ゲスト
(ka0000)
【CF】ワルサー総帥、サンタになる
マスター:御影堂

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2014/12/25 09:00
- リプレイ完成予定
- 2015/01/03 09:00
オープニング
●
12月、リアルブルーでは多くの街がどこもかしこもクリスマスに染まるこの時期、クリムゾンウェストでもまた同じようにクリスマスムードに包まれる。
それはここ、崖上都市「ピースホライズン」でも変わらない。
むしろどこもかしこも華やかに、賑やかにクリスマス準備が進められていて。
リアルブルーの街に輝くという電飾の代わりに、ピースホライズンを彩るのは魔導仕掛けのクリスマス・イルミネーション。
立ち並ぶ家や街の飾りつけも、あちらこちらが少しずつクリスマスの色に染まっていく。
特に今年は、去年の秋に漂着したサルヴァトーレ・ロッソによって今までになく大量に訪れたリアルブルーからの転移者たちが、落ち着いて迎えられる初めてのクリスマス。
ハンターとして活躍している者も多い彼らを目当てにしてるのか、少しばかり変わった趣向を凝らす人々もいるようで。
果たして今年はどんなクリスマスになるのか、楽しみにしている人々も多いようだった。
●
そんなピースホライズンの熱気は、王国北部にあるルサスール領まで届いていた。
領主カフェ・w・ルサスールは、屋敷の飾り付けを使用人達が終えたのを見届け、ため息を漏らす。
「カフェ様、僭越ながら如何なされました?」
執事長の言葉に背を向けて、カフェは告げる。
「サチコは、帰ってこないのだろうな」
「あぁ……」
カフェの娘、サチコ・w・ルサスールは絶賛家出中なのである。
ピースホライズンで賑やかなクリスマスという行事を、彼女も耳にしているのだろうと思いつつ、飾り付けをしていたのだ。
「息子たちはいるのだ。チキンが冷めないうちに、食事にしようじゃないか」
「はい」
気持ちを切り替えて、カフェは執事長にいう。
窓の外は雪がちらついていた。
サチコは今、何をしているのだろうか。そんなことを考えながら、カフェは食堂へと向かうのであった。
「ハーッハッハッハ!! わるわるさー! わた、俺様がワルサー総帥サチコなのです、だぜ!」
同じく窓の外を見ながら、一人の少女が頭の悪い自己紹介を誰に向けてか告げていた。
しなやかな銀髪を腰まで伸ばし、勝ち気な笑顔を作るこの少女こそ、ルサスール家の息女サチコであった。非常に残念であるが、本当のことである。
「ワルサー総帥、食事の用意ができましたよ」
「やっとですわね。お腹すきましたわ……のだぜ」
お腹を押さえながら、サチコはテーブルに付く。
鶏肉のトマト煮込みに、干し肉で和えたパスタ。それとチーズが少々。ぶどうジュースを飲みながら、サチコは従者ジロの作った料理に舌鼓を打つ。
「今日は少し豪華ですね」
「なんでも、クリスマスという行事がこの時期にはあるらしいですよ。ピースホライズンの方は盛り上がっているらしいです」
行商人から聞いた知識を、ジロがつくつくと述べる。どういった行事なのかとサチコは聞くが、華やかに騒いでチキンやケーキを食べるらしいとか、モミの木を飾り立てて楽しむらしいとか今ひとつわかりにくい。
タロがそういえば、と立ち上がって書斎から本を引っ張り出してくる。
「リアルブルーに関する書籍に、そんな話が載っていましたね」
「タロ、今は食事中ですわ。後でゆっくり読みますから……だぜ」
行儀が悪いと窘められ、タロは頭を下げる。こういったところは、やはりお嬢様なのだなぁとタロは改めて思うのである。
温かい食事でカラダも温め、暖炉の側でハーブティーを飲む。
「クリスマス……クリスマス……っと」
サチコは興味深げに、タロが引っ張り出してきた本に目を通す。探していた項目は思ったよりもあっさり見つかった。
「これですわね」
