ゲスト
(ka0000)
【東幕】泰山北斗
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 3~4人
- ユニット参加人数
- 現在4 / 0~4
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/06/08 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/06/17 19:00
オープニング
憤怒の歪虚王である獄炎が倒された東方ではあるが、獄炎の分体である蓬生が現れた事で憤怒残党の動きは勢いを取り戻しつつある。
しかし、東方の人々が抱える問題は歪虚だけではなかった。
「なに!? 泰山の坊主が?」
詩天の水野 武徳(kz0196)は、思わず聞き返した。
既に詩天を通過して幕府直轄領へ入っているようだが、坊主の目的は果たして如何なるものか。
「殿。目的は幕府への協力要請ではないでしょうか」
「おそらくそうじゃろう。山寺の妖怪坊主め。石頭故に時勢も読めぬか。今下手に動かれれば、詩天にも影響があるやもしれぬ」
「如何されますか? 詩天様が知れば……」
「分かっておる!」
武徳は部下の言葉を遮った。
手立てを講じなければ、面倒な事になる。武徳は顎髭を弄りながら、脳裏で策を講じていた。
そして、ふと何かを閃いたようだ。
「致し方あるまい。強引な手じゃが、やってみるとするか」
●
武家四十八家門第二十位、楠木香(kz0140)の屋敷には、珍しい来客が訪れていた。
弁髪に、前掛けのある武僧の服。
腰の帯には扇が差し込まれている。精悍な青年で、格闘士として相当な訓練を受けていると見て見て間違いなさそうだ。
「許、と申したか。泰山から遙々ご苦労だった」
「はっ」
武僧の青年は、名を許文冠と名乗った。
文冠がやってきた泰山とは正式名を『泰山龍鳴寺』という。古くから存在する寺院ではある為、龍鳴寺を中心に街を形成。気付けばエトファリカ連邦国を形作る国の一つに数えられるようになった。
ちょうどリアルブルーで言えば、中国時代劇のような功夫映画に登場する街と言えば分かりやすいだろうか。
「大僧正は息災か?」
「はっ。僧正様も幕府の苦労を察しておられました」
膝をつき、右手で作った拳を左手で包むように握っている。
泰山地方の独特な挨拶だ。
この挨拶からみても分かるように泰山はエトファリカ連邦国の中でも独特の文化を守り抜いている。異文化を敬遠して保守的な態度があったからこそ、今に伝えられる物があるのだろう。
「さて、此度の要件は……泰山に入り込む歪虚の対処か」
「はい。お恥ずかしながら、泰山の武僧でも退治には至らず。幕府の力添えを賜りたいと僧正様はお考えです」
泰山の武僧といえば、強靱な格闘士を多く排出している。平時には寺に使える武僧ではあるが、外敵が現れた際には僧侶が敵を撃退。寺院の方針で武具を持つことは禁じられていた為、僧侶は己の体や棒などを使って戦ってきた。それでも、武僧達は強く、だからこそ泰山特有の文化を守り抜く事ができた。
最終的に歪虚の前に敗北したが、詩天同様、格闘士の武僧が戦い抜いたと伝えられている。
獄炎が倒れてマテリアルが戻りつつある現状で泰山も広く復興を進めているが、今も戦いとなれば武僧が民の為に戦う事になる。
「復興で手が回らぬとはいえ、屈曲な武僧が持て余す相手か。
泰山の幕府への忠は私も聞き及んでいる。泰山が困っているのであれば、是非力を貸そう。早速、楠木家の兵を……」
「お待ち下さい。幕府のお力添えを賜りたいのですが、大軍で泰山へお越しになられては困ります」
文冠によれば、泰山は長く独自の文化を守り抜いた保守的な国だ。
そこへ見慣れない軍が大勢で押しかければ民は不安を覚える。なるべく少数で目立たないように行動する必要があるというのだ。
「歪虚の暗躍に乗じて山賊も多く現れております。目立つ行動は控え、短期間で歪虚を対処にして欲しいと僧正様は仰っております」
「難儀だが、民を見捨てては武士の恥。何とかしよう」
「感謝致します」
「だが、問題は泰山へ無事に到着できるかだな」
