ゲスト
(ka0000)
【春郷祭】オートマトンは人ですか?
マスター:KINUTA

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- やや難しい
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在11人 / 1~25人
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 8日
- プレイング締切
- 2018/06/14 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/06/28 19:00
オープニング
ジェオルジ名物、各村郷が集い競っての一大イベント――春郷祭が今年も始まる。
●
朝。なだらかな牧草地帯に設えられた春郷祭会場。
出店ブースの一番端は、からっぽだ。他の場所はすべてテントが張られ、売り子もスタンバイしているのに。
うさぐるみ英霊のぴょこはそわそわと、その前を歩き回る。刑務所屋台前に控えているスペットに話しかける。
『マゴイ遅いのう。遅いのう。もうすぐ祭りが始まってしまうのじゃ』
「なーθ、あいつほんまに来るいうたんか?」
『言うたのじゃ。マゴイ、店を出すことに乗り気であったぞ。ユニオンのことをもっと広く知ってもらえれば、市民が増えるかも知れないというてな。今回はコボルドたち、全員連れてくるらしいぞよ。去年の視察により、この催しがワーカーにとって危険なものではないと確認出来たから、じゃと』
「全員て、確か40匹はおったな。このスペースに入るんか?」
そんなことを話している間に、祭り開催の時刻が来てしまう。
軽快な笛の音。そしてアナウンス。
<皆さん、大変長らくお待たせいたしました。只今よりジェオルジ春郷祭、開催いたします>
その時である。ぴょことスペットの目の前にある空間がぺろんと剥げ、サイコロのごとき建造物が現れた。
入り口から出て来たのは――もちろんマゴイ。白い日傘を持っている。
その後ろからわふわふしながらコボルドたちの集団が出て来た。皆白いネクタイを身につけている。
『おー、来たか来たかマゴイよ、そしてコボルドたちよ。もしかして祭りのこと忘れておるのではないかと、心配しておったぞよ』
『……忘れていないわ……昨日から店舗はこちらに送っていたし……』
「は? ほんまかいな。なんで隠してたんや」
『……開催日時は今日……開催時刻は今この時間……そう決められている……ならぴったりに合わせなければ……ワーカーに時間外労働をさせてはならない……』
「お前らしい理屈やな。しかしその傘はなんやねんな」
『……またこの祭りに行くということでワーカーたちが……この前預けた傘を私に持っていってほしいと言ってね……私としては特に必要はないのだけど……』
コボルドたちはマゴイが日傘を手にしているのを見て、満足げに尻尾を振っていた。
自分たちがあげたものを彼女が使ってくれているというのが、うれしいのだろう。
「わし、わし!」
耳慣れた声が聞こえて来た。
コボちゃんである。仲間が来るというので、急遽遊びに来たのだ。コボルドたちは喜んで彼を迎えた。
「うう、わん!」「うぉー」「わん!」
●
ジェオルジ春郷祭。カチャは仲間とともにそぞろ歩きしている。
「今年はマゴイさんたちも出店してるらしいですよ」
「へー。どこにあるのかな」
「あ、あれじゃないですか?」
「間違いない。あれだな」
その出店は他の店とはスタイルにおいて一線を画していた。平たく言って四角である。箱である。
窓の部分には外側に向けラックがかかっており、白い花の植わったコップが並んでいた。
そして正面入り口にはこんな但し書きが張り付けてあった。
《営業時間9:00~12:00-13:00~16:00 *12:00~13:00は休憩時間のため営業を休止いたします。店内へのオートマトン持ち込みは禁止されています。必ずご遠慮ください。》
「……マゴイさんらしいというか何というか……」
「昼時なんか、一番の稼ぎ時だと思うんだがなー。終わるのも早すぎないか?」
「売上にはこだわってないんですよ、多分。競争原理の真逆を目指してるのがユニオンですし」
口々に評しつつ中に入ってみたハンターたちは、一様に戸惑った。
なんだか妙に奥行きがある。ウナギの寝床といった感じ……。
一度外に出て、もう一度中に入ってみる。
