ゲスト
(ka0000)
赤の嵐の王
マスター:まれのぞみ

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや難しい
- オプション
-
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- ユニット参加人数
- 現在6 / 0~8
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 多め
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/06/12 07:30
- リプレイ完成予定
- 2018/06/21 07:30
オープニング
※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
「ねぇ、じぃじ、あの話をしてくんろ」
「あの話?」
「ああ、海に出て行ったきり戻ってこれなくなって、そのまま死ぬこともできなかった王様のお話!?」
「ああ、赤の嵐の王のことじゃな。それはな――」
※
四方に雲もなく、波は穏やか。
吹く風は順風で帆に風を大きく受けながら、船の一団が海上をゆく。
すでに冬は遠く、夏にはまだ早い。
嵐のような風にも、日差しにも苦しむこともなく、まるで優雅なバカンスを過ごしているような時である。
手持ち無沙汰の船員たちが甲板の上で思いおもいの時間を過ごしている。
「まったく、気をぬきやがって」
船長が、そんな休憩にはいった船員たちを罵るように言いながらも、優しげな視線を送っている
「まあ、しかたないですよ」
交代の船員がやってきた。
「じきに目的地ですし、今回の旅はこともなく無事にすみそうじゃないですか」
「ああ、そうだがな――」
さて、この若造にどのような陳腐な説教をしてやらうとかと船長が考えていると、頭上にあるマストの監視台から悲鳴が聞こえた。
「せ、船長! ヘンな雲がこっちへ迫ってきます!? 見えるんじゃなくて、とてつもないスピードで迫ってきます!?」
「ヘンな雲だと?」
「どんな雲か、はっきりと言ってください!?」
「真っ昼間なのに、まるで夕暮れの雲のように、いやそれ以上に赤い雲なんです」
船長があわてて遠めがねで確認。
「ばっきゃろ、あれは――」
※
伝説がある。
まだ王国すら存在しなかった、遠い昔のことである。
半島に一人の王――といっても、現代の感覚でいえば近隣の村々を幾つか配下に収めた程度であったろうとは歴史家の弁である――がいた。
その土地を支配した男は迷った。
陸へゆくか、海に向かうかと――そこへ――伝説の類にはよくあることだが――どこからともなく顕れた女がささやいた。
海の果てに宝の島がある――と。
それが真実であったかはどこかわからない。
ただ、その言葉に突き動かされ王は、すべての兵を率いて海へと向かったという。
真紅の帆をあげた船は海洋へと旅だったのだ。
そして、それっきり王は陸地へとは戻ってこなかった。
ただ海の上では現在も生きているという。
赤い船は大気に溶け込み、亡国の王は、亡霊となって海をさまよっているという。
※
船員とは、えてして迷信を信じやすいものである。
普段、船という板一枚で生死の狭間を生きているのからだという。
それが、船員の全員にあてはまるものであるのかどうかはわからないが、この船長は確かに、それを信じていた。
いや、この話に限って言えば、
(知っている――)
のだ。
「船を旋回させろ!」
すぐに船団に命がとぶ。
そして、船員が耳を疑うようなことを命じた。
「行く手は、それぞれの船の長にまかす」
「えッ?」
「一隻でもいい、逃げ切れ!」
「どうしてですか!?」
「全滅するよりはましだ!」
「全滅?」
船員が、なにをいっているのだろうかという顔をしてる。
「そうか、お前は知らないか……」
若者を見つめる片目には憐憫を――ちっ、あいつはダメだったか
仲間たちの船にやっていた目には苦悩が浮かぶ。
一隻の船が巨大な手のように伸びた赤い雲に包まれた。
※
「おい、なんだありゃあ!?」
雲に捕まった船の甲板では悲鳴があがっていた。
雲間に浮かぶ、影、影、影――
赤い霧の間より浮かび上がってくるは、死の兵たち。
「ひぃ!?
