ゲスト
(ka0000)
【空蒼】獅子鬼
マスター:電気石八生

このシナリオは5日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- オプション
-
- 参加費
1,500
- 参加人数
- 現在6人 / 4~6人
- ユニット参加人数
- 現在5 / 0~6
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/07/03 09:00
- リプレイ完成予定
- 2018/07/17 09:00
オープニング
●独白
頭の中で誰かがわめくんだ。
今の俺は“俺”じゃない。足りない、足りない、ぜんぜん足りてない。俺には必要なんだよ、“俺”であるためのあれが。
不安、恐怖、猜疑、憤怒、悲哀……いろんなものがごちゃまぜになった衝動に突き上げられるまま、ここまで来た。俺はあれがあるなんて知らなかったんだ。でも誰かはきっと知ってた。
ああ、誰かは神様なのかもな。“俺”に苛まれてのたうつしかなかった俺をあれのところへ導く神様。いや悪魔か? いやいやちがう。誰かは俺を救うために俺を痛めつけた。絶対必要なことだったから。そう、神の試練だったんだ。
はは。俺は試練をクリアして、あれを見つけたぞ。もうなにも怖くない。怒りも悲しみも疑いもなにもない。
俺はあれと重なって、世界で唯一パーフェクションな“俺”になる。
俺は“俺”で、神様になるんだ。
早く早く早く早く早く――
●起動
秋葉原。
“クール”系サブカルチャーの震源地として名高いこの街では今、駅周辺の表通りを車両通行止めにしての一大コスプレイベントが開催されていた。
「あいっかわらずアキバは騒がしいわねぇ。そのわりに筋肉成分皆無なんだけどぉ」
禿頭痩せマッチョのアフリカン・オネェであるところのゲモ・ママは、ファンタジーやSFや学園系……色も形もとりどりな衣装に身を包み、本体ならぬレンズにバッテリーケーブルが繋がった望遠レンズの前でポーズをとる人々を見やり、苦笑する。
「ママーっ! いらっしゃーい!」
と、高い声が弾けて。
いつものミニスカふりふりエプロンドレスではなく、黒を基調にしたナイロン系素材製のミニスカワンピースをまとい、ツインテールをリボンならぬ銀のファー製シュシュで結んだ天王洲レヲナが駆け寄ってきた。
ちなみに“彼女”ではなく“彼”である。そう、ハンターオフィス秋葉原支部の名物受付嬢たるレヲナは、まごうことなき男の娘なのだった。
だからなのだろう。まごうことなきオネェのママと、年齢を越えた友情を育んだりなんだりしてしまっているのは。
「あらぁ~、レヲ蔵ってばイメチェン? つか、フリルねぇと目立つわねぇ」
「え? え? なになに? 僕のかわいさモロ出しー?」
レヲナはママのまわりをくるくる巡り、コケティッシュにポージングするが。
「なんか膨らみとかくびれとか張り出しとか、もれなく皆無ってのが。よく言ったら潔し?」
「あー」
ママの苦い言葉にがっくり肩を落とすレヲナであった。
お互い、先ほどのやりとりは丸っとなかったことにして。
「で、レヲ蔵なにそのかっこ?」
あらためてママが問えば、レヲナはふんすと意気込んで。
「キャンギャルだよー♪ あれの!」
会場の奥からコスプレイヤーたちを見守るかのように立つ巨体を指した。
「CAM?」
黒き装甲で鎧われた全長8メートルの人型は、確かな重厚を備えながらも鋭利さを際立たせている。
そして特徴的なのは、頭頂からまっすぐ伸び出した角状のアンテナと、頭部を覆う金属繊維の“銀鬣”だ。
「強化型コンフェッサー“獅子鬼(ししおに)”! 最近強化人間がらみで物騒なこと起きてるからってことで、地球統一連合軍が現場に緊急投入決めた試作機だよ」
