ゲスト
(ka0000)
宝石を飲み込んだのはどのネズミ?
マスター:ザント

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在4人 / 4~4人
- サポート
- 現在0人 / 0~20人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 少なめ
- 相談期間
- 7日
- プレイング締切
- 2018/06/25 09:00
- リプレイ完成予定
- 2018/07/04 09:00
オープニング
「ようこそおいで下さいました、キャシー様」
高級店の従業員風の男性はキャシーと呼んだ派手な服装をした四十代ほどのザ・マダムといった感じの女性を丁寧に迎えた。
「前にお願いしたのが入ってきたと聞いたざます。早く見せるざます」
だが、キャシーはそれを当然と思っているのか、反応すらせず、すぐに用件を告げた。
此処は港湾都市ポルトワールにある高級宝石店だ。
都市の性質上珍しい宝石等が集まりやすく、ポルトワールの中でも様々な宝石を取り揃えてあることでかなり有名な店だ。
「はい。ご用意してあります。どうぞこちらに」
男性従業員はそれをおくびにも出さず、完璧な営業スマイルでキャシーを案内する。
それを当然とばかりに胸を張って案内される最中、キャシーの目にある宝石が映った。
それは、高級店には少々場違い感があるまだ若い男女が見ていた宝石だ。
キャシーは店内に入ってすぐに男女が居ることに気づいたが、大方背伸びして高級店に入ってきた平民だろうと思って気にしていなかった。
しかし、今は違う。
男女が見ている宝石は、ビー玉ほどの大きさだが桃色と橙色の中間色の美しい宝石で、キャシーはその宝石について男性従業員に尋ねた。
「ちょっと」
「はい、なんでしょうか。キャシー様」
「あの宝石はなんていうざます?」
若い男女が見ている宝石を指差すと、男性従業員はその宝石を見て小さく納得の言葉を漏らすと、営業スマイルを浮かべた。
「あれはパパラチアサファイアという幻の宝石とも呼ばれる大変珍しい宝石でございます」
「そう。じゃあ、あちらの宝石もいただくざます」
キャシーがそう言うと、男性従業員は困ったように笑った。
「申し訳ございません。当店には在庫が無く、あちらのパパラチアサファイアはあちらのお客様が持ち込んで来たものなので売り物ではございません。当店で加工などは致しましたが……」
「じゃあ、いつになったら手に入るんざます?」
「申し訳ございません。何分、パパラチアサファイアは大変珍しい物ですので分かりかねます。入荷しましたらキャシー様にもお伝え致しますので……」
対応として問題ないどころか最適な対応をした男性従業員だが、キャシーは納得できずに金切り声を上げた。
「もういいざます!」
「あ、キャシー様!」
ズンズンと男女の下へ歩いていき、キャシーに気づいた男女は呆けた表情でキャシーを見る。
「そちらの宝石を売って下さらないざます?」
「え」
「いや、それは……」
「キャシー様。是非ともキャシー様におすすめしたい宝石がございます!」
男女は顔を見合わせて困惑し、対応していた従業員が即座に間に入った。
「こちらの宝石はいかがでしょう。大粒のサファイアで、これほどの大きさの物は中々見つかりませんよ!」
「そんな物はいらないざます! 私が欲しいのはその宝石ざます!」
「キャシー様、そちらの宝石はそちらのお客様たちの物ですのでっ」
男性従業員も加わり、何とかして治めようとするがキャシーは止まらない。
「言い値で買うざます!」
「あの、私たちは帰りますっ」
「お客様方、ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。次のご来店時にはサービスをさせて頂きますので……」
箱に入れ、宝石を持って帰ろうとする男女に向かって店主まで出てきて頭を下げて謝ると、男女たちは逆に恐縮してしまったのか頭を下げ返す。
キャシーの金切り声と説得する従業員たちの声が店内に響く中、男女は店を出た。
「離すざます!」
「あっ!」
従業員たちの制止を振り切ったキャシーは男女を追って店を出ると、宝石を持つ女性へと掴みかかった。
「それは私にこそ似合うざます!」
「きゃっ」
「おい!」
女性に掴みかかるのを見て、我慢の限界が来たのか。
それとも店内で揉め事はしないように我慢していたからなのか。
どちらだろうと、男性は声を荒あげてキャシーを引き剥がしにかかった。
