず一気に言い切る少年に、老婆は眉根を寄せながら水の入ったコップを手渡す。
嘘とも取れない言葉に、老婆は報告として村長に伝えておこうと心に決める。
「後ね! その大きな犬、お怪我してるのかな? 体にね、他にも赤いのが見えたんだ」
「……怪我かい?」
「あ……!! 僕、マフラー取り返しに行かなきゃっ」
「何を言っておるんじゃ!」
今にも駆け出しそうな勢いの少年を老婆は慌てながら引き留める。
普段なら行かせたかもしれない。一緒にマフラーを取りに行こうと提案も出来たかもしれない。
だが、今回に限ってはそれを許すことは出来なかった。
「大きな犬がおったんじゃろう? 行ってはならん」
「だって……、だって……! あのマフラーお気に入りなんだもんっ!」
うっすらと涙目になる少年に、老婆は微笑みながら頭を撫でる。
「なぁに、それくらいなら、また編んでやるから。の?」
●村長の決断
それ以来、その森は万が一を考え、出入りを制限されるようになった。
調査の為と森に入った猟師の情報によると、姿を確認することは出来なかったが、確かに普段は見慣れない大きな獣の足跡があったとの事だ。
さらに、木には大きな引っ掻き傷や、森に生る木の実を喰い荒らした跡が見つかったと。
「……犬と言っていたな……多分、狼か何かだろう」
「しかも、足跡からすると相当の大きさだ。普通の獣じゃない。後は、マフラーの事だが……」
「……ああ」
猟師の言葉に村長が頷く。
実は、森で物が無くなったのは初めてではなかった。
大きな犬の情報を得てから、村長は村人に何か情報はないかと聞きまわっていた。
時折出てくる『森で物を無くしている』『無くした物は赤色』という言葉が妙に引っかかる。
いずれも目を離した内に無くなっていた為、どこかにやってしまったのだろうかと深く気に留める者は少なかったのだ。
「少年も赤いマフラーを無くしたそうじゃないか……」
村長と猟師がしかめっ面のまま相談をしていると、コンコンと戸をノックする音が小さな部屋に響く。
「村長さん!!」
戸を開けて入ってきたのは、あの少年だった。
「あの森に入るんだよねっ? 僕の! 僕のマフラーも一緒に探してっ! きっとあの大きな犬が持ってるんだっ!」
必死に訴える少年に、絶対は約束できないよ、と村長は言いながら頷く。
森は村人が生活して行く為に大切な場所だ。それに、もしその獣が森を降り、村を襲うことがあれば犠牲者が出てしまうかもしれない。
村長は急いで筆を取り、ハンターオフィスへと手紙を書く。
『どうか、私たちの村を救ってはくれないだろうか。 村長』
解説
●依頼内容
狼型の雑魔の討伐。
少年の願いでもあるマフラーの回収。
●状況
天候は晴れ。時間帯は午前。
森は現在閉鎖中で、村人の出入りは禁止している状態。
猟師たちの情報では森の中には爪痕や足跡がハッキリと残っている。
目撃者は現在少年のみ。猟師は痕跡を見ただけ。
猟師が森を探したにも関わらず発見出来なかったのはどこかに潜んでいる可能性が高い。
その為、敵の雑魔を探し出すか誘き出す必要あり。
●敵(1匹)
狼型の雑魔。体長は2m近く。攻撃は鋭い爪や牙で行う。
野生の狼が雑魔となって凶暴化。体型に似合わず、すばしっこい。
狼型の雑魔の討伐。
少年の願いでもあるマフラーの回収。
●状況
天候は晴れ。時間帯は午前。
森は現在閉鎖中で、村人の出入りは禁止している状態。
猟師たちの情報では森の中には爪痕や足跡がハッキリと残っている。
目撃者は現在少年のみ。猟師は痕跡を見ただけ。
猟師が森を探したにも関わらず発見出来なかったのはどこかに潜んでいる可能性が高い。
その為、敵の雑魔を探し出すか誘き出す必要あり。
●敵(1匹)
狼型の雑魔。体長は2m近く。攻撃は鋭い爪や牙で行う。
野生の狼が雑魔となって凶暴化。体型に似合わず、すばしっこい。
マスターより
初めまして、一縷と申します。
狼型の雑魔を討伐する依頼となります。
変わった雑魔を討伐し、少年が大事にしているマフラーを取り返してあげてください。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしています。よろしくお願いします!
狼型の雑魔を討伐する依頼となります。
変わった雑魔を討伐し、少年が大事にしているマフラーを取り返してあげてください。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしています。よろしくお願いします!
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/23 22:31
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼相談 神門 聖十郎(ka3602) 人間(リアルブルー)|26才|男性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2014/12/15 01:03:22 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/11 02:07:33 |