骸骨の兵たちが次々と船へと乗り込んでくる。
船一番の怪力男が、それに立ちはだかるように仲間たちの壁になったが、死の兵たちが錆びた剣をふるっただけで、傷もないまま倒れてしまうと、もはや残った船員たちには逃げるより他に手はなかった。
甲板の上を逃げる者は、四方の雲間よりあらわれる兵たちの獲物となり、海に逃げた物は、その底に潜んでいた、なにやら得体の知れぬ影に襲われ、ただ海面に浮かんでくる血だけが、その末期を物語っていた。
掃討が終わった頃、雲間より、それが顕れた。
影のような騎士たちを引き連れ、王冠をかぶったマント姿の髑髏だ。
船に乗り込んでくると、事切れ、倒れた死体を軽々と持ち上げる。死体は、まるで灰のように崩れていき、ただ心臓だけが残った。
骨の手が心の臓をたかだかと掲げると、その口元はかたかたと動いて、声なき言葉を発していた。
「捧げよう――」
※
すでに赤い雲は、遠くの海上となった。
まるで動こうとしない雲は、やはり自然のものではない。
いや、あれは赤の嵐の王の狩猟の為の船団なのだ。
それに取り込まれたら最後、そこから逃れる手立ては自らの手で切り開くしかない。しかし、それができないのならば……――いま、あそこではどれほどの惨劇が起きているのだろうか――かつて、その噂を聞いて育ち、一度はその災疫を経験した――その時はたまたま、同じ船に乗っていたハンターたちの働きによって無事事なきを得た――男は仲間たちの冥福を祈らずにはいられなかった。
しかし、声は激しく、生き残った部下たちを激励する。
さて、何隻の仲間が生き残ったろうか――
「うん?」
急に空が黒い雲に覆われたと思うと雨がふってきた。
「えッ?」
その雨は血であった――
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。
「ねぇ、じぃじ、あの話をしてくんろ」
「あの話?」
「ああ、海に出て行ったきり戻ってこれなくなって、そのまま死ぬこともできなかった王様のお話!?」
「ああ、赤の嵐の王のことじゃな。それはな――」
※
四方に雲もなく、波は穏やか。
吹く風は順風で帆に風を大きく受けながら、船の一団が海上をゆく。
すでに冬は遠く、夏にはまだ早い。
嵐のような風にも、日差しにも苦しむこともなく、まるで優雅なバカンスを過ごしているような時である。
手持ち無沙汰の船員たちが甲板の上で思いおもいの時間を過ごしている。
「まったく、気をぬきやがって」
船長が、そんな休憩にはいった船員たちを罵るように言いながらも、優しげな視線を送っている
「まあ、しかたないですよ」
交代の船員がやってきた。
「じきに目的地ですし、今回の旅はこともなく無事にすみそうじゃないですか」
「ああ、そうだがな――」
さて、この若造にどのような陳腐な説教をしてやらうとかと船長が考えていると、頭上にあるマストの監視台から悲鳴が聞こえた。
「せ、船長! ヘンな雲がこっちへ迫ってきます!? 見えるんじゃなくて、とてつもないスピードで迫ってきます!?」
「ヘンな雲だと?」
「どんな雲か、はっきりと言ってください!?」
「真っ昼間なのに、まるで夕暮れの雲のように、いやそれ以上に赤い雲なんです」
船長があわてて遠めがねで確認。
「ばっきゃろ、あれは――」
※
伝説がある。
まだ王国すら存在しなかった、遠い昔のことである。
半島に一人の王――といっても、現代の感覚でいえば近隣の村々を幾つか配下に収めた程度であったろうとは歴史家の弁である――がいた。
その土地を支配した男は迷った。
陸へゆくか、海に向かうかと――そこへ――伝説の類にはよくあることだが――どこからともなく顕れた女がささやいた。
海の果てに宝の島がある――と。
それが真実であったかはどこかわからない。
ただ、その言葉に突き動かされ王は、すべての兵を率いて海へと向かったという。
真紅の帆をあげた船は海洋へと旅だったのだ。
そして、それっきり王は陸地へとは戻ってこなかった。
ただ海の上では現在も生きているという。
赤い船は大気に溶け込み、亡国の王は、亡霊となって海をさまよっているという。
※
船員とは、えてして迷信を信じやすいものである。
普段、船という板一枚で生死の狭間を生きているのからだという。
それが、船員の全員にあてはまるものであるのかどうかはわからないが、この船長は確かに、それを信じていた。
いや、この話に限って言えば、
(知っている――)
のだ。
「船を旋回させろ!」
すぐに船団に命がとぶ。
そして、船員が耳を疑うようなことを命じた。
「行く手は、それぞれの船の長にまかす」
「えッ?」
「一隻でもいい、逃げ切れ!」
「どうしてですか!?」
「全滅するよりはましだ!」
「全滅?」
船員が、なにをいっているのだろうかという顔をしてる。
「そうか、お前は知らないか……」
若者を見つめる片目には憐憫を――ちっ、あいつはダメだったか
仲間たちの船にやっていた目には苦悩が浮かぶ。
一隻の船が巨大な手のように伸びた赤い雲に包まれた。
※
「おい、なんだありゃあ!?」
雲に捕まった船の甲板では悲鳴があがっていた。
雲間に浮かぶ、影、影、影――
赤い霧の間より浮かび上がってくるは、死の兵たち。
「ひぃ!?
