ゲスト
(ka0000)
女戦士アンジェリカの冒険
マスター:とりる

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
関連ユニオン
ガーディナ- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在10人 / 3~10人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/05/16 07:30
- リプレイ完成予定
- 2018/05/30 07:30
オープニング
――私の名はアンジェリカ・ベルナール。騎士の家系に生まれ、今は己を磨く為に修行中の身だ。
覚醒者ではあるがハンターではない。依頼を受けるのではなく自ら強敵の居る場所へ出向き、相対し、剣技の鍛錬を行っている。
ここ数年は辺境の地を主に放浪中。辺境は歪虚との最前線。敵に困る事は無かった。
辺境、数年前に歪虚の大規模な侵攻を許した際には甚大な被害を受け、今も尚その傷は残る……。
そんなある日の事だ。私は補給の為に辺境部族の村へ立ち寄った。
この村は女子供が多く、若い男が少ない。これもまた歪虚による侵攻の影響だろう。
私は旅をしている旨を村長に話すと快く一晩泊めて貰える事となった。ありがたい。
夕暮れも近づいた頃、私は老婆と言える高齢の村長と共に食卓につき、食事を摂りながら会話をする。
「常に歪虚の脅威に晒されている辺境で、ほぼ守りも無く、大丈夫なのですか?」
「それはねぇ、そうなんだけどね……。若い男衆は殆ど死んじまって。生き延びたのは女子供とジジババばかりさ」
老婆は最早諦めた口調で言う。それはそうだ。訊くまでもなかった。
話によれば近くに雑魔でも出現した際には専らハンターに頼んでいるのだという。
やはりハンター頼みか。しかし彼らは常駐している訳ではない。即座に対応すべき事態が発生したらどうするのか。
「ははは、そうだねぇ……その時は、黙って死ぬしか、ないかもねぇ……」
尋ねてみればまた諦めた様子で老婆は笑う。「もう老い先短いからね」とも。
「それでは、若い女性と子どもは……!」
「ジジババでも時間稼ぎくらいは出来るやもしれん。その間に出来る限り逃げて貰うさ」
……。思わず声を荒げてしまった。私もまだまだ未熟だ。
自警団すら組織できないこの有り様……。心配になった私はこの様に申し出た。
「不安にさせるような事ばかり言ってすみません。ですが戦士として、どうしても気になるのです。私はこの村に暫く滞在しようと思います。覚醒者ですし、剣の腕は多少立つつもりなので」
気休めでも……。いや、これは『自分がいる間、この村に不幸が起こって欲しくない』という我儘か……。
「おんやぁ、ハンターではないと言っていたけれど、やっぱりそうなのかい。心強いねぇ。若いのに凄いねぇ」
老婆はやっと『諦めたものではない』笑みを浮かべてくれた。
その夜。この村では夜間、数少ない若い男達が交代で見張りをしているらしかった。
旅の疲れもある、一先ずは、休んでも良いかもしれない。
私は村長が用意してくれた部屋のベッドで眠ることにした。装備は外すが、すぐに着け直せるよう準備をして……。
――だが、私の心配はすぐに的中してしまった。
「敵だー!!」
空が白み始める頃、私は男の大声で目を覚ました。続いて警鐘を打ち鳴らす音が響く。
窓から外を見れば……丸太の柵で囲まれた村……その入り口に接近してくる武骨な黒い影がある。歪な人型――
「あれは――オーク!?」
しかも多数。私はベッドから飛び起きるとすぐさま装備を整え、剣を腰に差し、村の入り口へ向かった。
オークとは歪虚の尖兵として知られる敵。雑魔とは異なり、絶対に侮ってはいけない敵だ。
(これまでは雑魔程度しか現れなかったらしいが……何故、今!)
私は――我が家系に伝わるという、出立の際に父から渡された家宝の長剣、その柄を強く握り締める。
(父上……兄上……どうか私に力を……!)
