ゲスト
(ka0000)
死に至る病
マスター:きりん

- シナリオ形態
- ショート
- 難易度
- 普通
- 参加費
1,000
- 参加人数
- 現在8人 / 4~8人
- マテリアルリンク
- ○
- 報酬
- 普通
- 相談期間
- 5日
- プレイング締切
- 2018/07/20 09:00
- リプレイ完成予定
- 2018/07/29 09:00
オープニング
●一の病
初期症状はほとんど無い。
身体に不調はなく、いたって健康そのものな患者が多い。
しかし、この病に罹患した者は、皆口を揃えてこういう。
「知らない女が遠くからずっと自分を見つめている」
「近付こうとすると同じ距離だけ離れていく」
「そのくせ日が経つごとに少しずつ近付いてくる」
「薄ら寒い笑顔を浮かべている」
「白装束を着た、汚れた裸足でボサボサな長髪の、青白い肌をした不健康そうな女」
「そいつは近付いてきて、最後に顔を覗きこんでくる」
そしてそうなった時、初めて自覚症状が現れるのだという。
●二の病
ある医者は困惑していた。
体調不良を訴える患者たちを診察しても、原因が分からない。
対処療法的に薬を処方しても、具合が全く改善しない。
主な症状は咳や発熱、悪寒、頭痛といった、風邪によく似た症状に過ぎないが、日に日にそれらが悪化していって、最後には昏倒してしまうのだ。
昏倒する前、患者たちは医者に口々にこういっていた。
「女が側から離れない」
「どこにいても追ってくる」
「まいたと思っても気付いたら近くにいる」
「身体を触れられ、その度に気分が悪くなる」
「ケタケタ笑っている声が耳にこびり付いて離れない」
「そこにいるのに、誰も信じてくれない」
必死な訴えにも、医者は混乱するしかない。
そんな女の姿など医者には見えないし、気配も感じられない。当然、声など聞こえるわけもない。
彼らの訴えは日に日に体調が悪くなっていくに比例して必死さを増し、ある時を境にぷっつり来なくなる。
心配になって医者が尋ねてみれば、全員が昏倒して意識不明になっている。
医者は頭を抱えるしかなかった。
●三の病
昏倒した患者を診て医者はようやく彼らの訴えが真実だと知った。
床に伏す患者の上に、みすぼらしい女が馬乗りになっている姿が見えるのだ。
女の姿は半透明で、汚れた素足に白装束、ぼさぼさの長髪、不健康そうな青白い肌をしていた。
患者たちが訴えていた姿通りだった。
医者が触ろうとしてもすり抜けてしまう。
だが、確かな質量があるかのように女が馬乗りになっている部分の布団が僅かに凹んでいる。
不気味な笑い声を上げながら、女は時折患者に頬擦りし、何事か囁き、その首筋に顔を埋める。
一体何をしているのか、何がしたいのか、医者には全く分からなかった。
そもそも、目の前の女が実際に存在しているのかどうかさえ。
どうしても、自分の妄想、幻覚の類ではないのかという疑念が拭えない。
回診のために患者を見舞えば、必ず女もそこにいる。
どの患者でも、先回りしているかのように絶対に。
しかし、いつまでも変わらぬ現実などない。
終わりは、唐突に訪れた。
●死の病
患者が死んだ。
それも、全員が一度に、同じ時刻で。
連絡を受けて一人一人その死を確認した医者は、女の姿が見えないことに少しホッとしていた。
自分が診ていた患者の死については忸怩たる思いであることに間違いはないが、それよりもおかしな現象からこれで開放されるのだと思って安心していた。
しかし、全ての患者の死を確認し終えて診療所に戻る帰り道、医者は見てしまった。
汚れた素足で、白装束を着た女が、俯いて立っている。
ぼさぼさの長髪に、青白い肌の不健康そうな女が。
患者たちが昏倒する前にその存在を訴え、昏倒した後は患者たちに馬乗りになっていた、あの女が。
思わず医者が後退ると、その女はそれだけ間合いを詰めた。
女の足は、動いていない。
他人に尋ねても、そんなものは見えないと皆口を揃える。
医者は悟った。悟らざるを得なかった。
次は、自分の番なのだと。