骸骨の兵たちが次々と船へと乗り込んでくる。
船一番の怪力男が、それに立ちはだかるように仲間たちの壁になったが、死の兵たちが錆びた剣をふるっただけで、傷もないまま倒れてしまうと、もはや残った船員たちには逃げるより他に手はなかった。
甲板の上を逃げる者は、四方の雲間よりあらわれる兵たちの獲物となり、海に逃げた物は、その底に潜んでいた、なにやら得体の知れぬ影に襲われ、ただ海面に浮かんでくる血だけが、その末期を物語っていた。
掃討が終わった頃、雲間より、それが顕れた。
影のような騎士たちを引き連れ、王冠をかぶったマント姿の髑髏だ。
船に乗り込んでくると、事切れ、倒れた死体を軽々と持ち上げる。死体は、まるで灰のように崩れていき、ただ心臓だけが残った。
骨の手が心の臓をたかだかと掲げると、その口元はかたかたと動いて、声なき言葉を発していた。
「捧げよう――」
※
すでに赤い雲は、遠くの海上となった。
まるで動こうとしない雲は、やはり自然のものではない。
いや、あれは赤の嵐の王の狩猟の為の船団なのだ。
それに取り込まれたら最後、そこから逃れる手立ては自らの手で切り開くしかない。しかし、それができないのならば……――いま、あそこではどれほどの惨劇が起きているのだろうか――かつて、その噂を聞いて育ち、一度はその災疫を経験した――その時はたまたま、同じ船に乗っていたハンターたちの働きによって無事事なきを得た――男は仲間たちの冥福を祈らずにはいられなかった。
しかし、声は激しく、生き残った部下たちを激励する。
さて、何隻の仲間が生き残ったろうか――
「うん?」
急に空が黒い雲に覆われたと思うと雨がふってきた。
「えッ?」
その雨は血であった――
解説
「仇をとって欲しい」との依頼がありました。もし船を使うのならば依頼主の方で用意するとのことです。
以下、ゲーム的説明
亡霊の王とその軍勢と戦ってもらいます。
リプレイ的には、各シーンごとの判定に成功を続けることができれば、以下のような展開をすることになります。
1.嵐の襲来
突然の嵐の襲来で船が揺れます。筋力か瞬発で判定を行います。失敗したら数ターンの間、行動にマイナスのペナルティがつきます。
2.幽霊軍団との戦い
「恐怖」が襲ってきます。精神力での判定を行い、失敗したらしばらくの間、戦意を失います。
3.王との戦い
警護をつれた王の亡霊との戦闘です。亡霊なので海上に浮いていますが時間が進めば船内に踏み込んできます。ただし、戦闘に時間をかけすぎると船が嵐に耐えきれず沈没することになります。
という段階を踏んだ展開となります。
以下、ゲーム的説明
亡霊の王とその軍勢と戦ってもらいます。
リプレイ的には、各シーンごとの判定に成功を続けることができれば、以下のような展開をすることになります。
1.嵐の襲来
突然の嵐の襲来で船が揺れます。筋力か瞬発で判定を行います。失敗したら数ターンの間、行動にマイナスのペナルティがつきます。
2.幽霊軍団との戦い
「恐怖」が襲ってきます。精神力での判定を行い、失敗したらしばらくの間、戦意を失います。
3.王との戦い
警護をつれた王の亡霊との戦闘です。亡霊なので海上に浮いていますが時間が進めば船内に踏み込んできます。ただし、戦闘に時間をかけすぎると船が嵐に耐えきれず沈没することになります。
という段階を踏んだ展開となります。
マスターより
ようやく花粉の季節は終わったぞ!? 次は梅雨だ……って、湿度の変化のせいか古傷が痛むんだよな……
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/06/21 01:21
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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相談卓 鞍馬 真(ka5819) 人間(リアルブルー)|22才|男性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/06/11 23:15:00 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/10 10:59:17 |