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Wild Bunch Full load

マスター:楠々蛙

このシナリオは5日間納期が延長されています。

シナリオ形態
ショート
難易度
難しい
オプション
参加費
1,500
参加人数
現在7人 / 4~7人
マテリアルリンク
報酬
無し
相談期間
5日
プレイング締切
2018/07/13 09:00
リプレイ完成予定
2018/07/27 09:00

オープニング

※このシナリオは難易度が高く設定されています。所持金の大幅な減少や装備アイテムの損失、場合によっては、再起不能、死亡判定が下される可能性があります。
再起不能、死亡判定の下されたキャラクターはログイン、及びコンテンツへのアクセスが制限されます。

 そこは、森近くにあるうち捨てられた農場だった。
 雑草の生い茂る畑、蔦に覆われた牛舎、挙句の果てには、半ば崩落した家屋の屋根から葉を茂らせた梢が顔を覗かせている。
 放棄されて久しいとみえるその農場は、元は家族経営だったらしく、四脚の内一本が折れて傾いたテーブルは四人掛けで、ガラス戸の割れた食器棚の中にはそれぞれ大きさの異なるマグカップが並び、傍に首を失くした木馬が佇んでいる。
 家畜はおろか、人の気配すら絶えて幾年も経ったその農場に、今、住む者の居ないのを良い事に無遠慮に腰を落ち着けている者があった。
「凶状持ちはつれぇね。こんなしみったれたとこしか、ねぐらにできねぇんだからよ」
 ボロついた一人掛けのソファへ身を埋める、和装の肌着にインバネスコートを重ねた男は、ワイルドバンチの頭目、ギャレット=コルトハートだ。
 彼の他にも、各々ライダージャケットとデザインの異なるサングラスを掛けたメイガス三兄弟が居合わせ、張り付けたかのような恵比寿顔のミハイル=フェルメールがマグカップを手に取る傍らで、漂白の表情を浮かべたカトリーナがしゃがみ込んで木馬を押して揺らしている。
「おめぇらもわざわざご苦労なこったな、こんなとこまでよ」
 お馴染みの顔触れ──そしてその場にはさらに三つの人影があった。
 まず一人──ロングの眩い金髪にカウボーイハット。帽帯に挟んだ朱い鳥の羽根、そして幅の広いプリムから覗くのは先端の尖った長い耳──エルフだ。
 蒼い瞳、形の整った眉と鼻筋、艶めいた朱い唇。豊満な胸元を締める革製のコルセット。両ふともものレッグホルスターには、銃身と銃把を切り詰めたレバーアクションを差している。
 女だてらのガンスリンガーといった風情の、女エルフだ。
「──ブロンディ」
 さらに二人──浪人髷に陣笠。口許には高楊枝。ギャレットと同じ和装に身を包んでいるが、肌着に洋物の外套を羽織る彼とは異なり、フリンジ飾りの付いた羽織りと、色の褪せた茶袴を身に付けた侍めいた格好の男。
 その風体通りの二本差し。だが帯に弾帯を縫い付けている事からもわかる通り、それは刀ではない。
 銃把に鮫革を張って柄巻を巻いてはいるものの、帯に差してあるのは、二挺のシングルアクションリボルバー。一挺は砲兵用(アーティラリー)の五・五インチバレル、そしてもう一挺は、十六インチ──尋常ならざる銃身長を持つ、長モノである。
 一見するに、侍の扮装をしたガンマンといったところだろうか。
「──銃兵衛(ジュウベエ)」
 そして三人──オールバックの黒髪、白い詰襟のカソック。右手首にはブレスレットのようにしてロザリオが巻き付き、黒革の手袋の指先に青銅でできた十字架が垂れ下がっている。
 細眼をした実直で人の好さそうな顔付き。だが、真鍮製の片縁眼鏡(モノクル)の奥でうっすらと開いた目蓋から覗く灰色の瞳には、どうにも薄気味の悪い輝きを宿している。
