ゲスト
(ka0000)
【羽冠】知追う者、イスルダ島を視察する?
マスター:狐野径

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/05/22 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/05/31 22:00
オープニング
●しがらみ
グラズヘイム王国のとある町、領主のイノア・クリシスは色々な手紙を受け取り困惑した。
派閥が異なるところから誘いやら脅しやら色々来ている。裏工作から、実際行動しないと問題の内容もあったり、イノアは判断に困っている。相談したこの町のエクラ教の責任者も「下手に受けない訳にもいかない、しかし」と目を伏せる。
この町も隣も比較的穏やかだ。王女のことも貴族のことも静観に近い様子。
田舎町と言えばその通りで、主要街道からも外れている。だから穏やかなのかもしれない。
「イスルダ島の調査の手伝い……人員を出すのは」
難しい。
兵の数すら最低限のクリシス側は本当に無理だ。
「そういえば、お父様は開拓したいという民間の人にお金は出していたわね……」
お金の動きは分かっている。あくまで領主はイノアなのだから。
「……お父様に相談すると……」
厄介だからと出向くに違いない。港にいる分には安全という話もあるが、行ったらそれで終わるかわからない。
「……誰か相談できる方が……」
イノアは解決できないまま手紙を執務室に置いて一晩おいた。
翌日、父ウィリアム・クリシスに「イスルダ島に行ってくるよ」と言われた。
「わたくしが信用できませんか! 勝手に手紙を見るなんて!」
「……え? いや、手紙は見ていないよ? 教会の人が相談に来たんだ」
そのルートで行くことをイノアは考えていなかった。教会の人間はウィリアムについて良くも悪くも気にしている。
「でも、イスルダ島なんて危険すぎます! せめてハンターくらいは雇ってください」
負のマテリアルのことを考えるとそれが重要だ。非覚醒者である父は何かのはずみで負のマテリアルに触れると、覚醒者より大変な目に合う。
「私としては、しっかりしているとは言え、イノアだけを置いていくのも不安なのだよ?」
「……それは……べリンガーさんに」
「そうなるね……」
二人はため息を吐く。
「イノア様、今よろしいでしょうか?」
騎士のジョージ・モースが取次でやってきた。
「大江 紅葉さまが近くに寄ったからといらっしゃっています」
「……紅葉様!」
飛んで火に来る夏の虫やら鴨葱とは思わなかったがそれに近い状況に違いはなかった。
紅葉のことは大変信用し、信頼し、姉がいたらこんなだといいなという人物とイノアは認識している。
イノアに打ち明けられた瞬間、紅葉の表情が一瞬凍り付いたのをウィリアムとジョージは見なかったことにした。
●休暇届がどうしてこうなる
紅葉は妹分のイノアの心配に盛大に「ついて行ってあげます」と滑らかに答えたまでは良かった。
紅葉はエトファリカ連邦国の陰陽寮に席を置く役人だ。役人がそんなに休めない。陰陽寮は特殊な部分もあるため、長期現場に詰めていることもありうる。
が、今回はは他国のことであり、どうやって理由をつけるかで悩む。とはいえ、意外とするすると理由を付けたが、師匠であり兄弟子であり、兄がいたらこんなだろうかと思う相手に相談する。まあ、紅葉の場合、従兄弟がいたので兄ってこんなかということで幻想は抱いていない。
「師匠、おはようございます」
同じ屋根の下に暮らす上司で師匠で兄弟子の吉備 灯世に朝のあいさつする。
「どうした、朝からその顔」
まじめな顔をしていることを指している。
「実は――」
経緯を語った。
「……結局、歪虚支配地域の扱いはこっちでもあったわけだし、それを盾に言えばいい」
「でも、下手なことを言うと、国の動きみたいになってしまいますよ」
「そのあたりは、これをこうしてだな」
「……なるほど」
二人はにこにこ笑顔で、公務に仕立てる届け出を書き上げたのだった。調査と研究というもっともらしいことを言う。
そのあと、灯世は別の動きを見せている。
幕府に寄り、知り合いのところで「護衛ほしいんだけど」と告げる。それはすでに暗黙の了解であるが、なかなか成就しない恋愛物語の符号だった。
「それにしても……あなたは武家に対して何も思わないのか不思議です」
「それを言うなら、あなたもだ」
双方、にこにこ笑顔。類は友を呼ぶのだった。