「歪虚と山賊ですか。数は多いですが、私もお手伝い致します」
胸を張る文冠。
だが、香の心配は別の所にある。
「いや、歪虚ではない。むしろ、もっと厄介な相手だ」
●
「おや、これは楠木家の姫。奇遇ですな」
若峰の東にある小さな港で香と文冠は武徳と出くわした。
眉を顰める香。
若峰から遠く離れた場所で、数名の部下を引き連れて武徳は何をしていたというのか。
この誰の目にも明らかな茶番を香は鬱陶しく感じたのだ。
「白々しい。水野殿は、我々を待っておりましたな?」
「いやいや。散歩でござるよ。
……おや、そこにいるのは泰山の武僧ではないですかな?」
武徳の棒読みな言い回し。
茶番を前に香のイライラは止まらない。
「水野殿には関係ない。通してもらおう」
「お気持ちは分かりますが、幕府の方が詩天を黙って通過されるとはあまりにも寂しくござらんか?」
「抜かせ。通行の許可を求めれば水野殿は出してくれたのか?」
半ば押し問答のようなやり取り。
香としては船でそのまま泰山へ行きたかった。だが、長距離の船旅はリスクも大きい。詩天を経由した方が確実と考えて寄港したのが甘かったか。
幕府を快く思っていない武徳からすれば、幕府に忠義を立てる泰山は厄介な相手。今のところ敵に回す気はないが、必要以上に仲良くされては後々面倒を起こされかねない。
そうした懸念での行動だが、堅物で実直な文冠はそれが理解できない。
「これは失礼致しました。私は泰山龍鳴寺の許文冠と申します。歪虚により夜も眠れぬ民を救うため、幕府より援軍を賜った次第。民を救う為、何卒この場を通していただきたい」
膝を折り、武徳に願い出る文冠。
港から船に乗り換え、隣の島である泰山の東にある港へ上陸。そこから豊明山を迂回して山道を進めば龍鳴寺の入口である吉日関が見えてくる。文冠からすれば、一日も早く援軍を泰山へ送って歪虚を退治したいのだろう。
正義感から来る焦り。
それが、事態を更に混迷化させる。
「ふむ。だが、香姫とそなたを守るにしては少ない手勢。これでは万一もあるやもしれぬ。そのような事になれば、わしが姫様に叱られる。
……仕方あるまい」
そう言った後、武徳はわざとらしい笑顔を見せて。
「わしも泰山へ同行しよう」
しかし、東方の人々が抱える問題は歪虚だけではなかった。
「なに!? 泰山の坊主が?」
詩天の水野 武徳(kz0196)は、思わず聞き返した。
既に詩天を通過して幕府直轄領へ入っているようだが、坊主の目的は果たして如何なるものか。
「殿。目的は幕府への協力要請ではないでしょうか」
「おそらくそうじゃろう。山寺の妖怪坊主め。石頭故に時勢も読めぬか。今下手に動かれれば、詩天にも影響があるやもしれぬ」
「如何されますか? 詩天様が知れば……」
「分かっておる!」
武徳は部下の言葉を遮った。
手立てを講じなければ、面倒な事になる。武徳は顎髭を弄りながら、脳裏で策を講じていた。
そして、ふと何かを閃いたようだ。
「致し方あるまい。強引な手じゃが、やってみるとするか」
●
武家四十八家門第二十位、楠木香(kz0140)の屋敷には、珍しい来客が訪れていた。
弁髪に、前掛けのある武僧の服。
腰の帯には扇が差し込まれている。精悍な青年で、格闘士として相当な訓練を受けていると見て見て間違いなさそうだ。
「許、と申したか。泰山から遙々ご苦労だった」
「はっ」
武僧の青年は、名を許文冠と名乗った。
文冠がやってきた泰山とは正式名を『泰山龍鳴寺』という。古くから存在する寺院ではある為、龍鳴寺を中心に街を形成。気付けばエトファリカ連邦国を形作る国の一つに数えられるようになった。
ちょうどリアルブルーで言えば、中国時代劇のような功夫映画に登場する街と言えば分かりやすいだろうか。
「大僧正は息災か?」
「はっ。僧正様も幕府の苦労を察しておられました」
膝をつき、右手で作った拳を左手で包むように握っている。
泰山地方の独特な挨拶だ。
この挨拶からみても分かるように泰山はエトファリカ連邦国の中でも独特の文化を守り抜いている。異文化を敬遠して保守的な態度があったからこそ、今に伝えられる物があるのだろう。
「さて、此度の要件は……泰山に入り込む歪虚の対処か」