 傍目には、銃や武器の類を持っているようには見えない。だが彼が両手に嵌めた革手袋には、窓から差し込む陽光を照り返して銀色に輝く糸が巻き付いている。
 信心の陰に剣呑な気配を纏う牧師である。
「──ペイル」
 このうち捨てられた農場に、ワイルドバンチ強盗団が出揃ったというわけだ。いや──
「……ジャンクのヤツが見当たらないみたいだけどねぇ。どういうことだい、大将」
 通り名にしおわぬ金髪のエルフ──ブロンディが、蓮っ葉な口調でギャレットに問う。
「ん? ああ、あいつなら使いにやったよ。あいつらのとこにな」
「あいつら?」
「キャロルさんとバリーさんですよ、憶えてませんか?」
 訝しむブロンディに応えたのは、ミハイルである。
「ジャンクさんは、僕らの居所を伝えに行ったんですよ」
「なんと……。あの者ら、命永らえていたとは知らなんだ」
 驚きも露わにそう言ったのは、銃兵衛。彼は袖を通さず懐に納めた左手を和装の襟から突き出して顎を撫でながら「重畳なり」と呟く。
「あの者らともう一度(たび)相見えることができようとは。拙者も久方振りにサマムネとムラサマの揮い甲斐があるというものよな」
 抑えた声に昂揚する闘気を滲ませる銃兵衛とは違い、ブロンディは舌打ちを漏らした。
「するってぇとなにかい? あたしら呼び出したのは、撃ち損ないの始末を付けるためってわけかい」
 剣呑な気配さえ纏うブロンディの視線に、ギャレットは「ああ」と事もなげに頷いた。
「呆れたね、付き合い切れないよ」
 それを見て、さらに舌を打つブロンディに「素晴らしいではないですか」とペイルが告げた。
「主の救済は彼らのような者にこそ差し伸べられるのです。そうですとも、そうであるべきなのです」
 その表情は、なるほど、カソック姿に相応しい慈悲深い微笑だった。
「なんでこう、うちにゃ頭のオカシイのばかりが集まるんだ」
 帽子のプリムを摘まんで目許を覆いながら、深く溜息を零すブロンディ。
「なんだよ、ブロンディ。ああだこうだ抜かして、腰が抜けたのかよ。腰の得物が泣いてるぜ」
 そんな彼女に噛み付いたのは、隻腕になったライトニングだ。少しばかり前に右手首を失った彼は、どうせ銃が扱えないのならば身軽にしようと自ら申し出て、ギャレットが肩からばっさりと斬り落としたのだ。
「黙りな。そのナリじゃ、雀もろくに追い払えやしないだろう。引っ込んでな、案山子野郎」
「っ、お、オレは案山子じゃねえっ!」
 怒髪天。嘲弄と言うにはブロンディの声は冷めていたが、ライトニングに火を点けるには十分だった。電光石火の身捌きで、ライトニングはブロンディの背後を取り、残り一本となった左手でショートバレルリボルバーの銃把を握る。
 しかし銃口を突き付けるその前に、ブロンディが抜き放った切り詰め(メアーズレッグ)のレバーアクションの銃口が、ライトニングの眉間を睨み付けていた。
 ブロンディは、ライトニングの動きを先見し、振り返らずして肩越しに照準を定めた銃で以って、ライトニングの身捌きを縫い付けたのだ。
「だからあんたは脳足りん(スケアクロウ)なんだ。速さばかりじゃ、ガンスリンガーは務まらないのさ」
 納めなと怜悧に告げるブロンディに、ライトニングは、ホルスターの革生地から半インチ離れたばかりの銃を恐る恐る納める。
「おいサンダラー、てめえの弟分の手綱くらいきっちり締めな」
 ブロンディも銃を納めると、サンダラーを睨み付けた。その剣幕に、レインメイカーが口笛を吹く。
「♪──。姐さんにかかりゃ、兄貴もカタナシだゼィ。
 ん、っとぉ?」
 陽気に言ったレインメイカーは、ふと屋外の方へと眼を向けた。その時にはもう、居合わせる全ての人間が同じ方角へ振り向いていた。
「ジェントルメェンに、レディィスも、皆サマお気づきだろうけど。
 お客サンが来なすったみたいだゼィ♪」

