ゲスト
(ka0000)
アンナの訓練日誌2
マスター:のどか

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/05/22 09:00
- リプレイ完成予定
- 2018/05/31 09:00
オープニング
その日の演習場は晴天に恵まれていた。
生い茂る葉の間から太陽がのぞいて、薄暗い森林に温かな光が差し込む。
「整列! ……よし、全員揃っているな」
目の前に並んで敬礼をする3人の若い兵士を前に、アンナ=リーナ・エスト(kz0108)もまた礼を返す。
「全員揃うのも久しぶりね~」
おっとりとした笑顔でフィオーレが手を打って、他2人の男性隊員を見やる。
服の間から見える全身に火傷や生傷の絶えないピーノに、昔に比べて随分と筋肉量が落ちてほっそりとしたバン。
エスト隊の新兵3名――いや、その呼び方も間もなく終わる。
「長らくご迷惑をおかけしました、隊長」
「いや、無事に戻って来てくれて嬉しく思う。あなたもだ、バン」
深く頭を下げたピーノに静かに首を振って、アンナはバンへと視線を投げた。
「いや……こっちこそ、長いこと悪かったな」
バンはふいと視線を逸らして、決まりが悪そうに頭を掻く。
ここ最近顔つきが精悍になってきたピーノと違って、彼の表情はどこか影が差している。
「……気に病む必要はない。あの事件は不可抗力だ。お前に責任はない」
「それで遣りきれるかよ……」
気を使って声を掛けたつもりのピーノだったが、バンは余計に顔を曇らせた。
「俺は今月一杯で軍をやめるぜ」
「ああ、届けは既に貰っている。私としても引き留めるわけにもいかない」
アンナは静かに頷き返す。
「そ、それでいいの? 妹さんの生活費だって」
「金を稼ぐ方法はなんだってある。ガラじゃねぇが地道に働いたって……とにかく、道は1つじゃねぇだろうさ」
「道は1つじゃない……か」
言葉を反芻するように、アンナはぽつりとつぶやく。
その姿を目で追って、ピーノは彼女の方へと向き直った。
「隊長、そろそろ始めましょう。ハンターの方々もお待ちのようですし」
「ああ……そうだな」
意識を切り替えて表情に気を張り直したアンナは、新兵たちの表情をもう一度ひとしきり見渡す。
「あなた達と出会って、早くも多くの月日が流れた。この練成小隊ももうすぐその役割を終えることとなる。今後は皆それぞれに必要とされる場所に配属ないし、別の道へと進んでいくことになる。今日はそのための集大成だ」
彼女は傍らに並んだハンター達へと目配せをする。
「覚えているだろうか。私があなたたちと出会ったとき、その性根を叩きなおそうと模擬戦を設定した。もちろんコテンパンにノされた記憶は残っているだろうが――今回もまた同様に、オフィスを通して数名のハンターに協力を依頼した」
そして、1人ずつハンター達の事を紹介していくアンナ。
前回のそれとはうって変わって、新兵たちも挨拶1つ1つに向き直り、敬礼を返す。
それだけでも十分に社会性としての成長を感じられるものだが、その本懐はもっと別のところにある。
ひとしきりの紹介を終え、アンナは締めくくるようにハンター達へと礼を向けた。
「今回は私も指揮官として、そして1人の兵士として戦闘に加わります。ハンターの皆には協力に感謝するとともに、胸を借りる気持ちで全力で取り組みます。もちろん――勝たせて貰うつもりで」
そして道端の小さな花を見つけた時のように、ほんの僅かに笑みを浮かべてみせた。
「立会人はフェリーニ大尉が引き受けてくださった。評価役も兼ねているので、それぞれ無様な醜態を晒さぬように。今後の給与査定や、退職金にも響くかもしれない事を肝に銘じてほしい」
「ははっ、死人に鞭打つように手厳しいこって。いいぜ、これが最後だ。病み上がりが言い訳にならねぇところをどこかのモヤシに見せてやるよ」
「減らず口は相変らずで安心したよ。そっちこそ、苦手な戦場だってことは十分意識してくれ」
「もう~、閉じたはずの傷口開いても知らないわ~」
