• 日常

提案・村祭り!

マスター:芹沢かずい

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
オプション
参加費
1,500
参加人数
現在4人 / 4~10人
マテリアルリンク
報酬
多め
相談期間
7日
プレイング締切
2018/05/17 22:00
リプレイ完成予定
2018/05/31 22:00

オープニング

※このシナリオは原則として戦闘が発生しない日常的なシナリオとして設定されています。


「退屈だわ……」
 閑散とした食堂にポツリと響く声。そう、響くのだ。小さな声が、石造りの古い古い城の食堂広間に反響するからだ。
「そうだね」
『なぁ〜……』
 リタの膝に乗ったゆぐでぃんも、どうしようもなくやる気のない声で応える。いや欠伸かこれは。
「退屈というのは、暇ということね」
「そうだね、暇だね」
「お客さんも何人かはいるけどね、あたしたにできる仕事ないわね」
 このどうしようもなく実りのない会話を成立させているのは、リタとエマの姉妹。田舎からハンター志望でリゼリオに出てから、とある老夫婦にくっついてやって来たこの土地で、忘れられていた古城を整備して、今ここに住み着いている。

 その古城、姉妹がたどり着いた時にはゴブリンどもの住処になっていて、村人は村を放棄して避難、廃村の危機に陥っていたのだ。そんな村放棄してしまえば良かったのだが、そうもいかなかった。この村は彼女たちを連れて来た(正確には彼女たちが付いて来た)老夫婦の生まれ故郷だったからだ。古城をねぐらにしているゴブリンたちは、村の畑やすでに逃げ出し空っぽになった村人の家を好き放題に荒らしまくっていた。
 リタは持ち前の責任感とお節介、無謀な行動力で妹のエマを従えて、ハンターを集い、ゴブリン退治に乗り出した。参加してくれたハンター達の見事な活躍で、古城に潜むゴブリン、そしてコボルトを殲滅した。さらにリタが提案したのは、この古城を宿泊施設として開放することだった。
 姉妹の場違いなほどに明るいテンションとアイディア、行動力に触発された村人達が、荒れ放題だった古城の修繕に乗り出した。近隣の町に避難していた村人達も徐々に戻り、荒れ果てた畑や水路の整備、さらには新しく家まで建てて、元のように住める状態にまで戻してしまった。……人間の行動力ってすごい。

 そして古城の整備は滞りなく終わった(はず……)。いくつかある古城の部屋は、宿泊で利用することさえできるまでに整備されている。経営のノウハウなど持っていない彼女たちにしては、頑張っている方だと思う。
 ただ経営の素人だ。部屋ごとにグレードを設定して、宿泊料金を決定しているのだが、客の満足度が低い。……そりゃそうだろう。専門家ではないのだから。


「ここを通過する旅人さんとか、噂を聞いて来てくれた旅の人とかは何人かいるけど、パッとしないのよねぇ」
 リタが言うのは、古城をより利用しやすくするための改定案のことだ。お客さんの反応を見て改善すべきところを模索しているのだ。だがパッとしたアイディアが出ていないのが現状だった。
「それが退屈っていうのに繋がるんだね。で? 何か案があるの?」
 話を進めようと、エマが聞いてみる。
 木々の緑が眩しい季節。これからどんどん深みを増して、実りの秋のために貪欲に栄養を蓄積させるための、緑の時期。
「ふっ……よく聞いてくれたわねっ!」
 がたあぁんっ! と、勢いよく椅子を蹴飛ばし立ち上がると、いつものように片手で握り拳を振り上げて、自信満々言い切った。
「祭りよ!」
「お祭りぃ?」
 エマの声が素っ頓狂に響き渡った。その瞬間に彼女たちの後ろから気配もなくイル婆特製のゆぐでぃらまん(通称ゆぐまん。他にもゴブまんがある。美味しい)が振舞われた。慣れた様子で、姉妹はナチュラルに手を出してそれとお茶を受け取り、何の躊躇いもなく口に運ぶ。