コンフェッサーは強化人間専用CAMだ。これをあえて鎮圧に投入し、強化人間はけして悪しきものではないことをアピールすることつもりであるようだ。
「ちなみにあの鬣が放熱ユニットとマテリアルバリア発生装置になってて、高機動で超安全! ここでお披露目になったのはまあ、みんなにアピールしよーって僕が申請したからなんだけどね」
レヲナがぺたんこな胸をぐいーっと反らした。まあ、彼は受付嬢であるよりも先に地球統一連合政府の監視者なわけなので、誇りたい気持ちはわかる。
しかしそれにしてもコスプレイベントでお披露目とは……趣味が先行しすぎだろう。
が、ママはまるで聞こえていない顔で“獅子鬼”の鬣を凝視、ぶつぶつと。
「ふっさふさじゃねぇのよぉ……CAMのくせにナマイキよぉ……アタシ剃ってるだけなんだけどぉ……」
なにやら妬んだりするのにいそがしくて、説明なんぞなにも聞いちゃいなかった。
が。
「レヲ蔵、今日って起動セレモニーとか、普通の人にCAM搭乗体験とか、そういうイベントもやってるわけ?」
「え? そんな予定ないけど」
「じゃあ、アレってどういうことよ?」
“獅子鬼”の胸部ハッチが開かれ、ひとりの男がおぼつかない足取りで乗り込んでいく。そして。
ようやく不穏に気づいて悲鳴をあげて逃げ出す人々を追い、“獅子鬼”が踏み出した。
「アレの武装は!?」
「まだついてないよ! すごいパンチとすごいキックだけ!」
そんだけありゃ十二分じゃねぇのよ! ママは覚醒の証であるラメ入り緑アフロをわさわさ揺らしながら跳び出した。
「そのへんにいるハンター捕まえてきて! 緊急出動よぉ!」
駆け出すレヲナを背中で見送り、振り下ろされた“獅子鬼”のパンチ、その下にいたコスプレイヤーを抱えて跳んだママは思考する。
警備ザルじゃねぇのよ! てか、コレ持ってきた軍はどこにいんのよ!?
ってのはともかく、コレが動かせるってことは強化人間ってことよね。でも、パイロットスキルはそれほどじゃない。ぎこちねぇもんねぇ、動きの端々ってやつが。で、武装がねぇからイッパツで一般人皆殺しもムリ。だからって、アタシひとりでやり合える相手でもねぇんだけど。
だからって、あきらめたり死んだりしてる場合じゃねぇわよね。普通の人たち護るのがハンターなんだから。
「アタシとすぐぶっ飛んでくるハンターが抑えるし護るし終わらせるから、みんな必死こいて逃げなさぁい!!」
頭の中で誰かがわめくんだ。
今の俺は“俺”じゃない。足りない、足りない、ぜんぜん足りてない。俺には必要なんだよ、“俺”であるためのあれが。
不安、恐怖、猜疑、憤怒、悲哀……いろんなものがごちゃまぜになった衝動に突き上げられるまま、ここまで来た。俺はあれがあるなんて知らなかったんだ。でも誰かはきっと知ってた。
ああ、誰かは神様なのかもな。“俺”に苛まれてのたうつしかなかった俺をあれのところへ導く神様。いや悪魔か? いやいやちがう。誰かは俺を救うために俺を痛めつけた。絶対必要なことだったから。そう、神の試練だったんだ。
はは。俺は試練をクリアして、あれを見つけたぞ。もうなにも怖くない。怒りも悲しみも疑いもなにもない。
俺はあれと重なって、世界で唯一パーフェクションな“俺”になる。
俺は“俺”で、神様になるんだ。
早く早く早く早く早く――
●起動
秋葉原。
“クール”系サブカルチャーの震源地として名高いこの街では今、駅周辺の表通りを車両通行止めにしての一大コスプレイベントが開催されていた。
「あいっかわらずアキバは騒がしいわねぇ。そのわりに筋肉成分皆無なんだけどぉ」