●洋装でも大丈夫な人、駄目な人
グラズヘイム王国のとある地域の領主だったウィリアムは物資と人を載せた船でイスルダ島に向かった。無事到着後、ウィリアムは感慨深げに港を見る。
「ここにニコラスもいたんだな……」
唐突に今は亡き息子を思い出す。ニコラス・クリシスは歪虚となり、紆余曲折の上、この島に一時的にいたという。
「クリシス殿、紅葉殿のあれを止めなくていいですか?」
クリシス家の騎士が着ている服をまとった松永 光頼がウィリアムの側に控えため息を漏らしている。エトファリカ連邦国の人間であるというのも明確にわかるのもいかがなものかということでウィリアムのところの者ということがわかる服装になったのだ。
一方で紅葉はいつもの服装。洋装を試みたが好みを探す以外に似合わないという問題が難関として立ちふさがった。
現在、空を見て、地面を見て、海を見て、あれは何かこれは何か確認に走り回っているのだ。鬱陶しいし、何歳の子供だろうかという状況だ。
「……ハンターと言い張ればいいという話だからね」
「……にしても、目立つんですよね」
紅葉はハンターという触れ込みになっている、顔が知られていない役人は楽である。
「邪魔にならない程度に邪魔」
はしゃいでいたのは良かった。
膝をついて、倒れた。
「紅葉殿!」
二人は駆けよる。
真っ青な顔の紅葉は吐いていた。
「……そういえば、船の上から妙な行動していたな」
「……そうですね」
船酔いをしていたらしい。それを悟られないよう、好奇心と気力でどうにかしていたのだと思われる。
「……楽しいですぅう……うぷっ……」
「……」
二人はひとまず紅葉を運ぶ。
「……それほど楽しくはないと思うんですが、他の者を気遣っているのです」
「なぜ?」
「紅葉殿実家の回りも似たり寄ったりでしたし」
光頼は思いたい、紅葉が自分を奮い立たせるためはしゃいでいるふりをしているのだと。
ウィリアムはなんとなく「彼女の素じゃないかな」と思っている。しかし、つらそうな光頼を見て、同意をしておいた。
「さて、本来なら神殿跡地まで行きたいのだ」
その言葉に紅葉と光頼は眉を寄せる。もしもの浄化のために紅葉がいることはいるが、それでウィリアムを守り切るかはわからない。
「そこまで不安そうな顔をしないでほしい。さすがに状況もわからずにいかないから」
ウィリアムの指示は、港や道の安全確保のための見回りだった。
グラズヘイム王国のとある町、領主のイノア・クリシスは色々な手紙を受け取り困惑した。
派閥が異なるところから誘いやら脅しやら色々来ている。裏工作から、実際行動しないと問題の内容もあったり、イノアは判断に困っている。相談したこの町のエクラ教の責任者も「下手に受けない訳にもいかない、しかし」と目を伏せる。
この町も隣も比較的穏やかだ。王女のことも貴族のことも静観に近い様子。
田舎町と言えばその通りで、主要街道からも外れている。だから穏やかなのかもしれない。
「イスルダ島の調査の手伝い……人員を出すのは」
難しい。
兵の数すら最低限のクリシス側は本当に無理だ。
「そういえば、お父様は開拓したいという民間の人にお金は出していたわね……」
お金の動きは分かっている。あくまで領主はイノアなのだから。
「……お父様に相談すると……」
厄介だからと出向くに違いない。港にいる分には安全という話もあるが、行ったらそれで終わるかわからない。
「……誰か相談できる方が……」
イノアは解決できないまま手紙を執務室に置いて一晩おいた。
翌日、父ウィリアム・クリシスに「イスルダ島に行ってくるよ」と言われた。
「わたくしが信用できませんか! 勝手に手紙を見るなんて!」
「……え? いや、手紙は見ていないよ? 教会の人が相談に来たんだ」
そのルートで行くことをイノアは考えていなかった。教会の人間はウィリアムについて良くも悪くも気にしている。
「でも、イスルダ島なんて危険すぎます! せめてハンターくらいは雇ってください」
負のマテリアルのことを考えるとそれが重要だ。非覚醒者である父は何かのはずみで負のマテリアルに触れると、覚醒者より大変な目に合う。
「私としては、しっかりしているとは言え、イノアだけを置いていくのも不安なのだよ?」
「……それは……べリンガーさんに」
「そうなるね……」
二人はため息を吐く。
「イノア様、今よろしいでしょうか?」
騎士のジョージ・モースが取次でやってきた。