じっくりと読み進めていくうちに、サチコの表情が明るくなる。好奇心が満たされているのだろうと、ジロは思った。そして、タロはなにか嫌な予感がすると庭で育てていた胃にやさしいハーブを煎じて飲むのだった。
夜も更けていき、就寝したサチコは「サンタ……ふふふ」と呟くのだった。
●
その出来事から、2日経った日のことだ。
「タロ、ジロ! サンタになるのだぜ!」
いきなり、サチコがそんなことを言い出したのだ。
サンタとはなにかとジロが問いかければ、サチコは鼻を鳴らして意気揚々と答える。
「とっても、悪いやつですわ!」
「……えー……」
同じ本を読んでいたタロが、如実にどうしてこうなったという言葉を顔に表していた。
だが、サチコは気づかずに自分の思うところを述べる。
「血に染まったような赤い服を着て、見知らぬ子供の家に入ってプレゼントを配るのです。きっと、プレゼントの出処は悪徳貴族や悪徳商人に違いありませんわ!」
拳を握って豪語するサチコに、タロが小さく、違うと思うとつぶやいた。
そんなタロのつぶやきにはやはり気づかず、サチコは続ける。
「義賊を目指すワルワル団としては、是非とも見習いませんと、だぜ!」
こうなっては止めることは出来ない。
誤解を解こうと、タロがアレコレいってみるが全て無下にされた。哀れ、タロ。
「さぁ、準備をしませんといけませんわだぜ。早速、贈り物を手に入れないと……」
このままでは、盗みに手をつけかねないサチコにジロが進言する。
「サチコ様、私によき考えがあります……」
翌日、カフェのもとをジロが訪れていた。
「サチコが帰ってくるのか!」
「一応、はぁ、まぁ、そうですね」
ジロが伝えたのは、サチコがこの屋敷(実家)に盗みに入るということだった。
何故かカフェが子供が喜ぶようなおもちゃを買い集めているという嘘をサチコに述べたのだ。もちろん、これからきちんと買い付ける予定であるが。
「どんなのを喜ぶかなぁ、サチコは……どう思う?」
「どう思うと言われましても、サチコ様はお配りになるものを盗みにくるのですが」
この人の話を聞いちゃいないあたり、サチコにそっくりだよなとジロはしみじみ思う。
なんとかかんとか、カフェが状況を把握して準備を任されることとなった。
「ひとりで配るのは大変だろう。いつものごとく使いをやらねばな!」
意気揚々とハンターオフィスへ使いを出す姿は、まさに親ばか。
クリスマスの陽気は偉大な領主の頭をこうも緩めるのかと戦慄するジロなのであった……。
12月、リアルブルーでは多くの街がどこもかしこもクリスマスに染まるこの時期、クリムゾンウェストでもまた同じようにクリスマスムードに包まれる。
それはここ、崖上都市「ピースホライズン」でも変わらない。
むしろどこもかしこも華やかに、賑やかにクリスマス準備が進められていて。
リアルブルーの街に輝くという電飾の代わりに、ピースホライズンを彩るのは魔導仕掛けのクリスマス・イルミネーション。
立ち並ぶ家や街の飾りつけも、あちらこちらが少しずつクリスマスの色に染まっていく。
特に今年は、去年の秋に漂着したサルヴァトーレ・ロッソによって今までになく大量に訪れたリアルブルーからの転移者たちが、落ち着いて迎えられる初めてのクリスマス。
ハンターとして活躍している者も多い彼らを目当てにしてるのか、少しばかり変わった趣向を凝らす人々もいるようで。
果たして今年はどんなクリスマスになるのか、楽しみにしている人々も多いようだった。
●
そんなピースホライズンの熱気は、王国北部にあるルサスール領まで届いていた。
領主カフェ・w・ルサスールは、屋敷の飾り付けを使用人達が終えたのを見届け、ため息を漏らす。
「カフェ様、僭越ながら如何なされました?」
執事長の言葉に背を向けて、カフェは告げる。
「サチコは、帰ってこないのだろうな」
「あぁ……」
カフェの娘、サチコ・w・ルサスールは絶賛家出中なのである。