●ハンターズ・ソサエティ
謎の奇病の噂で、ハンターズソサエティは持ちきりだった。
依頼を手に、受付嬢ジェーン・ドゥがやってくる。
ジェーンは深刻そうな表情を崩さず、ハンターたちに説明を始める。
「現在、街で亡霊型歪虚を見かけたという報告が相次いでいます。特徴は若い女、汚れた素足に白装束を着た不気味な姿で、青白く不健康そうな顔をしているそうです。最近流行りの奇病にかかった患者たちが遺した証言と一致することから、同一存在だと思われます。亡霊型歪虚としては異常に弱く、駆け出しのハンターでも倒せる程度の強さしかないようですが、『同じ場所』で『同時に』倒さない限り倒されてもその場で復活することが確認されています。また、近くに取り付く対象がいないと消滅するようです。不幸中の幸いと言っていいべきかは分かりませんが、一度患者が大量に死んだために亡霊型歪虚の個体数も減っています。現在残っている患者は四名のみで、この亡霊型歪虚を倒す絶好の機会でもあります。取り付かれている一人である医者が協力を表明しておりますので、診察所に病人たちを集め、更なる死者が出る前に討伐してください。皆様のご無事をお祈りしております」
最後にジェーンは深く頭を下げた。
初期症状はほとんど無い。
身体に不調はなく、いたって健康そのものな患者が多い。
しかし、この病に罹患した者は、皆口を揃えてこういう。
「知らない女が遠くからずっと自分を見つめている」
「近付こうとすると同じ距離だけ離れていく」
「そのくせ日が経つごとに少しずつ近付いてくる」
「薄ら寒い笑顔を浮かべている」
「白装束を着た、汚れた裸足でボサボサな長髪の、青白い肌をした不健康そうな女」
「そいつは近付いてきて、最後に顔を覗きこんでくる」
そしてそうなった時、初めて自覚症状が現れるのだという。
●二の病
ある医者は困惑していた。
体調不良を訴える患者たちを診察しても、原因が分からない。
対処療法的に薬を処方しても、具合が全く改善しない。
主な症状は咳や発熱、悪寒、頭痛といった、風邪によく似た症状に過ぎないが、日に日にそれらが悪化していって、最後には昏倒してしまうのだ。
昏倒する前、患者たちは医者に口々にこういっていた。
「女が側から離れない」
「どこにいても追ってくる」
「まいたと思っても気付いたら近くにいる」
「身体を触れられ、その度に気分が悪くなる」
「ケタケタ笑っている声が耳にこびり付いて離れない」
「そこにいるのに、誰も信じてくれない」
必死な訴えにも、医者は混乱するしかない。
そんな女の姿など医者には見えないし、気配も感じられない。当然、声など聞こえるわけもない。
彼らの訴えは日に日に体調が悪くなっていくに比例して必死さを増し、ある時を境にぷっつり来なくなる。
心配になって医者が尋ねてみれば、全員が昏倒して意識不明になっている。
医者は頭を抱えるしかなかった。
●三の病
昏倒した患者を診て医者はようやく彼らの訴えが真実だと知った。
床に伏す患者の上に、みすぼらしい女が馬乗りになっている姿が見えるのだ。
女の姿は半透明で、汚れた素足に白装束、ぼさぼさの長髪、不健康そうな青白い肌をしていた。
患者たちが訴えていた姿通りだった。
医者が触ろうとしてもすり抜けてしまう。
だが、確かな質量があるかのように女が馬乗りになっている部分の布団が僅かに凹んでいる。
不気味な笑い声を上げながら、女は時折患者に頬擦りし、何事か囁き、その首筋に顔を埋める。
一体何をしているのか、何がしたいのか、医者には全く分からなかった。
そもそも、目の前の女が実際に存在しているのかどうかさえ。
どうしても、自分の妄想、幻覚の類ではないのかという疑念が拭えない。
回診のために患者を見舞えば、必ず女もそこにいる。
どの患者でも、先回りしているかのように絶対に。
しかし、いつまでも変わらぬ現実などない。
終わりは、唐突に訪れた。
●死の病
患者が死んだ。
それも、全員が一度に、同じ時刻で。
