ゲスト
(ka0000)
回り道に似た休息
マスター:紺堂 カヤ

このシナリオは2日間納期が延長されています。
- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- やや易しい
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在5人 / 3~6人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/07/15 22:00
- リプレイ完成予定
- 2018/07/26 22:00
オープニング
雪原で死んでいた女性……、彼女が持っていた緑色の宝石。
もう半年になろうかという寒い日の出来事を、青年──セブンス・ユング(kz0232)は忘れられずにいた。
あれは、明らかに仕組まれた出来事だった。あの場の出来事を、セブンスに「意図的に」夢に見させたのだと、彼は考えていた。どうやってなのかは見当がつかないが、緑色の宝石が関係していることには間違いがなさそうだ。
(偶然にしては条件がそろいすぎているからな……。『玉虫色の瞳の男』が『緑色の宝石』を配っていると考えるのが自然だ)
セブンスはもう幾度となく巡らせている考えを脳裏に呼び出してうめいた。
この半年、セブンスはあまり夢をみていない。みたとしても、他愛のない、些細な出来事を知らせる夢か、もう飽きるほどみた自分の過去か。
(これまでにみた夢の中で、確認のできていないものもまだあるにはあるが……)
いつも持ち歩いているノートを開く。ここには、夢について文章と絵で詳細に書き記していた。そうしなければ、セブンスはあらゆることをすぐ忘れてしまうのである。それでもまだ夢にみたことについては覚えている方だ。現実に見たり聞いたりしたことの方がよほど忘れることが多い。以前に出会った人のことも覚えられないため、友人はおろか知り合いと呼べる人物も増えない。
そんな中で。
「また難しい顔をしていますね」
声をかけてきたのは、クロスという名の青年である。彼は、セブンスが世話になっている「モンド家」の使用人である。セブンスと歳が近いこともあってか、何かと気にかけてくれるのだ。
「ああ、すみません」
「謝ることではありませんが。……旦那様がお呼びです。書斎でお待ちですから、行って差し上げて下さい」
「わかりました」
セブンスはクロスに会釈すると、モンド氏が待つという書斎へ足を向けた。その背中を、クロスはしばらく心配そうに見送っていた。
「やあ、呼び出してすまないね」
モンド氏は書斎の大きなデスクで、忙しそうに書類を書いたり判を押したりしていた。セブンスが入っていくと手を止めてにこやかに微笑む。
「実はね、またちょっと頼みたいことがあってね」
「はあ」
セブンスは複雑な表情を作って曖昧に頷いた。モンド邸に居候するようになってから、モンド氏はこうしてたびたびセブンスに用事を頼んでくる。それが嫌なのではない。むしろ有難いくらいだ。ただぼんやりと世話になっているのは居心地が悪い。
ただ、そうしたセブンスの気持ちを読んだ上で、モンド氏はわざとセブンスに用事を与えているようで、それもまた心苦しい、というのが正直なところだった。
「また留守番でしょうか」
先日、モンド氏の一人娘・ダイヤの誕生日を祝うため、家族旅行に出かけていた間、留守番をしたことを思い出してセブンスが言うと、モンド氏はいやいや、と笑った。
「留守番じゃなくてね、私が所有している花畑の視察をしてきてくれないかと思ってね」
「花畑、ですか」
「そう。毎年、満開のころには、そこでイベントを催すんだがね、花というのはその年によって咲き加減や満開時期が違うだろう? 定期的に様子を見て、イベントの開催時期を決めているんだよ。そろそろ行こうと思っていたんだが、どうにも最近忙しくてねえ。私の代わりに行ってきてくれないか」
「はあ、それは構いませんが……、俺は花のことはさっぱりわかりませんよ」
セブンスは眉を下げる。モンド氏はにこにこと首を横に振った。
「大丈夫、専門的な知識は何もいらないよ。君は、絵がとても上手だろう? 花畑の様子を、絵に描いてきて見せてくれたらそれでいいよ。大丈夫、もちろん、ひとりで行けなんて言わないからね」
