ゲスト
(ka0000)
つまりなんかもう面倒くさい
マスター:凪池シリル

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 3~5人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/06/08 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/06/17 19:00
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
思うんだがお前は俺と居て面倒くさいとは思わないのか、という質問自体がもう絶望的に面倒くさいな、と思った。こんなもの口に出した瞬間面倒くささが人間性を上回る。言う前に気が付けただけ辛うじてまだ面倒くさいよりは人間でいられただろうか。まあ思い付いてる段階で相当面倒くさいよなと凹むことには変わらないわけだが。面倒くさい。
こんな風に考えていた辺りが大体拗らせのピークでここまで来てしまえばあとは時間と共に徐々に落ち着きを取り戻していくだけだった。
(まあ、あいつに何か言うような事ではないんだよな)
気にして何かすべき、変えるべきなのは自分のほうだけだ。その責任も結果を負う立場なのも自分だけのことなのだから。
腹に軽く疼くような痛みを覚える。これはつまり、自覚だった。雑音に惑わされている。思い出しながら、つまりまあ、これが結局自分なのだと納得する。傍目に馬鹿らしかろうが、自分はこういう風にしか出来ない。雑音にいちいち足元を確かめて、一歩ずつ進む。
……それで今回のこれはどうなのか。どうするにせよ、今足を止める程ではない程度の雑音ではある。ただそれでも己の矜持の深いところに刺さるものだっただけに、捨て置けなかっただけ。
雑魔を一体切り伏せ、動かなくなったのを確認すると、伊佐美 透(kz0243)は一呼吸して、ずっとまとわりついてるこの散漫な思考ももうそろそろやめにしよう、と思い始めた。気にすることではないと思っても割りきれないことを、気にしたんだからもう気が済むべきだ。あとは時間なりなんなりで気分を切り替えるだけ。
結論して、眼前に広がる森、考えながらもずっと意識から外していたわけではないその景色を、意識してずっと奥の方まで見やる。
森といってさほど鬱蒼としている訳ではない。こんがらがった今の気分にぴったりと言うほどでは。
……依頼中なのだ。
大した内容ではない。辺境の森で確認されたという雑魔の退治。
始めに数体相手にして、さほどの相手ではないと、そこからは効率化のためにバラけて行動している。そんな最中だった。
──血の匂いがする。
雑魔が徘徊していた森だ。不幸にも殺害された動物も居るだろう……が、経験と本能が、向こう側から感じるものにこれまで以上の警戒を抱かせる。
刀を抜き、魔導短伝話を手に進む。
まず見つけたのは──見つけてしまったのは──やはりというか、動物の遺体だった。狢のような四足動物。血に染まった地面に横たわっている。
雑魔の手によるものではない、と直感したのは、その破れた腹が『食い荒らされた』といった様相ではなかったからだろう。解剖のお手本かと思うように、綺麗に縦に割かれてから、開かれている。遺体は、こちらを向くように横向きに置かれていた。
そこから零れる内臓もまた意図を感じさせるような整えられ方だった。となると、右の眼球が飛び出して垂れているのも自然ではなく作為的だろうか。
好きでじっくり眺めたかったわけではない。眺められるくらいにはこういうのにも慣れてしまったから検分しただけ。
そうして感じたこの『作品』の意図は、『いかにも想像しそうな動物の死体、あるいはゾンビ』といった風に思えた。想像上、創作の記号として描かれるような動物の死体の在り方。現実はこんなに如何にもな整い方はしていないが、つまり死というものを感じさせ受け止めさせようとしているような。
とは言えパッと見の感想だ。慣れたとはいえゆっくり見たいものではないし、その余裕も無かった。
男が居る。