禿頭痩せマッチョのアフリカン・オネェであるところのゲモ・ママは、ファンタジーやSFや学園系……色も形もとりどりな衣装に身を包み、本体ならぬレンズにバッテリーケーブルが繋がった望遠レンズの前でポーズをとる人々を見やり、苦笑する。
「ママーっ! いらっしゃーい!」
と、高い声が弾けて。
いつものミニスカふりふりエプロンドレスではなく、黒を基調にしたナイロン系素材製のミニスカワンピースをまとい、ツインテールをリボンならぬ銀のファー製シュシュで結んだ天王洲レヲナが駆け寄ってきた。
ちなみに“彼女”ではなく“彼”である。そう、ハンターオフィス秋葉原支部の名物受付嬢たるレヲナは、まごうことなき男の娘なのだった。
だからなのだろう。まごうことなきオネェのママと、年齢を越えた友情を育んだりなんだりしてしまっているのは。
「あらぁ~、レヲ蔵ってばイメチェン? つか、フリルねぇと目立つわねぇ」
「え? え? なになに? 僕のかわいさモロ出しー?」
レヲナはママのまわりをくるくる巡り、コケティッシュにポージングするが。
「なんか膨らみとかくびれとか張り出しとか、もれなく皆無ってのが。よく言ったら潔し?」
「あー」
ママの苦い言葉にがっくり肩を落とすレヲナであった。
お互い、先ほどのやりとりは丸っとなかったことにして。
「で、レヲ蔵なにそのかっこ?」
あらためてママが問えば、レヲナはふんすと意気込んで。
「キャンギャルだよー♪ あれの!」
会場の奥からコスプレイヤーたちを見守るかのように立つ巨体を指した。
「CAM?」
黒き装甲で鎧われた全長8メートルの人型は、確かな重厚を備えながらも鋭利さを際立たせている。
そして特徴的なのは、頭頂からまっすぐ伸び出した角状のアンテナと、頭部を覆う金属繊維の“銀鬣”だ。
「強化型コンフェッサー“獅子鬼(ししおに)”! 最近強化人間がらみで物騒なこと起きてるからってことで、地球統一連合軍が現場に緊急投入決めた試作機だよ」
コンフェッサーは強化人間専用CAMだ。これをあえて鎮圧に投入し、強化人間はけして悪しきものではないことをアピールすることつもりであるようだ。
「ちなみにあの鬣が放熱ユニットとマテリアルバリア発生装置になってて、高機動で超安全! ここでお披露目になったのはまあ、みんなにアピールしよーって僕が申請したからなんだけどね」
レヲナがぺたんこな胸をぐいーっと反らした。まあ、彼は受付嬢であるよりも先に地球統一連合政府の監視者なわけなので、誇りたい気持ちはわかる。
しかしそれにしてもコスプレイベントでお披露目とは……趣味が先行しすぎだろう。
が、ママはまるで聞こえていない顔で“獅子鬼”の鬣を凝視、ぶつぶつと。
「ふっさふさじゃねぇのよぉ……CAMのくせにナマイキよぉ……アタシ剃ってるだけなんだけどぉ……」
なにやら妬んだりするのにいそがしくて、説明なんぞなにも聞いちゃいなかった。
が。
「レヲ蔵、今日って起動セレモニーとか、普通の人にCAM搭乗体験とか、そういうイベントもやってるわけ?」
「え? そんな予定ないけど」
「じゃあ、アレってどういうことよ?」
“獅子鬼”の胸部ハッチが開かれ、ひとりの男がおぼつかない足取りで乗り込んでいく。そして。
ようやく不穏に気づいて悲鳴をあげて逃げ出す人々を追い、“獅子鬼”が踏み出した。
「アレの武装は!?」
「まだついてないよ! すごいパンチとすごいキックだけ!」
そんだけありゃ十二分じゃねぇのよ! ママは覚醒の証であるラメ入り緑アフロをわさわさ揺らしながら跳び出した。
「そのへんにいるハンター捕まえてきて! 緊急出動よぉ!」
駆け出すレヲナを背中で見送り、振り下ろされた“獅子鬼”のパンチ、その下にいたコスプレイヤーを抱えて跳んだママは思考する。
警備ザルじゃねぇのよ! てか、コレ持ってきた軍はどこにいんのよ!?
