ゲスト
(ka0000)
草刈りも命懸け
マスター:きりん

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 6~12人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/05/18 15:00
- リプレイ完成予定
- 2018/05/27 15:00
オープニング
●こんなに放っておいたから……
久しぶりに屋敷を見に来た男は想像していた以上の荒れ果て具合に酷く驚いた。
建物の傷みもそうだが、それ以上に回りの草が物凄い大きさに育っている。
いくら雑草といっても、何十年も放置されて、しかもそれが日当たりがとてもいい場所となれば、こうなるのは当然の理だった。
伸びた雑草はクリムゾンウエストの成人男性としてはやや低めである男の身長を大きく超えている。
「これを私一人で刈るのは、無理があるな……」
屋敷は幼少時代を男が過ごした家であり、成人して家を出てからは数えるほどしか帰っておらず、三十年前に両親が他界してからは惰性で男が所有し続けていた。
当然その間一度も実際に訪れたこともなく、この金食い虫の資産を何とかしてしまおうとやってきてみれば、ごらんの有様である。
敷地を隔てる塀や正面の門のアーチには蔦がびっしりと絡まっており、それだけで年月を感じさせる。
「それにしても、この村も随分人が減ったものだ」
嘆く男は、記憶に残っている幼少の頃の村と、現在の村の落差に驚いている。
男が覚えている村は、子ども自体は少なかったものの、それなりの人数が住んでいてもっと活気があった。
それがどうしたことか。
村全体でも多くの家々が男の屋敷と同じように空き家となり、長らく人の手を離れてゆっくりと自然に返っていこうとしている。
少なくとも、かつてのご近所さんたちは軒並み空き家になっていて、道に人が出歩いている姿も、男は村の入り口から屋敷に着くまで一人も見かけなかった。
やはり、もうこの村に住んでいた人間は絶えて久しいらしい。
多くは男のようにもっと利便性のある場所に移り住み、残った老人などもこの三十年で皆死んでしまったのだろう。
村落の多くがハンターズソサエティ支部がある場所や本部があるリゼリオ周辺に集まっている以上、少し離れた位置にあるこの村が寂れていくのは仕方のないこと。
「これが、時の流れというものか。歳は取りたくないものだなぁ」
それでも胸に物悲しい感傷を感じながら、男は屋敷を取り壊す手配を始めた。
●巨大で強暴な蜂はそれだけで怖い
屋敷を取り壊すためには、まずは邪魔な草を取り除かなくてはならない。
そうしなくてはならない理由としてはまず、草の中に何がいるのか分からないという点が挙げられる。
一番可能性が高いのは虫だ。
いうまでもなく、伸びに伸びた雑草は成長しすぎて潜んでいる虫の姿を完全に隠してしまっている。
無害な虫だったらいいが、そうでない虫がいる可能性はもちろんある。
例えば蜂だ。
働き蜂が単体で潜んでいるなどということはほとんどなく、蜂がいる場合当然巣もある。
巣があるということは、作業をすれば刺激してしまうということであり、攻撃態勢に入った蜂の集団に襲われる可能性は、実はそれほど低くない。
「というわけでしてね。しばらく人気がなくなってここまで伸びてしまったら、危険過ぎてちょっとやれないですね」
「なんですと?」
男が業者に依頼したところ、断られてしまった。
理由は、長い間放置された場所は不法投棄されたゴミだらけになっている場合が多く、錬金術研究が盛んな帝国という国柄、その中に錬金術の研究で出るゴミが含まれていないとは言い切れないからだ。
「ただの蜂の巣ならまだ私どもでも対処できるんですが、万が一中の蜂が雑魔になっていればどうにもなりませんよ。最悪全員死にます。たかが雑魔だと舐めちゃいけません。元の蜂が凶悪ですから。数の暴力っていうのはそれだけで怖いもんです」
もちろん雑魔の存在を常識として男は知っていたが、まさか自分が昔住んでいた屋敷の庭にいるかもしれないと言われて、驚きを隠せなかった。
「というわけで、ハンターの護衛が必要です。ハンターズソサエティに依頼をしてください」
男の屋敷が片付くのは、もう少し先になりそうだ。
●ハンターズソサエティにて
本日もハンターズソサエティはいつも通り、受付嬢が仕事に励み、ハンターが依頼を受け、あるいは依頼を見繕っている。