コート姿に帽子を被ったの中年の男だった。透とは死体を挟む形でその向こう側に、無造作に立っている。あからさまに剣呑な空気、そして負のマテリアルを感じた。武器の類いは手にしていない。今は垂らしている腕、その右手の指先から血が滴っている。
「何やら悩める様子だな、青年」
男はゆっくりと両腕を上げて、友好的に見える態度、声で話しかけてくる。
「これは幸運な出会いだよ。私は救うべき相手を求めていた。そこに救われるべき君が来た。違うかね?」
「……いえ、俺の悩みなら先程わりと自己解決が見えてたところですが」
透は明らかに関わるのはごめん被るとばかりに、それでも一応律儀に応えていた。
「私はね……多くの人を救うべく悩みを聞いて回っていたのだよ……多くの……多くのだ……中々に報われぬ道だった……だがある日、とうとう一つの真理に至った!」
透の返事は聞いていないように見えた。そもそも話が通じる相手でもないのかもしれない。何せ……この辺りでもはや、男の身から感じる負のマテリアルは隠せぬものになっている。
急ぎ別れた仲間たちに連絡すべきだ。透は手にしたままの短伝話を意識する。
「人間、死に瀕すれば大体の悩みなどそれどころでは無くなる」
「急に雑だなオイ」
「それから私はこの身の全てを救済に捧ぐことにしたのだ。そう、全てを……もはや名も忘れた。今の私はそう、流れのブッ殺セラピスト」
「……いやそれももう慣れてるけどな。ツッコミ間に合わない系の手合い」
「と言うわけだ青年。遠慮せず受け止めろ我がブッ殺セラピー」
それで、言うべき事は終えたのだろう。男が繰り出してきた指先二本、何も持たぬ生身のそれを、透は迷うことなく抜いたままの刀で弾いた。やけに硬く重い手応えのその攻撃は受け止めきれず、軽く腕を裂かれる。その痛みを認識する間もなく、左脚の攻撃が来る。一撃目以上に避けられそうにない連撃をこれまた何とか衝撃に耐えながら受ける。格闘士の動きに近いと思った。歪虚となる前はハンターだったのかもしれない。
「済まない緊急事態だ! 歪虚兵の襲撃を受けてる!」
叫ぶように言って短伝話を離し両手で刀を構え直す。……返す一撃は避けられた。
「恐れることはないぞ、多少手加減を間違えて死んだところでそれはそれで悩みは無くなる」
「うんあんたそもそも瀕死を狙う気無いよな」
再度、辛うじて相手の攻撃を捌きながら、これも言っても仕方ないと分かりつつもぼやいていた。反撃──
「……!?」
「成程中々だ。君の救済には、もう一工夫要るものと認識した」
刃を、避けようとしない相手の動きに動揺を覚えながらも止められない。今急に止めたらそれはそれで大きな隙を生む。いっそ振りきるしかない──理解しつつあったが。格闘士。似た所かそのものと言っていい動き、技。左腕で食い止められた刃から流れる力が相手の内部を巡っていくと認識する。それから……。
予想通り、次の一撃は更なる鋭い物となった。肩から血飛沫が上がる。
ふざけた相手だが気を抜くことは許されなかった。仲間が来るまでの時間、凌ぐことを全力で考えねばならない。
──つまり。
(いや、有効だとは認めないぞこのブッ殺セラピー)
これで余計な思考は最後にしようと思いつつ、言い聞かせずには居られなかった。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
思うんだがお前は俺と居て面倒くさいとは思わないのか、という質問自体がもう絶望的に面倒くさいな、と思った。こんなもの口に出した瞬間面倒くささが人間性を上回る。言う前に気が付けただけ辛うじてまだ面倒くさいよりは人間でいられただろうか。まあ思い付いてる段階で相当面倒くさいよなと凹むことには変わらないわけだが。面倒くさい。
こんな風に考えていた辺りが大体拗らせのピークでここまで来てしまえばあとは時間と共に徐々に落ち着きを取り戻していくだけだった。
(まあ、あいつに何か言うような事ではないんだよな)
気にして何かすべき、変えるべきなのは自分のほうだけだ。その責任も結果を負う立場なのも自分だけのことなのだから。
腹に軽く疼くような痛みを覚える。これはつまり、自覚だった。雑音に惑わされている。思い出しながら、つまりまあ、これが結局自分なのだと納得する。傍目に馬鹿らしかろうが、自分はこういう風にしか出来ない。雑音にいちいち足元を確かめて、一歩ずつ進む。