あれだけの数のオーク相手に――勝算は無に等しい。だが。
村の入り口付近に到着すると、既に村人達の避難が始まっていた。早朝の村は大騒ぎ。
「状況はどうなっている!?」
私は若い男に尋ねる。
「門を封鎖中です! 女子供を優先的に反対側の出口からあるだけの馬車で逃がしています! 爺さんや婆さんも続いて!」
入口の門は太い丸太で出来ている。少しは持ち応えられるだろうが……。
「馬を使える者は至急ハンターズソサエティに連絡を! 応援を呼んで来てくれ!」
「わかりました。でも貴女は?」
「ここに残って奴らを足止めする」
「しかし!」
「男衆には覚醒者、戦える者は居ないのだろう? ならば命を無駄にするな! 残りは避難誘導に当たった後に同じく逃げろ! あれはそこらの雑魔の様な生易しい敵ではないんだ!」
「力になれず申し訳ない……。おい! 早く避難を済ませるぞ! アンジェリカさんの足手纏いになるな!」
男達は全員直ぐに駆けて行った。
「……ふっ」
たった一日滞在しただけで名前を憶えて貰えるとは。ハンターではない旅の覚醒者が珍しかったと見える。
程無く、封鎖された村の門を力任せに殴り付ける音がし始めた。ベキ! バキ! と。
オークの馬鹿力の前には長く持たない。その時――ズバン! という大きな音と共に、鋼鉄製と思われる杭が門を突き破った。
「なっ――」
巨大な杭に何度も貫かれた門は脆くも崩れ去る。そして、オークの軍勢が姿を現した。
「来たな……オーク共、ここは通さん! 我が家名、ベルナールの誇りにかけて!!」
私は自分を鼓舞する様に叫んだ後、長剣を抜き放ち、先頭の巨大な杭打機を持ったオークへと斬り掛かる。
首筋を狙った鋭い斬撃は一体のオークへ致命傷を与えた。だが――
「なっ!?」
私は反射的にスキルを用いて避けた。
「銃撃だと!? 馬鹿な……オークにそんな知恵が……!?」
杭打機持ちの後方には銃器を持ったオークの姿が多数あった。
しかも身体や頭にはこの世界の物ではない、黒い鎧や兜で身を固めている。
私は混乱した。だが敵の銃撃は続く。スキルを用いて躱す躱す躱す。
しかし現実は無常だ。スキルを用いて躱しつつ隙を見て斬り掛かるが初撃の様に致命傷を与える事が出来ない。
――間もなくスキルの使用回数が切れた。銃撃は私の両腕と両脚を貫く。的確……過ぎる……。
「ぐあっ!!」
私は剣を取り落し、その場に倒れ伏した。その後に、一体のオークが動けない私の頭を掴み、持ち上げた。そして。
――腹へ、その怪力で、拳を叩き込んだ。
「かはぁっ!?」
そこからの記憶は無い。
***
……。…………。薄暗い洞窟らしき場所で、私は目を覚ました。意識の覚醒と同時に、銃で撃たれた傷に鋭い痛みが走る。
「――っ!! ……ここは」
身体を動かそうとすると、四肢が頑丈な拘束具で固定されている事に気付く。
そしてここがどこかも理解した。……牢屋の中だ。鉄格子がそれを物語っている。
鉄格子の外では数体のオークが下卑た笑みを浮かべて私の身体を注視していた――。
更に気付けば、私は装備を全て外され、布一枚という姿であった。
「なっ――! くぅ……」
私の顏は紅潮し、恥辱に満ちているだろう。こんな事ならば。辱めを受ける位ならば。騎士の家系に生まれた者として。
「……くっ、殺せ!!」
覚醒者ではあるがハンターではない。依頼を受けるのではなく自ら強敵の居る場所へ出向き、相対し、剣技の鍛錬を行っている。
ここ数年は辺境の地を主に放浪中。辺境は歪虚との最前線。敵に困る事は無かった。
辺境、数年前に歪虚の大規模な侵攻を許した際には甚大な被害を受け、今も尚その傷は残る……。
そんなある日の事だ。私は補給の為に辺境部族の村へ立ち寄った。
この村は女子供が多く、若い男が少ない。これもまた歪虚による侵攻の影響だろう。
私は旅をしている旨を村長に話すと快く一晩泊めて貰える事となった。ありがたい。
夕暮れも近づいた頃、私は老婆と言える高齢の村長と共に食卓につき、食事を摂りながら会話をする。
「常に歪虚の脅威に晒されている辺境で、ほぼ守りも無く、大丈夫なのですか?」
「それはねぇ、そうなんだけどね……。若い男衆は殆ど死んじまって。生き延びたのは女子供とジジババばかりさ」
老婆は最早諦めた口調で言う。それはそうだ。訊くまでもなかった。
話によれば近くに雑魔でも出現した際には専らハンターに頼んでいるのだという。
やはりハンター頼みか。しかし彼らは常駐している訳ではない。即座に対応すべき事態が発生したらどうするのか。
「ははは、そうだねぇ……その時は、黙って死ぬしか、ないかもねぇ……」