「お祭りって言ったって……故郷の田舎でやってたやつのことでしょ?」
「そうよ! これからの季節、畑の豊穣と人々の健康を願って行う祭り! この村に必要なのは活気よ! そうすれば人も集まるし、宿泊施設を経営する才能を持った人もきっと出てくるわ。それから、集まってくれた人たちの意見とかも聞いて、もっと過ごしやすい古城ホテルに改革することもできるのよっ!」
 あらぬ方向を見つめながら握りこぶしを振りかざすいつものポーズで、いつものごとく自信満々に言い切った。……リタが言い出したことは、これまでの経験からほとんど必ずと言っていいほど実現してしまう。
「……って言っても、田舎でやってたお祭りって、ただ獲ってきた食材とか村人が持ち寄った食材を使ってお料理作ったり、簡単な音楽に合わせて踊ったりするくらいのものだったよね」
「そうよ。それをこの村風にアレンジして、周辺で取れる食材を使った料理とか、屋台出してもいいかもしれないし、なんなら普段解放してない古城の武器庫なんかも解放してもいいかもね」
 ふうむなるほど……と、エマはこの一瞬で今できる祭りの準備をはや具体的にシミュレートしていた。
「ほほう……祭りか」
「ガーゴ爺ちゃん!」
 やはり気配もなしに近づいてきていたガーゴ爺が、興味深そうな声で参加してくる。この分だと、ガーゴ爺さんが参加してくれるのも時間の問題だろう。そして、彼らの共通の友人、リブ爺もなかなかの戦力として数に入れておこう。


「まずは周りにお祭りのことを宣伝するのよっ! 当然ハンターオフィスにもチラシ貼ってくるわね! この際だから、いろんな世界を見てるハンターさんとか、ハンターさんの地元の料理なんかもできたら面白いわよね」
 うきうきしているのはリタもエマも一緒だった。
「シメはやっぱり月夜のダンスパーティーよねっ! これは屋上で決定ね!」
「お姉ちゃん、地味に上手だもんね」
「あなたは音痴だったかしら」
「……それは言わないで」
 それはともかく、心機一転、古城を取り囲むこの村に、一つの風習とも呼べるものが誕生しつつあった。

解説

●お祭りを企画して、村初のイベントを開催しよう!
●急に思い立ったので、準備期間はおよそ3日。当日は早朝から夜のダンスパーティーまで。自由に提案して、自由に楽しんでもらうためのお祭りです。
基本、楽しそうなことなら何をしてもOK。姉妹が提案していたように、いろんな食材や材料を持ち寄って、美味しい料理を提供したり、古城や村を飾り付けてもOK。
●近くにあるちょっとした森には、小ぶりながらも野生動物が住み着いているし、城の裏手には大きな湖。必要な木材などの資材に関しては、村人や隣町の人が協力してくれます。
●古城1階にある厨房は自由に使えます。同じく1階には、普段見学だけに解放されている武器庫や兵士たちの詰所。2階には大小さまざまな客室。古城の四隅にある書庫や衣装部屋も自由に使えますが、古城所有なので古いものばかり。お祭りは全部を解放してしまうので、屋上庭園も自由に飾り付けられます。
備考:リタは言わずと知れた才能とも呼べるほどの方向音痴。エマの姿が(例え髪の毛一本でも)見えていればたどり着ける。突拍子も無い行動を取りがち。

マスターより

大変長らくご無沙汰してしまいましたが、今回は村のお祭りです。
ハンターの皆さんの地元のお祭りを再現してみたり、新しいことを始めてみたり、お好きに盛り上げて頂ければ嬉しいです! ここの村人は好奇心旺盛なので、老若男女を問わず協力してくれます。

この間、天気の良い日にお散歩してたら何やら賑やかなお祭りのようなものを目にしまして……祭りはいいですね。

ちなみに一つ、マスターからの提案というかお願いですが……そろそろ村や古城の名前を考え中。候補がありましたら、マスターの独断と偏見で決定しちゃいたいと思います!
よろしくお願いします!

関連NPC


  • エマ(kz0192
    人間(クリムゾンウェスト)|11才|女性|聖導士(クルセイダー)

  • リタ(kz0181
    人間(クリムゾンウェスト)|13才|女性|猟撃士(イェーガー)
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/05/29 00:27

参加者一覧

  • 乙女の護り
    レイア・アローネ(ka4082
    人間(紅)|24才|女性|闘狩人
  • 背後にお姉さん
    神紅=アルザード(ka6134
    人間(紅)|17才|女性|疾影士
  • 憂う友の道標
    紅咬 暮刃(ka6298
    人間(紅)|17才|男性|舞刀士
  • 優しき孤高の騎士
    無道(ka7139
    鬼|23才|男性|闘狩人
依頼相談掲示板
アイコン 村祭り運営委員会
レイア・アローネ(ka4082
人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー)
最終発言
2018/05/17 21:57:33
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/05/16 22:17:27