「大江 紅葉さまが近くに寄ったからといらっしゃっています」
「……紅葉様!」
飛んで火に来る夏の虫やら鴨葱とは思わなかったがそれに近い状況に違いはなかった。
紅葉のことは大変信用し、信頼し、姉がいたらこんなだといいなという人物とイノアは認識している。
イノアに打ち明けられた瞬間、紅葉の表情が一瞬凍り付いたのをウィリアムとジョージは見なかったことにした。
●休暇届がどうしてこうなる
紅葉は妹分のイノアの心配に盛大に「ついて行ってあげます」と滑らかに答えたまでは良かった。
紅葉はエトファリカ連邦国の陰陽寮に席を置く役人だ。役人がそんなに休めない。陰陽寮は特殊な部分もあるため、長期現場に詰めていることもありうる。
が、今回はは他国のことであり、どうやって理由をつけるかで悩む。とはいえ、意外とするすると理由を付けたが、師匠であり兄弟子であり、兄がいたらこんなだろうかと思う相手に相談する。まあ、紅葉の場合、従兄弟がいたので兄ってこんなかということで幻想は抱いていない。
「師匠、おはようございます」
同じ屋根の下に暮らす上司で師匠で兄弟子の吉備 灯世に朝のあいさつする。
「どうした、朝からその顔」
まじめな顔をしていることを指している。
「実は――」
経緯を語った。
「……結局、歪虚支配地域の扱いはこっちでもあったわけだし、それを盾に言えばいい」
「でも、下手なことを言うと、国の動きみたいになってしまいますよ」
「そのあたりは、これをこうしてだな」
「……なるほど」
二人はにこにこ笑顔で、公務に仕立てる届け出を書き上げたのだった。調査と研究というもっともらしいことを言う。
そのあと、灯世は別の動きを見せている。
幕府に寄り、知り合いのところで「護衛ほしいんだけど」と告げる。それはすでに暗黙の了解であるが、なかなか成就しない恋愛物語の符号だった。
「それにしても……あなたは武家に対して何も思わないのか不思議です」
「それを言うなら、あなたもだ」
双方、にこにこ笑顔。類は友を呼ぶのだった。
●洋装でも大丈夫な人、駄目な人
グラズヘイム王国のとある地域の領主だったウィリアムは物資と人を載せた船でイスルダ島に向かった。無事到着後、ウィリアムは感慨深げに港を見る。
「ここにニコラスもいたんだな……」
唐突に今は亡き息子を思い出す。ニコラス・クリシスは歪虚となり、紆余曲折の上、この島に一時的にいたという。
「クリシス殿、紅葉殿のあれを止めなくていいですか?」
クリシス家の騎士が着ている服をまとった松永 光頼がウィリアムの側に控えため息を漏らしている。エトファリカ連邦国の人間であるというのも明確にわかるのもいかがなものかということでウィリアムのところの者ということがわかる服装になったのだ。
一方で紅葉はいつもの服装。洋装を試みたが好みを探す以外に似合わないという問題が難関として立ちふさがった。
現在、空を見て、地面を見て、海を見て、あれは何かこれは何か確認に走り回っているのだ。鬱陶しいし、何歳の子供だろうかという状況だ。
「……ハンターと言い張ればいいという話だからね」
「……にしても、目立つんですよね」
紅葉はハンターという触れ込みになっている、顔が知られていない役人は楽である。
「邪魔にならない程度に邪魔」
はしゃいでいたのは良かった。
膝をついて、倒れた。
「紅葉殿!」
二人は駆けよる。
真っ青な顔の紅葉は吐いていた。
「……そういえば、船の上から妙な行動していたな」
「……そうですね」
船酔いをしていたらしい。それを悟られないよう、好奇心と気力でどうにかしていたのだと思われる。
「……楽しいですぅう……うぷっ……」
「……」
二人はひとまず紅葉を運ぶ。
「……それほど楽しくはないと思うんですが、他の者を気遣っているのです」
「なぜ?」
「紅葉殿実家の回りも似たり寄ったりでしたし」
光頼は思いたい、紅葉が自分を奮い立たせるためはしゃいでいるふりをしているのだと。
ウィリアムはなんとなく「彼女の素じゃないかな」と思っている。しかし、つらそうな光頼を見て、同意をしておいた。
「さて、本来なら神殿跡地まで行きたいのだ」
その言葉に紅葉と光頼は眉を寄せる。もしもの浄化のために紅葉がいることはいるが、それでウィリアムを守り切るかはわからない。
「そこまで不安そうな顔をしないでほしい。さすがに状況もわからずにいかないから」
ウィリアムの指示は、港や道の安全確保のための見回りだった。
解説
港の周囲を見回ろう。
