ゲスト
(ka0000)
よさげな物件ないですか
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在7人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2018/06/03 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/06/12 19:00
オープニング
●辺境・タホ郷
カチャはタホ郷に戻っていた。農作業を手伝うために。
タホ郷は冷涼な山岳地帯にあるので春が遅い。今がちょうど作付けの時期なのだ。
以下はその作業中、母ケチャと彼女との間に交わされた会話である。
「カチャ、あなた例の彼女と結婚する気なのよね?」
「えっ、はい、その、はい、そうです一応……」
「そう。じゃあそれ、来年の春にしてくれない?」
「えっ」
「えっ、て。結婚するんでしょう?」
「それはまあいつかはその、でも、なんでいきなりそんな具体的に時期を設定してくるのかなってその」
「丁度いいからよ。あなたここ数年ずっと郷に住んでないから詳しく知らないでしょうけど、来年の春はタホ郷、結婚ラッシュなの。うちの近所だけでも3件。アブンさんのところの娘さんに、ツエペさんのところの息子さん、イマさんのところの息子さん。郷全体だと9件にもなってね。全部を別々にやると時間も手間も取られてしまうから、合同でやったらどうかっていう話になって――この間の総会で。だから、ついでにあなたのも一緒にしたらいいんじゃないかと思ってね。どう?」
「どうって言われても、相手のあることだし私の一存じゃ決められないし」
「あらそう。まあ、まだ春までに十分時間があるから、明日あさってに結論を出さなくてもいいけど……考えてはおきなさい?」
●冒険都市リゼリオ
(……新しい部屋探そうかな。結婚のことがあってもなくても、いつまでもアレックスさんにお世話になり続けるわけにもいかないし。私もう成人してるし、1人でだって部屋を借りられないことはないはず……)
つらつら考えながらカチャは、リゼリオのアパートに戻ってくる。
すると後見人兼同居人であるアレックスに、意外なことを言われた。
「なあカチャ、お前この部屋に住み続ける気はあるか。もしあるなら、譲ってもいいと思うんだけどよ。俺は来年の春には、ここを出て行くことにしようと思うから」
「えっ。な、なんですいきなり。どうしてです?」
「いやな……ジュアンと結婚することになってな……来年の春。そんでさ、一緒に住むことになって。そうじゃないと承知しねえってあいつが脅――言うからな」
初耳であるが寝耳に水という感じはしない。
なんとなくそういう流れになるんじゃないかなという気はしていたのだ。この間過去の恋人の件でジュアンともめ倒していた時点で。
「そうですか。おめでとうございます。でもそれなら、お二人で一緒にここに住まわれたらどうです? 実は私もここを出て、別の部屋を借りようかなって思ってるんです」
と言ってカチャはアレックスに、故郷での一件を伝えた。
「そうか。いや、でも俺な、ジェオルジに越す予定でな……だからどっちみちこの部屋、いらなくなるんだよ」
「ジュアンさんはリゼリオに来てくれないんですか?」
「ない」
これは相当強く相手から言われているなということを、アレックスの語調から感じとるカチャ。話題を変える。
「そういえばジェオルジ支局、モンキチに吹き飛ばされたと聞きましたけど――その後どうなってるんですかね」
「ああ、あれなら数日後に仮営業所が建ったぜ。マリーとジュアンはそこで仕事してる」
●ジェオルジ
ハンターオフィス・ジェオルジ支局があった場所では、再建工事が行われていた。
歪虚の攻撃によって吹き飛ばされた場所にまず土を盛り神霊樹の分樹を植え直す。
それから、改めて四方に土台を築いて行く。完全復旧まで一月はかかるそうだ。
その工事現場かの近くには真四角の建物が2棟並んでいる。色は砂色。
右の一軒には『ハンターオフィス・ジェオルジ支局臨時営業所』の表札、左の一軒には『臨時コボちゃんハウス』の表札がかけられている。
支局職員のマリーとジュアンは工事現場のすぐ横にある仮設オフィスの窓から、工事の進捗具合を眺めている。
「早く出来るといいんだけどねー」
「そうだね。まあ、こうやって仮営業所がすぐ来たから仕事自体には支障ないんだけどさ」
と言いながらジュアンは、壁の掲示板を見た。
数々の依頼に交じってそこには、一枚のポスターが貼られている。