「離すざますっ!」
キャシーが男性の掴む手を振り払った時、女性の手も払われ、手に持っていた宝石が入った箱が宙を舞った。
箱は地面に落ち、宝石が飛び出して地面を転がり、そしてそこにあった排水口へと落ちていった。
「ああああああ!」
キャシーは声を上げながら、女性は慌てて穴を覗き込む。
すると、そこには岩のような見た目の大きなネズミたちがおり、落ちてきた宝石に向かって鼻を鳴らしていた。
「あっ!」
そして、口を開くと一口に飲み込んでしまった。
「この、ネズミ!」
キャシーが怒鳴ると、ネズミたちはその声に驚いてバラバラに散っていき、そして下水道の闇へとその姿を消していった。
「その後、騒ぎを聞きつけた海軍により事情聴取。男女が宝石を見つけて欲しいと主張した為、経費はマダム負担で宝石捜索の依頼がされました……全く、我儘なマダムの所為で仕事が増えてしまいましたよ」
ハンターオフィスの女性職員は、ハンター時代に同じようなことを経験したことでもあるのか心底うんざり様子でため息つき、場所とネズミについてを教えてくれた。
「起こった場所は街の中でも下水道が整った区域で、運悪く店と街道の間にあった排水口に宝石が落ちてしまったようです。宝石が落ちた先は雨水用の下水道で、汚水は流れていません。つい先日雨が降りましたので、下水道にも水が残っていると思いますが、多少濁っていてもせいぜいが泥水程度かと。そして宝石を飲み込んだと思われるネズミは、ロックラットと呼ばれる雑魔だと思われます。鉱石類を好んで飲み込み、飲み込んだ鉱石の色が岩のように硬い表皮に現れるという大型のネズミです。それ以外は通常のドブネズミと同じなので、すばしっこいことと表皮が硬い以外に注意は必要ないでしょう」
職員はそこまで言い、気合を入れ直す為に自分の顔を軽く叩くと依頼内容を伝えてきた。
「今回の依頼主は件のマダムから。理由はお聞きにならないでください。実際に下水道に降りて、宝石を飲み込んだロックラットを見つけ、宝石を取り戻してください。尚、下水道は非常に入り組んでいる上に灯りがありませんので、灯り……湿気が多いので松明以外の灯りを持っていくことをおすすめします。後、これはついでなのですが、ロックラットは口に入らない大きさの鉱石を見つけると、それを削って食べてしまうのですが……どうやらロックラットによって下水道の柱が傷つけられているそうなので、可能な範囲で件のロックラット以外の駆除もお願いしたいと海軍から依頼がありました。ですので、可能であればこちらもお願いします」
説明を終えた職員はふと思い出したように。
「そうそう、件のマダムは海軍にこっぴどく叱られたらしいですよ。いい気味です」
と、スカッとした表情で笑った。
高級店の従業員風の男性はキャシーと呼んだ派手な服装をした四十代ほどのザ・マダムといった感じの女性を丁寧に迎えた。
「前にお願いしたのが入ってきたと聞いたざます。早く見せるざます」
だが、キャシーはそれを当然と思っているのか、反応すらせず、すぐに用件を告げた。
此処は港湾都市ポルトワールにある高級宝石店だ。
都市の性質上珍しい宝石等が集まりやすく、ポルトワールの中でも様々な宝石を取り揃えてあることでかなり有名な店だ。
「はい。ご用意してあります。どうぞこちらに」
男性従業員はそれをおくびにも出さず、完璧な営業スマイルでキャシーを案内する。
それを当然とばかりに胸を張って案内される最中、キャシーの目にある宝石が映った。
それは、高級店には少々場違い感があるまだ若い男女が見ていた宝石だ。
キャシーは店内に入ってすぐに男女が居ることに気づいたが、大方背伸びして高級店に入ってきた平民だろうと思って気にしていなかった。
しかし、今は違う。
男女が見ている宝石は、ビー玉ほどの大きさだが桃色と橙色の中間色の美しい宝石で、キャシーはその宝石について男性従業員に尋ねた。
「ちょっと」
「はい、なんでしょうか。キャシー様」
「あの宝石はなんていうざます?」
若い男女が見ている宝石を指差すと、男性従業員はその宝石を見て小さく納得の言葉を漏らすと、営業スマイルを浮かべた。
「あれはパパラチアサファイアという幻の宝石とも呼ばれる大変珍しい宝石でございます」
「そう。じゃあ、あちらの宝石もいただくざます」
キャシーがそう言うと、男性従業員は困ったように笑った。
「申し訳ございません。当店には在庫が無く、あちらのパパラチアサファイアはあちらのお客様が持ち込んで来たものなので売り物ではございません。当店で加工などは致しましたが……」