当然ハンターにも依頼の好き嫌いというものがあり、基本的に危険度が高すぎるもの、拘束時間が長すぎるもの、精神的な苦痛を多々受けるもの、掛かりそうな手間の割に報酬が安すぎるものなどは、敬遠される場合がある。
基本的にはハンターたちの依頼選択にハンターズソサエティとしては口を出すことはせず、ハンターたちの自由意志に任せているのだが、あまりに残り続けると受付嬢が斡旋という名の処理をしようとハンターたちに押し付けてくるらしい。
受付嬢の多くは邪魔な依頼を処理するためにハンターを利用しようなどという気持ちはこれっぽっちもないのであるが、一部の受付嬢の内面まではさすがに分からない。
内心黒いことを考えている受付嬢がいる可能性もないとはいえなかった。
「ハンターの皆さん、護衛依頼ですよ」
受付嬢の一人が、依頼の斡旋をしにハンターたちを見定めに来た。
「除草作業員の護衛です。作業員は全部で六名。いつどのタイミングで何が出てくるか分からないため、つきっきりで護衛をしていただきます」
地味な割に面倒そうな依頼だと、ハンターたちが思ったかどうかは分からない。
「蜂が襲ってくる危険性が高いそうです。強暴な蜂がさらに雑魔になっている可能性もあるとのことです。雑魔になれば繁殖力はなくなるので、ただの蜂ほど数は多くないでしょうが、それでも巣の蜂が丸々雑魔化していた場合、かなりの数になることが予測されます。ハンターの皆様はくれぐれも気をつけて作業員の方々を守ってください」
受付嬢は冷静に説明を続ける。
「作業順番ですが、正門から正面玄関まで真っ直ぐ道が伸びておりまして、その両脇に花壇が三つずつあります。もちろん現在は全て人間とほぼ同じ大きさの草が生い茂っていますので、まずここを作業員たちが手による草むしりと手鎌で除草をします。それが終わると裏庭一面の除草作業に入ります。ここも茂り具合はほぼ同じで、面積自体は屋敷正面の花壇六つを合わせたよりも広く、当然それだけ時間が掛かるでしょう。これらの場所さえ終われば残りは危険な虫が隠れられるほど生い茂った場所はないということですので、皆様の仕事も終了となります」
ハンターたちは、この依頼が残っていた理由を薄々察していた。
いかにも一般人にとっては重労働そうな作業の数々。
そのくせ、作業をする人間はたったの六人。
作業の進捗状況によっては、自分たちも手伝わされるかもしれない。
久しぶりに屋敷を見に来た男は想像していた以上の荒れ果て具合に酷く驚いた。
建物の傷みもそうだが、それ以上に回りの草が物凄い大きさに育っている。
いくら雑草といっても、何十年も放置されて、しかもそれが日当たりがとてもいい場所となれば、こうなるのは当然の理だった。
伸びた雑草はクリムゾンウエストの成人男性としてはやや低めである男の身長を大きく超えている。
「これを私一人で刈るのは、無理があるな……」
屋敷は幼少時代を男が過ごした家であり、成人して家を出てからは数えるほどしか帰っておらず、三十年前に両親が他界してからは惰性で男が所有し続けていた。
当然その間一度も実際に訪れたこともなく、この金食い虫の資産を何とかしてしまおうとやってきてみれば、ごらんの有様である。
敷地を隔てる塀や正面の門のアーチには蔦がびっしりと絡まっており、それだけで年月を感じさせる。
「それにしても、この村も随分人が減ったものだ」
嘆く男は、記憶に残っている幼少の頃の村と、現在の村の落差に驚いている。
男が覚えている村は、子ども自体は少なかったものの、それなりの人数が住んでいてもっと活気があった。
それがどうしたことか。
村全体でも多くの家々が男の屋敷と同じように空き家となり、長らく人の手を離れてゆっくりと自然に返っていこうとしている。
少なくとも、かつてのご近所さんたちは軒並み空き家になっていて、道に人が出歩いている姿も、男は村の入り口から屋敷に着くまで一人も見かけなかった。
やはり、もうこの村に住んでいた人間は絶えて久しいらしい。
多くは男のようにもっと利便性のある場所に移り住み、残った老人などもこの三十年で皆死んでしまったのだろう。
村落の多くがハンターズソサエティ支部がある場所や本部があるリゼリオ周辺に集まっている以上、少し離れた位置にあるこの村が寂れていくのは仕方のないこと。
「これが、時の流れというものか。歳は取りたくないものだなぁ」
それでも胸に物悲しい感傷を感じながら、男は屋敷を取り壊す手配を始めた。
●巨大で強暴な蜂はそれだけで怖い
屋敷を取り壊すためには、まずは邪魔な草を取り除かなくてはならない。