連絡を受けて一人一人その死を確認した医者は、女の姿が見えないことに少しホッとしていた。
自分が診ていた患者の死については忸怩たる思いであることに間違いはないが、それよりもおかしな現象からこれで開放されるのだと思って安心していた。
しかし、全ての患者の死を確認し終えて診療所に戻る帰り道、医者は見てしまった。
汚れた素足で、白装束を着た女が、俯いて立っている。
ぼさぼさの長髪に、青白い肌の不健康そうな女が。
患者たちが昏倒する前にその存在を訴え、昏倒した後は患者たちに馬乗りになっていた、あの女が。
思わず医者が後退ると、その女はそれだけ間合いを詰めた。
女の足は、動いていない。
他人に尋ねても、そんなものは見えないと皆口を揃える。
医者は悟った。悟らざるを得なかった。
次は、自分の番なのだと。
●ハンターズ・ソサエティ
謎の奇病の噂で、ハンターズソサエティは持ちきりだった。
依頼を手に、受付嬢ジェーン・ドゥがやってくる。
ジェーンは深刻そうな表情を崩さず、ハンターたちに説明を始める。
「現在、街で亡霊型歪虚を見かけたという報告が相次いでいます。特徴は若い女、汚れた素足に白装束を着た不気味な姿で、青白く不健康そうな顔をしているそうです。最近流行りの奇病にかかった患者たちが遺した証言と一致することから、同一存在だと思われます。亡霊型歪虚としては異常に弱く、駆け出しのハンターでも倒せる程度の強さしかないようですが、『同じ場所』で『同時に』倒さない限り倒されてもその場で復活することが確認されています。また、近くに取り付く対象がいないと消滅するようです。不幸中の幸いと言っていいべきかは分かりませんが、一度患者が大量に死んだために亡霊型歪虚の個体数も減っています。現在残っている患者は四名のみで、この亡霊型歪虚を倒す絶好の機会でもあります。取り付かれている一人である医者が協力を表明しておりますので、診察所に病人たちを集め、更なる死者が出る前に討伐してください。皆様のご無事をお祈りしております」
最後にジェーンは深く頭を下げた。
解説
●概要
戦闘シナリオです。
街中に複数出没している亡霊型歪虚を全て討伐してください。
亡霊型歪虚は時間が経つごとに段階を踏んで効果を発揮するBS『死に至る病』を与えてきます。
一部のBS解除方法が有効です。
敵は患者の一定距離から絶対に離れませんが、一の病、二の病では特殊能力で姿を隠しています。患者以外には姿が見えません。この段階の敵を肉眼で確認するためには、特殊能力による隠蔽をはがす必要があります。
集中が必要なため、攻撃を当てれば隠蔽状態を維持できなくなるでしょう。ただし患者に位置を教えてもらう、敵のみを対象にできる範囲攻撃で巻き込むなど、当て方には工夫をする必要があります。診療所は狭いので患者への誤爆に注意してください。
死の病になると患者が死亡してしまいます。死亡後は新たな対象目標に取り付き患者としますが、近くに人がいなければ消滅します。
歪虚の核となるものは存在しますが、それがこのシナリオ中に発見されることはありませんので、気にしなくて大丈夫です。
●達成条件
・敵の全滅
●患者の居場所と進行状態
○医者……診療所にいます。一の病。
○妊婦……診療所に向かう途中のようです。二の病。
○老人……自宅で意識不明。三の病。
○少女……学校で授業を受けている。一の病。
●敵
○死病をもたらす女霊……四体
二メートル未満。実体を持ち物理攻撃が通じる代わりに、様々な特殊能力を保持しています。姿を隠し、BSが解除されるか患者が死亡すると単体対象にBS『死に至る病』を振り撒きます。それ以外の行動は行いません。消滅させるには『同じ場所に集める』『同ラウンド中に倒す』という二つの条件を満たす必要があります。
・BS『死に至る病』……ラウンド経過で一の病(なし)→二の病(行動阻害)→三の病(行動不能)→死の病(即死)と効果が凶悪化していきます。ただしPCは即死せず必ず生命力一で持ち応えます。
戦闘シナリオです。
街中に複数出没している亡霊型歪虚を全て討伐してください。