……それで今回のこれはどうなのか。どうするにせよ、今足を止める程ではない程度の雑音ではある。ただそれでも己の矜持の深いところに刺さるものだっただけに、捨て置けなかっただけ。
雑魔を一体切り伏せ、動かなくなったのを確認すると、伊佐美 透(kz0243)は一呼吸して、ずっとまとわりついてるこの散漫な思考ももうそろそろやめにしよう、と思い始めた。気にすることではないと思っても割りきれないことを、気にしたんだからもう気が済むべきだ。あとは時間なりなんなりで気分を切り替えるだけ。
結論して、眼前に広がる森、考えながらもずっと意識から外していたわけではないその景色を、意識してずっと奥の方まで見やる。
森といってさほど鬱蒼としている訳ではない。こんがらがった今の気分にぴったりと言うほどでは。
……依頼中なのだ。
大した内容ではない。辺境の森で確認されたという雑魔の退治。
始めに数体相手にして、さほどの相手ではないと、そこからは効率化のためにバラけて行動している。そんな最中だった。
──血の匂いがする。
雑魔が徘徊していた森だ。不幸にも殺害された動物も居るだろう……が、経験と本能が、向こう側から感じるものにこれまで以上の警戒を抱かせる。
刀を抜き、魔導短伝話を手に進む。
まず見つけたのは──見つけてしまったのは──やはりというか、動物の遺体だった。狢のような四足動物。血に染まった地面に横たわっている。
雑魔の手によるものではない、と直感したのは、その破れた腹が『食い荒らされた』といった様相ではなかったからだろう。解剖のお手本かと思うように、綺麗に縦に割かれてから、開かれている。遺体は、こちらを向くように横向きに置かれていた。
そこから零れる内臓もまた意図を感じさせるような整えられ方だった。となると、右の眼球が飛び出して垂れているのも自然ではなく作為的だろうか。
好きでじっくり眺めたかったわけではない。眺められるくらいにはこういうのにも慣れてしまったから検分しただけ。
そうして感じたこの『作品』の意図は、『いかにも想像しそうな動物の死体、あるいはゾンビ』といった風に思えた。想像上、創作の記号として描かれるような動物の死体の在り方。現実はこんなに如何にもな整い方はしていないが、つまり死というものを感じさせ受け止めさせようとしているような。
とは言えパッと見の感想だ。慣れたとはいえゆっくり見たいものではないし、その余裕も無かった。
男が居る。
コート姿に帽子を被ったの中年の男だった。透とは死体を挟む形でその向こう側に、無造作に立っている。あからさまに剣呑な空気、そして負のマテリアルを感じた。武器の類いは手にしていない。今は垂らしている腕、その右手の指先から血が滴っている。
「何やら悩める様子だな、青年」
男はゆっくりと両腕を上げて、友好的に見える態度、声で話しかけてくる。
「これは幸運な出会いだよ。私は救うべき相手を求めていた。そこに救われるべき君が来た。違うかね?」
「……いえ、俺の悩みなら先程わりと自己解決が見えてたところですが」
透は明らかに関わるのはごめん被るとばかりに、それでも一応律儀に応えていた。
「私はね……多くの人を救うべく悩みを聞いて回っていたのだよ……多くの……多くのだ……中々に報われぬ道だった……だがある日、とうとう一つの真理に至った!」
透の返事は聞いていないように見えた。そもそも話が通じる相手でもないのかもしれない。何せ……この辺りでもはや、男の身から感じる負のマテリアルは隠せぬものになっている。
急ぎ別れた仲間たちに連絡すべきだ。透は手にしたままの短伝話を意識する。
「人間、死に瀕すれば大体の悩みなどそれどころでは無くなる」
「急に雑だなオイ」
「それから私はこの身の全てを救済に捧ぐことにしたのだ。そう、全てを……もはや名も忘れた。今の私はそう、流れのブッ殺セラピスト」
「……いやそれももう慣れてるけどな。ツッコミ間に合わない系の手合い」
「と言うわけだ青年。遠慮せず受け止めろ我がブッ殺セラピー」