ってのはともかく、コレが動かせるってことは強化人間ってことよね。でも、パイロットスキルはそれほどじゃない。ぎこちねぇもんねぇ、動きの端々ってやつが。で、武装がねぇからイッパツで一般人皆殺しもムリ。だからって、アタシひとりでやり合える相手でもねぇんだけど。
だからって、あきらめたり死んだりしてる場合じゃねぇわよね。普通の人たち護るのがハンターなんだから。
「アタシとすぐぶっ飛んでくるハンターが抑えるし護るし終わらせるから、みんな必死こいて逃げなさぁい!!」
解説
●依頼
“獅子鬼”を撃破してください。
●状況
・日曜日の13時、天候は快晴です。
・“獅子鬼”はママの妨害を受けつつ、大通りを1ラウンドあたり4スクエアの微速で南下中。
・ハンターはレヲナからの緊急通信を受け取り、駆けつけた体になります。
・40スクエア先の橋に“獅子鬼”がたどり着いた時点で依頼は失敗します(距離カウントはハンター到着ラウンドより開始)。
・適切な作戦ないし策による遅延活動は可能です。
・通りには逃げ遅れた人々が点在しています。
・道路のあちらこちらに“獅子王”が穿った穴が開いています。
・通行止めになっていますが、コスプレイヤーに食品を提供するための車両や電源ユニットも点在(ハンターも“獅子鬼”も使用することができます)。
●獅子鬼
・あらゆる能力値を強化したコンフェッサー。仕様はオープニングを、基礎データはワールドガイドのユニットの項目を参照してください。
・攻撃力は高いですが、武装がありませんので格闘戦しかできません。
・装甲に一定以上のダメージを負うとその装甲がパージされ、防御力が下がります。代わりに回避力は向上。
・足首関節部に脆弱性があることがレヲナからハンターへ伝えられています(流線を描く分厚い装甲で鎧われているので、全長が高いCAMや上空、遠距離からの攻撃で破壊するのは非常に困難です。ただし生身のハンターなら……)。
・内のパイロットは錯乱状態で、「CAM=完全体の自分」と認識しています。傷つけられることで錯乱と凶暴性が増していきます。
“獅子鬼”を撃破してください。
●状況
・日曜日の13時、天候は快晴です。
・“獅子鬼”はママの妨害を受けつつ、大通りを1ラウンドあたり4スクエアの微速で南下中。
・ハンターはレヲナからの緊急通信を受け取り、駆けつけた体になります。
・40スクエア先の橋に“獅子鬼”がたどり着いた時点で依頼は失敗します(距離カウントはハンター到着ラウンドより開始)。
・適切な作戦ないし策による遅延活動は可能です。
・通りには逃げ遅れた人々が点在しています。
・道路のあちらこちらに“獅子王”が穿った穴が開いています。
・通行止めになっていますが、コスプレイヤーに食品を提供するための車両や電源ユニットも点在(ハンターも“獅子鬼”も使用することができます)。
●獅子鬼
・あらゆる能力値を強化したコンフェッサー。仕様はオープニングを、基礎データはワールドガイドのユニットの項目を参照してください。
・攻撃力は高いですが、武装がありませんので格闘戦しかできません。
・装甲に一定以上のダメージを負うとその装甲がパージされ、防御力が下がります。代わりに回避力は向上。
・足首関節部に脆弱性があることがレヲナからハンターへ伝えられています(流線を描く分厚い装甲で鎧われているので、全長が高いCAMや上空、遠距離からの攻撃で破壊するのは非常に困難です。ただし生身のハンターなら……)。
・内のパイロットは錯乱状態で、「CAM=完全体の自分」と認識しています。傷つけられることで錯乱と凶暴性が増していきます。
マスターより
お疲れさまです。電気石八生と申します。
今回はレヲナくんをお借りしての、ユニットありありな【空蒼】連動シナリオです。
ユニットと生身を連動し、強力な試作型コンフェッサーに立ち向かっていただけましたら幸いですー。
今回はレヲナくんをお借りしての、ユニットありありな【空蒼】連動シナリオです。
ユニットと生身を連動し、強力な試作型コンフェッサーに立ち向かっていただけましたら幸いですー。
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/07/08 07:00
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
相談卓 桜崎 幸(ka7161) 人間(リアルブルー)|16才|男性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/07/02 22:32:08 |
|
![]() |
質問卓 ゾファル・G・初火(ka4407) 人間(リアルブルー)|16才|女性|闘狩人(エンフォーサー) |
最終発言 2018/07/02 22:40:32 |
|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/06/27 23:02:31 |