ゲスト
(ka0000)
影の狙撃者
マスター:きりん

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/06/22 09:00
- リプレイ完成予定
- 2018/07/01 09:00
オープニング
●夜道を歩く男
仕事で遅くなった男は、夜の帳が下りた夜道を早足で歩いていた。
普段ならもっと早く帰宅しているのだが、その日は作業が立て込んでいて定時までに終わらず残業になってしまったのである。
「まだ寒いなぁ……もうすぐ暖かくなるのかねぇ」
ぼそりと呟く男の息は僅かに白い。
夜ということで温度が低下し、元々気温自体も今日は低めだったので、春が近い季節でありながら、まだまだ冷え込みは続いていた。
男はふと回りに違和感を抱いた。
何となくではあるが、何だかいつもの道と同じ風景なのに印象が違う。
「おかしいな……気のせいか?」
ずっと不思議な胸騒ぎが収まらず、男は不安になった。
うっすらとした嫌な予感がずっと脳裏にこびり付いており、中々消えてくれない。
近くで何者かが、自分の様子を窺っているような気さえする。
早足だった男は、まるで急かされるように走り出していた。
まるで男を煽るように、男の回りに矢が突き立つ。
襲撃者はわざと矢を外しているようだった。
必死に逃げる男目掛けて、殺意が篭められた最後の矢が放たれる。
しかしその矢は寸前で通りすがりのハンターに防がれた。
「大丈夫か」
尋ねるハンターに、男は何度も頭を下げる。
「あ、ありがとうございます!」
「礼はいい。家にまで送ろう」
こうして、男は無事に家まで帰ることができたのだった。
●暗闇から放たれる矢
最近、街を騒がせている一つの噂がある。
夜道を一人で歩いていると、どこからともなく矢が飛んでくる。
しかし振り向いてみても、射手がどこにもいないのだという。
曰く、その暗殺者は影に隠れ、影から影に移動し、決してその姿を見せない。
また、明るいうちに活動することはなく、暗殺者が動き出すのは、日が沈んだ後の夜のみ。
「闇に紛れて奇襲とは、卑怯な。私がその正体を暴いてやろう」
男を助けたハンターは憤慨し、血気盛んに暗殺者との接触を試みた。
しかし次の日、そのハンターは重傷を負った状態で発見された。
ハンターは沢山の矢傷を負っており、その中でも特に酷かったのが、肋骨の隙間を縫って肺を傷付けた一矢だった。
頭を射抜かれたり、心臓などを射抜かれたりしなかった分だけよかったと考えるべきだろうが、重傷であることには変わりない。
「まさか、ハンターがやられるとは」
「一人で行くからやられたんだ。複数なら分からんぞ」
「どちらにしろ、被害が出た以上迂闊に夜に外を出歩けんな」
街の住人たちは、皆不安の声を上げている。
無理もない。
一人とはいえハンターがやられるということは、敵はそれなりに強いということだ。
同時に、一般人には危険すぎる相手ということでもある。
「これは、本格的にハンターズソサエティに依頼を出した方がいいんじゃないか?」
「そうだな。そうしよう。射手が人なのか亜人なのか歪虚なのかも分からない以上、俺たちだけでどうこうしようとしても被害が拡大するだけだ」
こうして、街の住人たちはハンターズソサエティに依頼をした。
●ハンターズソサエティ
受付嬢として依頼を整理していたジェーン・ドゥは、新たに受理されたばかりの依頼を手に取り確認を始めた。
まずは緊急性について、今すぐハンターを派遣するに足る判断が下されているかどうかを調べる。
当て嵌まるのは、現地で人が襲われている最中なのが分かっている場合、あるいは排除対象が明確な脅威だとはっきり認識されている場合、そして既に犠牲者が出ている場合である。
この三つのシチュエーションに当て嵌まる依頼は、確認でき次第優先的にハンターたちへ斡旋を行い、依頼の消化を促す。
ハンターたちの自主性に任せるだけでは、取り返しがつかない事態になる恐れがあるためだ。
今回の依頼のケースは、二番目と三番目の複合だった。
たまたま居合わせたハンターが退治を試みて、逆に返り討ちに遭っている。
重傷を負ってはいるものの、幸い死んではおらず、治療の経過も順調なようだが、単独とはいえ覚醒者であるハンターを下すというのは、間違いなく明確な脅威だ。
少なくとも、ただの人間や亜人、動物などという可能性は極めて少ないだろう。
ジェーンは件の依頼を手に、ハンターたちの下へ向かった。
「依頼です」
凛としたジェーンの声に、何人かのハンターたちが視線を向ける。
「とある街で、夜道を帰宅途中に住人が狙撃されるという事件が頻発しています」