それで、言うべき事は終えたのだろう。男が繰り出してきた指先二本、何も持たぬ生身のそれを、透は迷うことなく抜いたままの刀で弾いた。やけに硬く重い手応えのその攻撃は受け止めきれず、軽く腕を裂かれる。その痛みを認識する間もなく、左脚の攻撃が来る。一撃目以上に避けられそうにない連撃をこれまた何とか衝撃に耐えながら受ける。格闘士の動きに近いと思った。歪虚となる前はハンターだったのかもしれない。
「済まない緊急事態だ! 歪虚兵の襲撃を受けてる!」
叫ぶように言って短伝話を離し両手で刀を構え直す。……返す一撃は避けられた。
「恐れることはないぞ、多少手加減を間違えて死んだところでそれはそれで悩みは無くなる」
「うんあんたそもそも瀕死を狙う気無いよな」
再度、辛うじて相手の攻撃を捌きながら、これも言っても仕方ないと分かりつつもぼやいていた。反撃──
「……!?」
「成程中々だ。君の救済には、もう一工夫要るものと認識した」
刃を、避けようとしない相手の動きに動揺を覚えながらも止められない。今急に止めたらそれはそれで大きな隙を生む。いっそ振りきるしかない──理解しつつあったが。格闘士。似た所かそのものと言っていい動き、技。左腕で食い止められた刃から流れる力が相手の内部を巡っていくと認識する。それから……。
予想通り、次の一撃は更なる鋭い物となった。肩から血飛沫が上がる。
ふざけた相手だが気を抜くことは許されなかった。仲間が来るまでの時間、凌ぐことを全力で考えねばならない。
──つまり。
(いや、有効だとは認めないぞこのブッ殺セラピー)
これで余計な思考は最後にしようと思いつつ、言い聞かせずには居られなかった。
解説
●目的
怠惰歪虚兵、自称「流れのブッ殺セラピスト」の撃退。
初確認の敵のため戦力詳細は一切不明。
状況として、別依頼として雑魔退治を引き受けた状態。バラバラに索敵していたところをハンターの一人である伊佐美 透が遭遇。魔導短伝話を所持していれば状況は判明しており、伊佐美 透が3~4割程度負傷した状態で登場出来るものとする。この時点で敵は無傷である(一撃も当たらないのではなく敢えて手出ししていない)。
何か工夫があるかあるいは問題があればこの状況は前後する可能性がある。
元々の雑魔退治の消耗は考慮しないものとする。雑魔については狼や狢型のものが確認されていたが、概ね討伐は完了していたという認識。ただ現れないという確信もない。
伊佐美の他、NPCとして闘狩人のチィ=ズヴォーが参加している。そこそこの腕前。
怠惰歪虚兵、自称「流れのブッ殺セラピスト」の撃退。
初確認の敵のため戦力詳細は一切不明。
状況として、別依頼として雑魔退治を引き受けた状態。バラバラに索敵していたところをハンターの一人である伊佐美 透が遭遇。魔導短伝話を所持していれば状況は判明しており、伊佐美 透が3~4割程度負傷した状態で登場出来るものとする。この時点で敵は無傷である(一撃も当たらないのではなく敢えて手出ししていない)。
何か工夫があるかあるいは問題があればこの状況は前後する可能性がある。
元々の雑魔退治の消耗は考慮しないものとする。雑魔については狼や狢型のものが確認されていたが、概ね討伐は完了していたという認識。ただ現れないという確信もない。
伊佐美の他、NPCとして闘狩人のチィ=ズヴォーが参加している。そこそこの腕前。
マスターより
凪池です。面倒くさい彼ですが、いつまでもPCに頼らないと立ち直れないのもどうよと思ったのでこのような形で解決をはかることにしました。いやもう実際ほっといてくれて良かったと思うのですが、何事もなかったように次の話行く前に何かアナウンスはいるかなって。それだけ。そんなわけで彼は元気です心配しないでください。まあ元気って、場合によってはここで死ぬわけですが。何気に危険度は今までで一番かもですが。まあその辺気にせずブッ殺セラピストさんと遊んでくれる方も大歓迎です。はい。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/06/11 06:27
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/06/04 22:48:44 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/04 22:45:39 |