ピースホライズンで賑やかなクリスマスという行事を、彼女も耳にしているのだろうと思いつつ、飾り付けをしていたのだ。
「息子たちはいるのだ。チキンが冷めないうちに、食事にしようじゃないか」
「はい」
気持ちを切り替えて、カフェは執事長にいう。
窓の外は雪がちらついていた。
サチコは今、何をしているのだろうか。そんなことを考えながら、カフェは食堂へと向かうのであった。
「ハーッハッハッハ!! わるわるさー! わた、俺様がワルサー総帥サチコなのです、だぜ!」
同じく窓の外を見ながら、一人の少女が頭の悪い自己紹介を誰に向けてか告げていた。
しなやかな銀髪を腰まで伸ばし、勝ち気な笑顔を作るこの少女こそ、ルサスール家の息女サチコであった。非常に残念であるが、本当のことである。
「ワルサー総帥、食事の用意ができましたよ」
「やっとですわね。お腹すきましたわ……のだぜ」
お腹を押さえながら、サチコはテーブルに付く。
鶏肉のトマト煮込みに、干し肉で和えたパスタ。それとチーズが少々。ぶどうジュースを飲みながら、サチコは従者ジロの作った料理に舌鼓を打つ。
「今日は少し豪華ですね」
「なんでも、クリスマスという行事がこの時期にはあるらしいですよ。ピースホライズンの方は盛り上がっているらしいです」
行商人から聞いた知識を、ジロがつくつくと述べる。どういった行事なのかとサチコは聞くが、華やかに騒いでチキンやケーキを食べるらしいとか、モミの木を飾り立てて楽しむらしいとか今ひとつわかりにくい。
タロがそういえば、と立ち上がって書斎から本を引っ張り出してくる。
「リアルブルーに関する書籍に、そんな話が載っていましたね」
「タロ、今は食事中ですわ。後でゆっくり読みますから……だぜ」
行儀が悪いと窘められ、タロは頭を下げる。こういったところは、やはりお嬢様なのだなぁとタロは改めて思うのである。
温かい食事でカラダも温め、暖炉の側でハーブティーを飲む。
「クリスマス……クリスマス……っと」
サチコは興味深げに、タロが引っ張り出してきた本に目を通す。探していた項目は思ったよりもあっさり見つかった。
「これですわね」
じっくりと読み進めていくうちに、サチコの表情が明るくなる。好奇心が満たされているのだろうと、ジロは思った。そして、タロはなにか嫌な予感がすると庭で育てていた胃にやさしいハーブを煎じて飲むのだった。
夜も更けていき、就寝したサチコは「サンタ……ふふふ」と呟くのだった。
●
その出来事から、2日経った日のことだ。
「タロ、ジロ! サンタになるのだぜ!」
いきなり、サチコがそんなことを言い出したのだ。
サンタとはなにかとジロが問いかければ、サチコは鼻を鳴らして意気揚々と答える。
「とっても、悪いやつですわ!」
「……えー……」
同じ本を読んでいたタロが、如実にどうしてこうなったという言葉を顔に表していた。
だが、サチコは気づかずに自分の思うところを述べる。
「血に染まったような赤い服を着て、見知らぬ子供の家に入ってプレゼントを配るのです。きっと、プレゼントの出処は悪徳貴族や悪徳商人に違いありませんわ!」
拳を握って豪語するサチコに、タロが小さく、違うと思うとつぶやいた。
そんなタロのつぶやきにはやはり気づかず、サチコは続ける。
「義賊を目指すワルワル団としては、是非とも見習いませんと、だぜ!」
こうなっては止めることは出来ない。
誤解を解こうと、タロがアレコレいってみるが全て無下にされた。哀れ、タロ。
「さぁ、準備をしませんといけませんわだぜ。早速、贈り物を手に入れないと……」
このままでは、盗みに手をつけかねないサチコにジロが進言する。
「サチコ様、私によき考えがあります……」
翌日、カフェのもとをジロが訪れていた。
「サチコが帰ってくるのか!」
「一応、はぁ、まぁ、そうですね」
ジロが伝えたのは、サチコがこの屋敷(実家)に盗みに入るということだった。
何故かカフェが子供が喜ぶようなおもちゃを買い集めているという嘘をサチコに述べたのだ。もちろん、これからきちんと買い付ける予定であるが。
