• 戦闘

ゴブリン巣穴の用心棒

マスター:STANZA

シナリオ形態
ショート
難易度
普通
参加費
1,000
参加人数
現在8人 / 4~8人
マテリアルリンク
報酬
普通
相談期間
5日
プレイング締切
2014/06/22 19:00
リプレイ完成予定
2014/07/01 19:00

オープニング




 ねえ、こんな事もうやめようよ。

 その一言が、言えなかった。


 僕と親友のカルロは12歳、二人とも駆け出しのハンターだ。
 ついこの間、二人で一緒に精霊と契約して、ハンターとしての第一歩を踏み出したばかり。
 そんな新人ハンターが最初に戦う相手と言ったら、ゴブリンかコボルドあたりが定番だろう。
 奴等は弱いくせに好戦的で、そこそこの知恵も持ってるから、新人の練習台には丁度良いんだ。
 だから僕達も、最初はゴブリン退治に出掛けた。
 パーティのメンバーは初心者ばかりだったけど、何も問題はなかった。
 だって奴等、信じられないくらい弱くて……これならだけ二人だけで充分だっていうくらい、全然平気だったんだ。

 本当はゴブリンで少し経験を積んだら、他のもう少し難しそうな依頼を受けるつもりだった。
 でも、あいつらが……ゴブリン達が余りにも弱くて、簡単に倒せたから。

「なあ、この調子で他のゴブリン達も片っ端から潰して行こうぜ?」
 カルロが言った。
 表向きは、奴等の被害を未然に防ぐため。
 奴等がいなくなれば、皆が安心して暮らせるだろ?

 でも本音は違った。
 殆ど抵抗もしないで倒れていく奴等を狩るのが、楽しかったから。
 それ以上に強い奴と戦って怪我したり、負けたりするのが嫌だったから。

 僕達はそれから、ゴブリンの巣を探しては潰して行った。
 被害が出ている巣は勿論、人間とは接触せずに静かに暮らしてる奴等の巣まで。
 その時、初めて知ったんだ。
 ゴブリンの中にも、子供や赤ん坊がいる事を。
「子供だろうと赤ん坊だろうと、こいつらはモンスターだ。こいつらが大きくなったら、人間を襲うようになるんだぜ?」
 カルロはそう言った。
 僕も確かに、そうなんだろうとは思う。
 けど、静かに暮らしてるゴブリン達までわざわざ探し出して、全滅させるっていうのは……ちょっと、違うんじゃないかって思った。

 でも言えなかった。
 カルロは親友だから。
 嫌われたくなかったから。

 それに僕自身、やっぱり狩りは楽しかったから。
 自分がものすごく強くなった様な気がして。
 僕は皆を守るヒーローなんだって、そう思えて。


 そして今日も、僕達は新しい巣を見付けた。
「ここにいるのも、どうせザコばっかりだ。楽勝だな!」
 カルロと二人、もうすっかり勝った気になって突っ込んで行った。
 けど、その巣には——

「なんだ、こいつ……今までのと違うぞ!?」

 他のゴブリンとは、明らかに違う奴がいた。
 身体が大きくて、力も強そうで、それに武器も他とは違う。
 普通のゴブリンは木の棒や、せいぜい棍棒くらいしか持ってないのに、そいつはピカピカに磨かれた大きな斧を持ってたんだ。
 それに巣穴の奥にもう一匹、弓矢を持った奴がいた。

 僕達だけじゃ勝てないって、そう思った。
 でも、その時にはもう周りをゴブリン達に囲まれてて。
 僕は何とか、そいつらを蹴散らして逃げて来た。
 だけど、暫く夢中で走って……気が付いたらカルロの姿が見えなくなってて。

 どこではぐれたのか、全然覚えてないんだ。
 無事に逃げられたのか、それもわからない。
 もしかしたら、あいつらに捕まってるかもしれない。
 それどころか、もう——


————


「お願いします、カルロを助けて下さい!」
 ハンターオフィスに一人の少年が転がり込んで来たのは、その日の午後の事だった。
 服は泥で汚れ、あちこちに擦り傷や切り傷を作っている。
 その殆どは転んだり木の枝か何かで擦って出来た傷の様だが、左腕の傷は刃物で斬り付けられたものらしい。
 少年の話によれば、彼等はゴブリンの巣を潰そうとして、用心棒に逆襲された様だ。
 相手は恐らくゴブリンソルジャーだろう。
 友人のカルロという少年が、まだ現場に取り残されている可能性が高いと言う。