話を聞いたハンターたちは物騒だという感想を抱いたが、まだそれが自分たちに繋がるような依頼だとは思わなかった。
ただそれだけの話なら国家権力が動けばあっさり解決できるだろうし、受けるのは物好きなハンターくらいのものだろう。
「たまたま街に居合わせたハンターが退治を試みたようですが、残念ながら失敗に終わりました。ですが、ハンターの無事は確認されています。現在負傷して療養中だそうです。意識もはっきりしているということで、調書が取られています。ご覧ください」
ジェーンは紙の報告書をハンターたちに配っていく。
「対象を暫定的に『シャドウスナイパー』と呼称します。恐らくは歪虚ですが、どうやら単独のようです。一対一でハンターを退けるのですから、それなりの力を持つと推測されています。特殊能力として、影の中に潜り移動する能力を持つようです。何らかの方法で辺りを照らす必要があるでしょう」
これらの情報は、やられたハンターの話を聞いて収集したものだ。
実際に目にして能力を見たということで、信頼度はそれなりに高い。
ただ惜しむべくは、姿形について詳細なデータを得られなかったことか。
「街はリゼリオほどではありませんが、それなりの規模のようです。手分けして探索し、出現したらその場に集まることになります。連絡手段、移動手段の確保は必須でしょう。既にハンターが撃退された例がありますので、単独での戦闘は可能な限り避けることをお勧めします」
街中ということである程度道が整備され、天気もよく、移動することに対しては不自由しないだろう。
後はいかにして速やかに連絡を行えるかにかかっている。
「敵は状況判断が素早く、敵わないとみるやすぐさま撤退し、自分が有利な場所へと誘い込むそうで、それで件のハンターもやられたようです。このことから、かなりの知性が窺えます。歪虚であれば当然説得が通用するとは思えませんが、相手が賢いという前提で注意して行動を行うようにしてください」
最後に、ジェーンは深く頭を下げた。
「それでは、皆様のご活躍をお祈りさせていただきます」
依頼を受けるために、何人かのハンターが立ち上がった。
仕事で遅くなった男は、夜の帳が下りた夜道を早足で歩いていた。
普段ならもっと早く帰宅しているのだが、その日は作業が立て込んでいて定時までに終わらず残業になってしまったのである。
「まだ寒いなぁ……もうすぐ暖かくなるのかねぇ」
ぼそりと呟く男の息は僅かに白い。
夜ということで温度が低下し、元々気温自体も今日は低めだったので、春が近い季節でありながら、まだまだ冷え込みは続いていた。
男はふと回りに違和感を抱いた。
何となくではあるが、何だかいつもの道と同じ風景なのに印象が違う。
「おかしいな……気のせいか?」
ずっと不思議な胸騒ぎが収まらず、男は不安になった。
うっすらとした嫌な予感がずっと脳裏にこびり付いており、中々消えてくれない。
近くで何者かが、自分の様子を窺っているような気さえする。
早足だった男は、まるで急かされるように走り出していた。
まるで男を煽るように、男の回りに矢が突き立つ。
襲撃者はわざと矢を外しているようだった。
必死に逃げる男目掛けて、殺意が篭められた最後の矢が放たれる。
しかしその矢は寸前で通りすがりのハンターに防がれた。
「大丈夫か」
尋ねるハンターに、男は何度も頭を下げる。
「あ、ありがとうございます!」
「礼はいい。家にまで送ろう」
こうして、男は無事に家まで帰ることができたのだった。
●暗闇から放たれる矢
最近、街を騒がせている一つの噂がある。
夜道を一人で歩いていると、どこからともなく矢が飛んでくる。
しかし振り向いてみても、射手がどこにもいないのだという。
曰く、その暗殺者は影に隠れ、影から影に移動し、決してその姿を見せない。
また、明るいうちに活動することはなく、暗殺者が動き出すのは、日が沈んだ後の夜のみ。
「闇に紛れて奇襲とは、卑怯な。私がその正体を暴いてやろう」
男を助けたハンターは憤慨し、血気盛んに暗殺者との接触を試みた。
しかし次の日、そのハンターは重傷を負った状態で発見された。
ハンターは沢山の矢傷を負っており、その中でも特に酷かったのが、肋骨の隙間を縫って肺を傷付けた一矢だった。
頭を射抜かれたり、心臓などを射抜かれたりしなかった分だけよかったと考えるべきだろうが、重傷であることには変わりない。
「まさか、ハンターがやられるとは」
「一人で行くからやられたんだ。複数なら分からんぞ」
「どちらにしろ、被害が出た以上迂闊に夜に外を出歩けんな」
街の住人たちは、皆不安の声を上げている。