午前中に出て昼過ぎに帰ってくる。
●見回りでありそうなこと
けがをした兵士と出会う。
雑魔と出会う。
紅葉が好奇心に負けて駆け出す、など。
●NPC
・ウィリアム・クリシス とある地域の元領主。隠居だけど元気なので貴族間のパワーゲームでバランサーを演じている感じ。基本的に港にいて、指示を出す。神殿の方も見に行ったほうがいいのかなと考え中。念のため、息子は憂悦孤唱プエル(kz0127)。
・大江 紅葉 符術師。エトファリカ連邦国陰陽寮所属。浄化一択。戦闘は弓を少々。味方に当てない程度の腕前。何事もなかったらハンターについていき、メモを書く。余談だが、光頼について頼れる人だと思っている。
・松永 光頼 闘狩人。エトファリカ連邦国幕府所属武人だけれども現在はクリシス家の騎士という肩書。まじめが服を着ているタイプ。紅葉については目が離せない人だと思っている。
●雑魔
・獣系 噛みつく、ひっかく、飛び掛かる
・鳥系 突く、ひっかく、何かを落とす
※調べるならば、たまり場になっている場所がある……かも?
●地形
荒野に近いですが、岩があったり、木があったりします。
人が多く通ったところは道になっています。
紅葉の目を引くものがあるかは……なさそうなのですが。
午前中に出て昼過ぎに帰ってくる。
●見回りでありそうなこと
けがをした兵士と出会う。
雑魔と出会う。
紅葉が好奇心に負けて駆け出す、など。
●NPC
・ウィリアム・クリシス とある地域の元領主。隠居だけど元気なので貴族間のパワーゲームでバランサーを演じている感じ。基本的に港にいて、指示を出す。神殿の方も見に行ったほうがいいのかなと考え中。念のため、息子は憂悦孤唱プエル(kz0127)。
・大江 紅葉 符術師。エトファリカ連邦国陰陽寮所属。浄化一択。戦闘は弓を少々。味方に当てない程度の腕前。何事もなかったらハンターについていき、メモを書く。余談だが、光頼について頼れる人だと思っている。
・松永 光頼 闘狩人。エトファリカ連邦国幕府所属武人だけれども現在はクリシス家の騎士という肩書。まじめが服を着ているタイプ。紅葉については目が離せない人だと思っている。
●雑魔
・獣系 噛みつく、ひっかく、飛び掛かる
・鳥系 突く、ひっかく、何かを落とす
※調べるならば、たまり場になっている場所がある……かも?
●地形
荒野に近いですが、岩があったり、木があったりします。
人が多く通ったところは道になっています。
紅葉の目を引くものがあるかは……なさそうなのですが。
マスターより
こんにちは、狐野径です。
イスルダ島になぜかやってきたエトファリカの役人と武人。紅葉は好奇心で走る癖が過去にあるので……旅の恥はかき捨てが命取りになりかねない恐ろしさ。
エトファリカは今でこそあちこち自由に行っていますが、天ノ都周辺以外は歪虚支配地域となっていたところが多い土地です。紅葉の住んでいたところもようやく戻っている状況です。紅葉&光頼はイスルダ島に対して近い何かを感じていますし、協力はしたいと思っています。
さて、今回はイスルダ島の拠点周辺の見回りです。
よろしくお願いします。
イスルダ島になぜかやってきたエトファリカの役人と武人。紅葉は好奇心で走る癖が過去にあるので……旅の恥はかき捨てが命取りになりかねない恐ろしさ。
エトファリカは今でこそあちこち自由に行っていますが、天ノ都周辺以外は歪虚支配地域となっていたところが多い土地です。紅葉の住んでいたところもようやく戻っている状況です。紅葉&光頼はイスルダ島に対して近い何かを感じていますし、協力はしたいと思っています。
さて、今回はイスルダ島の拠点周辺の見回りです。
よろしくお願いします。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/05/29 20:29
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談 ステラ・フォーク(ka0808) 人間(リアルブルー)|12才|女性|霊闘士(ベルセルク) |
最終発言 2018/05/22 21:31:15 |
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![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/05/22 18:30:33 |