トゲのある言葉を交わし合うバンとピーノに、フィオーレはどこかハラハラしつつ、だけど楽しそうに言葉を添える。
その様子を慈しむように見守って、アンナは澄んだ声で言い放った。
「それではハンターの皆さんも配置についてください。大尉の空砲の音を合図に、作戦を開始する――」
エスト隊、最後の訓練が始まる。
【解説】
▼目的
エスト隊と模擬戦
▼概要
皆さんは模擬戦の相手として呼ばれたハンターです。
新兵練成小隊であるエスト隊は今月一杯で任期を終え、隊員たちは今後それぞれの力が求められる部署へと配属されていきます。
今回はこれまで統括として企画されたもので、これまでの彼らの成長をトータルで評価するためのものとなります。
参加可能人数の差は軍側の設定したハンデです。
少数ゆえに常に連携を意識して訓練を行ってきた同隊は、戦闘ルールで設定されている「連携サポート」及び「自動連係サポート」が十二分に発揮される状態にあると考えてください。
▼ルール
場所は陸軍が所有する山間の演習場の一部で、広さは1辺が200m。
木や背の高い雑草が多く、有効視界は基本50m。
長くても100mに満たないほどの鬱蒼とした森林地帯。
西から東に掛けてなだらかな傾斜になっているのが特徴です。
生い茂る葉の間から太陽がのぞいて、薄暗い森林に温かな光が差し込む。
「整列! ……よし、全員揃っているな」
目の前に並んで敬礼をする3人の若い兵士を前に、アンナ=リーナ・エスト(kz0108)もまた礼を返す。
「全員揃うのも久しぶりね~」
おっとりとした笑顔でフィオーレが手を打って、他2人の男性隊員を見やる。
服の間から見える全身に火傷や生傷の絶えないピーノに、昔に比べて随分と筋肉量が落ちてほっそりとしたバン。
エスト隊の新兵3名――いや、その呼び方も間もなく終わる。
「長らくご迷惑をおかけしました、隊長」
「いや、無事に戻って来てくれて嬉しく思う。あなたもだ、バン」
深く頭を下げたピーノに静かに首を振って、アンナはバンへと視線を投げた。
「いや……こっちこそ、長いこと悪かったな」
バンはふいと視線を逸らして、決まりが悪そうに頭を掻く。
ここ最近顔つきが精悍になってきたピーノと違って、彼の表情はどこか影が差している。
「……気に病む必要はない。あの事件は不可抗力だ。お前に責任はない」
「それで遣りきれるかよ……」
気を使って声を掛けたつもりのピーノだったが、バンは余計に顔を曇らせた。
「俺は今月一杯で軍をやめるぜ」
「ああ、届けは既に貰っている。私としても引き留めるわけにもいかない」
アンナは静かに頷き返す。
「そ、それでいいの? 妹さんの生活費だって」
「金を稼ぐ方法はなんだってある。ガラじゃねぇが地道に働いたって……とにかく、道は1つじゃねぇだろうさ」
「道は1つじゃない……か」
言葉を反芻するように、アンナはぽつりとつぶやく。
その姿を目で追って、ピーノは彼女の方へと向き直った。
「隊長、そろそろ始めましょう。ハンターの方々もお待ちのようですし」
「ああ……そうだな」
意識を切り替えて表情に気を張り直したアンナは、新兵たちの表情をもう一度ひとしきり見渡す。
「あなた達と出会って、早くも多くの月日が流れた。この練成小隊ももうすぐその役割を終えることとなる。今後は皆それぞれに必要とされる場所に配属ないし、別の道へと進んでいくことになる。今日はそのための集大成だ」
彼女は傍らに並んだハンター達へと目配せをする。
「覚えているだろうか。私があなたたちと出会ったとき、その性根を叩きなおそうと模擬戦を設定した。もちろんコテンパンにノされた記憶は残っているだろうが――今回もまた同様に、オフィスを通して数名のハンターに協力を依頼した」
そして、1人ずつハンター達の事を紹介していくアンナ。
前回のそれとはうって変わって、新兵たちも挨拶1つ1つに向き直り、敬礼を返す。
それだけでも十分に社会性としての成長を感じられるものだが、その本懐はもっと別のところにある。
