ゲスト
(ka0000)
【RH】偽善と正義感。そして……【空蒼】
マスター:近藤豊

- シナリオ形態
- イベント
- 難易度
- 易しい
- 参加費
500
- 参加人数
- 現在25人 / 1~25人
- ユニット参加人数
- 現在14 / 0~25
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/06/13 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/06/22 19:00
オープニング
ロンドンを舞台にした強化人間失踪事件が決着。
ロンドン全域に被害が及んだ訳ではないが、未だロンドン市内は復興が続いている。
家や財産を無くす者。
大きな怪我を負った者。
愛する者を失った者――。
歪虚『慈恵院明法』に先導されたとはいえ、強化人間達が引き起こした事件は確実にロンドン市民の心を深く傷つけた。
その傷はそう簡単に癒える事はないだろう。否、むしろその傷は強化人間への憎悪として変貌する恐れすらある。
「ユーキ。私は、ロンドン復興を全力で取り組まねばならぬと考えている」
「総帥。その心遣いは大切でございます。それでは早速組織を編成して人員を……」
「それだけでは足らぬ」
ユーキの言葉を遮るトモネ。
今までであれば財団として人員を派遣。充分な資金を投入する事で復興とする事が多かった。
しかし、トモネはいつもの方法を否定してきた。
「総帥は何が不足とお考えでしょう?」
「私に金だけを出してエディンバラの執務室に引き込んでいれば良いと考えているのか、ユーキ?」
「いけません」
トモネの言葉でユーキは真意を理解した。
つまり、トモネ自身がロンドンに赴いてロンドン市民を励まそうとしているのだ。これはユーキにとっては看過できない。事件に強化人間が大きく関わっている以上、市民の感情は強化人間へと向けられる。それは軍と強い関係を持つ財団に向けられる恐れもある。
財団総帥であるトモネがロンドン市民の前に出れば、怒りに任せた市民がトモネを襲うかもしれない。護衛をしっかり固めればそれを防げるだろうが、トモネの目的が自らの市民に声をかけて励ますつもりであればその護衛は邪魔でしか無い。
「ユーキの言わんとする事も理解している。
しかしな……民は今混迷の中にいる。その混迷から抜け出すには、誰かが彼らの手を引いてやらねばならん。民に希望をもたらす存在がな」
「仰りたい事は分かります。ですが……」
「分かっている。だが、私はムーンリーフ財団の総帥なのだ」
ムーンリーフ財団の総帥。
それがトモネの立場なのだ。総帥の座を父から引き継いだ時点で、重責が背にのし掛かる。
「Yes, My Lord」
ユーキはただ、そう答えた。
●
「今日は戦闘ではないザマス。ロンドンの復興をお助けするザマス」
ラズモネ・シャングリラ艦長の森山恭子(kz0216)は、ロンドン市の東にいた。
強化人間や明法との戦いで打撃を受けた市の復興や市民への支援を行う為である。統一地球連合宙軍が守るのは地球の市民。こうした支援活動も大切な軍の任務として位置づけられている。
「瓦礫の撤去や物資の運搬、怪我人の治療や行方不明者の捜索。やる事は山程あるザマスよ。ハンターの皆さんを呼んでおいて正解ザマス」
恭子はこのロンドンの復興支援を軍から命令された段階でハンターに依頼を出していた。
ロンドンの惨状は戦っていた恭子が一番良く分かっている。
あれだけ広範囲に大暴れしたのだ。
被害も甚大だ。
ましてや、避難の遅れも重なっていたのだ。人手は幾らあっても足りない。
「指示はあたくしが出す事になっているザマスが、ハンターの皆さんは臨機応変に動いて欲しいザマス。必要な物資はあたくしに言って欲しいザマス」
ロンドン市内から被害地への物資搬送も遅れている上、未だ多くの瓦礫が散乱している。さらに巨大潜水艦『エリュマントス』が通過したテムズ側流域は、両岸が大きく破壊された。
「ねぇ。ママはどこ?」
ふいに恭子の袖を引っ張る少女。
見れば、薄汚れて傷だらけの人形を抱えている。
おそらく戦いに巻き込まれて母親とはぐれたのであろう。