亡霊型歪虚は時間が経つごとに段階を踏んで効果を発揮するBS『死に至る病』を与えてきます。
一部のBS解除方法が有効です。
敵は患者の一定距離から絶対に離れませんが、一の病、二の病では特殊能力で姿を隠しています。患者以外には姿が見えません。この段階の敵を肉眼で確認するためには、特殊能力による隠蔽をはがす必要があります。
集中が必要なため、攻撃を当てれば隠蔽状態を維持できなくなるでしょう。ただし患者に位置を教えてもらう、敵のみを対象にできる範囲攻撃で巻き込むなど、当て方には工夫をする必要があります。診療所は狭いので患者への誤爆に注意してください。
死の病になると患者が死亡してしまいます。死亡後は新たな対象目標に取り付き患者としますが、近くに人がいなければ消滅します。
歪虚の核となるものは存在しますが、それがこのシナリオ中に発見されることはありませんので、気にしなくて大丈夫です。
●達成条件
・敵の全滅
●患者の居場所と進行状態
○医者……診療所にいます。一の病。
○妊婦……診療所に向かう途中のようです。二の病。
○老人……自宅で意識不明。三の病。
○少女……学校で授業を受けている。一の病。
●敵
○死病をもたらす女霊……四体
二メートル未満。実体を持ち物理攻撃が通じる代わりに、様々な特殊能力を保持しています。姿を隠し、BSが解除されるか患者が死亡すると単体対象にBS『死に至る病』を振り撒きます。それ以外の行動は行いません。消滅させるには『同じ場所に集める』『同ラウンド中に倒す』という二つの条件を満たす必要があります。
・BS『死に至る病』……ラウンド経過で一の病(なし)→二の病(行動阻害)→三の病(行動不能)→死の病(即死)と効果が凶悪化していきます。ただしPCは即死せず必ず生命力一で持ち応えます。
マスターより
皆さん初めまして、こんにちは。
マスターのきりんです。
今回のシナリオでは患者を死なせずに亡霊型歪虚を退治することが求められます。
三の病から死の病までの進行は、シビアなタイミングを要求されますが急げば間に合います。
自信がない場合は先に解除して時間を稼ぐのも手でしょう。
診療所までのおおまかな距離は、妊婦がいる道、老人の自宅、少女がいる学校の順に近いです。
診療所、妊婦のいる道、老人の自宅、少女の学校までの距離はそれぞれ等距離だと考えてください。
つまり、少女の学校から診療所まで行く場合、移動力が同じなら妊婦のいる道からスタートするのに比べて三倍時間が必要です。
それでは楽しんでくださいね。
マスターのきりんです。
今回のシナリオでは患者を死なせずに亡霊型歪虚を退治することが求められます。
三の病から死の病までの進行は、シビアなタイミングを要求されますが急げば間に合います。
自信がない場合は先に解除して時間を稼ぐのも手でしょう。
診療所までのおおまかな距離は、妊婦がいる道、老人の自宅、少女がいる学校の順に近いです。
診療所、妊婦のいる道、老人の自宅、少女の学校までの距離はそれぞれ等距離だと考えてください。
つまり、少女の学校から診療所まで行く場合、移動力が同じなら妊婦のいる道からスタートするのに比べて三倍時間が必要です。
それでは楽しんでくださいね。
リプレイ公開中
リプレイ公開日時 2018/07/23 14:39
参加者一覧
依頼相談掲示板 | |||
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術式開始! 龍宮 アキノ(ka6831) 人間(リアルブルー)|26才|女性|機導師(アルケミスト) |
最終発言 2018/07/20 08:22:42 |
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依頼前の挨拶スレッド ミリア・クロスフィールド(kz0012) 人間(クリムゾンウェスト)|18才|女性|一般人 |
最終発言 2018/07/19 18:49:15 |