ひとしきりの紹介を終え、アンナは締めくくるようにハンター達へと礼を向けた。
「今回は私も指揮官として、そして1人の兵士として戦闘に加わります。ハンターの皆には協力に感謝するとともに、胸を借りる気持ちで全力で取り組みます。もちろん――勝たせて貰うつもりで」
そして道端の小さな花を見つけた時のように、ほんの僅かに笑みを浮かべてみせた。
「立会人はフェリーニ大尉が引き受けてくださった。評価役も兼ねているので、それぞれ無様な醜態を晒さぬように。今後の給与査定や、退職金にも響くかもしれない事を肝に銘じてほしい」
「ははっ、死人に鞭打つように手厳しいこって。いいぜ、これが最後だ。病み上がりが言い訳にならねぇところをどこかのモヤシに見せてやるよ」
「減らず口は相変らずで安心したよ。そっちこそ、苦手な戦場だってことは十分意識してくれ」
「もう~、閉じたはずの傷口開いても知らないわ~」
トゲのある言葉を交わし合うバンとピーノに、フィオーレはどこかハラハラしつつ、だけど楽しそうに言葉を添える。
その様子を慈しむように見守って、アンナは澄んだ声で言い放った。
「それではハンターの皆さんも配置についてください。大尉の空砲の音を合図に、作戦を開始する――」
エスト隊、最後の訓練が始まる。
【解説】
▼目的
エスト隊と模擬戦
▼概要
皆さんは模擬戦の相手として呼ばれたハンターです。
新兵練成小隊であるエスト隊は今月一杯で任期を終え、隊員たちは今後それぞれの力が求められる部署へと配属されていきます。
今回はこれまで統括として企画されたもので、これまでの彼らの成長をトータルで評価するためのものとなります。
参加可能人数の差は軍側の設定したハンデです。
少数ゆえに常に連携を意識して訓練を行ってきた同隊は、戦闘ルールで設定されている「連携サポート」及び「自動連係サポート」が十二分に発揮される状態にあると考えてください。
▼ルール
場所は陸軍が所有する山間の演習場の一部で、広さは1辺が200m。
木や背の高い雑草が多く、有効視界は基本50m。
長くても100mに満たないほどの鬱蒼とした森林地帯。
西から東に掛けてなだらかな傾斜になっているのが特徴です。
解説
エスト隊が北端、ハンターチームが南端から進軍し、全員脱落したチームの敗北となります。
弾薬は用意されたペイント弾を。
魔法は負傷しない程度に手加減し、刃物は寸止めがルールです。
ジャッジとしてアンナの先輩であるヴィットリオがついていますが、流石に全てをカバーすることはできませんのでフェアに参りましょう。
それ以外に関しては実戦形式の何でもアリです。
兵器やアイテムの貸し出しは一切できませんが、持ち込んだものであれば何をどう戦闘に役立てても構いません。
こちらも同様に軍の持つ様々な資材や手段を用いて応対いたします。
互いに全力でぶつかり、結果としてどれだけ成長の成果を引き出せるかがカギとなります。
▼敵勢力
・アンナ=リーナ曹長 機導師 全てのスキルを使用可能
隊の指揮官。全体的に高い水準を誇るアベレージファイターだが、突出したステータスもない。
武器は全長1.5mほどの大型パイルバンカー。
・フィオーレ軍曹 猟撃士 Lv35相当までのスキルを使用
狂気事件を最後まで戦い抜いた唯一の隊員。自分で何もしようとしない根っからのお嬢様気質だったが、狂気事件で隊の仲間が減っていくにつれて自立心が芽生えている。ライフルによる狙撃の腕は元から一流で、射線さえ通れば飛ぶ鳥でも落としてみせる。
・ピーノ 疾影士 Lv30相当までのスキルを使用
半年ほど狂気事件の負傷で入院していたが、回復により復帰。レイピアと魔導銃による距離を選ばない戦闘が持ち味。頭脳派で真面目ゆえに他人の力を信じられないところがあったが、いい意味で人を使うということを学びつつある。
・バン 闘狩人 Lv25相当までのスキルを使用
