ゲスト
(ka0000)
街道復旧お願いします
マスター:KINUTA

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在6人 / 3~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 6日
- プレイング締切
- 2018/06/26 19:00
- リプレイ完成予定
- 2018/07/05 19:00
オープニング
●新型トラック、誕生
ここは工場都市の一角にある中小工場。
顔中を髭に覆われたドワーフの工場長は、バシリア刑務所からやってきた出向服役者――オレンジ色の上下を着た中年男に言った。
「やー、よく来てくれたブルーチャーさん。じゃあ、早速仕事に取り掛かってくれ。機械工作の心得はあるんだろう?」
「ありますとも。自慢じゃねえですけど、娑婆ではそれで食って来たようなもんで」
「そうか、そりゃ頼もしい」
からから笑って工場長は、ブルーチャーを工場の中へと案内した。
工員たちはわき目も振らず、それぞれの工作機械にかまけている。
古ぼけた換気扇が回る、荷を載せたカートが行ったり来たりする、合間をぬぐって怒鳴るような話し声。
グラインダーでの削り出し作業に勤しんでいるのは、体格のよい少年。赤い髪を短く刈り上げ耳にホチキスの針みたいなピアスを何重にもつけ――その、なんか悪そうな感じだ。
「ベロム、この前言っていた手伝いが来たぞ、教えてやってくれ」
「なんだ、もう来たのかよ。あのム所も仕事が早えな」
ベロムと呼ばれた少年は顔を上げた。腰も上げた。
ほとんどない眉を寄せブルーチャーを見下ろす。
「な、なんですかい?」
もしや因縁つけられるのではないだろうかとおののくブルーチャーに彼は、低い声で言った。
「……なあおっさん、もしかしてフマーレに来たことねえか? 猫の顔したのと一緒によ」
確かに来たことがある。が、この場合それを誤魔化した方がよいのかよくないのか。
ブルーチャーが判断する前に、工場長が先に言ってしまった。
「ああ、そうだ。いつぞや子供たちが公園で占拠騒ぎ起こしたことがあったろ。あのときの犯人の片割れだ。このブルーチャーさんは」
それを聞いて少年は、ブルーチャーの肩を叩いた。相手がよろめくほどの勢いで。それから、大笑いする。
「そうかあ、やっぱりな。いや、あの時あんたらに公園分捕ってくれーって頼みに行ったガキどもいたろ? そん中に、俺の弟がいてなあ。あんたらがあの後どうなったのか、随分気にしてたんだぜ?」
世間とは意外に狭いもののようだ。
「まあ、とりあえず作業手伝ってくんな。グラインダーの使い方は分かるんだろ? そこに道具用意してるから、使ってくんな」
「おお」
ブルーチャーはベロム同様分厚い手袋を手に、作業を始める。その合間合間に、言葉を交わす。
「ところでこりゃあ……何を作ってるんだ?」
「あー、これな。この間フマーレに歪虚が改造したCAMが送られてきてよ。それをもとに工場長が試験開発したもんなんだ。CAMに変形するトラック――略してCAMトラ」
●新型トラック、試験
この度フマーレで新しく開発された新型トラック、CAMトラ。
ベースがトラックなので通常CAM程の戦闘力は望めないが、そこは大きな問題点とはならないだろう。災害救助派遣や土木工事に使うことを念頭に開発されたものであるのだから。
ハンターたちはその試作機1号を依頼に使い、データを取ってきてくれるようにと頼まれた。
彼らが向かったのは、ポルトワールに通じる海沿いの街道。最近の大雨で崖滑りが置き、塞がったままになっている場所。
現在通行者は致し方なく遠回りな旧道を使っている。早急な復旧が求められる、とのこと。
「おー、見事に崩れちゃってるな」
現場に着いたハンターたちは、まずトラックの仕様書を読んだ。
「えーと、変形の際は運転席以外人が乗らないようにしてください、か」
というわけなので運転席にいた1人だけが残り、そのまま操作を行う。
「――ハンドルの真ん中にあるダイヤルを指定の位置まで回し――カチッという音がしたらそのまま中に押し込み――更にもう一度反対側に回す、と……」
運転席がいきなり下から押し上がった。
「おぉ!?」
危うく天井に頭をぶつけかけるところ、今度は席が90度横に急回転する。
「うわっぷ!」
ハンドルが結構な勢いで引っ込んだ。操作バーが顎すれすれまで競り上がり――適度な位置まで引っ込んだ。
その後激しく揺すぶられ続けること1分。変形は無事終了。
周囲を取り巻き様子を見守っていたハンターたちは、運転席にいるハンターに呼びかけた。