無理もない。
一人とはいえハンターがやられるということは、敵はそれなりに強いということだ。
同時に、一般人には危険すぎる相手ということでもある。
「これは、本格的にハンターズソサエティに依頼を出した方がいいんじゃないか?」
「そうだな。そうしよう。射手が人なのか亜人なのか歪虚なのかも分からない以上、俺たちだけでどうこうしようとしても被害が拡大するだけだ」
こうして、街の住人たちはハンターズソサエティに依頼をした。
●ハンターズソサエティ
受付嬢として依頼を整理していたジェーン・ドゥは、新たに受理されたばかりの依頼を手に取り確認を始めた。
まずは緊急性について、今すぐハンターを派遣するに足る判断が下されているかどうかを調べる。
当て嵌まるのは、現地で人が襲われている最中なのが分かっている場合、あるいは排除対象が明確な脅威だとはっきり認識されている場合、そして既に犠牲者が出ている場合である。
この三つのシチュエーションに当て嵌まる依頼は、確認でき次第優先的にハンターたちへ斡旋を行い、依頼の消化を促す。
ハンターたちの自主性に任せるだけでは、取り返しがつかない事態になる恐れがあるためだ。
今回の依頼のケースは、二番目と三番目の複合だった。
たまたま居合わせたハンターが退治を試みて、逆に返り討ちに遭っている。
重傷を負ってはいるものの、幸い死んではおらず、治療の経過も順調なようだが、単独とはいえ覚醒者であるハンターを下すというのは、間違いなく明確な脅威だ。
少なくとも、ただの人間や亜人、動物などという可能性は極めて少ないだろう。
ジェーンは件の依頼を手に、ハンターたちの下へ向かった。
「依頼です」
凛としたジェーンの声に、何人かのハンターたちが視線を向ける。
「とある街で、夜道を帰宅途中に住人が狙撃されるという事件が頻発しています」
話を聞いたハンターたちは物騒だという感想を抱いたが、まだそれが自分たちに繋がるような依頼だとは思わなかった。
ただそれだけの話なら国家権力が動けばあっさり解決できるだろうし、受けるのは物好きなハンターくらいのものだろう。
「たまたま街に居合わせたハンターが退治を試みたようですが、残念ながら失敗に終わりました。ですが、ハンターの無事は確認されています。現在負傷して療養中だそうです。意識もはっきりしているということで、調書が取られています。ご覧ください」
ジェーンは紙の報告書をハンターたちに配っていく。
「対象を暫定的に『シャドウスナイパー』と呼称します。恐らくは歪虚ですが、どうやら単独のようです。一対一でハンターを退けるのですから、それなりの力を持つと推測されています。特殊能力として、影の中に潜り移動する能力を持つようです。何らかの方法で辺りを照らす必要があるでしょう」
これらの情報は、やられたハンターの話を聞いて収集したものだ。
実際に目にして能力を見たということで、信頼度はそれなりに高い。
ただ惜しむべくは、姿形について詳細なデータを得られなかったことか。
「街はリゼリオほどではありませんが、それなりの規模のようです。手分けして探索し、出現したらその場に集まることになります。連絡手段、移動手段の確保は必須でしょう。既にハンターが撃退された例がありますので、単独での戦闘は可能な限り避けることをお勧めします」
街中ということである程度道が整備され、天気もよく、移動することに対しては不自由しないだろう。
後はいかにして速やかに連絡を行えるかにかかっている。
「敵は状況判断が素早く、敵わないとみるやすぐさま撤退し、自分が有利な場所へと誘い込むそうで、それで件のハンターもやられたようです。このことから、かなりの知性が窺えます。歪虚であれば当然説得が通用するとは思えませんが、相手が賢いという前提で注意して行動を行うようにしてください」
最後に、ジェーンは深く頭を下げた。
「それでは、皆様のご活躍をお祈りさせていただきます」
依頼を受けるために、何人かのハンターが立ち上がった。
解説
●概要
探索シナリオです。
街中を歩き回り、襲撃者が出て来たら速やかに合流後これを殲滅してください。
合流が遅れる、または合流後の撃破に手間取ると敵は逃げてしまいます。
影から影へと移動するので、敵は神出鬼没です。光がない闇の中では特に機動力が高いといえるでしょう。
敵は光の中では移動できません。光を生み出し、出来る限り影を払拭するのが大事です。
●達成条件
・シャドウスナイパーを倒す
●街について
商業区、住宅区、職人区、スラムの四つに分かれ、回りとそれぞれの地区の境目を城壁でぐるりと囲まれた円形の街です。