解説

・目標
強盗団『ワイルドバンチ』を襲撃

・フィールド
廃農場の敷地。敷地裏に林。ワイルドバンチが屯す母屋を中心に、納屋、牛小屋、塔型サイロ、貯水塔、荒れ果てた畑、家畜用の柵、大木などが配置されている。

・味方
参加PCの他に、低~中レベルのハンターが数名、非覚醒者のガンマンが二、三十人同行しているが、彼らは基本的に撃たれ役である。

・敵
強盗団『ワイルドバンチ』
頭目ギャレット=コルトハートは参戦しない

ミハイル=フェルメール&カトリーナ
スナイパー&スポッター

サンダラー&ライトニング&レインメイカー
高火力&高機動&高密度弾幕
ライトニングは、過去シナリオ『Wild Bunch』に参加したPCが居る場合、優先して標的とする

ブロンディ
疾影士+猟撃士
ショットガンによる、近接戦闘を得意とする。とりわけ、対複数戦においては、予知にすら匹敵する先見によって、敵を攪乱。
散弾と通常弾(スラッグ弾)とを使いわける。散弾は、扇状の範囲攻撃だが、射程が短い。

銃兵衛
舞刀士+猟撃士
『裏外郎(うぃろう)ONE鐵(がん)流』と称する、リボルバーによる、“剣術”を遣う。
特に、右手を握りの支えとした、全身を使った居合の所作から繰り出されるファストドロゥは、十六インチのリボルバーでありながら神速。
なお、射程は拳銃本来の性能を発揮する。

ペイル
舞刀士
死を救済と仰ぐ、鋼糸遣い。周囲一帯に張り巡った糸は、踏み入った全ての命を斬獲する。
死は救済であり、自らもそれを望むが、ただ甘んじて享受するのは不徳と評し、死に抗う行いを祈りと称する。

・備考
参加PCは賞金目当て、あるいは討伐依頼による参加。個々にそれぞれ別の対象を追い、偶然集まった模様。そこでようやく相手の人数を把握した。各NPCの情報はPL情報
今シナリオによる『ワイルドバンチ』討伐は、極めて困難。よって成功失敗の判定は、味方NPCの生存数など、味方陣営の損害率に準拠する

マスターより

 さて、満を持して登壇しました、ワイルドバンチフルメンバー。まあOPでも触れました通り、もう一人残っているんですが、そいつは次の機会に。
 このシナリオは、身も蓋もない言い方をしてしまえば、ほとんど負けイベントのようなモノです。肝となるのは、いかに上手に、つまり被害を最小限にして負けるか。成功判定は、敗走を撤退に留める事ができるかどうかという点に掛かっています。

 ガチの鋼糸遣いは反則じゃろ!? という意見もあるでしょうが、案外舞刀士のスキルを極大解釈すれば、再現できんこともないのですよ?

 ちなみに、柳は英語でwillow。“生外郎”とかすればかなり惜しい感じですが、残念度も跳ね上がるので断念。
リプレイ公開中

リプレイ公開日時 2018/08/10 00:42

参加者一覧

  • SUPERBIA
    フォークス(ka0570
    人間(蒼)|25才|女性|猟撃士
  • クラシカルライダー
    ルトガー・レイヴンルフト(ka1847
    人間(紅)|50才|男性|機導師
  • 赤き大地の放浪者
    エアルドフリス(ka1856
    人間(紅)|30才|男性|魔術師
  • 大工房
    ソフィア =リリィホルム(ka2383
    ドワーフ|14才|女性|機導師
  • 唯一つ、その名を
    Holmes(ka3813
    ドワーフ|8才|女性|霊闘士
  • ベゴニアを君に
    マリィア・バルデス(ka5848
    人間(蒼)|24才|女性|猟撃士
  • ルル大学防諜部門長
    フィロ(ka6966
    オートマトン|24才|女性|格闘士
依頼相談掲示板
アイコン 強盗団即席討伐隊【相談】
エアルドフリス(ka1856
人間(クリムゾンウェスト)|30才|男性|魔術師(マギステル)
最終発言
2018/07/13 06:33:11
アイコン 依頼前の挨拶スレッド
ミリア・クロスフィールド(kz0012
人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人
最終発言
2018/07/09 23:16:44