やっぱり、見た目と中の広さが違う。
折よく近くにマゴイがいたので、聞いてみる。すると、以下の答え。
『……空間操作をしているのよ……ワーカーを無理なく収容出来るように……』
店舗内部は低い壁でいくつかの区画に仕切られていた。それぞれに食器類、食品、花が並べてあり、コボルドが売り子をしている。
そのうちの一つに、テーブルと椅子が並んだ休憩所とおぼしきものがあった。
そこに眼鏡をかけ、黒髪を一つに束ねている娘が腰掛けている。
カチャはその人物に見覚えがあった。ので、早速近づき挨拶をする。
「あ、ニケさん。こんにちは」
「ああ、これはカチャさん。こんにちは」
「郷祭へ遊びに来られたんですか?」
「いえ、仕事です。マゴイさんとちょっとした商談をね、していたんですよ」
彼女らがそんな会話を交わしていたとき、店舗の前を、2人連れが通りがかった。
1人は人間の男性。ルーカス・ルーズベルト。
もう1人は男性――型オートマトン。ジョン・L。
ルーカスは店の中にいるニケの姿を見て、足を止める。
「あれ、グリーク商会さんとこのニケ嬢? この間はどうも――」
と言いながら店内に入ろうとした。
その直後、彼の隣にいたジョンが猛烈な勢いで店外へ弾き出される。マゴイが作った障壁によって。
マゴイの長い髪は、毛先が軽く持ち上がっていた。出し抜けに犬と遭遇した猫が毛を逆立てるみたいに。
実際彼女の心境はそれに近かった。忌避警戒するのが正しいと定義づけられている対象が、いきなり目の前に出てきたのだ。表情にはあまり出ないが、動揺している。
弾き飛ばされたジョンは何が起きたのか分からず、目を丸くしている。
ルーカスは当事者ではないだけに、今起きた出来事の原因がマゴイであることが分かった。なので、抗議する。
「おい、何だいきなり――」
『……オートマトンは店内持ち込み禁止……ちゃんとそう掲示してあるのに……何故読まないの……』
「は?」
ニケが立ち上がりルーカスに歩み寄った。そして、隅の方へ連れて行った。声を低めて話し始めた。
「ルーカスさん、マゴイさんは――」
一通り彼女から事情説明を受けたルーカスは、渋面を作る。
「じゃあ何か、ジョンはこの場にいることも許されないっていうのか?」
「端的に言えばそういうことになりますね」
「そこまでオートマトンを嫌う理由はなんなんだよ」
「さあ。そこは本人に聞いてみませんと。でもとりあえずジョンさんには、店の外で待っていただいた方がいいと思いますよ」
●
朝。なだらかな牧草地帯に設えられた春郷祭会場。
出店ブースの一番端は、からっぽだ。他の場所はすべてテントが張られ、売り子もスタンバイしているのに。
うさぐるみ英霊のぴょこはそわそわと、その前を歩き回る。刑務所屋台前に控えているスペットに話しかける。
『マゴイ遅いのう。遅いのう。もうすぐ祭りが始まってしまうのじゃ』
「なーθ、あいつほんまに来るいうたんか?」
『言うたのじゃ。マゴイ、店を出すことに乗り気であったぞ。ユニオンのことをもっと広く知ってもらえれば、市民が増えるかも知れないというてな。今回はコボルドたち、全員連れてくるらしいぞよ。去年の視察により、この催しがワーカーにとって危険なものではないと確認出来たから、じゃと』
「全員て、確か40匹はおったな。このスペースに入るんか?」
そんなことを話している間に、祭り開催の時刻が来てしまう。
軽快な笛の音。そしてアナウンス。
<皆さん、大変長らくお待たせいたしました。只今よりジェオルジ春郷祭、開催いたします>
その時である。ぴょことスペットの目の前にある空間がぺろんと剥げ、サイコロのごとき建造物が現れた。
入り口から出て来たのは――もちろんマゴイ。白い日傘を持っている。
その後ろからわふわふしながらコボルドたちの集団が出て来た。皆白いネクタイを身につけている。
『おー、来たか来たかマゴイよ、そしてコボルドたちよ。もしかして祭りのこと忘れておるのではないかと、心配しておったぞよ』
『……忘れていないわ……昨日から店舗はこちらに送っていたし……』
「は? ほんまかいな。なんで隠してたんや」
『……開催日時は今日……開催時刻は今この時間……そう決められている……ならぴったりに合わせなければ……ワーカーに時間外労働をさせてはならない……』
「お前らしい理屈やな。しかしその傘はなんやねんな」
『……またこの祭りに行くということでワーカーたちが……この前預けた傘を私に持っていってほしいと言ってね……私としては特に必要はないのだけど……』