1年半ほど狂気事件の被害を受けて入院していたが、同事件が解決したことにより復帰。身の丈はある大剣が武器のパワー特化ファイター。入隊時は猪突猛進だったが、次第に周りを見ることを覚えて来た。
弾薬は用意されたペイント弾を。
魔法は負傷しない程度に手加減し、刃物は寸止めがルールです。
ジャッジとしてアンナの先輩であるヴィットリオがついていますが、流石に全てをカバーすることはできませんのでフェアに参りましょう。
それ以外に関しては実戦形式の何でもアリです。
兵器やアイテムの貸し出しは一切できませんが、持ち込んだものであれば何をどう戦闘に役立てても構いません。
こちらも同様に軍の持つ様々な資材や手段を用いて応対いたします。
互いに全力でぶつかり、結果としてどれだけ成長の成果を引き出せるかがカギとなります。
▼敵勢力
・アンナ=リーナ曹長 機導師 全てのスキルを使用可能
隊の指揮官。全体的に高い水準を誇るアベレージファイターだが、突出したステータスもない。
武器は全長1.5mほどの大型パイルバンカー。
・フィオーレ軍曹 猟撃士 Lv35相当までのスキルを使用
狂気事件を最後まで戦い抜いた唯一の隊員。自分で何もしようとしない根っからのお嬢様気質だったが、狂気事件で隊の仲間が減っていくにつれて自立心が芽生えている。ライフルによる狙撃の腕は元から一流で、射線さえ通れば飛ぶ鳥でも落としてみせる。
・ピーノ 疾影士 Lv30相当までのスキルを使用
半年ほど狂気事件の負傷で入院していたが、回復により復帰。レイピアと魔導銃による距離を選ばない戦闘が持ち味。頭脳派で真面目ゆえに他人の力を信じられないところがあったが、いい意味で人を使うということを学びつつある。
・バン 闘狩人 Lv25相当までのスキルを使用
1年半ほど狂気事件の被害を受けて入院していたが、同事件が解決したことにより復帰。身の丈はある大剣が武器のパワー特化ファイター。入隊時は猪突猛進だったが、次第に周りを見ることを覚えて来た。
マスターより
おはようございます、のどかです。
同盟の怪異騒ぎから数か月、ようやくリリースできましたエスト小隊〆のお話です。
これを最後に同隊は解散して、アンナ自身も今後の事を見つめなおします。
とは言えそれと模擬戦とはまた別の話。
今だからこそもう一度全力でぶつかれる人間同士の勝負をとことん楽しみましょう。
質問がありましたら別途卓を立ててご用命ください。
みな様の参加をお待ちしております!
同盟の怪異騒ぎから数か月、ようやくリリースできましたエスト小隊〆のお話です。
これを最後に同隊は解散して、アンナ自身も今後の事を見つめなおします。
とは言えそれと模擬戦とはまた別の話。
今だからこそもう一度全力でぶつかれる人間同士の勝負をとことん楽しみましょう。
質問がありましたら別途卓を立ててご用命ください。
みな様の参加をお待ちしております!
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/06/06 00:58
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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質問卓 鬼塚 陸(ka0038) 人間(リアルブルー)|22才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/05/19 23:18:05 |
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相談卓 クリス・クロフォード(ka3628) 人間(リアルブルー)|18才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/05/22 00:56:16 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/05/19 20:19:07 |