尋ねてみればまた諦めた様子で老婆は笑う。「もう老い先短いからね」とも。
「それでは、若い女性と子どもは……!」
「ジジババでも時間稼ぎくらいは出来るやもしれん。その間に出来る限り逃げて貰うさ」
……。思わず声を荒げてしまった。私もまだまだ未熟だ。
自警団すら組織できないこの有り様……。心配になった私はこの様に申し出た。
「不安にさせるような事ばかり言ってすみません。ですが戦士として、どうしても気になるのです。私はこの村に暫く滞在しようと思います。覚醒者ですし、剣の腕は多少立つつもりなので」
気休めでも……。いや、これは『自分がいる間、この村に不幸が起こって欲しくない』という我儘か……。
「おんやぁ、ハンターではないと言っていたけれど、やっぱりそうなのかい。心強いねぇ。若いのに凄いねぇ」
老婆はやっと『諦めたものではない』笑みを浮かべてくれた。
その夜。この村では夜間、数少ない若い男達が交代で見張りをしているらしかった。
旅の疲れもある、一先ずは、休んでも良いかもしれない。
私は村長が用意してくれた部屋のベッドで眠ることにした。装備は外すが、すぐに着け直せるよう準備をして……。
――だが、私の心配はすぐに的中してしまった。
「敵だー!!」
空が白み始める頃、私は男の大声で目を覚ました。続いて警鐘を打ち鳴らす音が響く。
窓から外を見れば……丸太の柵で囲まれた村……その入り口に接近してくる武骨な黒い影がある。歪な人型――
「あれは――オーク!?」
しかも多数。私はベッドから飛び起きるとすぐさま装備を整え、剣を腰に差し、村の入り口へ向かった。
オークとは歪虚の尖兵として知られる敵。雑魔とは異なり、絶対に侮ってはいけない敵だ。
(これまでは雑魔程度しか現れなかったらしいが……何故、今!)
私は――我が家系に伝わるという、出立の際に父から渡された家宝の長剣、その柄を強く握り締める。
(父上……兄上……どうか私に力を……!)
あれだけの数のオーク相手に――勝算は無に等しい。だが。
村の入り口付近に到着すると、既に村人達の避難が始まっていた。早朝の村は大騒ぎ。
「状況はどうなっている!?」
私は若い男に尋ねる。
「門を封鎖中です! 女子供を優先的に反対側の出口からあるだけの馬車で逃がしています! 爺さんや婆さんも続いて!」
入口の門は太い丸太で出来ている。少しは持ち応えられるだろうが……。
「馬を使える者は至急ハンターズソサエティに連絡を! 応援を呼んで来てくれ!」
「わかりました。でも貴女は?」
「ここに残って奴らを足止めする」
「しかし!」
「男衆には覚醒者、戦える者は居ないのだろう? ならば命を無駄にするな! 残りは避難誘導に当たった後に同じく逃げろ! あれはそこらの雑魔の様な生易しい敵ではないんだ!」
「力になれず申し訳ない……。おい! 早く避難を済ませるぞ! アンジェリカさんの足手纏いになるな!」
男達は全員直ぐに駆けて行った。
「……ふっ」
たった一日滞在しただけで名前を憶えて貰えるとは。ハンターではない旅の覚醒者が珍しかったと見える。
程無く、封鎖された村の門を力任せに殴り付ける音がし始めた。ベキ! バキ! と。
オークの馬鹿力の前には長く持たない。その時――ズバン! という大きな音と共に、鋼鉄製と思われる杭が門を突き破った。
「なっ――」
巨大な杭に何度も貫かれた門は脆くも崩れ去る。そして、オークの軍勢が姿を現した。
「来たな……オーク共、ここは通さん! 我が家名、ベルナールの誇りにかけて!!」
私は自分を鼓舞する様に叫んだ後、長剣を抜き放ち、先頭の巨大な杭打機を持ったオークへと斬り掛かる。
首筋を狙った鋭い斬撃は一体のオークへ致命傷を与えた。だが――
「なっ!?」
私は反射的にスキルを用いて避けた。
「銃撃だと!? 馬鹿な……オークにそんな知恵が……!?」
杭打機持ちの後方には銃器を持ったオークの姿が多数あった。
しかも身体や頭にはこの世界の物ではない、黒い鎧や兜で身を固めている。
私は混乱した。だが敵の銃撃は続く。スキルを用いて躱す躱す躱す。
しかし現実は無常だ。スキルを用いて躱しつつ隙を見て斬り掛かるが初撃の様に致命傷を与える事が出来ない。
――間もなくスキルの使用回数が切れた。銃撃は私の両腕と両脚を貫く。的確……過ぎる……。
「ぐあっ!!」
私は剣を取り落し、その場に倒れ伏した。その後に、一体のオークが動けない私の頭を掴み、持ち上げた。そして。
――腹へ、その怪力で、拳を叩き込んだ。
「かはぁっ!?」
そこからの記憶は無い。
***
……。…………。薄暗い洞窟らしき場所で、私は目を覚ました。意識の覚醒と同時に、銃で撃たれた傷に鋭い痛みが走る。