恭子は、笑顔を見せると少女の視線に合わせてしゃがみ込んだ。
「大丈夫ザマス。必ずあたくしが見つけてあげるザマス」
恭子の言葉が通じたのか、少女は小さく頷いた。
今もこうした子供達が街に溢れている。少しでもこの子達を助けてやらなければならない。たとえ、捜索の果てに哀しい現実が待っていたとしても。
「それからハンターの皆さんには一つお願いがあるザマス。後程、財団総帥のトモネさんがここへいらっしゃるザマス。市民を心配しての行動ザマスが、それとなくトモネさんの護衛をお願いするザマス。
市民の皆さんが怒り出すとも限らないザマスから」
市民が怒り出す。
軍には表立って怒る者は少ないが、財団は企業体だ。その財団の総帥が幼い少女だとすれば、怒り出す者がいても不思議では無い。
――杞憂。
恭子はその心配が空振りになる事を願っている。
●
「珍しいな。お前からの呼び出しとは」
山岳猟団八重樫 敦(kz0056)はジェイミー・ドリスキル(kz0231)中尉に呼び出されていた。
ロンドンのブラックフライアーズ駅近くにある伝統的なパブ。
大人の社交場であり、エールやスタウトを飲みながら語らう場として知られている。
「そうか? なら、明日は雪でも降るか。いや、婆さんの復興活動をサボってきたから帳消しか」
「一緒に復興活動はできないと考えたのではないのか。お前が強化人間だから」
「そんなんじゃねぇよ。復興はやりたい奴がやりゃあいい。俺は俺でやるべき事がある」
ドリスキルは手にしていたエールを飲み干した。
八重樫はドリスキルが強化人間である以上、仲間に累が及ぶのを懸念してサボったと考えていた。市民の強化人間への感情は悪化しつつある。財団も手を打っているが、未だ成果は上がっていない。
「で、本題はなんだ?」
「焦るなよ。家で焼いていたパイをオーブンから出し忘れたか?
夜は長いんだ。ゆっくり話そうじゃねぇか。……親父、エールを二杯だ」
ドリスキルはカウンターに数枚の効果を置いた。パブは基本的にキャッシュ・オン・デリバリー。その場で支払う事が必要だ。その分、店は迷惑をかけない限り、客には干渉しない。密談するには悪い場所ではない。
「今回の事件、どう思う? 俺ぁ怪しいもんがあり過ぎて目が回りそうだ」
店主から差し出されたエールにドリスキルは口を付ける。
強化人間失踪事件。その事件自体は黒幕とされる慈恵院明法を倒した事で決着はみている。
だが、保護された強化人間は目覚めず、被害を受けた市民は鬱屈した感情を心に押し込めている状況だ。ドリスキルはその状況を鑑みた上で、この事件の怪しさを感じ取っているのだ。
「ここで話して答えは出るのか?」
「出ないだろうな。
だが、この事件に残された謎を明確にする事は真相への鍵だ。この事件に裏があるなら、その謎を見直しておいて損はねぇだろ」
八重樫もまたこの事件の謎を感じ取っていた。
ドリスキルがこのパブを選んだのも、盗聴や横槍を懸念しての事だろう。
「ここを会議室にするつもりか?」
「違うな。作戦本部だ。できれば、美人の姉ちゃんのダンスがあれば最高なんだがな」
ロンドン全域に被害が及んだ訳ではないが、未だロンドン市内は復興が続いている。
家や財産を無くす者。
大きな怪我を負った者。
愛する者を失った者――。
歪虚『慈恵院明法』に先導されたとはいえ、強化人間達が引き起こした事件は確実にロンドン市民の心を深く傷つけた。
その傷はそう簡単に癒える事はないだろう。否、むしろその傷は強化人間への憎悪として変貌する恐れすらある。
「ユーキ。私は、ロンドン復興を全力で取り組まねばならぬと考えている」
「総帥。その心遣いは大切でございます。それでは早速組織を編成して人員を……」
「それだけでは足らぬ」
ユーキの言葉を遮るトモネ。
今までであれば財団として人員を派遣。充分な資金を投入する事で復興とする事が多かった。
しかし、トモネはいつもの方法を否定してきた。
「総帥は何が不足とお考えでしょう?」
「私に金だけを出してエディンバラの執務室に引き込んでいれば良いと考えているのか、ユーキ?」
「いけません」
トモネの言葉でユーキは真意を理解した。