コボルドたちはマゴイが日傘を手にしているのを見て、満足げに尻尾を振っていた。
自分たちがあげたものを彼女が使ってくれているというのが、うれしいのだろう。
「わし、わし!」
耳慣れた声が聞こえて来た。
コボちゃんである。仲間が来るというので、急遽遊びに来たのだ。コボルドたちは喜んで彼を迎えた。
「うう、わん!」「うぉー」「わん!」
●
ジェオルジ春郷祭。カチャは仲間とともにそぞろ歩きしている。
「今年はマゴイさんたちも出店してるらしいですよ」
「へー。どこにあるのかな」
「あ、あれじゃないですか?」
「間違いない。あれだな」
その出店は他の店とはスタイルにおいて一線を画していた。平たく言って四角である。箱である。
窓の部分には外側に向けラックがかかっており、白い花の植わったコップが並んでいた。
そして正面入り口にはこんな但し書きが張り付けてあった。
《営業時間9:00~12:00-13:00~16:00 *12:00~13:00は休憩時間のため営業を休止いたします。店内へのオートマトン持ち込みは禁止されています。必ずご遠慮ください。》
「……マゴイさんらしいというか何というか……」
「昼時なんか、一番の稼ぎ時だと思うんだがなー。終わるのも早すぎないか?」
「売上にはこだわってないんですよ、多分。競争原理の真逆を目指してるのがユニオンですし」
口々に評しつつ中に入ってみたハンターたちは、一様に戸惑った。
なんだか妙に奥行きがある。ウナギの寝床といった感じ……。
一度外に出て、もう一度中に入ってみる。
やっぱり、見た目と中の広さが違う。
折よく近くにマゴイがいたので、聞いてみる。すると、以下の答え。
『……空間操作をしているのよ……ワーカーを無理なく収容出来るように……』
店舗内部は低い壁でいくつかの区画に仕切られていた。それぞれに食器類、食品、花が並べてあり、コボルドが売り子をしている。
そのうちの一つに、テーブルと椅子が並んだ休憩所とおぼしきものがあった。
そこに眼鏡をかけ、黒髪を一つに束ねている娘が腰掛けている。
カチャはその人物に見覚えがあった。ので、早速近づき挨拶をする。
「あ、ニケさん。こんにちは」
「ああ、これはカチャさん。こんにちは」
「郷祭へ遊びに来られたんですか?」
「いえ、仕事です。マゴイさんとちょっとした商談をね、していたんですよ」
彼女らがそんな会話を交わしていたとき、店舗の前を、2人連れが通りがかった。
1人は人間の男性。ルーカス・ルーズベルト。
もう1人は男性――型オートマトン。ジョン・L。
ルーカスは店の中にいるニケの姿を見て、足を止める。
「あれ、グリーク商会さんとこのニケ嬢? この間はどうも――」
と言いながら店内に入ろうとした。
その直後、彼の隣にいたジョンが猛烈な勢いで店外へ弾き出される。マゴイが作った障壁によって。
マゴイの長い髪は、毛先が軽く持ち上がっていた。出し抜けに犬と遭遇した猫が毛を逆立てるみたいに。
実際彼女の心境はそれに近かった。忌避警戒するのが正しいと定義づけられている対象が、いきなり目の前に出てきたのだ。表情にはあまり出ないが、動揺している。
弾き飛ばされたジョンは何が起きたのか分からず、目を丸くしている。
ルーカスは当事者ではないだけに、今起きた出来事の原因がマゴイであることが分かった。なので、抗議する。
「おい、何だいきなり――」
『……オートマトンは店内持ち込み禁止……ちゃんとそう掲示してあるのに……何故読まないの……』
「は?」
ニケが立ち上がりルーカスに歩み寄った。そして、隅の方へ連れて行った。声を低めて話し始めた。
「ルーカスさん、マゴイさんは――」
一通り彼女から事情説明を受けたルーカスは、渋面を作る。
「じゃあ何か、ジョンはこの場にいることも許されないっていうのか?」
「端的に言えばそういうことになりますね」
「そこまでオートマトンを嫌う理由はなんなんだよ」
「さあ。そこは本人に聞いてみませんと。でもとりあえずジョンさんには、店の外で待っていただいた方がいいと思いますよ」
解説
補足説明。
これは春郷祭に参加し、祭りを楽しみ、今後のためにマゴイさんの意識を微調整する。そんなシナリオです。
大分新世界クリムゾンに馴染み、ユニオン思想に微修正を加えてきたマゴイさんではありますが、まだひとつ『オートマトンに対する排斥思考』という課題が手付かずのまま残っています。