モンド氏は悪戯っぽく、ウインクした。
その話を聞いて羨ましがったのは、そのモンド氏の一人娘・ダイヤ嬢である。
「えええええー!? 私もお花畑に行きたいー!!!」
「お嬢様はその日、奥様のお買い物をお手伝いする約束がおありじゃないですか」
クロスが呆れ顔で窘めると、ダイヤはその可愛らしい頬を膨らませるのであった。
もう半年になろうかという寒い日の出来事を、青年──セブンス・ユング(kz0232)は忘れられずにいた。
あれは、明らかに仕組まれた出来事だった。あの場の出来事を、セブンスに「意図的に」夢に見させたのだと、彼は考えていた。どうやってなのかは見当がつかないが、緑色の宝石が関係していることには間違いがなさそうだ。
(偶然にしては条件がそろいすぎているからな……。『玉虫色の瞳の男』が『緑色の宝石』を配っていると考えるのが自然だ)
セブンスはもう幾度となく巡らせている考えを脳裏に呼び出してうめいた。
この半年、セブンスはあまり夢をみていない。みたとしても、他愛のない、些細な出来事を知らせる夢か、もう飽きるほどみた自分の過去か。
(これまでにみた夢の中で、確認のできていないものもまだあるにはあるが……)
いつも持ち歩いているノートを開く。ここには、夢について文章と絵で詳細に書き記していた。そうしなければ、セブンスはあらゆることをすぐ忘れてしまうのである。それでもまだ夢にみたことについては覚えている方だ。現実に見たり聞いたりしたことの方がよほど忘れることが多い。以前に出会った人のことも覚えられないため、友人はおろか知り合いと呼べる人物も増えない。
そんな中で。
「また難しい顔をしていますね」
声をかけてきたのは、クロスという名の青年である。彼は、セブンスが世話になっている「モンド家」の使用人である。セブンスと歳が近いこともあってか、何かと気にかけてくれるのだ。
「ああ、すみません」
「謝ることではありませんが。……旦那様がお呼びです。書斎でお待ちですから、行って差し上げて下さい」
「わかりました」
セブンスはクロスに会釈すると、モンド氏が待つという書斎へ足を向けた。その背中を、クロスはしばらく心配そうに見送っていた。
「やあ、呼び出してすまないね」
モンド氏は書斎の大きなデスクで、忙しそうに書類を書いたり判を押したりしていた。セブンスが入っていくと手を止めてにこやかに微笑む。
「実はね、またちょっと頼みたいことがあってね」
「はあ」
セブンスは複雑な表情を作って曖昧に頷いた。モンド邸に居候するようになってから、モンド氏はこうしてたびたびセブンスに用事を頼んでくる。それが嫌なのではない。むしろ有難いくらいだ。ただぼんやりと世話になっているのは居心地が悪い。
ただ、そうしたセブンスの気持ちを読んだ上で、モンド氏はわざとセブンスに用事を与えているようで、それもまた心苦しい、というのが正直なところだった。
「また留守番でしょうか」
先日、モンド氏の一人娘・ダイヤの誕生日を祝うため、家族旅行に出かけていた間、留守番をしたことを思い出してセブンスが言うと、モンド氏はいやいや、と笑った。
「留守番じゃなくてね、私が所有している花畑の視察をしてきてくれないかと思ってね」
「花畑、ですか」
「そう。毎年、満開のころには、そこでイベントを催すんだがね、花というのはその年によって咲き加減や満開時期が違うだろう? 定期的に様子を見て、イベントの開催時期を決めているんだよ。そろそろ行こうと思っていたんだが、どうにも最近忙しくてねえ。私の代わりに行ってきてくれないか」
「はあ、それは構いませんが……、俺は花のことはさっぱりわかりませんよ」
セブンスは眉を下げる。モンド氏はにこにこと首を横に振った。
「大丈夫、専門的な知識は何もいらないよ。君は、絵がとても上手だろう? 花畑の様子を、絵に描いてきて見せてくれたらそれでいいよ。大丈夫、もちろん、ひとりで行けなんて言わないからね」
モンド氏は悪戯っぽく、ウインクした。
その話を聞いて羨ましがったのは、そのモンド氏の一人娘・ダイヤ嬢である。
「えええええー!? 私もお花畑に行きたいー!!!」
「お嬢様はその日、奥様のお買い物をお手伝いする約束がおありじゃないですか」