そうしなくてはならない理由としてはまず、草の中に何がいるのか分からないという点が挙げられる。
一番可能性が高いのは虫だ。
いうまでもなく、伸びに伸びた雑草は成長しすぎて潜んでいる虫の姿を完全に隠してしまっている。
無害な虫だったらいいが、そうでない虫がいる可能性はもちろんある。
例えば蜂だ。
働き蜂が単体で潜んでいるなどということはほとんどなく、蜂がいる場合当然巣もある。
巣があるということは、作業をすれば刺激してしまうということであり、攻撃態勢に入った蜂の集団に襲われる可能性は、実はそれほど低くない。
「というわけでしてね。しばらく人気がなくなってここまで伸びてしまったら、危険過ぎてちょっとやれないですね」
「なんですと?」
男が業者に依頼したところ、断られてしまった。
理由は、長い間放置された場所は不法投棄されたゴミだらけになっている場合が多く、錬金術研究が盛んな帝国という国柄、その中に錬金術の研究で出るゴミが含まれていないとは言い切れないからだ。
「ただの蜂の巣ならまだ私どもでも対処できるんですが、万が一中の蜂が雑魔になっていればどうにもなりませんよ。最悪全員死にます。たかが雑魔だと舐めちゃいけません。元の蜂が凶悪ですから。数の暴力っていうのはそれだけで怖いもんです」
もちろん雑魔の存在を常識として男は知っていたが、まさか自分が昔住んでいた屋敷の庭にいるかもしれないと言われて、驚きを隠せなかった。
「というわけで、ハンターの護衛が必要です。ハンターズソサエティに依頼をしてください」
男の屋敷が片付くのは、もう少し先になりそうだ。
●ハンターズソサエティにて
本日もハンターズソサエティはいつも通り、受付嬢が仕事に励み、ハンターが依頼を受け、あるいは依頼を見繕っている。
当然ハンターにも依頼の好き嫌いというものがあり、基本的に危険度が高すぎるもの、拘束時間が長すぎるもの、精神的な苦痛を多々受けるもの、掛かりそうな手間の割に報酬が安すぎるものなどは、敬遠される場合がある。
基本的にはハンターたちの依頼選択にハンターズソサエティとしては口を出すことはせず、ハンターたちの自由意志に任せているのだが、あまりに残り続けると受付嬢が斡旋という名の処理をしようとハンターたちに押し付けてくるらしい。
受付嬢の多くは邪魔な依頼を処理するためにハンターを利用しようなどという気持ちはこれっぽっちもないのであるが、一部の受付嬢の内面まではさすがに分からない。
内心黒いことを考えている受付嬢がいる可能性もないとはいえなかった。
「ハンターの皆さん、護衛依頼ですよ」
受付嬢の一人が、依頼の斡旋をしにハンターたちを見定めに来た。
「除草作業員の護衛です。作業員は全部で六名。いつどのタイミングで何が出てくるか分からないため、つきっきりで護衛をしていただきます」
地味な割に面倒そうな依頼だと、ハンターたちが思ったかどうかは分からない。
「蜂が襲ってくる危険性が高いそうです。強暴な蜂がさらに雑魔になっている可能性もあるとのことです。雑魔になれば繁殖力はなくなるので、ただの蜂ほど数は多くないでしょうが、それでも巣の蜂が丸々雑魔化していた場合、かなりの数になることが予測されます。ハンターの皆様はくれぐれも気をつけて作業員の方々を守ってください」
受付嬢は冷静に説明を続ける。
「作業順番ですが、正門から正面玄関まで真っ直ぐ道が伸びておりまして、その両脇に花壇が三つずつあります。もちろん現在は全て人間とほぼ同じ大きさの草が生い茂っていますので、まずここを作業員たちが手による草むしりと手鎌で除草をします。それが終わると裏庭一面の除草作業に入ります。ここも茂り具合はほぼ同じで、面積自体は屋敷正面の花壇六つを合わせたよりも広く、当然それだけ時間が掛かるでしょう。これらの場所さえ終われば残りは危険な虫が隠れられるほど生い茂った場所はないということですので、皆様の仕事も終了となります」
ハンターたちは、この依頼が残っていた理由を薄々察していた。
いかにも一般人にとっては重労働そうな作業の数々。
そのくせ、作業をする人間はたったの六人。
作業の進捗状況によっては、自分たちも手伝わされるかもしれない。
解説
●概要
防衛シナリオです。
除草作業に従事している作業員たちを守ってください。
出てきた虫や雑魔は全て殲滅してください。作業員に被害を出してはいけません。
頼まれない限り仕事を奪わないでください。彼らはこれで給料を得ています。
作業員の除草作業進捗状況も気にしてください。
場合によっては、草やゴミの始末などは手伝った方がいい可能性があります。