マゴイさんにとってオートマトンは(NPC、PC問わず)、ユニオン市民の幸福を脅かす潜在的な脅威です。
今回はその固定観念に改善の道筋をつけられればと思っております。
ルーカス&ジョンについての詳細を知りたい方は、シナリオ「愛とは自由なものである」をご覧ください。
以下、留意点。
*マゴイさんは店内にオートマトンが入ってくることを許容出来ないのであって、オートマトンが店外にいるのなら特に干渉しない。歓迎もしないが。
*マゴイさんはオートマトンについて、エバーグリーンにいた時分からの意識がアップデート出来ていない。彼女の中では『オートマトン=人間に隷属する機械』である。自立した存在とは見ていない。従ってこの場合店舗に入ってきたジョンではなく、その所有者と見なされる(エバーグリーン同様、オートマトンには必ず所有者がいると彼女は思っている)ルーカスに文句を言っている。乗用車が店に突っ込んできた際、その車にではなくドライバーに文句を言うのと同じ感覚である。
今回の春郷祭におきましては、オリジナルアイテムの頒布があります。
アイテムが ほしい方は、マゴイさんのお店に立ち寄るという旨を、プレイングに明記してください。
アイテムの内訳は以下の3つ。
1:ソーサー&カップのセット。
2:花の種詰め合わせ。
3:インスタントキューブ食品。
どれでも好きなものをお選びください。
1PCに対するアイテム配布限度数は各1つ、全部で3つまでです。
これは春郷祭に参加し、祭りを楽しみ、今後のためにマゴイさんの意識を微調整する。そんなシナリオです。
大分新世界クリムゾンに馴染み、ユニオン思想に微修正を加えてきたマゴイさんではありますが、まだひとつ『オートマトンに対する排斥思考』という課題が手付かずのまま残っています。
マゴイさんにとってオートマトンは(NPC、PC問わず)、ユニオン市民の幸福を脅かす潜在的な脅威です。
今回はその固定観念に改善の道筋をつけられればと思っております。
ルーカス&ジョンについての詳細を知りたい方は、シナリオ「愛とは自由なものである」をご覧ください。
以下、留意点。
*マゴイさんは店内にオートマトンが入ってくることを許容出来ないのであって、オートマトンが店外にいるのなら特に干渉しない。歓迎もしないが。
*マゴイさんはオートマトンについて、エバーグリーンにいた時分からの意識がアップデート出来ていない。彼女の中では『オートマトン=人間に隷属する機械』である。自立した存在とは見ていない。従ってこの場合店舗に入ってきたジョンではなく、その所有者と見なされる(エバーグリーン同様、オートマトンには必ず所有者がいると彼女は思っている)ルーカスに文句を言っている。乗用車が店に突っ込んできた際、その車にではなくドライバーに文句を言うのと同じ感覚である。
今回の春郷祭におきましては、オリジナルアイテムの頒布があります。
アイテムが ほしい方は、マゴイさんのお店に立ち寄るという旨を、プレイングに明記してください。
アイテムの内訳は以下の3つ。
1:ソーサー&カップのセット。
2:花の種詰め合わせ。
3:インスタントキューブ食品。
どれでも好きなものをお選びください。
1PCに対するアイテム配布限度数は各1つ、全部で3つまでです。
マスターより
KINUTAです。
今日は春郷祭。
皆さん楽しんでいってください。
可能ならオートマトンPCの方にも、ご参加いただきたく……この場にオートマトンがジョン1人では、ちょっと心細いですので。
今日は春郷祭。
皆さん楽しんでいってください。
可能ならオートマトンPCの方にも、ご参加いただきたく……この場にオートマトンがジョン1人では、ちょっと心細いですので。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/06/24 02:45
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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春郷祭での過ごし方について マルカ・アニチキン(ka2542) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/06/10 21:47:59 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/10 22:35:29 |