緑の島がいろんな角度から撮影された写真と、以下の文字。
『ユニゾン島・市民募集中。詳細は窓口に置いてあるパンフレットをご覧ください』
首をクルリと反対方向に回す。
そこには応接ソファに座りのんべんだらりしているナルシスがいる。
オフィス支局が歪虚の襲撃にあって吹き飛んだ後、彼の姉のニケが商会を通じてマゴイに連絡を取り、急遽この仮設住宅を借り受けてきたのだそうだ。先方には『ユニオンを広く世間に知ってもらういい機会になりますよ』とか言いくるめたらしい(そのお陰であのポスターがついてきたのだ。ついでにパンフレットも)。
この手の打ち方の早さ。弟を養ってくれている相手に失職されては困るという強固な意志の現れだろうか。
それにしても四角い。四角すぎて家というより箱の中にいる感じがしなくもない。何事も慣れではあろうが何故マゴイは、というかユニオンは、こんなにも四角形を偏愛するのであろうか。
「そういえば今度の春郷祭、ユニゾン島も参加するんだってね」
「うん、どうもそうみたい。何を持ってくるのか謎だけど。それはそれとしてジュアン、あんた、新しい転居先探してるんだって?」
「うん。春までには決めたいなって。アレックスと一緒に住むには、今の借家じゃ手狭だからね」
「結局向こうをこっちに呼ぶんだ?」
「当然だよ。目が届かないと何をするか分からないしねアレックスは」
●冒険都市リゼリオ
カチャはひとまず、不動産屋で賃貸物件を見て回ることにした。
(とりあえず、リゼリオから出たくはないかなー。町中の方が便利だし)
毎月返済しなければならないローンも背負っているので、なるべく可能な限り穏当な家賃がいいのだが……と思案しながら張り紙を見て回る。
カチャはタホ郷に戻っていた。農作業を手伝うために。
タホ郷は冷涼な山岳地帯にあるので春が遅い。今がちょうど作付けの時期なのだ。
以下はその作業中、母ケチャと彼女との間に交わされた会話である。
「カチャ、あなた例の彼女と結婚する気なのよね?」
「えっ、はい、その、はい、そうです一応……」
「そう。じゃあそれ、来年の春にしてくれない?」
「えっ」
「えっ、て。結婚するんでしょう?」
「それはまあいつかはその、でも、なんでいきなりそんな具体的に時期を設定してくるのかなってその」
「丁度いいからよ。あなたここ数年ずっと郷に住んでないから詳しく知らないでしょうけど、来年の春はタホ郷、結婚ラッシュなの。うちの近所だけでも3件。アブンさんのところの娘さんに、ツエペさんのところの息子さん、イマさんのところの息子さん。郷全体だと9件にもなってね。全部を別々にやると時間も手間も取られてしまうから、合同でやったらどうかっていう話になって――この間の総会で。だから、ついでにあなたのも一緒にしたらいいんじゃないかと思ってね。どう?」
「どうって言われても、相手のあることだし私の一存じゃ決められないし」
「あらそう。まあ、まだ春までに十分時間があるから、明日あさってに結論を出さなくてもいいけど……考えてはおきなさい?」
●冒険都市リゼリオ
(……新しい部屋探そうかな。結婚のことがあってもなくても、いつまでもアレックスさんにお世話になり続けるわけにもいかないし。私もう成人してるし、1人でだって部屋を借りられないことはないはず……)
つらつら考えながらカチャは、リゼリオのアパートに戻ってくる。
すると後見人兼同居人であるアレックスに、意外なことを言われた。
「なあカチャ、お前この部屋に住み続ける気はあるか。もしあるなら、譲ってもいいと思うんだけどよ。俺は来年の春には、ここを出て行くことにしようと思うから」
「えっ。な、なんですいきなり。どうしてです?」
「いやな……ジュアンと結婚することになってな……来年の春。そんでさ、一緒に住むことになって。そうじゃないと承知しねえってあいつが脅――言うからな」
初耳であるが寝耳に水という感じはしない。
なんとなくそういう流れになるんじゃないかなという気はしていたのだ。この間過去の恋人の件でジュアンともめ倒していた時点で。
「そうですか。おめでとうございます。でもそれなら、お二人で一緒にここに住まわれたらどうです? 実は私もここを出て、別の部屋を借りようかなって思ってるんです」
と言ってカチャはアレックスに、故郷での一件を伝えた。
「そうか。いや、でも俺な、ジェオルジに越す予定でな……だからどっちみちこの部屋、いらなくなるんだよ」
「ジュアンさんはリゼリオに来てくれないんですか?」
「ない」