「はい。お恥ずかしながら、泰山の武僧でも退治には至らず。幕府の力添えを賜りたいと僧正様はお考えです」
泰山の武僧といえば、強靱な格闘士を多く排出している。平時には寺に使える武僧ではあるが、外敵が現れた際には僧侶が敵を撃退。寺院の方針で武具を持つことは禁じられていた為、僧侶は己の体や棒などを使って戦ってきた。それでも、武僧達は強く、だからこそ泰山特有の文化を守り抜く事ができた。
最終的に歪虚の前に敗北したが、詩天同様、格闘士の武僧が戦い抜いたと伝えられている。
獄炎が倒れてマテリアルが戻りつつある現状で泰山も広く復興を進めているが、今も戦いとなれば武僧が民の為に戦う事になる。
「復興で手が回らぬとはいえ、屈曲な武僧が持て余す相手か。
泰山の幕府への忠は私も聞き及んでいる。泰山が困っているのであれば、是非力を貸そう。早速、楠木家の兵を……」
「お待ち下さい。幕府のお力添えを賜りたいのですが、大軍で泰山へお越しになられては困ります」
文冠によれば、泰山は長く独自の文化を守り抜いた保守的な国だ。
そこへ見慣れない軍が大勢で押しかければ民は不安を覚える。なるべく少数で目立たないように行動する必要があるというのだ。
「歪虚の暗躍に乗じて山賊も多く現れております。目立つ行動は控え、短期間で歪虚を対処にして欲しいと僧正様は仰っております」
「難儀だが、民を見捨てては武士の恥。何とかしよう」
「感謝致します」
「だが、問題は泰山へ無事に到着できるかだな」
「歪虚と山賊ですか。数は多いですが、私もお手伝い致します」
胸を張る文冠。
だが、香の心配は別の所にある。
「いや、歪虚ではない。むしろ、もっと厄介な相手だ」
●
「おや、これは楠木家の姫。奇遇ですな」
若峰の東にある小さな港で香と文冠は武徳と出くわした。
眉を顰める香。
若峰から遠く離れた場所で、数名の部下を引き連れて武徳は何をしていたというのか。
この誰の目にも明らかな茶番を香は鬱陶しく感じたのだ。
「白々しい。水野殿は、我々を待っておりましたな?」
「いやいや。散歩でござるよ。
……おや、そこにいるのは泰山の武僧ではないですかな?」
武徳の棒読みな言い回し。
茶番を前に香のイライラは止まらない。
「水野殿には関係ない。通してもらおう」
「お気持ちは分かりますが、幕府の方が詩天を黙って通過されるとはあまりにも寂しくござらんか?」
「抜かせ。通行の許可を求めれば水野殿は出してくれたのか?」
半ば押し問答のようなやり取り。
香としては船でそのまま泰山へ行きたかった。だが、長距離の船旅はリスクも大きい。詩天を経由した方が確実と考えて寄港したのが甘かったか。
幕府を快く思っていない武徳からすれば、幕府に忠義を立てる泰山は厄介な相手。今のところ敵に回す気はないが、必要以上に仲良くされては後々面倒を起こされかねない。
そうした懸念での行動だが、堅物で実直な文冠はそれが理解できない。
「これは失礼致しました。私は泰山龍鳴寺の許文冠と申します。歪虚により夜も眠れぬ民を救うため、幕府より援軍を賜った次第。民を救う為、何卒この場を通していただきたい」
膝を折り、武徳に願い出る文冠。
港から船に乗り換え、隣の島である泰山の東にある港へ上陸。そこから豊明山を迂回して山道を進めば龍鳴寺の入口である吉日関が見えてくる。文冠からすれば、一日も早く援軍を泰山へ送って歪虚を退治したいのだろう。
正義感から来る焦り。
それが、事態を更に混迷化させる。
「ふむ。だが、香姫とそなたを守るにしては少ない手勢。これでは万一もあるやもしれぬ。そのような事になれば、わしが姫様に叱られる。
……仕方あるまい」
そう言った後、武徳はわざとらしい笑顔を見せて。
「わしも泰山へ同行しよう」
解説
目的:楠木香と許文冠、水野武徳を泰山まで護衛する。
概要:
詩天の西にある港から船で出航。泰山の東にある港へ上陸し、そこから東になる豊明山を目指します。天然の要害である豊明山へ入り、険しい山道を抜ければ龍鳴寺の入口である吉日関という砦が現れます。移動時間は三日程度。
ハンターは護衛対象をこの砦まで護衛するのが任務ですが、同行する武徳は道中での泰山の偵察も期待しているようです。