「どんなのを喜ぶかなぁ、サチコは……どう思う?」
「どう思うと言われましても、サチコ様はお配りになるものを盗みにくるのですが」
この人の話を聞いちゃいないあたり、サチコにそっくりだよなとジロはしみじみ思う。
なんとかかんとか、カフェが状況を把握して準備を任されることとなった。
「ひとりで配るのは大変だろう。いつものごとく使いをやらねばな!」
意気揚々とハンターオフィスへ使いを出す姿は、まさに親ばか。
クリスマスの陽気は偉大な領主の頭をこうも緩めるのかと戦慄するジロなのであった……。
解説
●目的
義賊サンタクロースとして、カフェからおもちゃを盗み、子供たちに配る。
●義賊サンタクロース
悪徳貴族や悪徳商人から子供が喜びそうなものを盗んで子供たちに配る義賊。
なぜかこの時期にしか現れず、ズタ袋を片手に赤い服を着ている。
それにあやかって、今回は作戦が行われる。
●屋敷へ強盗に入る
そう思わせて屋敷でパーティをさせるように仕向けてください。
カフェは準備をして待っています。
楽しみに、待っています。
サチコは強盗するつもり(できっこない性格ですが)なので、上手く誘導しましょう。
●プレゼントを配る
カフェが用意したプレゼントを領内の子供たちに配りましょう。
夜間に家々を訪れるのであれば、準備しておかないと怒られます。
サチコは次の日にプレゼントが枕元にある状態が正解だと思っているので、配り方等は自由にできます。
●ワルサー総帥
規則正しい生活をするワルサー総帥。
夜更かしができるかは謎。
義賊サンタクロースとして、カフェからおもちゃを盗み、子供たちに配る。
●義賊サンタクロース
悪徳貴族や悪徳商人から子供が喜びそうなものを盗んで子供たちに配る義賊。
なぜかこの時期にしか現れず、ズタ袋を片手に赤い服を着ている。
それにあやかって、今回は作戦が行われる。
●屋敷へ強盗に入る
そう思わせて屋敷でパーティをさせるように仕向けてください。
カフェは準備をして待っています。
楽しみに、待っています。
サチコは強盗するつもり(できっこない性格ですが)なので、上手く誘導しましょう。
●プレゼントを配る
カフェが用意したプレゼントを領内の子供たちに配りましょう。
夜間に家々を訪れるのであれば、準備しておかないと怒られます。
サチコは次の日にプレゼントが枕元にある状態が正解だと思っているので、配り方等は自由にできます。
●ワルサー総帥
規則正しい生活をするワルサー総帥。
夜更かしができるかは謎。
マスターより
ちっと早いメリクリ、そして、わるわるさー。御影堂です。
わるわるさーは、ワルワル団の挨拶です。覚えなくてもいいです。
ピースホライズンでクリスマスとかいうのをやってる!
サンタって義賊が現れるらしい!
我々、ワルワル団もあやかるのだという依頼です。
上手くサチコを騙し(?)つつ楽しみましょう。
わるわるさーは、ワルワル団の挨拶です。覚えなくてもいいです。
ピースホライズンでクリスマスとかいうのをやってる!
サンタって義賊が現れるらしい!
我々、ワルワル団もあやかるのだという依頼です。
上手くサチコを騙し(?)つつ楽しみましょう。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2015/01/03 16:01
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2014/12/21 19:09:45 |
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相談卓 最上 風(ka0891) 人間(リアルブルー)|10才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2014/12/25 00:27:00 |