「じゃあ、いつになったら手に入るんざます?」
「申し訳ございません。何分、パパラチアサファイアは大変珍しい物ですので分かりかねます。入荷しましたらキャシー様にもお伝え致しますので……」
対応として問題ないどころか最適な対応をした男性従業員だが、キャシーは納得できずに金切り声を上げた。
「もういいざます!」
「あ、キャシー様!」
ズンズンと男女の下へ歩いていき、キャシーに気づいた男女は呆けた表情でキャシーを見る。
「そちらの宝石を売って下さらないざます?」
「え」
「いや、それは……」
「キャシー様。是非ともキャシー様におすすめしたい宝石がございます!」
男女は顔を見合わせて困惑し、対応していた従業員が即座に間に入った。
「こちらの宝石はいかがでしょう。大粒のサファイアで、これほどの大きさの物は中々見つかりませんよ!」
「そんな物はいらないざます! 私が欲しいのはその宝石ざます!」
「キャシー様、そちらの宝石はそちらのお客様たちの物ですのでっ」
男性従業員も加わり、何とかして治めようとするがキャシーは止まらない。
「言い値で買うざます!」
「あの、私たちは帰りますっ」
「お客様方、ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。次のご来店時にはサービスをさせて頂きますので……」
箱に入れ、宝石を持って帰ろうとする男女に向かって店主まで出てきて頭を下げて謝ると、男女たちは逆に恐縮してしまったのか頭を下げ返す。
キャシーの金切り声と説得する従業員たちの声が店内に響く中、男女は店を出た。
「離すざます!」
「あっ!」
従業員たちの制止を振り切ったキャシーは男女を追って店を出ると、宝石を持つ女性へと掴みかかった。
「それは私にこそ似合うざます!」
「きゃっ」
「おい!」
女性に掴みかかるのを見て、我慢の限界が来たのか。
それとも店内で揉め事はしないように我慢していたからなのか。
どちらだろうと、男性は声を荒あげてキャシーを引き剥がしにかかった。
「離すざますっ!」
キャシーが男性の掴む手を振り払った時、女性の手も払われ、手に持っていた宝石が入った箱が宙を舞った。
箱は地面に落ち、宝石が飛び出して地面を転がり、そしてそこにあった排水口へと落ちていった。
「ああああああ!」
キャシーは声を上げながら、女性は慌てて穴を覗き込む。
すると、そこには岩のような見た目の大きなネズミたちがおり、落ちてきた宝石に向かって鼻を鳴らしていた。
「あっ!」
そして、口を開くと一口に飲み込んでしまった。
「この、ネズミ!」
キャシーが怒鳴ると、ネズミたちはその声に驚いてバラバラに散っていき、そして下水道の闇へとその姿を消していった。
「その後、騒ぎを聞きつけた海軍により事情聴取。男女が宝石を見つけて欲しいと主張した為、経費はマダム負担で宝石捜索の依頼がされました……全く、我儘なマダムの所為で仕事が増えてしまいましたよ」
ハンターオフィスの女性職員は、ハンター時代に同じようなことを経験したことでもあるのか心底うんざり様子でため息つき、場所とネズミについてを教えてくれた。
「起こった場所は街の中でも下水道が整った区域で、運悪く店と街道の間にあった排水口に宝石が落ちてしまったようです。宝石が落ちた先は雨水用の下水道で、汚水は流れていません。つい先日雨が降りましたので、下水道にも水が残っていると思いますが、多少濁っていてもせいぜいが泥水程度かと。そして宝石を飲み込んだと思われるネズミは、ロックラットと呼ばれる雑魔だと思われます。鉱石類を好んで飲み込み、飲み込んだ鉱石の色が岩のように硬い表皮に現れるという大型のネズミです。それ以外は通常のドブネズミと同じなので、すばしっこいことと表皮が硬い以外に注意は必要ないでしょう」
職員はそこまで言い、気合を入れ直す為に自分の顔を軽く叩くと依頼内容を伝えてきた。
「今回の依頼主は件のマダムから。理由はお聞きにならないでください。実際に下水道に降りて、宝石を飲み込んだロックラットを見つけ、宝石を取り戻してください。尚、下水道は非常に入り組んでいる上に灯りがありませんので、灯り……湿気が多いので松明以外の灯りを持っていくことをおすすめします。後、これはついでなのですが、ロックラットは口に入らない大きさの鉱石を見つけると、それを削って食べてしまうのですが……どうやらロックラットによって下水道の柱が傷つけられているそうなので、可能な範囲で件のロックラット以外の駆除もお願いしたいと海軍から依頼がありました。ですので、可能であればこちらもお願いします」
