ゲスト
(ka0000)
星空に浮かぶ船
マスター:虚現亭九楽

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/12/18 09:00
- リプレイ完成予定
- 2014/12/27 09:00
オープニング
●
小さな港町で、今年も星空船の運行が始まった。
街に明かりが灯り始める日暮れ時、星空船は出港する。船がゆったりと進むあいだ、乗客はまず食事や演奏会を楽しむことになる。
すっかり日が落ちた頃、街の明かりが届かない暗い海の上で、さらに船上の明かりも消される。
見渡すかぎりの闇のなか、屋内にいた乗客が一斉にデッキへ出てくる。コートの襟元を締め、腕を抱きしめ、白い息を吐きながら、寒さをこらえる。
デッキチェアに寝転がり、首まで毛布をかぶる。波の揺れがふわふわと、体に浮遊感を与える。
見上げれば、降ってきそうな満天の星空だ。
『まるで宇宙にいるようだった』とは、ある乗客の感想だ。
もともと海と川に挟まれ、小さな運河がいくつも通るこの街では、古くから水上交通が盛んだった。平坦な地形は立派な水上交通網を築いたが、しかし星を見るにはいささか不便だ。
この地域では寒い季節になると、空気が澄んで星がよりくっきりと見えるようになる。そこで、海風がきつくなり観光客が減る寒い季節に、新たな目玉となる観光資源を、と始めたのが星空船だ。もともとは漁師が趣味で始めたものだが、今では街の名物となっていて、これ目当ての観光客も多い。
●
足取り軽く、街を散策する少女がいた。見るもの全てが新鮮だといった風で、時計台を指さしては歓声を上げ、屋台船から漂ってくるクリームスープの匂いに腹を鳴らし、運河を滑っていくゴンドラを見送る。
「すごいよ、お母さん。いい街だね」
少女は、後ろを歩く母を振り返った。
「あまりはしゃぎすぎないようにね。ひとりでずんずん行っちゃうんだから」
「ごめんごめん。でもほんと、来てよかったぁ」
港には大小様々な船が停泊している。その中には、異様なほど真っ黒に染まった小さな船が何隻かあったのだが、少女は別の船に夢中で、気付かなかった。
「ほらお母さん、あそこ、あれが星空船だよきっと」
少女が、星空船の受付窓口の方へと走っていった。
「ちょっと、待ってったら」
少女は受付に着くと、弾んだ息を整えようともせず、勢いそのままに言った。
「あの、今夜の星空船のチケット2枚、ください!」
受付の職員は、申し訳なさそうな顔で言った。
「お客様、あの、大変申し訳ありませんが、星空船は現在、運行を中止しているのです」
「えっ、どうしてですか!」
「どうしたんだい?」
母が、少女の後ろから窓口を覗きこんだ。
「少し沖で、巨大なイカのような怪物が現れたらしいのです。何隻かの漁船が襲われたみたいで。安全が確認されるまでは、運行はできないのです」
「そんな……」
少女が肩を落とした。
「仕方ないねえ」
その肩に、母が手を置いた。
「申し訳ありません。怪物の退治についてはハンターに依頼を済ませてあるそうです。我々としても、1日でも早く運行を再開したいと思っているところです」
少女と母は、足取り重く、港を去っていった。
●
街に到着したハンターに、駆け寄る少女がいた。
「あの、ハンターの方々ですか?」
少女は胸の前で両手を握りしめ、言った。
「もうすぐ母の誕生日なんです。母がずっと乗りたいって言ってた星空船に、どうしても乗せてあげたいんです。だから、身勝手かもしれないけど、怪物の退治、お願いします!」
小さな港町で、今年も星空船の運行が始まった。
街に明かりが灯り始める日暮れ時、星空船は出港する。船がゆったりと進むあいだ、乗客はまず食事や演奏会を楽しむことになる。
すっかり日が落ちた頃、街の明かりが届かない暗い海の上で、さらに船上の明かりも消される。
見渡すかぎりの闇のなか、屋内にいた乗客が一斉にデッキへ出てくる。コートの襟元を締め、腕を抱きしめ、白い息を吐きながら、寒さをこらえる。
デッキチェアに寝転がり、首まで毛布をかぶる。波の揺れがふわふわと、体に浮遊感を与える。
見上げれば、降ってきそうな満天の星空だ。
『まるで宇宙にいるようだった』とは、ある乗客の感想だ。
もともと海と川に挟まれ、小さな運河がいくつも通るこの街では、古くから水上交通が盛んだった。平坦な地形は立派な水上交通網を築いたが、しかし星を見るにはいささか不便だ。
この地域では寒い季節になると、空気が澄んで星がよりくっきりと見えるようになる。そこで、海風がきつくなり観光客が減る寒い季節に、新たな目玉となる観光資源を、と始めたのが星空船だ。もともとは漁師が趣味で始めたものだが、今では街の名物となっていて、これ目当ての観光客も多い。
●
足取り軽く、街を散策する少女がいた。見るもの全てが新鮮だといった風で、時計台を指さしては歓声を上げ、屋台船から漂ってくるクリームスープの匂いに腹を鳴らし、運河を滑っていくゴンドラを見送る。
「すごいよ、お母さん。いい街だね」
少女は、後ろを歩く母を振り返った。
「あまりはしゃぎすぎないようにね。ひとりでずんずん行っちゃうんだから」
「ごめんごめん。でもほんと、来てよかったぁ」
港には大小様々な船が停泊している。その中には、異様なほど真っ黒に染まった小さな船が何隻かあったのだが、少女は別の船に夢中で、気付かなかった。
「ほらお母さん、あそこ、あれが星空船だよきっと」
少女が、星空船の受付窓口の方へと走っていった。
「ちょっと、待ってったら」
少女は受付に着くと、弾んだ息を整えようともせず、勢いそのままに言った。
「あの、今夜の星空船のチケット2枚、ください!」
受付の職員は、申し訳なさそうな顔で言った。
「お客様、あの、大変申し訳ありませんが、星空船は現在、運行を中止しているのです」
「えっ、どうしてですか!」
「どうしたんだい?」