 手の空いている者は救出に向かって欲しい。
 相手は普通のゴブリンよりは強敵だが、数人でかかれば——そして油断しなければ、駆け出しのハンターでもそう苦労はしないだろう。
 現場までは、この少年……マルコが案内してくれるそうだ。

「すみません、よろしくお願いします!」
 マルコは集まったハンター達に向かって、深々と頭を下げた。

解説

英雄気取りでゴブリンの巣にちょっかいを出し、反撃を喰らった二人の少年。
彼等を窮地から救い、ついでに少しお説教などもしてやって下さい。


敵:
・ゴブリン×10程度
ごく普通の雑魚モンスター。
普段は少し脅せば逃げて行くが、今回は用心棒がいる為か気が大きくなっている様で、ゴブリンソルジャーを倒さない限り逃亡はしない。
やはり気が大きくなっているせいか、棍棒を振り回して積極的に攻撃を仕掛けて来る。

・ゴブリンソルジャー×2
歴戦のゴブリン。
他のゴブリンよりも大柄で力も強い。
また、場数を踏んでいるだけあって、それなりに知恵も回る。
一体は大きな斧を装備し、それで攻撃を防御する事もある。
もう一体は弓を持ち、後方から射撃で支援して来る。
二体とも逃げる事はない。


現場:
同盟内某所にあるゴブリンの巣穴。
ハンターオフィスから支所まで飛び、そこからは徒歩で30分程度。
現場まではマルコが案内してくれる。
周囲は木々に覆われ、崖下に掘られた巣穴の前だけが10m四方程度の広場の様になっている。
巣穴の入口は狭く、身体の大きな大人が通るには少し窮屈。
5mほど狭い通路が続き、その奥には10m四方程度の広場がある。天井の高さは2mほど。


要救助者:
カルロ・12歳の駆け出しハンター、クラスは闘狩人。
——以下PL情報——
咄嗟に近くの木に登り、とりあえず難は逃れたが、その際に武器を落としてしまい反撃不能。
現在、ゴブリン達の投石攻撃により、チクチクとダメージを受け続けている。
ゴブリン達が投石に飽きた場合、弓持ちのゴブリンソルジャーが一気に止めを刺すつもりらしい。
救援が駆けつけた時点で、怪我は酷いが、まだどうにか木の枝にしがみついている状態。


※OP及び解説に明記された情報は、全てPCが知っているものとして構いません。

※情報として明示されていない事に関してはお任せします。
 ルール的に問題のない範囲において、ご自由にお楽しみ下さい。

マスターより

お世話になっております、STANZAです。

たまにストレス解消と称して無双系のゲームをやりたくなる時があります。
でもアクション系は余り得意ではないので、気持ちよく無双する為には難易度を調整して敵のレベルを下げる必要があるという……
それお前が強いんじゃなくて敵が弱すぎるだけだよ、みたいな。
ゲームなら、その事実には目を瞑って自分の強さに酔う事も許されるのですが——

実際にそれをやったら、多分ただの弱い者イジメだよな、と。
例え相手がモンスターでも。

では、よろしくお願いいたします。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2014/06/30 18:31

参加者一覧

  • バトル・トライブ
    八城雪(ka0146
    人間(蒼)|18才|女性|闘狩人
  • 大口叩きの鍛冶職人
    エルデ・ディアマント(ka0263
    ドワーフ|11才|女性|機導師
  • 白馬の友
    ギュンター・ベルンシュタイン(ka0339
    人間(紅)|23才|男性|聖導士

  • クリュ・コークス(ka0535
    エルフ|25才|女性|疾影士
  • 玻璃から辿る手
    フランキスカ・コルウス(ka0626
    エルフ|18才|女性|猟撃士
  • 誘惑者
    デルフィーノ(ka1548
    エルフ|27才|男性|機導師
  • 嵐影海光
    レベッカ・アマデーオ(ka1963
    人間(紅)|20才|女性|機導師
  • 新勢力・芋炊の提案者
    葵(ka2143
    人間(蒼)|18才|男性|闘狩人
依頼相談掲示板
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2014/06/20 23:54:36
アイコン 相談用
ギュンター・ベルンシュタイン(ka0339
人間(クリムゾンウェスト)|23才|男性|聖導士(クルセイダー)
最終発言
2014/06/22 00:55:38