蜂の巣の破壊は中の蜂ごと殺せる方法で行ってください。でないと蜂を怒らせて面倒なことになります。
●達成条件
・安全に作業員の除草作業が終了する。
●作業員について
主に手による草むしりと手鎌による根っこの掘り起こしで作業をします。
彼らは自分の前方二メートルの範囲を一分ほどで綺麗にしながら進んでいきます。
作業後はゴミがたくさん出ます。
適宜作業員たちも掃除しますが、その分だけ作業が遅れます。
作業員たちの作業速度はおおよそであり、実際には個人差があるでしょう。
普通の蜂に対しては、殺虫剤を使って一回だけ自衛します。
●敵
○蜂……四匹
四センチ。集団で飛行し、噛み付いたり毒針で刺したりして攻撃してきます。
蜂の巣を壊さない限りいくらでも現れます。
○蜂(雑魔)……十匹
五センチ。雑魔化した蜂です。どこかに巣があると思われます。攻撃パターンは蜂と変わりません。
●ギミック
○蜂の巣……六個
正面玄関側六つの花壇に一つずつあります。一メートル五十センチほど。壊さない限り蜂を四匹になるまで草の中に補充し続けます。実際には無限というわけではないのでしょうが、近い数であることは確かでしょう。
○蜂(雑魔)の巣……一個
裏庭のどこかにあります。二メートルを超えます。女王蜂まで雑魔化が完了した蜂の巣です。雑魔蜂が減ると十匹になるまで補充します。繁殖することはありませんが、中には沢山の雑魔蜂がいるので早急に破壊した方が無難です。
防衛シナリオです。
除草作業に従事している作業員たちを守ってください。
出てきた虫や雑魔は全て殲滅してください。作業員に被害を出してはいけません。
頼まれない限り仕事を奪わないでください。彼らはこれで給料を得ています。
作業員の除草作業進捗状況も気にしてください。
場合によっては、草やゴミの始末などは手伝った方がいい可能性があります。
蜂の巣の破壊は中の蜂ごと殺せる方法で行ってください。でないと蜂を怒らせて面倒なことになります。
●達成条件
・安全に作業員の除草作業が終了する。
●作業員について
主に手による草むしりと手鎌による根っこの掘り起こしで作業をします。
彼らは自分の前方二メートルの範囲を一分ほどで綺麗にしながら進んでいきます。
作業後はゴミがたくさん出ます。
適宜作業員たちも掃除しますが、その分だけ作業が遅れます。
作業員たちの作業速度はおおよそであり、実際には個人差があるでしょう。
普通の蜂に対しては、殺虫剤を使って一回だけ自衛します。
●敵
○蜂……四匹
四センチ。集団で飛行し、噛み付いたり毒針で刺したりして攻撃してきます。
蜂の巣を壊さない限りいくらでも現れます。
○蜂(雑魔)……十匹
五センチ。雑魔化した蜂です。どこかに巣があると思われます。攻撃パターンは蜂と変わりません。
●ギミック
○蜂の巣……六個
正面玄関側六つの花壇に一つずつあります。一メートル五十センチほど。壊さない限り蜂を四匹になるまで草の中に補充し続けます。実際には無限というわけではないのでしょうが、近い数であることは確かでしょう。
○蜂(雑魔)の巣……一個
裏庭のどこかにあります。二メートルを超えます。女王蜂まで雑魔化が完了した蜂の巣です。雑魔蜂が減ると十匹になるまで補充します。繁殖することはありませんが、中には沢山の雑魔蜂がいるので早急に破壊した方が無難です。
マスターより
こんにちは、初めまして。
当シナリオのマスターを務めさせていただくきりんです。
蜂、怖いですよね。
中からいつ飛び出てくるか分からないスリルが伝わっていれば幸いです。
楽しんで下さい。
当シナリオのマスターを務めさせていただくきりんです。
蜂、怖いですよね。
中からいつ飛び出てくるか分からないスリルが伝わっていれば幸いです。
楽しんで下さい。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/05/21 19:01
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 エラ・“dJehuty”・ベル(ka3142) 人間(リアルブルー)|30才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/05/18 12:52:30 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/05/18 01:49:59 |