説明を終えた職員はふと思い出したように。
「そうそう、件のマダムは海軍にこっぴどく叱られたらしいですよ。いい気味です」
と、スカッとした表情で笑った。
解説
●シナリオの目的
主な目的 :飲み込まれた宝石の回収
副次的目的:十分の六以上のロックラットの駆除
●場所
下水道
全体 :61×45スクエアの縦に長い長方形
構造 :10×10スクエアのマス目状に水路兼通路が並ぶように通っている。
中央に61×5スクエアの縦に長い本水路が通っている。
水路兼通路は本水路へと水が流れていくように少しの傾斜がある。
状態 :数日前に雨が降ったので、下水道にはまだ雨水が残っている状態。
●敵
名前 :ロックラット
数 :100
姿 :岩のような表皮を持った大きなネズミ
大きさ :体長1m程、尻尾60cm程
特徴 :岩のように硬い表皮を持つ。
飲み込んだ鉱石の色が表皮に現れる。
攻撃方法 :噛み付き
生態 :鉱石類を好き好んで飲み込む。
鉱石が飲み込めないほど大きければ、歯で砕くなりして飲み込む。
備考 :ネズミ故にとてもすばしっこいので注意。
職員の呟き:飲み込んだ物が物なので、よく観察出来れば宝石を飲み込んだ個体を見つけられるかもしれませんね。
主な目的 :飲み込まれた宝石の回収
副次的目的:十分の六以上のロックラットの駆除
●場所
下水道
全体 :61×45スクエアの縦に長い長方形
構造 :10×10スクエアのマス目状に水路兼通路が並ぶように通っている。
中央に61×5スクエアの縦に長い本水路が通っている。
水路兼通路は本水路へと水が流れていくように少しの傾斜がある。
状態 :数日前に雨が降ったので、下水道にはまだ雨水が残っている状態。
●敵
名前 :ロックラット
数 :100
姿 :岩のような表皮を持った大きなネズミ
大きさ :体長1m程、尻尾60cm程
特徴 :岩のように硬い表皮を持つ。
飲み込んだ鉱石の色が表皮に現れる。
攻撃方法 :噛み付き
生態 :鉱石類を好き好んで飲み込む。
鉱石が飲み込めないほど大きければ、歯で砕くなりして飲み込む。
備考 :ネズミ故にとてもすばしっこいので注意。
職員の呟き:飲み込んだ物が物なので、よく観察出来れば宝石を飲み込んだ個体を見つけられるかもしれませんね。
マスターより
初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。
私、ザントと申します。
以後お見知りおきを。
今回は、物探しと一応戦闘のシナリオとなっています。
物探しは知識人か勘が鋭い方が向いてるかと。
戦闘の方は、舞台は雨水用の下水道です。
注意すべきは、大技を使うと被害が出てしまうこと。
次に、ネズミ駆除となると煙などでまとめて~と思われるでしょうが、それでは下水道にある雨水が汚染されてしまい、その水が海に行ってしまって、様々な方面から非難されてしまいますので、絶対に行わないでください。
注意ばかりとなってしまいましたが、私からは以上となります。
では、私のシナリオをお楽しみください。
私、ザントと申します。
以後お見知りおきを。
今回は、物探しと一応戦闘のシナリオとなっています。
物探しは知識人か勘が鋭い方が向いてるかと。
戦闘の方は、舞台は雨水用の下水道です。
注意すべきは、大技を使うと被害が出てしまうこと。
次に、ネズミ駆除となると煙などでまとめて~と思われるでしょうが、それでは下水道にある雨水が汚染されてしまい、その水が海に行ってしまって、様々な方面から非難されてしまいますので、絶対に行わないでください。
注意ばかりとなってしまいましたが、私からは以上となります。
では、私のシナリオをお楽しみください。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/06/29 23:54
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
下水道探索 レイア・アローネ(ka4082) 人間(クリムゾンウェスト)|24才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/06/24 22:56:09 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/24 17:46:33 |