「――っ!! ……ここは」
身体を動かそうとすると、四肢が頑丈な拘束具で固定されている事に気付く。
そしてここがどこかも理解した。……牢屋の中だ。鉄格子がそれを物語っている。
鉄格子の外では数体のオークが下卑た笑みを浮かべて私の身体を注視していた――。
更に気付けば、私は装備を全て外され、布一枚という姿であった。
「なっ――! くぅ……」
私の顏は紅潮し、恥辱に満ちているだろう。こんな事ならば。辱めを受ける位ならば。騎士の家系に生まれた者として。
「……くっ、殺せ!!」
解説
【依頼概要】
村人を守り、しんがりを務めた後に、オークの軍勢によって攫われた、『女戦士アンジェリカ』を救出せよ!
【敵情報】
●武装オーク×多数
銃器で武装し、ボディアーマーやヘルメットで身を固めたオークです。
通常のオークよりも防御力が上がっています。また、近接用にナイフも所持。
●???(※PL情報)
武装オークを統率する怠惰の魔人。
中堅ハンターと同程度の強さ。武器は不明。
【場所】
辺境某所の洞窟です。壁に松明がかけられているので視界は良好。
通路の横幅は大人三~四人が余裕で並んで歩ける程度。
洞窟内部の通路は枝分かれしているのである程度の探索が必要。
アンジェリカは最奥の牢屋に拘束・監禁されています。
【救出対象】
●アンジェリカ・ベルナール
剣技を磨く為に旅をしている覚醒者の女戦士。
それなりの力量はあるものの、多勢に無勢で捕まってしまった。
負傷しており、自力では歩けないので救出後は背負うなり担架で運ぶなり回復魔法を使うなりする必要がある。
【その他】
質問があれば質問卓を立てた上でクラヴィーアまで。
村人を守り、しんがりを務めた後に、オークの軍勢によって攫われた、『女戦士アンジェリカ』を救出せよ!
【敵情報】
●武装オーク×多数
銃器で武装し、ボディアーマーやヘルメットで身を固めたオークです。
通常のオークよりも防御力が上がっています。また、近接用にナイフも所持。
●???(※PL情報)
武装オークを統率する怠惰の魔人。
中堅ハンターと同程度の強さ。武器は不明。
【場所】
辺境某所の洞窟です。壁に松明がかけられているので視界は良好。
通路の横幅は大人三~四人が余裕で並んで歩ける程度。
洞窟内部の通路は枝分かれしているのである程度の探索が必要。
アンジェリカは最奥の牢屋に拘束・監禁されています。
【救出対象】
●アンジェリカ・ベルナール
剣技を磨く為に旅をしている覚醒者の女戦士。
それなりの力量はあるものの、多勢に無勢で捕まってしまった。
負傷しており、自力では歩けないので救出後は背負うなり担架で運ぶなり回復魔法を使うなりする必要がある。
【その他】
質問があれば質問卓を立てた上でクラヴィーアまで。
マスターより
こんにちは、とりるです。
OPはシリアス気味ですが……はい、すみません。
くっころ女戦士がやりたかっただけです。
オークは別にそういった感情とかは無くそういった行為もしません。残念。
ともあれちゃんと助けてあげてくださいね。
ご参加をお待ちしております。
OPはシリアス気味ですが……はい、すみません。
くっころ女戦士がやりたかっただけです。
オークは別にそういった感情とかは無くそういった行為もしません。残念。
ともあれちゃんと助けてあげてくださいね。
ご参加をお待ちしております。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/05/22 18:30
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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おしえておねえさん(質問卓) ロジャー=ウィステリアランド(ka2900) 人間(クリムゾンウェスト)|19才|男性|猟撃士(イェーガー) |
最終発言 2018/05/11 20:13:10 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/05/13 20:05:42 |
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相談卓 通りすがりのSさん(ka6276) エルフ|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/05/15 21:38:48 |