つまり、トモネ自身がロンドンに赴いてロンドン市民を励まそうとしているのだ。これはユーキにとっては看過できない。事件に強化人間が大きく関わっている以上、市民の感情は強化人間へと向けられる。それは軍と強い関係を持つ財団に向けられる恐れもある。
財団総帥であるトモネがロンドン市民の前に出れば、怒りに任せた市民がトモネを襲うかもしれない。護衛をしっかり固めればそれを防げるだろうが、トモネの目的が自らの市民に声をかけて励ますつもりであればその護衛は邪魔でしか無い。
「ユーキの言わんとする事も理解している。
しかしな……民は今混迷の中にいる。その混迷から抜け出すには、誰かが彼らの手を引いてやらねばならん。民に希望をもたらす存在がな」
「仰りたい事は分かります。ですが……」
「分かっている。だが、私はムーンリーフ財団の総帥なのだ」
ムーンリーフ財団の総帥。
それがトモネの立場なのだ。総帥の座を父から引き継いだ時点で、重責が背にのし掛かる。
「Yes, My Lord」
ユーキはただ、そう答えた。
●
「今日は戦闘ではないザマス。ロンドンの復興をお助けするザマス」
ラズモネ・シャングリラ艦長の森山恭子(kz0216)は、ロンドン市の東にいた。
強化人間や明法との戦いで打撃を受けた市の復興や市民への支援を行う為である。統一地球連合宙軍が守るのは地球の市民。こうした支援活動も大切な軍の任務として位置づけられている。
「瓦礫の撤去や物資の運搬、怪我人の治療や行方不明者の捜索。やる事は山程あるザマスよ。ハンターの皆さんを呼んでおいて正解ザマス」
恭子はこのロンドンの復興支援を軍から命令された段階でハンターに依頼を出していた。
ロンドンの惨状は戦っていた恭子が一番良く分かっている。
あれだけ広範囲に大暴れしたのだ。
被害も甚大だ。
ましてや、避難の遅れも重なっていたのだ。人手は幾らあっても足りない。
「指示はあたくしが出す事になっているザマスが、ハンターの皆さんは臨機応変に動いて欲しいザマス。必要な物資はあたくしに言って欲しいザマス」
ロンドン市内から被害地への物資搬送も遅れている上、未だ多くの瓦礫が散乱している。さらに巨大潜水艦『エリュマントス』が通過したテムズ側流域は、両岸が大きく破壊された。
「ねぇ。ママはどこ?」
ふいに恭子の袖を引っ張る少女。
見れば、薄汚れて傷だらけの人形を抱えている。
おそらく戦いに巻き込まれて母親とはぐれたのであろう。
恭子は、笑顔を見せると少女の視線に合わせてしゃがみ込んだ。
「大丈夫ザマス。必ずあたくしが見つけてあげるザマス」
恭子の言葉が通じたのか、少女は小さく頷いた。
今もこうした子供達が街に溢れている。少しでもこの子達を助けてやらなければならない。たとえ、捜索の果てに哀しい現実が待っていたとしても。
「それからハンターの皆さんには一つお願いがあるザマス。後程、財団総帥のトモネさんがここへいらっしゃるザマス。市民を心配しての行動ザマスが、それとなくトモネさんの護衛をお願いするザマス。
市民の皆さんが怒り出すとも限らないザマスから」
市民が怒り出す。
軍には表立って怒る者は少ないが、財団は企業体だ。その財団の総帥が幼い少女だとすれば、怒り出す者がいても不思議では無い。
――杞憂。
恭子はその心配が空振りになる事を願っている。
●
「珍しいな。お前からの呼び出しとは」
山岳猟団八重樫 敦(kz0056)はジェイミー・ドリスキル(kz0231)中尉に呼び出されていた。
ロンドンのブラックフライアーズ駅近くにある伝統的なパブ。
大人の社交場であり、エールやスタウトを飲みながら語らう場として知られている。
「そうか? なら、明日は雪でも降るか。いや、婆さんの復興活動をサボってきたから帳消しか」
「一緒に復興活動はできないと考えたのではないのか。お前が強化人間だから」
「そんなんじゃねぇよ。復興はやりたい奴がやりゃあいい。俺は俺でやるべき事がある」
ドリスキルは手にしていたエールを飲み干した。
八重樫はドリスキルが強化人間である以上、仲間に累が及ぶのを懸念してサボったと考えていた。市民の強化人間への感情は悪化しつつある。財団も手を打っているが、未だ成果は上がっていない。
「で、本題はなんだ?」
「焦るなよ。家で焼いていたパイをオーブンから出し忘れたか?