各地区に建物があり死角が多く、光を点した状態でその周辺を歩き回ることでシャドウスナイパーと遭遇する可能性があります。
光がなければどこにでも出てくると考えてください。逆をいえば、光がある場所には現れません。
●探索場所
建物の内部は襲撃者が入ってこれないように、夜でも煌々と灯りが点されています。建物内部を照らすのに街で使えるあらゆる光源を使用しているため、外は真っ暗です。
○商業区……南部。武具屋、馬車屋、雑貨屋、宿屋などの商業施設が立ち並んでいます。
○工業区……東部。鍛冶屋、織物屋、土建屋、木工屋などの工業施設が立ち並んでいます。
○住宅区……北部。一戸建てと豪邸、集合住宅が並び、中央に学校があります。
○スラム……西部。廃屋が点在し、ブラックマーケットがある他、教会と孤児院があります。
●敵
○シャドウスナイパー……一体
一メートル六十センチ。姿は真っ黒い影が実体化したような感じ。歪虚です。不利になると逃げます。
影の中に潜って機会を窺い、影の中を移動して有利な場所に陣取り、対象の死角から狙撃を行います。
●ヒント
以下の用途に使えるアイテムやスキルを可能な限り用意しておくことを推奨します。
・光源となるもの
・魔導短伝話
・馬、バイクなどの移動手段
・敵の逃走を阻めるもの
探索シナリオです。
街中を歩き回り、襲撃者が出て来たら速やかに合流後これを殲滅してください。
合流が遅れる、または合流後の撃破に手間取ると敵は逃げてしまいます。
影から影へと移動するので、敵は神出鬼没です。光がない闇の中では特に機動力が高いといえるでしょう。
敵は光の中では移動できません。光を生み出し、出来る限り影を払拭するのが大事です。
●達成条件
・シャドウスナイパーを倒す
●街について
商業区、住宅区、職人区、スラムの四つに分かれ、回りとそれぞれの地区の境目を城壁でぐるりと囲まれた円形の街です。
各地区に建物があり死角が多く、光を点した状態でその周辺を歩き回ることでシャドウスナイパーと遭遇する可能性があります。
光がなければどこにでも出てくると考えてください。逆をいえば、光がある場所には現れません。
●探索場所
建物の内部は襲撃者が入ってこれないように、夜でも煌々と灯りが点されています。建物内部を照らすのに街で使えるあらゆる光源を使用しているため、外は真っ暗です。
○商業区……南部。武具屋、馬車屋、雑貨屋、宿屋などの商業施設が立ち並んでいます。
○工業区……東部。鍛冶屋、織物屋、土建屋、木工屋などの工業施設が立ち並んでいます。
○住宅区……北部。一戸建てと豪邸、集合住宅が並び、中央に学校があります。
○スラム……西部。廃屋が点在し、ブラックマーケットがある他、教会と孤児院があります。
●敵
○シャドウスナイパー……一体
一メートル六十センチ。姿は真っ黒い影が実体化したような感じ。歪虚です。不利になると逃げます。
影の中に潜って機会を窺い、影の中を移動して有利な場所に陣取り、対象の死角から狙撃を行います。
●ヒント
以下の用途に使えるアイテムやスキルを可能な限り用意しておくことを推奨します。
・光源となるもの
・魔導短伝話
・馬、バイクなどの移動手段
・敵の逃走を阻めるもの
マスターより
初めまして、こんにちは。
マスターのきりんです。
今回のシナリオは索敵が重要となっています。
隠れ潜んでいる敵を見つけ出して倒して下さい。
それでは楽しんでくださいね。
マスターのきりんです。
今回のシナリオは索敵が重要となっています。
隠れ潜んでいる敵を見つけ出して倒して下さい。
それでは楽しんでくださいね。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/06/24 22:21
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
質問卓 マルカ・アニチキン(ka2542) 人間(クリムゾンウェスト)|20才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/06/20 13:59:40 |
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![]() |
相談卓 夢路 まよい(ka1328) 人間(リアルブルー)|15才|女性|魔術師(マギステル) |
最終発言 2018/06/22 08:22:54 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/19 23:22:48 |