クロスが呆れ顔で窘めると、ダイヤはその可愛らしい頬を膨らませるのであった。
解説
■成功条件
セブンスの護衛という建前で、ピクニックを楽しむ
■花畑
モンド氏が所有する土地。
ラベンダー畑エリアとコスモス畑エリアに分かれている。
ラベンダー畑は花の盛りが過ぎ、コスモス畑は盛り前(早咲きの種類は満開の状態)
両エリアは隣り合わせで、境界に大きな樹がある。
■ピクニック
「花畑の視察」という名目が、一応、ある。
皆さんはこの「花畑の視察に行くセブンスの護衛」という依頼内容を受けているハンターである。(ただし、一緒に楽しんできていいよ、という許可も得ている)
モンド氏が用意させた弁当(サンドイッチ)が人数分用意されている。飲食物の持ち込みは自由だが、アルコールは不可。
集合場所はモンド邸。花畑までは徒歩三十分ほど。
■夢追い人セブンス・ユング
必ず事実だけを夢にみる特殊な能力を持った青年。昨年末あたりからモンド家に居候している。
夢以外のことはすぐ忘れてしまうため、以前に出会った人のことも覚えていないことが多い。
何か事情があるらしく「セブンス」の名前で呼ばれることを嫌う。
OP中の「雪原で死んでいた女性」の件は『純白に似た絶望』に詳しい。(ただし、必読ではない。一切知らなくても今回の依頼に影響なし)
セブンスの護衛という建前で、ピクニックを楽しむ
■花畑
モンド氏が所有する土地。
ラベンダー畑エリアとコスモス畑エリアに分かれている。
ラベンダー畑は花の盛りが過ぎ、コスモス畑は盛り前(早咲きの種類は満開の状態)
両エリアは隣り合わせで、境界に大きな樹がある。
■ピクニック
「花畑の視察」という名目が、一応、ある。
皆さんはこの「花畑の視察に行くセブンスの護衛」という依頼内容を受けているハンターである。(ただし、一緒に楽しんできていいよ、という許可も得ている)
モンド氏が用意させた弁当(サンドイッチ)が人数分用意されている。飲食物の持ち込みは自由だが、アルコールは不可。
集合場所はモンド邸。花畑までは徒歩三十分ほど。
■夢追い人セブンス・ユング
必ず事実だけを夢にみる特殊な能力を持った青年。昨年末あたりからモンド家に居候している。
夢以外のことはすぐ忘れてしまうため、以前に出会った人のことも覚えていないことが多い。
何か事情があるらしく「セブンス」の名前で呼ばれることを嫌う。
OP中の「雪原で死んでいた女性」の件は『純白に似た絶望』に詳しい。(ただし、必読ではない。一切知らなくても今回の依頼に影響なし)
マスターより
ご無沙汰しております、紺堂カヤでございます。ごきげんいかがでございましょうか。
これまた大変ご無沙汰の、夢追い人シリーズです。が、これまでのお話をまったく知らなくてもまったく問題なくご参加いただける内容となっております。
悩み多き青年とともに、羽を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
ダイヤお嬢様……、まさかこっそり乱入しちゃったり、しませんよねえ……?
これまた大変ご無沙汰の、夢追い人シリーズです。が、これまでのお話をまったく知らなくてもまったく問題なくご参加いただける内容となっております。
悩み多き青年とともに、羽を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
ダイヤお嬢様……、まさかこっそり乱入しちゃったり、しませんよねえ……?
関連NPC
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/07/22 18:07
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
---|---|---|---|
![]() |
依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/07/15 18:12:54 |
|
![]() |
花畑を胸に収めて ユメリア(ka7010) エルフ|20才|女性|聖導士(クルセイダー) |
最終発言 2018/07/15 21:16:55 |