「乗り心地はどうだー?」
細々とした声が返ってくる。
「……シートベルト着用は必須。じゃないと変形中に怪我する、これ」
とにかく作業に取り掛かろう。
そう思った矢先、海から黒い塊が姿を現した。それは巨大なカニ――いや、厳密にはカニとは呼べない。何故なら頭の部分がエビなのだ。エビの尻尾もついているのだ。
そいつはハンターたちの姿を見るなり、金切り声を上げた。泡を噴き襲いかかってきた。カニだから横歩きかと思いきや、そうではなかった。真っすぐ歩いてきた。
これはハンターとして、対処しなければなるまい。
●服役者の抱負
工場の昼休み。ブルーチャーは作業台の上に紙を広げ、何かを書いている。
昼食を済ませたベロムは、彼の手元を覗き込んだ。
「おっさん、なに書いてるんだ?」
「設計図だ。あのCAMトラックをもとにした新しいおもちゃが作れないかと思ってな」
「へー、おっさんおもちゃなんて作るのか」
「ああ。わしはこれでも昔、工場を持ってたことがあるんだぞ。社長だったんだぞ」
「へー、今その工場どうなってんの?」
「……色々あって潰れた。けどな。刑務所を出たらまた作るつもりだ」
ここは工場都市の一角にある中小工場。
顔中を髭に覆われたドワーフの工場長は、バシリア刑務所からやってきた出向服役者――オレンジ色の上下を着た中年男に言った。
「やー、よく来てくれたブルーチャーさん。じゃあ、早速仕事に取り掛かってくれ。機械工作の心得はあるんだろう?」
「ありますとも。自慢じゃねえですけど、娑婆ではそれで食って来たようなもんで」
「そうか、そりゃ頼もしい」
からから笑って工場長は、ブルーチャーを工場の中へと案内した。
工員たちはわき目も振らず、それぞれの工作機械にかまけている。
古ぼけた換気扇が回る、荷を載せたカートが行ったり来たりする、合間をぬぐって怒鳴るような話し声。
グラインダーでの削り出し作業に勤しんでいるのは、体格のよい少年。赤い髪を短く刈り上げ耳にホチキスの針みたいなピアスを何重にもつけ――その、なんか悪そうな感じだ。
「ベロム、この前言っていた手伝いが来たぞ、教えてやってくれ」
「なんだ、もう来たのかよ。あのム所も仕事が早えな」
ベロムと呼ばれた少年は顔を上げた。腰も上げた。
ほとんどない眉を寄せブルーチャーを見下ろす。
「な、なんですかい?」
もしや因縁つけられるのではないだろうかとおののくブルーチャーに彼は、低い声で言った。
「……なあおっさん、もしかしてフマーレに来たことねえか? 猫の顔したのと一緒によ」
確かに来たことがある。が、この場合それを誤魔化した方がよいのかよくないのか。
ブルーチャーが判断する前に、工場長が先に言ってしまった。
「ああ、そうだ。いつぞや子供たちが公園で占拠騒ぎ起こしたことがあったろ。あのときの犯人の片割れだ。このブルーチャーさんは」
それを聞いて少年は、ブルーチャーの肩を叩いた。相手がよろめくほどの勢いで。それから、大笑いする。
「そうかあ、やっぱりな。いや、あの時あんたらに公園分捕ってくれーって頼みに行ったガキどもいたろ? そん中に、俺の弟がいてなあ。あんたらがあの後どうなったのか、随分気にしてたんだぜ?」
世間とは意外に狭いもののようだ。
「まあ、とりあえず作業手伝ってくんな。グラインダーの使い方は分かるんだろ? そこに道具用意してるから、使ってくんな」
「おお」
ブルーチャーはベロム同様分厚い手袋を手に、作業を始める。その合間合間に、言葉を交わす。
「ところでこりゃあ……何を作ってるんだ?」
「あー、これな。この間フマーレに歪虚が改造したCAMが送られてきてよ。それをもとに工場長が試験開発したもんなんだ。CAMに変形するトラック――略してCAMトラ」
●新型トラック、試験
この度フマーレで新しく開発された新型トラック、CAMトラ。
ベースがトラックなので通常CAM程の戦闘力は望めないが、そこは大きな問題点とはならないだろう。災害救助派遣や土木工事に使うことを念頭に開発されたものであるのだから。
ハンターたちはその試作機1号を依頼に使い、データを取ってきてくれるようにと頼まれた。
彼らが向かったのは、ポルトワールに通じる海沿いの街道。最近の大雨で崖滑りが置き、塞がったままになっている場所。
現在通行者は致し方なく遠回りな旧道を使っている。早急な復旧が求められる、とのこと。
「おー、見事に崩れちゃってるな」
現場に着いたハンターたちは、まずトラックの仕様書を読んだ。
「えーと、変形の際は運転席以外人が乗らないようにしてください、か」
というわけなので運転席にいた1人だけが残り、そのまま操作を行う。