これは相当強く相手から言われているなということを、アレックスの語調から感じとるカチャ。話題を変える。
「そういえばジェオルジ支局、モンキチに吹き飛ばされたと聞きましたけど――その後どうなってるんですかね」
「ああ、あれなら数日後に仮営業所が建ったぜ。マリーとジュアンはそこで仕事してる」
●ジェオルジ
ハンターオフィス・ジェオルジ支局があった場所では、再建工事が行われていた。
歪虚の攻撃によって吹き飛ばされた場所にまず土を盛り神霊樹の分樹を植え直す。
それから、改めて四方に土台を築いて行く。完全復旧まで一月はかかるそうだ。
その工事現場かの近くには真四角の建物が2棟並んでいる。色は砂色。
右の一軒には『ハンターオフィス・ジェオルジ支局臨時営業所』の表札、左の一軒には『臨時コボちゃんハウス』の表札がかけられている。
支局職員のマリーとジュアンは工事現場のすぐ横にある仮設オフィスの窓から、工事の進捗具合を眺めている。
「早く出来るといいんだけどねー」
「そうだね。まあ、こうやって仮営業所がすぐ来たから仕事自体には支障ないんだけどさ」
と言いながらジュアンは、壁の掲示板を見た。
数々の依頼に交じってそこには、一枚のポスターが貼られている。
緑の島がいろんな角度から撮影された写真と、以下の文字。
『ユニゾン島・市民募集中。詳細は窓口に置いてあるパンフレットをご覧ください』
首をクルリと反対方向に回す。
そこには応接ソファに座りのんべんだらりしているナルシスがいる。
オフィス支局が歪虚の襲撃にあって吹き飛んだ後、彼の姉のニケが商会を通じてマゴイに連絡を取り、急遽この仮設住宅を借り受けてきたのだそうだ。先方には『ユニオンを広く世間に知ってもらういい機会になりますよ』とか言いくるめたらしい(そのお陰であのポスターがついてきたのだ。ついでにパンフレットも)。
この手の打ち方の早さ。弟を養ってくれている相手に失職されては困るという強固な意志の現れだろうか。
それにしても四角い。四角すぎて家というより箱の中にいる感じがしなくもない。何事も慣れではあろうが何故マゴイは、というかユニオンは、こんなにも四角形を偏愛するのであろうか。
「そういえば今度の春郷祭、ユニゾン島も参加するんだってね」
「うん、どうもそうみたい。何を持ってくるのか謎だけど。それはそれとしてジュアン、あんた、新しい転居先探してるんだって?」
「うん。春までには決めたいなって。アレックスと一緒に住むには、今の借家じゃ手狭だからね」
「結局向こうをこっちに呼ぶんだ?」
「当然だよ。目が届かないと何をするか分からないしねアレックスは」
●冒険都市リゼリオ
カチャはひとまず、不動産屋で賃貸物件を見て回ることにした。
(とりあえず、リゼリオから出たくはないかなー。町中の方が便利だし)
毎月返済しなければならないローンも背負っているので、なるべく可能な限り穏当な家賃がいいのだが……と思案しながら張り紙を見て回る。
解説
補足説明
これはNPCの新居捜しについて、助言したり手伝ったりすることを目的とするシナリオです。
助言や手伝いをした後は、それぞれ自由行動してくださってかまいません。
日常です。戦いはありません。
いつのまにかユニオンが商会経由で、ジェオルジに進出してきています。
これはNPCの新居捜しについて、助言したり手伝ったりすることを目的とするシナリオです。
助言や手伝いをした後は、それぞれ自由行動してくださってかまいません。
日常です。戦いはありません。
いつのまにかユニオンが商会経由で、ジェオルジに進出してきています。
マスターより
KINUTAです。
NPCたちは、それぞれ人生の次のステージに向け歩んでいる模様。
時は進んでないように見えて、進んでおります。
NPCたちは、それぞれ人生の次のステージに向け歩んでいる模様。
時は進んでないように見えて、進んでおります。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/06/09 13:03
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 マルカ・アニチキン(ka2542) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/06/02 21:16:48 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/02 21:11:55 |