道中は平地から山岳地帯を移動しますが、場所によっては馬車一台分の幅しか無いところもあるようです。
味方:
楠木香/舞剣士
水野武徳/舞剣士
許文冠/格闘士
敵:
※敵は道中に出現。襲撃タイミングは不明で、夜間の襲撃もあり得ます。
姑獲鳥
憤怒眷属の鳥型歪虚。集団で飛来して相手の生命力を吸収する。基本動作は鳥と同じだが、集団で襲われると厄介な相手。
山賊
山道で襲撃してくる山賊。覚醒者も混じっているが、ハンターと比較すれば左程強くは無い。使い古された刀や死体から剥ぎ取った鎧を着用してる。
備考:
泰山の人々は保守的で外からの存在や技術を敬遠します。この為、移動手段として馬車は持ち込めますが、魔導トラックや魔導バイク、CAM、騎乗型幻獣ユニット(ワイバーン、グリフォン含む)、ゴーレムは依頼に持ち込めません。ユグディラ、ユキウサギは同行可能です。
山へ入る前に村で補給もありますが、平時では許文冠や楠木香、水野武徳と交流する事ができます。気軽に声をかけてあげれば、きっと彼らも答えてくれるでしょう。
概要:
詩天の西にある港から船で出航。泰山の東にある港へ上陸し、そこから東になる豊明山を目指します。天然の要害である豊明山へ入り、険しい山道を抜ければ龍鳴寺の入口である吉日関という砦が現れます。移動時間は三日程度。
ハンターは護衛対象をこの砦まで護衛するのが任務ですが、同行する武徳は道中での泰山の偵察も期待しているようです。
道中は平地から山岳地帯を移動しますが、場所によっては馬車一台分の幅しか無いところもあるようです。
味方:
楠木香/舞剣士
水野武徳/舞剣士
許文冠/格闘士
敵:
※敵は道中に出現。襲撃タイミングは不明で、夜間の襲撃もあり得ます。
姑獲鳥
憤怒眷属の鳥型歪虚。集団で飛来して相手の生命力を吸収する。基本動作は鳥と同じだが、集団で襲われると厄介な相手。
山賊
山道で襲撃してくる山賊。覚醒者も混じっているが、ハンターと比較すれば左程強くは無い。使い古された刀や死体から剥ぎ取った鎧を着用してる。
備考:
泰山の人々は保守的で外からの存在や技術を敬遠します。この為、移動手段として馬車は持ち込めますが、魔導トラックや魔導バイク、CAM、騎乗型幻獣ユニット(ワイバーン、グリフォン含む)、ゴーレムは依頼に持ち込めません。ユグディラ、ユキウサギは同行可能です。
山へ入る前に村で補給もありますが、平時では許文冠や楠木香、水野武徳と交流する事ができます。気軽に声をかけてあげれば、きっと彼らも答えてくれるでしょう。
マスターより
近藤豊です。
東方の小国が登場します。泰山とは如何なる国なのか。龍鳴寺付近で暴れる歪虚とは何者なのか。まだ泰山へ向かう道中ですが、早くも歪虚が一行を襲撃します。リアルブルーで言えば中国時代劇っぽい世界を楽しんでいただければと思います。
それでは、搾菜を肴にお待ちしています。
東方の小国が登場します。泰山とは如何なる国なのか。龍鳴寺付近で暴れる歪虚とは何者なのか。まだ泰山へ向かう道中ですが、早くも歪虚が一行を襲撃します。リアルブルーで言えば中国時代劇っぽい世界を楽しんでいただければと思います。
それでは、搾菜を肴にお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/06/09 21:24
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 |
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相談卓 アルト・ヴァレンティーニ(ka3109) 人間(クリムゾンウェスト)|21才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/06/08 03:14:23 |
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質問卓 アルト・ヴァレンティーニ(ka3109) 人間(クリムゾンウェスト)|21才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/06/07 14:14:07 |