「――ハンドルの真ん中にあるダイヤルを指定の位置まで回し――カチッという音がしたらそのまま中に押し込み――更にもう一度反対側に回す、と……」
運転席がいきなり下から押し上がった。
「おぉ!?」
危うく天井に頭をぶつけかけるところ、今度は席が90度横に急回転する。
「うわっぷ!」
ハンドルが結構な勢いで引っ込んだ。操作バーが顎すれすれまで競り上がり――適度な位置まで引っ込んだ。
その後激しく揺すぶられ続けること1分。変形は無事終了。
周囲を取り巻き様子を見守っていたハンターたちは、運転席にいるハンターに呼びかけた。
「乗り心地はどうだー?」
細々とした声が返ってくる。
「……シートベルト着用は必須。じゃないと変形中に怪我する、これ」
とにかく作業に取り掛かろう。
そう思った矢先、海から黒い塊が姿を現した。それは巨大なカニ――いや、厳密にはカニとは呼べない。何故なら頭の部分がエビなのだ。エビの尻尾もついているのだ。
そいつはハンターたちの姿を見るなり、金切り声を上げた。泡を噴き襲いかかってきた。カニだから横歩きかと思いきや、そうではなかった。真っすぐ歩いてきた。
これはハンターとして、対処しなければなるまい。
●服役者の抱負
工場の昼休み。ブルーチャーは作業台の上に紙を広げ、何かを書いている。
昼食を済ませたベロムは、彼の手元を覗き込んだ。
「おっさん、なに書いてるんだ?」
「設計図だ。あのCAMトラックをもとにした新しいおもちゃが作れないかと思ってな」
「へー、おっさんおもちゃなんて作るのか」
「ああ。わしはこれでも昔、工場を持ってたことがあるんだぞ。社長だったんだぞ」
「へー、今その工場どうなってんの?」
「……色々あって潰れた。けどな。刑務所を出たらまた作るつもりだ」
解説
補足説明
これは新型トラックを使い、街道復旧することを目的とするシナリオです。歪虚退治もちょっぴり含まれています。
歪虚を倒した後道を直して戻ってくる、までがお仕事。
試作トラックは1台しかないので、壊されないよう注意してくださいませ。
このトラック、ここをこうしたほうがいいんじゃない?等の意見がありましたら、遠慮なく工場長に伝えてください。改良の糧にいたしますので。
歪虚データ
種族:憤怒
強さ:下の上
姿:カニ+エビ
大きさ:3メートル
攻撃方法:ハサミ挟み/ハサミパンチ/エビ尻アタック(後方の敵に対してのみ有効)
頭の程度:甲殻類
性格:いつでもどこでも何に対しても怒っている
CAMトラックデータ
トラックの時(魔導トラック初期データに準ずる)
CAM形態の時
全長3・5 全部幅4・0 全高3・0 移動速度10キロ
(その他の数値は魔導トラック初期データに準ずる)
これは新型トラックを使い、街道復旧することを目的とするシナリオです。歪虚退治もちょっぴり含まれています。
歪虚を倒した後道を直して戻ってくる、までがお仕事。
試作トラックは1台しかないので、壊されないよう注意してくださいませ。
このトラック、ここをこうしたほうがいいんじゃない?等の意見がありましたら、遠慮なく工場長に伝えてください。改良の糧にいたしますので。
歪虚データ
種族:憤怒
強さ:下の上
姿:カニ+エビ
大きさ:3メートル
攻撃方法:ハサミ挟み/ハサミパンチ/エビ尻アタック(後方の敵に対してのみ有効)
頭の程度:甲殻類
性格:いつでもどこでも何に対しても怒っている
CAMトラックデータ
トラックの時(魔導トラック初期データに準ずる)
CAM形態の時
全長3・5 全部幅4・0 全高3・0 移動速度10キロ
(その他の数値は魔導トラック初期データに準ずる)
マスターより
KINUTAです。
今回はシンプルに歪虚退治と復旧工事のお話です。
ブルーチャーもスペット同様、社会復帰のため所外出向しています次第。
今回はシンプルに歪虚退治と復旧工事のお話です。
ブルーチャーもスペット同様、社会復帰のため所外出向しています次第。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/07/02 01:14
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/26 15:01:33 |
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相談卓だよ 天竜寺 舞(ka0377) 人間(リアルブルー)|18才|女性|疾影士(ストライダー) |
最終発言 2018/06/26 15:09:04 |