母が、少女の後ろから窓口を覗きこんだ。
「少し沖で、巨大なイカのような怪物が現れたらしいのです。何隻かの漁船が襲われたみたいで。安全が確認されるまでは、運行はできないのです」
「そんな……」
少女が肩を落とした。
「仕方ないねえ」
その肩に、母が手を置いた。
「申し訳ありません。怪物の退治についてはハンターに依頼を済ませてあるそうです。我々としても、1日でも早く運行を再開したいと思っているところです」
少女と母は、足取り重く、港を去っていった。
●
街に到着したハンターに、駆け寄る少女がいた。
「あの、ハンターの方々ですか?」
少女は胸の前で両手を握りしめ、言った。
「もうすぐ母の誕生日なんです。母がずっと乗りたいって言ってた星空船に、どうしても乗せてあげたいんです。だから、身勝手かもしれないけど、怪物の退治、お願いします!」
解説
【目的】
巨大イカ型雑魔を駆除し近海の安全を確保することです。
【イカ型雑魔】× 1体
複数の漁師の目撃情報から、港から少し沖合へ出たところに出現することがわかっています。
胴体は小型漁船ほど、ということなので8メートルくらいでしょうか。足も同程度の8メートルと推測されます。ただし10本の足のうち2本は触腕というもので、これは他の足の倍ほどの長さがあり、より器用に動きます。
太く長い足を船に絡めて転覆させようとしたり、船上まで足を伸ばして攻撃してくることもあったそうです。
また、襲われた漁師さんが銛で攻撃を試みたところ、大量の墨を激しく吐き散らして反撃してきたそうです。
【船について】
出現場所まで行くための船に関して、伺ったところ、小型漁船ならば用意できるだろうとおっしゃっていました。
小型漁船は最大8人まで乗れる帆船ですが、小さな船です。戦闘をするのに窮屈ということであれば、2隻か3隻、借りることも可能でしょう。
小型帆船なので操舵はそれほど複雑ではありませんが、漁師さんに連れて行ってもらうこともできます。その際には当然、漁師さんの身の安全を最優先にするようお願いします。
いずれにせよ現地の漁師さんの貴重な船ですので、無事に返してあげるよう心がけてくださいね。
船には浮き輪がひとつ付属していますが、救命胴衣などはありません。特にこの季節は水温が低いので、海中に引きずり込まれぬよう注意してください。
【星空船】
「無事雑魔を倒したら、お礼の代わりといってはなんですが、ハンターの皆様にもぜひ、街の自慢である星空船を体験していただきたい」とおっしゃっていましたよ。星空船では、ささやかではありますが食事会と演奏会も行われるそうです。星空ともども、どうぞ楽しんできてください。
巨大イカ型雑魔を駆除し近海の安全を確保することです。
【イカ型雑魔】× 1体
複数の漁師の目撃情報から、港から少し沖合へ出たところに出現することがわかっています。
胴体は小型漁船ほど、ということなので8メートルくらいでしょうか。足も同程度の8メートルと推測されます。ただし10本の足のうち2本は触腕というもので、これは他の足の倍ほどの長さがあり、より器用に動きます。
太く長い足を船に絡めて転覆させようとしたり、船上まで足を伸ばして攻撃してくることもあったそうです。
また、襲われた漁師さんが銛で攻撃を試みたところ、大量の墨を激しく吐き散らして反撃してきたそうです。
【船について】
出現場所まで行くための船に関して、伺ったところ、小型漁船ならば用意できるだろうとおっしゃっていました。
小型漁船は最大8人まで乗れる帆船ですが、小さな船です。戦闘をするのに窮屈ということであれば、2隻か3隻、借りることも可能でしょう。
小型帆船なので操舵はそれほど複雑ではありませんが、漁師さんに連れて行ってもらうこともできます。その際には当然、漁師さんの身の安全を最優先にするようお願いします。
いずれにせよ現地の漁師さんの貴重な船ですので、無事に返してあげるよう心がけてくださいね。
船には浮き輪がひとつ付属していますが、救命胴衣などはありません。特にこの季節は水温が低いので、海中に引きずり込まれぬよう注意してください。
【星空船】
「無事雑魔を倒したら、お礼の代わりといってはなんですが、ハンターの皆様にもぜひ、街の自慢である星空船を体験していただきたい」とおっしゃっていましたよ。星空船では、ささやかではありますが食事会と演奏会も行われるそうです。星空ともども、どうぞ楽しんできてください。
マスターより
お世話になっております。虚現亭九楽です。
海上での戦闘ということで少々厄介かもしれませんが、イカ雑魔は巨大な図体の割にはさほど強くありませんのでご安心を。
イカ雑魔を倒したあかつきには、リアルブルーとはまた違う、クリムゾンウエストの星空をぜひ体験してみてください。
海上での戦闘ということで少々厄介かもしれませんが、イカ雑魔は巨大な図体の割にはさほど強くありませんのでご安心を。
イカ雑魔を倒したあかつきには、リアルブルーとはまた違う、クリムゾンウエストの星空をぜひ体験してみてください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2014/12/25 22:30
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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星空を渡る船を護れ【相談卓】 エルティア・ホープナー(ka0727) エルフ|21才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2014/12/17 22:46:21 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/15 07:23:24 |