夜は長いんだ。ゆっくり話そうじゃねぇか。……親父、エールを二杯だ」
ドリスキルはカウンターに数枚の効果を置いた。パブは基本的にキャッシュ・オン・デリバリー。その場で支払う事が必要だ。その分、店は迷惑をかけない限り、客には干渉しない。密談するには悪い場所ではない。
「今回の事件、どう思う? 俺ぁ怪しいもんがあり過ぎて目が回りそうだ」
店主から差し出されたエールにドリスキルは口を付ける。
強化人間失踪事件。その事件自体は黒幕とされる慈恵院明法を倒した事で決着はみている。
だが、保護された強化人間は目覚めず、被害を受けた市民は鬱屈した感情を心に押し込めている状況だ。ドリスキルはその状況を鑑みた上で、この事件の怪しさを感じ取っているのだ。
「ここで話して答えは出るのか?」
「出ないだろうな。
だが、この事件に残された謎を明確にする事は真相への鍵だ。この事件に裏があるなら、その謎を見直しておいて損はねぇだろ」
八重樫もまたこの事件の謎を感じ取っていた。
ドリスキルがこのパブを選んだのも、盗聴や横槍を懸念しての事だろう。
「ここを会議室にするつもりか?」
「違うな。作戦本部だ。できれば、美人の姉ちゃんのダンスがあれば最高なんだがな」
解説
目的:ロンドン市内で復興支援。もしくはパブで酒を飲みながら事件を振り返る。
概要:
・ロンドン復興
ロンドン市東部は戦いの傷跡が大きく残り、今も瓦礫で道が封鎖されています。この影響で物資の輸送や行方不明者の捜索、怪我人の対応が遅れています。恭子や財団からの支援で必要な物資は準備されていますので、これらを遣ってロンドン市の復興を支援して下さい。なお、財団総帥のトモネ来訪します。トモネは民を案じつつ、強化人間の感情悪化を懸念して市民の前に姿を見せます。この為、トモネの護衛も打診されています。
・パブで談話
この事件を振り返って推察しようとする試みが行われています。強化人間失踪事件とは何だったのか。隠された謎を振り返ってみては如何でしょうか。謎を無視してただパプで酒を飲むだけでもOKです。
備考:
・ロンドン市内では強化人間への感情悪化が見られています。財団としても対応をしておりますが、強化人間への感情を爆発させてハンターや恭子、トモネが襲撃される恐れもあります。ロンドン市内で復興活動をされる方は、強化人間を話題にする際は注意が必要です。
・復興作業ではユニットの持ち込みが可能です。判断のハンターに任されていますので、臨機応変な行動が可能です。
※注意
参加は「ロンドン復興」と「パブで談話」のいずれかです。両方の参加は行えません。
概要:
・ロンドン復興
ロンドン市東部は戦いの傷跡が大きく残り、今も瓦礫で道が封鎖されています。この影響で物資の輸送や行方不明者の捜索、怪我人の対応が遅れています。恭子や財団からの支援で必要な物資は準備されていますので、これらを遣ってロンドン市の復興を支援して下さい。なお、財団総帥のトモネ来訪します。トモネは民を案じつつ、強化人間の感情悪化を懸念して市民の前に姿を見せます。この為、トモネの護衛も打診されています。
・パブで談話
この事件を振り返って推察しようとする試みが行われています。強化人間失踪事件とは何だったのか。隠された謎を振り返ってみては如何でしょうか。謎を無視してただパプで酒を飲むだけでもOKです。
備考:
・ロンドン市内では強化人間への感情悪化が見られています。財団としても対応をしておりますが、強化人間への感情を爆発させてハンターや恭子、トモネが襲撃される恐れもあります。ロンドン市内で復興活動をされる方は、強化人間を話題にする際は注意が必要です。
・復興作業ではユニットの持ち込みが可能です。判断のハンターに任されていますので、臨機応変な行動が可能です。
※注意
参加は「ロンドン復興」と「パブで談話」のいずれかです。両方の参加は行えません。
マスターより
近藤豊です。
RH事後連動として猫又SSDと一緒にイベシナをリリースします。グラシナを書いたはずなのに、何故ユニットイベシナなのか。それはうちの諸葛亮猫又の権謀術数が原因です……。今度いっぱい働いてもらおうと思います。
それでは、キドニーパイを肴にお待ちしています。
RH事後連動として猫又SSDと一緒にイベシナをリリースします。グラシナを書いたはずなのに、何故ユニットイベシナなのか。それはうちの諸葛亮猫又の権謀術数が原因です……。今度いっぱい働いてもらおうと思います。
それでは、キドニーパイを肴にお待ちしています。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/06/17 10:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/12 20:43:48 |
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相談卓 北谷王子 朝騎(ka5818) 人間(リアルブルー)|16才|女性|符術師(カードマスター) |
最終発言 2018/06/13 12:21:08 |